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太陽光発電導入前に知っておくべきパネルメーカーの保証内容を比較

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太陽光発電システムを導入する際に事前に確認しておきたいことは、メーカー保証についてです。

もし、太陽光発電を使い始めてから修理や交換が必要になった場合、保証期間内であれば、自己負担がなく対応してもらえるメリットがあります。

また、太陽光発電は長い期間利用するシステムなので、安心して使い続けたいですよね。

そこで、本記事では、太陽光発電のメーカー保証の種類と保証期間、太陽光パネルメーカーの保証内容を比較して解説していきます。

太陽光パネルのメーカー保証の内容を解説

太陽光パネルのメーカー保証については、主に以下の3種類について確認しておきましょう。

  • システム保証
  • 出力保証
  • 自然災害補償

システム保証

太陽光パネルやパワーコンディショナー、その他周辺機器など、設備機器本体の故障に対してメーカー保証が受けられます。

保証期間内であれば修理または交換に対応してもらうことができます。

なお、保証される対象機器について、各メーカーごとに異なりますので購入時に確認するようにしましょう。

※一般的なシステム保証期間:10年または15年

出力保証

太陽光パネルの出力値が規定の数値よりも下回った場合にメーカー保証が受けられます。

保証期間内であれば、発電量が低下した記録等を提示すれば、規定値まで出力値を戻してもらうことができます。
なお、出力値が何パーセントまで低下したら保証対象となるのか?事前に確認しておくようにしましょう。

※一般的な出力保証期間:20年または25年

自然災害補償

台風による太陽光パネルの落下や落雷による火事など、太陽光発電設備が自然災害によって被害を受けた場合に補償されます。各メーカーとも10年補償が一般的です。

ただし、太陽光発電設備で自然災害補償を受けられるメーカーは限られています。
もし、台風の多い地域や自然災害が心配な地域に設置する場合は、自然災害補償の有無について確認しておきましょう。また、自然災害補償については、保険に加入しておくことも可能です。

自然災害補償の損害対象は、メーカーによって異なりますが主な内容をまとめておきます。

  • 落雷
  • 破裂または爆発
  • 火災
  • 水災(台風、暴風雨、豪雨による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れなど)
  • 風災(台風・暴風雨・豪雨など)
  • ひょう災
  • 雪災(豪雪・雪崩など)
  • 落下(物体が建物外部から落ちた場合)
  • 飛来
  • 衝突または倒壊

大手太陽光パネルメーカー11社の保証内容を比較

太陽光発電の主なメーカーの保証内容、保証期間の比較表にまとめてみました。
保証される対象機器については、メーカーごとにチェックが必要です。

メーカー システム保証 出力保証 自然災害補償
シャープ 10年(無償)15年(有償) 20年(無償)
パナソニック 15年(無償) 25年(無償) 15年
ロンジ 12年(無償) 25年(無償)
カナディアンソーラー 15年(無償) 25年(無償) 10年
Qセルズ 15年(無償) 25年(無償)
長州産業 15年(無償) 25年(無償)
京セラ 10年(無償)15年(有償) 20年(無償) 10年
ネクストエナジー 15年(無償) 25年(無償) 10年
DMMエナジー 10年(無償)15年・20年(有償) 30年(無償) 10年
ソーラーフロンティア 10年(無償)15年(有償) 20年(無償)
マキシオン システム・出力複合保証:40年 10年

シャープ

画像参照元:シャープ

シャープ製品すべての機器を対象に「まるごと15年保証」が付いてます。

正常に使用したにもかかわらず、保証期間内にトラブルになった場合、修理対応してもらうことができます。
例えば、住宅用太陽光発電設備3~4kW未満の場合、「まるごと15年保証」が対象となれば
部品代、作業費、出張費が無料となるため、かなりお得です。

  • 「まるごと15年保証」加入の場合: 16,720円(税込)
  • 「まるごと15年保証」未加入の場合:79,420円(税込)

