太陽光発電を導入する際は、設置前の導入計画から運転開始まで、どのような流れを踏んで行ったらよいか疑問に思っている方も多いでしょう。
そこで、本記事では、太陽光発電システムを設置するまでの流れについて、太陽光発電は設置後いつから使えるのか?設置するためには許可が必要か?工事や各種申請の流れについて解説していきます。
太陽光発電システムの導入計画から運転開始までの流れ
太陽光発電システムを利用する際は、導入から運転開始まで、以下の流れにそって進めていきましょう。
- 太陽光発電システムについて概要を知る
- 設置する場所の条件を確認する
- 電気消費量について確認する
- 発電量のシュミレーションを行う
- 予算について検討する
- 補助金制度について調べる
- 現地調査を依頼する
- 設置業者に見積もり依頼する
- 設置業者と契約する
- 電力会社との受給契約する
- 経済産業省へ事業計画認定の申請する
- 太陽光発電システムの設置工事を始める
- 太陽光発電システムを利用開始する
太陽光発電システムについて情報を知る
太陽光発電システムを導入する前に、まずは太陽光発電についての一般知識を知ることから始めましょう。
太陽光発電で後悔しないためにも、できるだけ理解を深めておくことが大切です。
また、設置業者に相談するにも、ある程度情報収集しておいた方が、話が理解しやすくなり、悪徳業者にだまされないために正しい知識を持っていれば安心です。
設置する場所の条件を確認する
太陽光発電システムは、設置する場所によって発電効率が変わってきます。
太陽光パネルを設置する屋根の形状や面積、方角や傾斜などについて最適な条件が確保できるのか?チェックしましょう。
屋根の状態については、設置業者に依頼して導入効果が得られるか?点検してもらうと良いでしょう。屋根の老朽化など問題がある場合にはリフォームをしてから設置した方が良い場合もあります。
電気使用量について確認する
電気使用量はどのくらいあるのか?導入前に確認しておきましょう。
太陽光発電システムを導入することで買電量を減らすためにも、売電収入のために余剰電力を増やすにも、現在の電気使用量について把握しておくことが大切です。
なお、電気代を抑える方法としては、夜間プランの安い会社に切り替えると電気使用量を抑えることに繋がります。
電力会社の電力プランは、夜間に安くなる設定になっており、最近では、大手電力会社になかった自由な電気料金プランを設定している新電力会社が多数あります。
発電量のシュミレーションを行う
太陽光発電システムを導入する前に、発電量がどれくらい期待できるのかシュミレーションをしておきましょう。
発電量のシュミレーションは、太陽光発電メーカーのホームページから診断したり、または設置業者に相談して行うこともできます。
発電量のシュミレーションに必要な項目は、設置する地域、太陽光パネルの設置方角、太陽光パネルの種類などの情報です。
これらの項目以外に、発電量を左右するポイントとして、
天候や季節、日照時間、ご自宅周辺の障害物などについても確認しましょう。
予算について検討する
太陽光発電を導入する際に、いくらかかるのか?確認しておきましょう。
太陽光発電システムの費用相場は、1kWあたり平均28.0万円くらいで、住宅用の場合で一般的に多い3~5kWとして計算すると相場は84万〜140万円くらいです。
これらの設置費用は、屋根の設置面積、足場設置の有無、新築または後付け設置、設置方法
購入する製品価格などによって異なります。
また、太陽光発電に蓄電池もセットで考えたい場合は、蓄電池の費用についても確認しておきましょう。蓄電池の容量4~7kWhで90~160万円程度、工事費の目安としては20万円〜35万円程度と考えておくと良いでしょう。
さらに、設置費用以外に、導入後のメンテナンス費用についても確認しておきましょう。
メンテナンス費用の相場は1回あたり1万円〜3万円くらいで、点検のタイミングは4年に1回程度が推奨されています。加えて、将来的に廃棄したい場合にかかる費用についても確認しておくと良いでしょう。
太陽光発電にかかる予算については、電気代の節約や売電収入など経済的メリットも考慮して初期費用が回収できるように計画を立てるようにしましょう。
補助金制度について調べる
太陽光発電システムの初期費用を抑える方法として補助金制度の利用があります。
補助金制度を利用する際は、設置する居住地や設置機器の種類など公募の条件を確認して申請するようになります。
※補助金制度を利用する際は、以下の流れを確認して手続きを行いましょう。
2 太陽光発電の導入で、自宅の現場調査後、工事日程が決まったら申請を行います。
3 補助金制度の申請が受理されると、申請者あてに通知が届きます。
4 申請の受理を確認できたら、太陽光発電設備の工事をスタートします。
5 工事終了後は、工事完了報告書を提出し受理されると補助金確定通知が届きます。
6 補助金が申請者の口座に振り込まれます。
なお、申請受付から受理されるまでに、およそ2〜3週間くらい、工事完了してから補助金の振込みまで、およそ1〜2か月くらいかかります。
現地調査を依頼する
専門の設置業者に現場調査を依頼しましょう。現地調査の目的は、発電量のシミュレーションの結果と専門の業者の現場判断が一致するかどうか?本当に導入効果があるのか?など、より具体的な調査をするためです。
太陽光発電システムは、設置する住宅の立地条件や屋根の傾斜や方角などによって、導入効果が全く異なりますので、専門家目線の現場調査が重要となります。
