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日射量で発電量が変わる?季節や天候による太陽光発電への影響

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太陽光発電の導入準備として、発電量に影響する日射量、日照時間について把握し、発電量のシュミレーションをしておくことが重要となります。

発電量は、太陽光発電を設置する地域、季節や天候によって左右されますので、居住地の地域性をしっかり押さえて発電効果に繋げていきましょう。

本記事では、太陽光発電に適した日射量、日射量による発電量への影響、発電量に関わる地域や季節の変化 等について解説していきます。

太陽光発電と日射量の関係

太陽光発電を導入する前には、発電量についてシミュレーションが必要です。

太陽光発電の発電量は日射量によってが変わりますので、設置場所の日射量を調べて計算を行いましょう。

発電量に関わる日射量日照時間については、太陽光発電で売電するためにも、自家消費して電気を賄うにも重要なデータとなります。

なお、太陽光発電の発電量は、地域や時間帯、季節によって日照時間も変わってきますので年間の日射量の変化も含めて発電効果について把握しておきましょう。

※押さえたいポイント!
  • 日照時間が長くなる(日射量が多くなる)と発電量が増える
  • 日照時間の短い冬、曇りや雨の日は発電量が落ちる傾向
  • 日照時間の長い夏、晴れの日は発電量が多くなる傾向
    (日照時間とは:1日のうちで直達日射量が120W/m2以上である時間を示す。)

平均日射量について

平均的な全国の日射量については、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)による「日射量データベース閲覧システム」を利用すると良いでしょう。
年間時間別の日射量データと年間月別の日射量データについて調べることができます。

以下の表は、環境省によるNEDOの日射量 データを使用してまとめた都道府県庁所在地の「年平均日射量」と「年間予想発電量」についての算出結果です。

日射量の算定条件については、方角は南向きで、角度10°でのデータとなります。
甲府、静岡、高知、宮崎、熊本、鹿児島、那覇は、日射量が多いので発電量も多くなっています。

地点 年平均日射量
kWh/㎡
システム容量1kwあたりの
年間予想発電量kWh/年/kW 
地点 年平均日射量
kWh/㎡
システム容量1kwあたりの
年間予想発電量kWh/年/kW 
札幌 3.58 1,150 大津 3.59 1,153
青森 3.44 1,105 京都 3.61 1,160
盛岡 3.54 1,137 大阪 3.76 1,208
仙台 3.61 1,160 神戸 3.88 1,246
秋田 3.41 1,095 奈良 3.71 1,192
山形 3.56 1,143 和歌山 4 1,285
福島 3.58 1,150 鳥取 3.51 1,127
水戸 3.71 1,192 松江 3.5 1,124
宇都宮 3.7 1,188 岡山 3.92 1,259
前橋 3.86 1,240 広島 3.99 1,282
さいたま 3.73 1,198 山口 3.79 1,217
千葉 3.7 1,188 徳島 4 1285
東京 3.53 1,134 高松 3.97 1,275
横浜 3.76 1,208 松山 4.03 1,294
新潟 3.48 1,118 高知 4.17 1,339
富山 3.48 1,118 福岡 3.84 1,233
金沢 3.48 1,118 佐賀 3.84 1,233
福井 3.55 1,140 長崎 3.9 1,253
甲府 4.17 1,339 熊本 3.97 1,275
長野 3.8 1,221 大分 3.8 1,221
岐阜 4 1,285 宮崎 4.17 1,339
静岡 4.05 1,301 鹿児島 4.07 1,307
名古屋 3.98 1,278 那覇 4.06 1,304
3.96 1,272 ※平均 3.78 1,215

 

日射量の目安について

天候や季節、空の晴れ具合、雲の様子、時間帯による日射量の目安について紹介しておきましょう。

  • 日射量0.9以上:2月~10月で晴れの日で雲がない12時ごろ
  • 日射量0.8~0.9:2月~10月で雲に覆われた晴れの日の12時ごろ
  • 日射量0.8~0.9:11月~1月で晴れの日の12時ごろ
  • 日射量0.7~0.8:季節に関係なく雲が多く晴れの日の12時ごろ
  • 日射量0.5~0.7:季節に関係なく雲が多く晴れまたは曇りの12時ごろ
  • 日射量0.2~0.5:季節に関係なく曇りの12時ごろ
  • 日射量0.1~0.2:季節に関係なく曇りまたは雨の日
  • 日射量0.1未満:季節に関係なく雨天時の日