シャープのシステム保証は、2種類「10年保証/無償」または「15年保証/有償」いずれかを選ぶことができます。

モジュールの出力値の保証については、10年保証の場合は、公称最大出力の90%、15年保証の場合は85%が保証されます。

また、シャープのフラッグシップモデル「BLACKSOLAR ZERO」を購入した場合は、システ保証は、15年無償で対応してもらうことが可能です。

パナソニック

画像参照元:パナソニック

太陽光モジュールの出力保証25年が無償で受けられる他に、周辺機器を対象に機器瑕疵保証15年(無償)になっています。
周辺機器は、「パワーコンディショナー、接続箱、架台、住宅用創蓄連携システムパワーステーション」が対象となります。

モジュールの出力値の保証については、公称最大出力に対して、10年で81%未満、25年で72%未満となった場合に無料で対応してもらうことができます。

パナソニックの自然災害補償については、パナソニック製パワーコンディショナ・パワーステーションを設置した太陽光発電の場合が対象となります。

ロンジ

画像参照元:ロンジ

ロンジの太陽光発電設備のインストールマニュアル通りに設置、運用、メンテナンスされているにも関わらず、トラブルが起きた場合に保証されます。

保証対象となるのは、日本国内で販売・出荷した日本国内市場向けのロンジ製品に限られます。その他、第三者販売会社から購入した場合は、保証の対象になりませんので注意が必要です。

ロンジの保証内容は、太陽光モジュールのシステム保証12年と25 年間が対象期間です。
出力保証については、25 年目の出力は 84.8%以上の保証が受けられます。

カナディアンソーラー

画像参照元;カナディアンソーラー

太陽光モジュールの出力保証25年と製品保証25年、システム保証については、15年保証が付いています。

モジュール出力保証については、設置から1年間は、規定値の97.5%を保証し、2年目からは、毎年の出力低下が0.6%を上回らないことを保証しています。さらに25年目には、83.1%を下回らないことを保証しています。

自然災害補償については、「システム保証」や「モジュール出力保証」の対象とならない
火災・落雷・台風・水災・飛来物などの損害に対して10年補償されます。

Qセルズ

画像参照元:Qセルズ

システム保証15年と出力保証25年が付いています。

QセルズのQ.PEAK DUO-G11 シリーズは、設置から1年目は98%を保証。2年目以降は毎年0.5%の出力低下を下限に出力を保証しています。

なお、システム保証については、対象製品が決まっていますので、購入時に確認することをおすすめします。

また、蓄電システムには、最長15年の保証が受けられます。蓄電池に付属されるリモコンやモニターなどは、保証年数は機種によって異なります。

長州産業

画像参照元:長州産業

システム保証15年、モジュール出力保証25年に加えて、業界では珍しい「雨漏り保証」が受けられます。
太陽光パネルの設置工事では屋根に穴をあけるため、工事後の雨漏りトラブルはよくあるケースです。
長州産業では、雨漏り保証を含む、架台の不具合を対象に保証を行っています。

モジュール出力保証については、設置から10年間は公称最大出力に対して81%未満、11年目以降が72%未満を対象に、規定の出力を下回った場合に、修理・交換を対応してくれます。

京セラ

画像参照元:京セラ

システム保証10年((無償)に加えて、有償で15年、自然災害 15年、出力 20年の保証をセットにした「トリプル保証」(有償)が受けられます。

「トリプル保証」の場合、保証期間内であれば、修理回数は無制限で対応してもらうことが可能です。

京セラの標準保証は、システム保証が10年、出力保証が20年ですが、「トリプル保証」に加入すると、自然災害保証10年から15年に延長されます。

ネクストエナジー

画像参照元:ネクストエナジー

ネクストエナジーの保証内容は、システム保証、出力保証、経済損失補償、自然災害補償の4種類となっています。
システム保証は、太陽光パネルや周辺機器を対象に、保証期間内の故障や交換に対応してもらうことができます。

モジュール出力保証については、1年以内に出力規定値の97%を下回った場合と、2年目以降は毎年0.6%出力低下を下限に対して保証しています。

経済損失補償については、太陽光パネルの出力低下した場合、その損失を最大6カ月間補償します。
自然災害補償については、火災・落雷・台風・水災・飛来物などの損害に対して10年補償されます。

DMMエナジー

画像参照元:DMMエナジー

システム保証は、対象機器「太陽電池モジュール、架台、ケーブル、パワーコンディショナ-」のトラブルに15年保証が受けられます。

ハイブリッド蓄電システムに対しては、10年保証(無償)または15年・20年保証(有償)となっています。

モジュール出力保証は30年で、設置から1年間は、出力規定値の99%以上を保証しています。2年目以降30年目までは、毎年の出力低下が0.4%を上回らないことと、出力の87.4%以上を保証しています。

