オプション工事なら「オプション工事ドットコム」

導入前にチェック!太陽光発電のメンテナンスの義務化について

この記事は約11分で読めます。

太陽光発電を導入する際は、設置後の維持管理が、発電効果や安全性に大きく関わってきます。

太陽光発電の普及が進み、設備機器の維持管理や定期点検の重要性が問われるようになり、経済産業省は太陽光発電のメンテナンス義務化を推進しています。

本記事では、太陽光発電を導入する前にメンテナンスの義務化について詳しく知りたい方に向けて解説していきます。

経済産業省のメンテナンス義務化

住宅用の太陽光発電については、メンテナンスが法的に義務化されています。
(2017年4月1日に改正FIT法より)

法改正前
住宅用の太陽光発電を含む50kW未満の太陽光発電設備は、設備認定で安全基準が満たしていれば設置後の保守点検や維持管理などメンテナンスは不要。
法改正後
住宅用の太陽光発電10kW未満は、メンテナンス義務化が必要。
FIT制度を利用する際は、住宅用太陽光発電でもメンテナンスが義務化となる。

太陽光発電がメンテナンス義務化された要因

なぜ?メンテナンスが義務化されたのか?以下の要因があげられます。

・発電効率の低下を防止するため
・設備機器の安全性の確保のため
・利用者や近隣住民の安全性のため

発電効率の低下を防止するため

太陽光発電設備を長く利用するためには、太陽光パネルの劣化による発電量の低下を防ぐことが必要です。

その対策としてメンテナンス義務化を法律で定め、太陽発電の定期点検を行って発電効果を高めることに繋げていきます。

太陽光パネルの表面に汚れが付いたままにしておくと発電量の低下の要因となり、初期費用の回収が遅れたり、売電収入が減ったりするデメリットが生じます。

太陽光発電で必要な発電量を得るためには、設備機器の法定耐用年数と寿命について知っておくと良いでしょう。以下が目安となります。

太陽光発電パネル:法定耐用年数17年 / 寿命20年~30年
パワーコンディショナー:法定耐用年数17年 / 寿命15年~20年
蓄電池:法定耐用年数6年 / 寿命20年~30年

ご覧の通り、設備機器の寿命は長く、一度設置すれば長期的に利用することができます。

ただし、いくら寿命が長いといっても設置した後に何もしないで放置しておくと、寿命より短い期間で故障してしまうケースもあります。

太陽光発電の発電効果を高めて正常に長く利用するためには、メンテナンス義務化が必要となっています。

設備機器の安全性確保のため

太陽光発電設備の異常に気付くのが遅れて事故に繋がるケースもあります。

例えば、太陽光発電の経年劣化によって固定していたボルトが緩んでしまった場合、強風によって太陽パネルが吹き飛ばされてしまう危険性も想定できます。

もし、定期点検で設備の異常に早く気付けば、自然災害による事故も未然に防ぐことが可能になります。

また、太陽光パネルは、雨風にさらされた状態に設置するため、耐久性に配慮した施工を行い、そのためには良い設置業者を選ぶことも重要です。

太陽光発電の安全性を確保するために以下の内容について確認しておくと良いでしょう。

自然災害のトラブル例
・台風や地震などによって、固定器具のボルトが緩んだり太陽光パネルが破損して落下したりすることがあります。
・太陽光パネルの一部に熱が集中することで火災が起こるトラブルがあります。
・太陽光パネル周辺に土が入ってしまうと、草木が成長して発電量低下の要因となってしまいます。
・太陽光パネルに鳥の糞が溜まったりすると、汚れによって発電量低下の要因となってしまいます。

以上のような自然災害によるトラブルを防止するためにもメンテナンス義務化が必要となっています。

利用者や近隣住民の安全性のため

太陽光発電の定期点検を行うことは、利用者の安全性や、近隣住民に対する安全確保のために重要な作業となります。

太陽光発電は導入前の準備と適切な工事が必要となりますが、設置後の維持管理が正しく行われない場合は、設備機器の故障によるトラブルによって、利用者に被害をもたらすケースもあります。

また、利用者の点検が正しく行われないことによって、近隣住民の方まで被害が広がってしまうケースもあります。

自然災害によって太陽パネルが落下したり、太陽光パネルの火事により、近隣住民の家または人に危害を与えてしまう事件も発生しています。

太陽光発電の利用者や近隣住民の安全を確保するためには、メンテナンスの義務化が必要となっています。

太陽光発電のメンテナンス義務化の重要性

太陽光発電のメンテナンスについては、長期的に有効利用するためにも以下のポイントが重要となります。

※メンテナンスの重要性
・維持管理費を抑えることができる
・自然災害に備えることができる
・パネルの経年劣化に対応することができる
・売電収入の損失を防ぐ
・初期費用回収に繋がる
・太陽光発電を有効利用できる

