太陽光発電を導入したいが、屋根に影響はないのか?雨漏りは大丈夫?など心配している方もいらっしゃるでしょう。
太陽光発電を設置する際は、工事前の屋根の点検と、屋根の状態に適した工事をすることが重要です。
そこで、本記事では太陽光発電と屋根の関係について解説していきます。
太陽光発電で屋根は傷んでしまうの?
太陽光発電パネルの荷重で屋根に影響する問題については、太陽光発電の施工方法を正しく行えば、屋根が傷む心配はありません。
太陽光発電を設置した後のトラブルとして屋根の損傷などの事例がありますが、この場合は、事前に適切な屋根の点検や修理を施していなかった場合や不良工事だった場合に限ります。
メーカーのガイドラインに従った施工方法であれば、屋根への影響はなく、ほぼ問題なくシステムを利用することができます。
注意したい点は、適切な施工業者を選んで正しく工事を行ってもらうようにすることと、自宅の屋根の状態について事前にチェックしておくことです。
どうしても屋根が傷むことが気になる場合は、軽量型パネルを選ぶことも検討すると良いでしょう。
・屋根の状態によってはリフォームをする
・信頼できる施工業者に依頼する
太陽光発電に向かない屋根は?
では、適切な工事を行うためにも、太陽光発電と屋根の関係について解説していきます。
太陽光発電を設置する際は、屋根の条件について確認しておくことが’必要です。太陽光発電に向いていない屋根に設置しても導入効果は得られないので、導入前に確認しておきましょう。
・日射量が少ない
・屋根が日陰になる
・屋根が小さい
・屋根の方角が悪い
・屋根が急勾配である
・北向きの片流れ屋根である
・屋根の強度が足りない
築年数が古い
太陽光発電の設置では、今流通している屋根材にほぼ対応できるようになっているため、特別な屋根材でなければ大半は問題なく施工することができます。
ただし、築年数のある古い屋根材の場合は、耐震性が低かったり、瓦屋根に問題があったりするため、古い屋根に設置する際は、専門業者に相談して現場調査を依頼することをおすすめいたします。
また、太陽光発電に向いていない古い屋根の場合は、リフォームをしてから設置することも可能です。屋根リフォームにかかる費用は、およそ100万円〜200万円くらいで、施工期間は1〜2週間ほどかかります。
築年数のある屋根の場合は、太陽光発電を導入する前に特に屋根の点検を注意深くすることが必要です。
日射量が少ない
屋根に日が当たっていない場合は、太陽光発電を設置しても効果が期待できません。太陽光発電の設置場所は、屋根で一番日当たりの良い屋根面を選んで施工するようになります。
日射量の問題は、太陽光発電パネルの傾斜を変えることで解決することもありますが、屋根自体の方角が適さない場合は難しくなります。
もし、屋根上の日照時間が短かくて発電量を得ることができない場合は、自宅の敷地のスペースを利用してソーラーカーポートを活用することもできます。ソーラーカーポートは、車庫上の屋根の上に太陽光パネルを置いた設備です。発電量の低い屋根の場合に利用できるシステムです。
屋根が日陰になる
屋根が日影になりやすい場合も、発電効率が悪くなるので太陽光発電には不向きです。
日陰の解決方法としては、自宅の屋根の方角で一番太陽光が当たりやすく日陰になりにくい面を選んだり、パネル数を増やしたり、架台で傾斜を工夫したりすることもできます。
しかし、日陰になる原因が、樹木など障害物を排除して解消できる場合は良いのですが、近隣の高層建物による影響では、残念ながら太陽光発電の設置は難しくなります。
屋根が小さい
屋根面積が小さい場合や、変形で既存のパネルが設置しにくい場合は、発電量が低いので、費用効果を得ることが難しくなります。
屋根面が4方向に分かれている寄棟屋根の場合は、一面の面積が小さくても、北面以外の3面に太陽光発電パネルを組み合わせることで、発電量を増やすことは可能です。