日射量から太陽光の発電量を求める計算式

太陽光発電のシミュレーションを行う場合、年間発電量を計算式によって算出します。

より具体的な発電量を知りたい場合は、月間、年間ごとの日射量データを集めて計算しましょう。

発電量の算出は、太陽光発電による電気代の節約売電収入によって、どれだけメリットが得られるか具体的に知るために効果的です。

太陽光発電の1日の発電量の求め方は以下の通りです。

1日の発電量 = システム容量 × 日射量 × 損失係数(0.85)
※システム容量:太陽光パネルが発電できる量を表す数値です。単位はkW(キロワット)で示します。 別名「出力容量」または「発電容量」と言います。
 システム容量によって年間発電量と売電収入が左右されます。
※日射量:太陽光から受けるエネルギーの量です。天候や季節の変化、地域性により変動します。単位は「kW/m2」または「W/m2」で示します。
例えば、2kWh/m2というのは、1kWの太陽光が2時間当たった場合のエネルギー量です。
※損失係数:太陽光発電が発電する際の損失(ロス)を指します。  日本では「0.85」という数値が使われています。

日射量の変化/地域/季節による発電量への影響

太陽光発電の1日の発電量が変動する要因は、日射量の変化によって影響します。

日射量の変化について、地域や季節、時間帯、積雪による影響など、具体的な要素について解説していきます。

日射量が多い地域は?

日射量が多い地域については、山梨県、長野県、徳島県、静岡県で、発電量が多くなっています。一方、青森県、秋田県は、日射量が少ない地域です。

傾向としては、雨の多い太平洋側よりも内陸の方が日射量があり発電量は多くなっています。

また、本州の南の地域の方が気温が高く、日射量による影響もあるため、太陽光発電に向いている地域とも言えます。

月別の発電量は?

月別の平均発電量については、梅雨シーズンの6月を除く3月〜8月でが多くなる期間です。
台風シーズンの9月は発電量が低下する傾向です。

日差しの強い夏は、太陽光パネルの温度が25℃より高くなると発電量は低下します。

地域によっても異なりますが、関東では夏よりも春先5月から初夏にかけての方が多く発電する傾向です。

一方、積雪地方でも発電量については、冬の低温に強い太陽光パネルで温度が-40℃以上あれば稼働する機種もありますので、雪が多く降る地域だから太陽光発電は向いていないということも一概には言えません。

時間帯別の発電量は?

晴れた日には正午をピークに左右対称の山を描くように発電量は変動します。

日照時間の長い夏であれば、早朝5時〜6時ごろから発電し始めます。日照時間の短くなる冬場は朝の7時から午後の5時ごろまで発電するようになります。

およそ11時から13時の間に1日の4割を発電するようになり、日の入りに向けてまた徐々に発電量が減っていくサイクルになっています。

天候別の発電量は?

晴れの日が一番発電量が多く、日の出から日没まで一日中晴れていれば最も発電効率が高くなります。

曇りの日でも発電量はありますが、晴れの日よりも発電量は半分くらいになり、雨の日は、4分の1以下程度の発電量になります。

積雪による発電量への影響

積雪による発電量への影響については、短期間の降雪の場合は、発電量を得ることができます。 ただし、太陽光パネル上に雪が降り積もってしまうと、パネルに汚れが付着した場合と同じように発電効率が低下します。

積雪による被害を抑える方法としては、太陽光パネルの角度を最低でも15度以上に傾けて設置すると、自然に積もった雪が落下するので雪対策に効果的です。

また、積雪地域での太陽光発電システムの設置は、雪の重みによる太陽光パネルの破損や架台の倒壊、屋根のゆがみなどのリスクを踏まえて、積雪耐性のある太陽光発電設備を選ぶことをおすすめします。

その他の発電量に影響する要因

太陽光発電の発電量を左右する要因は、日射量や日照時間以外にもあります。
いくつか紹介していきましょう。

  • 太陽光パネルの汚れ
  • 経年劣化
  • パワーコンディショナーの変換ロス
  • 気温の変化

太陽光パネルの汚れ

太陽光発電パネルに汚れがつくと、発電量の低下に繋がります。
鳥の糞や埃、落ちにくい汚れは、屋根上の掃除を定期的に行うことが必要です。ガラスの破損やパネル内部の劣化、雨水の浸水などにも要注意です。

経年劣化

太陽光発電パネルは、利用期間が長くなれば劣化して品質が低下します。
利用してから10年間で2.7%、20年間で5.4%、30年間で8.1%の発電量が低下すると言われています。
これらの数値に対して各製品メーカーは、製品保証の他に出力劣化を保証するという「出力保証」を提示しています。