自然災害補償については、火災・落雷・風災・雪災・落下・飛来・台風による洪水・高潮・土砂崩れ等による損害が対象となります。
対象機器は、太陽電池モジュール、架台、パワーコンディショナ、ハイブリッド蓄電システムです。

ソーラーフロンティア

画像参照元:ソーラーフロンティア

モジュール出力保証については、10年間、公称最大出力に対して規定値の10%以上低下したした場合、または、20年で20%以上低下した場合に保証されます。

周辺機器のシステム保証については、ソーラーフロンティアの太陽光発電設備で「パワーコンディショナー、接続箱、昇圧ユニット」などをセット購入した場合に限り、機器の不具合に対して10年保証されます。

マキシオン

画像参照元:マキシオン

業界最高のパネル保証が受けられます。システム保証、出力保証いずれも40年長期保証となります。

出力保証については、設置から1年目は、毎年の出力低下が0.25%を上回らないこと、規定値の98.0%を保証しています。2年目から25年までは92.0%、40年目までは88.25%が保証されます。

また、太陽光パネル以外のシステム保証については、パワーコンディショナー20年、蓄電池20年、架台25年が保証期間となっています。

自然災害補償については、システム保証の対象外となる自然災害の損害に対して10年補償となっています。

メーカーの保証が受けられないことはあるの?

太陽光発電のメーカー保証の対象となるのは、メーカーの施工規定にそって認められた販売・施工会社であることが必要です。

したがって、認定されていない施工会社を通した場合、メーカー保証が受けられないため、注意が必要です。

メーカー認定について確認するには、太陽光発電の施工・販売を行う各メーカーに付与された資格「施工ID」の有無について確認しておくと良いでしょう。

ただし、資格の有無については、特に決まったルールではないため、太陽光発電の設置を取り扱っている工務店などを利用することも可能です。

ここで注意したいのは、独自で太陽光発電の工事を行っている会社に依頼した場合に、メーカー保証が受けられなくなるということです。
したがって、施工会社選びでは、メーカー保証について、しっかり確認を取ってから工事を行うことをおすすめします。

なお、メーカー認定の販売・施工会社については、各メーカーのホームページより確認できます。

太陽光発電の定期メンテナンスも大事

太陽光発電の各メーカーの保証を利用すれば、保証期間内であれば故障や交換に対応してもらえるメリットがあります。
しかし、長く利用し続けるには、日頃の点検や専門業者に依頼して定期メンテナンスを行うことも大切です。

太陽光発電の各メーカーでは、太陽光パネルの出力低下やパワーコンディショナーやその他周辺機器の故障に対して、手厚い保証を提供しています。
ただし、いずれのメーカーも、利用者がメーカーの規定や取り扱い説明にしたがって正しく使っていた場合が対象となっています。

したがって、太陽光発電を利用する上で重要になってくるのは、目視点検定期メンテナンスとなります。

太陽光発電は、メンテナンスフリーと言われている高性能のシステムですが、長期的に利用する上では、定期的なメンテナンスは重要となります。
2017年4月1日に改正FIT法より、新たなルールとして、住宅用の太陽光発電10KW未満の設備にはメンテナンスが義務化されています。

太陽光発電のメンテナンスは、発電効率の低下を防止するためや設備機器を長期利用するため、また、利用者や近隣住民の安全性のため等に必要となります。

これらメンテナンスの必要性が損なわれた場合は、メーカー保証に加入していることが大きな強みとなります。

したがって、太陽光発電を導入する際は、万が一に備えてメーカ保証に加入し、導入後には、  定期メンテナンスを怠らずに維持管理するようにしていきましょう。

まとめ

太陽光発電システムの保証は、設備機器を長く利用するために、導入前に確認するようにしましょう。
各メーカーでは、システム保証、出力保証の2種類が保証され、加えて自然災害補償が受けられるメーカーもあります。

それぞれ対象期間や対象機器等が異なりますので、導入する際は詳細を確認して万が一に備えて準備しておくことをおすすめします。

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