屋根の方角が悪い
同じ容量の太陽光発電パネルを設置しても、屋根の方角によって発電量が変わります。
発電効率が最も高いのは南向きですが、日照量に合わせて南西・南東に向けてパネルを設置して発電量を得ることも可能です。住宅の屋根が北向きの場合は、発電効率が低いため太陽光発電には不向きになります。
屋根が急勾配である
太陽光発電パネルの設置角度は、傾斜をつけた30度が理想的です。特に急勾配だったり、緩い勾配の屋根の場合は、あまり発電効果が期待できません。屋根のわずかな傾斜の違いで発電効率が変わってくるため、向いていない屋根の勾配である場合は、パネルの下に架台を設置して適切な角度に設計することも可能です。
・並勾配:一般的な勾配の屋根/3寸~5寸程度
・急勾配:傾斜が急な屋根 /6寸以上
北向きの片流れ屋根である
日照時間が少ない北向きの片流れ屋根は、発電量がほぼ期待できないため、太陽光発電を設置するのは難しくなります。片流れ屋根というのは、1枚の屋根が一方向に傾斜しているタイプで、北向きに傾斜している場合は、太陽光が当たる時間が少ないので、太陽光発電を設置する屋根として向いていないことになります。
屋根の強度が足りない
太陽光発電パネルの重さが、屋根や住宅に与える影響はわずかなので、必要以上の心配をする必要はありません。ただし、老朽化した屋根やトタンなど強度の足りない屋根の場合は、屋根の状態を強化する方法について考える必要があります。
太陽光発電パネルを屋根に設置する方法
では、次に、太陽光発電パネルの工事の方法について解説していきます。
太陽光発電パネルを屋根に設置する方法は、以下の2種類があります。
・屋根一体型:太陽光発電パネルが建材と一体になるタイプ
2種類の大きな違いとしては、新築時の場合は、屋根一体型を導入できますが、後付けで導入する場合は、屋根置き型が主流となっています。
屋根置き型とは?
屋根材の上に架台を設置してその上に太陽光発電パネルを設置します。屋根置き型は、太陽光発電パネルを新築住宅ではなく後付けする場合に向いているタイプです。また、太陽光発電は後付けする場合は、固定資産税の対象になります。
屋根置き型の大きな特徴は、架台を設置すると屋根材とパネルの間に空間ができるので、熱がこもりにくく発電効率が高くなることです。
また、屋根一体型と比べると設置費用やメンテナンス費用が安くなります。しかし、屋根材に穴をあけて工事をする場合に、穴を埋める充填剤が劣化すると雨漏りする可能性もあります。
・メンテナンスがしやすい
・屋根一体型と比較してメンテナンス費用が安い
・固定資産税がかかる
屋根一体型とは?
屋根材の中に太陽電池セルを組み込んだ屋根で、屋根材と一体化した太陽光発電パネルです。屋根一体型は、屋根工事と一緒に施工することができるので新築住宅に向いているタイプです。また、太陽光発電は新築住宅に設置する場合は、固定資産税がかかりません。
屋根一体型は屋根置き型に比べると、外観がすっきり見えるのが特徴的です。
また、屋根に穴を開けたり架台を設置したりする必要がないので、雨漏りや屋根が傷む心配はありません。
・固定資産税がかからない
・屋根置き型と比較してメンテナンス費用が高い
太陽光発電の設置で雨漏りしてしまうリスク
太陽光発電を導入する際に、屋根が傷むリスクのほかに、屋根の雨漏りについても正しい情報を知っておく必要があります。
では、太陽光発電パネルを設置する際に起こる屋根の雨漏りについて、その原因と防止策について解説していきます。
・手抜き、不良工事をしたから
・屋根が劣化、老朽化していたから
・保証内容を確認しておくこと
・工事前に屋根の点検をすること
・屋根に穴をあける工事を確認すること
屋根が傷んで雨漏りになる原因は?