維持管理費を抑えることができる

太陽光発電設備で故障や修理が必要となった場合には、早く異常を見つけることができれば、  メーカー保証を利用して無償で対応してもらうことも可能です。

メンテナンスを定期的に行うことで維持管理費を抑えることにも繋がります。

自然災害に備えることができる

太陽光発電を設置している地域性については、台風が多い地域や積雪地方などに設置する場合は、自然災害へのリスクを考えておくことが必要です。

そのためには、太陽光発電設備をこまめに点検して自然災害による被害を拡大させないことが重要です。

パネルの経年劣化に対応することができる

太陽光パネルは、長く利用していくうちに劣化していくことは仕方ありません。

ただし、点検もせずに放っておくと、製品の寿命よりも短い期間で故障やトラブルが起きやすくなるリスクがあります。

寿命の長い太陽光パネルであれば30年近く長く利用できますが、そのためにはメンテナンスが重要となります。

売電収入の損失を防ぐ

太陽光発電では、余剰電力を売って収入にすることができます。

売電収入を増やす方法は、できるだけ発電量を多くすることで、そのためには、太陽光パネルをいつも最適な状態にしておくことが必要です。

太陽光パネルの汚れをチェックしてメンテナンスをすることで売電収入の損失を防ぐことができます。

初期費用回収に繋がる

太陽光発電を導入する際は、初期費用を回収できるかについて導入前にシュミレーションすることが必要です。

シュミレーションに関わる必須項目として、太陽光発電設備の定期点検があります。

太陽光発電の発電量を左右する太陽光パネル点検は、費用対効果に関わる重要なポイントとなります。

太陽光発電を有効利用できる

太陽光発電を有効利用するためには、導入前の準備適切な設置工事、そして設置後の維持管理を正しく行うことです。

いくら導入前のシュミレーションを行って正しく工事を行っていても、設置後の維持管理をしなければ、有効利用することは難しくなります。

太陽光発電のメンテナンス義務化の項目と内容

では、続いて 太陽光発電のメンテナンスについて、具体的な項目と内容について解説していきます。「太陽光発電システム保守点検ガイドライン 」のルールにそって点検・メンテナンスを行いましょう。

メンテナンスが必要な設備機器について

太陽光発電設備で点検が必要な機器は以下の通りです。

・太陽光パネル
・パワーコンディショナー
・接続箱、集電箱
・配線ケーブル
・ブレーカー
・電力量計
・架台

メンテナンスの内容について

太陽光発電のメンテナンスについて、主なチェック内容は以下の通りです。

・太陽光パネルの破損を確認する
・太陽光パネルがしっかり固定されているか確認する
・配線ケーブルの状態を確認する
・パワーコンディショナーの状態を確認する
・太陽光発電の発電量を確認する

太陽光パネルの破損を確認する

太陽光パネルに汚れや破損が生じた場合、発電量が低下してしまうため、しっかり点検を行い、異常が見つかった場合は早急にメンテナンスを行うことが必要です。

太陽光パネルがしっかり固定されているか確認する

強風で太陽光パネルが落下してしまうケースは、施工不良の場合が考えられます。太陽光パネルの固定金具をしっかり止めることが必要です。

配線ケーブルの状態を確認する

配線ケーブルの損傷がないか、または接続部分の状態は大丈夫か目視で点検を行います。

配線ケーブルの異常によってケーブルが焼ける危険性や、発電効率の低下に影響しますので、しっかり点検を行います。

パワーコンディショナーの状態を確認する

パワーコンディショナーの点検は、汚れ、悪臭や異音、フィルターの目詰まりなどを行います。

パワーコンディショナーの故障は、発電量の低下を引き起こし、修理または交換の費用もかかりますので、早めの対処が必要です。

太陽光発電の発電量を確認する

発電量の確認については、業者に依頼して測定器で正確な発電量を把握することができます。

または、発電モニターを設置しておいて1日の発電量を記録することも可能です。

発電量の低下がみられた場合は、設備機器の故障が考えられるため、専門業者に依頼して
適切なメンテナンスを行うことが必要です。

メンテナンスは専門業者に依頼するのがおすすめ

太陽光発電のメンテナンスは、目視点検などは自分でもできますが、危険性を伴う作業がありますので、専門業者に依頼すると良いでしょう。
メンテナンス費用については、節約のために自分で点検する方もいらっしゃいますが、技術や経験がない分、間違った対処をしてしまい、事故になってしまうケースもあります。安全で正しい点検をすることで長期的に太陽光発電を有効利用できるようになるため、
費用がかかっても専門業者に対応してもらった方が費用対効果の面からもメリットがあるでしょう。