もし、不適切なアドバイスや点検を行う業者だった場合は、依頼するのは控えた方が良いでしょう。また、現場調査がなく見積もりが提示された業者も要注意です。
設置業者に見積もり依頼する
太陽光発電システムを設置業者に依頼する際は、複数社より見積もりを取って比較検討しましょう。見積もりの確認ポイントは、まずはじめに費用総額を見て検討します。
例えば、設備費用は安くても工事費用が割高だったりする場合もあります。また、総額が安くても手抜き工事で安全管理が行き届かなかったりする場合もありますのでしっかり確認するようにしましょう。
設置業者と契約する
※設置業者と契約する際は以下のポイントに気を付けて相談・交渉しましょう。
- 一般的な情報に加えて、利用者の自宅に対してのメリット・デメリットを確認する
- 太陽光発電の発電効果について確認する
- 補助金制度について説明と、利用する際のサポートがあるか確認する
- FIT・固定価格買取制度の利用について確認する
- 製品の保証内容について確認する(無償/有償)
- 災害による補償や対策について確認する
- 導入後のメンテナンスについてサポートがあるか確認する
- 設置業者の施工IDや実績などを確認する
- クーリング・オフ制度について確認する
電力会社との受給契約する
電力会社と「電力受給契約」を行います。余剰電力を買い取ってもらったり、不足の電力を供給してもらうことができます。
経済産業省に申請する前には、事前に電力会社と契約を済ませておくことが必要です。
申請期間は電力会社や申請数によって違いはありますが、およそ2週間〜数か月程度ほどかかります。
電力会社との契約が済んでいない場合は、「事業計画認定申請」が受理されないため、順序よく手続きを踏んでいきましょう。申請が受理されると、電力会社は申請者から買電するためのシステムを整備します。
系統連系申請はオンライン申請または郵送で手続きができます。
経済産業省へ事業計画認定の申請する
固定価格買取制度を利用する場合は「事業計画認定申請」を行います。経済産業省が利用する設備について認定するための手続きです。
売電の手続きは、家庭用であっても「事業」として申請が必要です。「事業計画認定申請」は申請から認定まで、およそ1〜3ヶ月程度かかります。申請方法は、経済産業省のホームページよりオンライン申請ができます。
※事業計画認定の申請の流れは以下の通りです。
- 事業計画認定申請書の入力する
- 必要書類を準備し申請書に添付する
- 申請内容の確認メールが送られてくる
- 申請IDを検索して内容を確認する
- 内容が正しければ承諾コードを入力して完了となる
太陽光発電システムの設置工事を始める
太陽光発電システムの設置工事を行います。太陽光発電システムの工事は、大きく分けて仮説工事、設置工事、電気工事を行います。
太陽光発電システムの工事を依頼する際は、設置工事と電気工事を両方できる業者の方が一括して見積もりができて施工期間も短く対応してもらうことができるのでおすすめです。また、工事業者のサポート体制や保証制度が充実しているか?確認しておくと良いでしょう。
※太陽光発電の設置工事の主な流れは以下の通りです。
- 発電量のシミュレーションする
- 現地調査を行う
- 見積もり依頼をする
- 設置業者を比較して決める
- 見積もり確認して契約する
- 太陽光発電の設置工事を行う
- 施工検査と引き渡しを行う
太陽光発電システムを利用開始する
設置工事や、電力会社との手続きを終えたら、設置業者による確認作業が行われます。
設備機器がすべて正常に作動していることが確認できたら、運転開始することができます。
太陽光発電のメンテナンスについて
太陽光発電システムを最適に利用し続けるには、導入後のメンテナンスが必要となります。
メンテナンスを行うことで、発電効率の低下を防止し設備機器を長期的に利用できるようになり、利用者や近隣住民の安全性を確保することに繋がっていきます。
具体的には、メンテナンスを定期的に行うことによって、以下の内容を達成することが可能となります。
- 維持管理費を抑えることができる
- 自然災害に備えることができる
- 太陽光パネルの経年劣化に対応することができる
- 売電収入の損失を防ぐ
- 初期費用回収に繋がる
- 太陽光発電を有効利用できる
メンテナンスが必要な設備機器については、「太陽光パネル・パワーコンディショナー・接続箱、集電箱・配線ケーブル・ブレーカー・電力量計・架台」を対象に点検・清掃等を行います。
定期メンテナンスのタイミングについては、発電効率を高めるためにも4年に1回行うことが推奨されています。
メンテナンスの費用相場については、住宅用太陽光発電の容量を5KWとした場合、1回当たりの定期点検の費用相場は、約 2.9万円程度となっています。
パワーコンディショナーの点検は、例えば20年間で一度に交換した場合に約22.4 万円程度となります。
メンテナンス費用の内訳は、定期点検・メンテナンス費用、故障・修理代、清掃費用、廃棄・撤去費用、保険料などになります。
なお、太陽光発電のメンテナンスを正しく行うためには、業者選びも重要となります。
太陽光発電のメンテナンスは、専門知識や経験が必要となる作業が含まれるため、資格のある専門技術者、専門的な技術者のいる販売店や施工業者等に依頼することをおすすめします。
まとめ
太陽光発電を設置する際は、導入計画から運転開始までの流れについて、導入前にしっかり確認して進めていきましょう。