パワーコンディショナーの変換ロス

パワーコンディショナ―は、太陽光発電で発電した電力を直流電気から家庭内で利用できる交流電気に交換する機器です。
パワーコンディショナーを通して家庭内で利用できる電気になるには変換ロスが生じます。
パワーコンディショナーの変換効率は、一般的にはだいたい95%以上となっています。

気温の変化

太陽光発電パネルの公称最大出力は、気温25度の環境で測定された数値になっています。
気温25度を1度超えると0.5%ほど発電量が低下すると言われています。

太陽光を利用したシステムなので、真夏の方が太陽の日差しが強くて発電効率が良いと思いがちですが、実は25度を超えてしまうと発電効果が低下し、損失係数も多くなる計算になります。

発電量を最適化するためには?

太陽光発電の平均発電量を変動させる要因を踏まえて、太陽光発電の発電量を増やして、最適にシステムを利用するための方法について以下のポイントを確認しましょう。

  • 最適な太陽光パネルを設置する
  • 定期メンテナンスを行う
  • 信頼のおける設置業者を選ぶ
  • 蓄電池を設置する

最適な太陽光パネルを設置する

太陽光パネルの設置場所は、屋外の雨風にさらされる屋根上であるため、耐久性の高い製品を選ぶことをおすすめします。
台風や豪雨によって太陽パネルが破損しないように強度の高い性能が必要です。

特に、塩害地域台風の多い地域で太陽光パネルを設置する場合は、製品選びの際に特に注意して選ぶようにしましょう。

また、太陽光パネルの最適な設置条件は、日射量を確保しやすい南向きです。
もし南向きが確保できない場合は、東西に向けてなるべく発電量が得やすい位置に設置すると良いでしょう。
北向きの方角は、発電効率が悪く、設置後に近隣住宅に反射トラブルが起きやすいためおすすめしません。太陽光パネルの傾斜は20〜30度が理想的です。

 

定期メンテナンスを行う

太陽光発電システムの寿命に合わせて、長期的に利用するには定期的なメンテナンスと日常的な点検が必要となります。

太陽光パネルの期待寿命は20年〜30年程度で、メーカー各社には、出力保証が付いており、保証期間は20年〜25年が一般的です。

パワーコンディショナーについては、寿命がおよそ10年〜15年程度です。パワーコンディショナーもメーカー保証が付与されており、保証期間は10年程度が一般的となっています。

ただし、寿命年数は、あくまでも期待寿命であり、設置環境や利用状況、メンテナンスなどによって、期待寿命よりも長く利用できるケースもあります。

したがって、太陽光発電の発電量を確保するためにも、メンテナンスを計画的に行うことをおすすめします。

また、太陽光パネルに汚れが付着すると発電量が落ちる可能性がありますので、専門業者に清掃を依頼するようにしましょう。

信頼のおける設置業者を選ぶ

太陽光発電を導入する際に気を付けたいのは、設置業者選びです。もし、施工不良で設置してしまった場合、思ったように発電量がなく導入効果が得られない場合も生じます。

太陽光発電システムのメーカー選びから工事まで、トータルして適切なアドバイスがもらえる会社を選びましょう。

設置業者を選ぶポイントは、実績や経験、施工IDの有無、保証制度やアフターフォロー、販売から設置まで行う自社施工会社であるか等を確認しましょう。

蓄電池を設置する

太陽光発電で発電効率を高めるには、蓄電池を一緒に設置することを検討しましょう。

太陽光発電で発電した電気は貯めて使うことはできないので、蓄電池と連携すると効率よく利用できます。発電できない悪天候や夜間、非常時に停電となった場合、電源を確保することができるようになります。

蓄電池の容量については、適切な容量の機器を選ぶことが必要です。

設置する家庭の世帯人数や電気を使う時間帯などから、普段使う電気消費量を算出して、丁度良い容量の蓄電池を準備するようにしましょう。

まとめ

太陽光発電を最適に利用するには、発電量をできるだけ増やすことが必要となり、そのためには日射量や日照時間について調べておくと良いでしょう。
なお、日射量は、季節や天候などによって変動するため、年間または月間の日射量データを調べて発電量のシュミレーションをしておくことが重要となります。
また、太陽光発電は、日射量や日照時間以外にも影響する要因がありますので、機器のメンテナンスなど維持管理についても対応するようにしていきましょう。

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