太陽光発電のメンテナンスでの注意点

太陽光発電のメンテナンスで注意する点について確認しておきましょう。

※メンテナンスでの注意点
・計画的に点検を行うこと
・パネルの汚れをそのまま放置しないこと
・目視で点検すること
・メーカー保証を利用すること
・適切なメンテナンス業者を選ぶこと

計画的に点検を行うこと

太陽光発電では、設備を屋根の上に設置するので、ご自分で頻繁に掃除をしたり点検したりすることは難しくなります。したがって定期的なメンテナンスを専門業者に頼んで、設備の不具合を早めに発見することが必要です。
住宅用の太陽光発電の場合は、最初の点検は1年後に、その後は4年に一回のペースで点検を行うと良いでしょう。
最適な発電量を得るためには、点検について計画的に行うことをおすすめします。

パネルの汚れをそのまま放置しないこと

太陽光発電パネルに鳥の糞や落ち葉などが溜まると、発電効率を低下させる原因となります。

一般的には、太陽光発電パネルの表面は、汚れやホコリが雨で流されるようにコーティングされていますが、雨が降らずに汚れが付着したままになってしまうと、発電量に影響することもあります。
また、太陽光発電パネルの汚れは、発電量の低下だけでなく火災の原因になることもあります。

太陽光発電パネルの汚れは、電流を妨げる要因となるため、長期間そのまま放置しておくと発火しやすくなります。

太陽光発電を長く使用するためには、日頃から設備の点検をして、汚れが付着している場合には清掃の専門業者を利用することをおすすめします。

目視で点検すること

鳥の糞のほかにも、太陽光発電パネルのガラス表面の汚れや破損、フレームの破損、架台の破損、ケーブルの接続状態など、目で見てできる範囲で点検を心がけましょう。

各設備の汚れや破損、腐食、サビなどの点検をすることが必要です。

またパワーコンディショナーの動作音が通常でなかったり、エラーメッセージが出ていないか等、周辺機器の点検も必要です。

日常的にできる目視点検は、太陽光発電の不具合を早く察知することができて、設備機器の寿命の長さにも関係してきます。

※目視点検できること
・パワーコンディショナーの汚れ、フィルターの目詰まり、異音や異臭を確認する。
・太陽光パネルの汚れ、傷や破損を確認する。
・ケーブルや接続箱の配線の破損や腐食を確認する。
・発電モニターの確認をする。

メーカー保証を利用すること

太陽光発電のメーカー保証を利用すると、保証期間中であれば、故障や不具合に対応してもらうことができます。
一般的なメーカー保証期間は、無償で10年、有償で15年や20年に保証期間を延長できる場合もあります。また施工業者が10年の施工保証をしている場合もあります。

太陽光発電システムを導入する際は、設置後の故障や修理に対応できるメーカー保証について確認してから購入することをおすすめします。

※メーカー保証の比較
システム保証  出力保証  自然災害補償

・パナソニック      15年     25年       15年
・シャープ        15年     20年      10年
・Qセルズ        15年     25年      10年・15年
・カナディアンソーラー  15年     25年            10年
・ソーラーフロンティア  10年          20年           10年
・京セラ         15年         20年            10年
・長州産業        15年         25年            15年

適切なメンテナンス業者を選ぶこと

メンテナンスや定期点検を行う際は、専門知識のある適切な業者を選ぶことが大切です。

太陽光発電のメンテナンスができる認定資格として「太陽光発電メンテナンス技士」があります。「太陽光発電安全保安協会」が運用する資格で、太陽光発電の基礎知識やメンテナンスの技術を講習・研修した者が取得することができます。             他には、「太陽光発電検査協会(PIA)の技術認定」の資格は、資格取得後に「技術認定」が交付され、太陽光発電の保守点検をすることができるようになります。

もし、太陽光発電の定期点検やメンテナンスを依頼する際は、メーカー販売店や施工業者でメンテナンス資格を取得しているスタッフがいると、業者選びの基準にもなります。

まとめ

太陽光発電を導入した後、安定して利用し続けるためには、メンテナンスの義務化にそって対応することが必要です。
点検のタイミングについては、設置してから1年後、その後は4年に一度はメンテナンスを行うことをおすすめします。

タイトルとURLをコピーしました