太陽光発電を導入した後に、雨漏りの原因について解説します。
施工業者の技術や経験がなかったから
太陽光発電パネルの工事では、屋根に穴を空けてパネルを固定するのが一般的です。
この穴をあける工程で正しく施工されない場合に、雨漏りが発生するという問題が起こっています。
太陽光発電パネルを固定する場合は、あけた穴にコーキング剤やシーリング材と呼ばれる充填剤で防水加工を行います。釘をうった穴をしっかり防水加工すれば、雨漏りの問題はほぼなくなります。
太陽光発電で屋根の雨漏りが起こるのは、正しい施工法を行わない施工業者に原因があると言えます。
手抜き、不良工事をしたから
施工業者の技術不足が問題になる他に、手抜き工事や安い材料を使うなど、不良工事によって雨漏りが起こるケースもあります。
太陽光発電の導入では、施工業者がコスト削減のために手抜き工事をして費用を安く提案してくることもあります。
太陽光発電の見積りで必要以上に安く提案された場合は、質の悪い工事をされてしまう場合がありますので要注意です。
屋根が劣化、老朽化していたから
太陽光発電を設置する以前に、屋根が老朽化していることで雨漏りの原因となるケースもあります。太陽光発電を設置できる屋根は、築年数の古い屋根の場合は、そのまま工事をしてもシステムを活用する前に屋根の不具合で問題が起きます。
雨漏りを防ぐためには、工事前に現場調査のために屋根の点検を依頼して、屋根の状態を万全にしてから次の工程に進むことが必要です。
屋根が傷まない雨漏り防止の対策は?
では、雨漏りのリスクを減らすための対応について解説します。
信頼のおける施工業者を選ぶこと
適切な工事を任せられるように、十分な実績と経験がある施工業者を選びましょう。
雨漏りのリスクや、屋根の状態に影響する問題などを、きちんと説明してもらえるような業者が理想的です。
保証内容を確認しておくこと
施工会社が雨漏りやその他工事で不具合が発生した場合に、どこまで保証してもらえるのか?についてしっかりと確認しておきましょう。
太陽光発電メーカーによっては、雨漏り保証が付いている会社もあります。
工事前に屋根の点検をすること
太陽光発電は屋根の状態によって費用効果や設置後の問題も大きく変わってきます。導入前には、必ず現地調査を依頼して、自宅の屋根の点検をするようにしましょう。
屋根に穴をあける工事を確認すること
太陽光発電の設置では、キャッチ法、シンプルレイエ法、支持瓦工法など、屋根に穴を開けない方法もあります。これらの方法の場合、雨漏りの問題は無くなりますが、費用は割高になります。
太陽光発電はつけないほうがいい?みんなが後悔したこと
太陽光発電では、屋根との相性を考えたり、設置後の雨漏りリスクを防ぐことなどが必要となります。
では、他には、どんなことに注意したらよいのか?、実際に太陽光発電を設置して後悔したという方の意見をもとに、これから失敗しないためのポイントを確認しておきましょう。
・価格で後悔した
・近隣トラブルで後悔した
・業者選びで後悔した
・蓄電池を知らなくて後悔した
太陽光発電は、発電量のシュミレーションを怠ってしまうと、導入効果が得られない場合があります。せっかく高額なシステムを設置したのに思ったより効果が見られないのは、設置条件がよくないことがあげられます。また発電量は天候によって左右されることも予測しておくことが’必要です。後悔した人は、発電量について事前のチェックが甘かったということになります。
太陽光発電の初期費用は高いので、後悔しないためにも事前に相場を知ることは大切です。
複数の見積もりを比較検討してから導入することをおすすめします。
また、太陽光発電で後悔するケースで、設置業者の不手際のために、近隣住宅にパネルが反射してトラブルになることもあります。不良工事や施工方法のミスで、太陽光発電の導入効果も期待できないこともありますので、設置業者選びは重要です。
太陽光発電を効果的に利用するには、蓄電池の準備も考えておく必要があります。しかし、悪徳業者に蓄電池を買わなければ使えないと騙されて後悔している方もいます。
蓄電池は、太陽光発電を効果的に利用するために便利な設備ですが、設置しなければならないということはありません。
このように、いずれの失敗例も、消費者側が太陽光発電について知識不足なために起こったケースになっています。
太陽光発電の導入で後悔しないためにも、また騙されないためにも、事前の情報収集や設置場所の確認は必要となります。
まとめ
太陽光発電での屋根の問題が起こるのは、導入前に屋根を点検しなかったことと、施工業者の不良工事によることが大きな原因です。
屋根の雨漏りや屋根が傷む問題は、正しい手順と準備を行えば、あとで後悔することも軽減されます。
太陽光発電を導入する際は、まずは、良い施工業者を選んで、適切な相談ができるようにすすめていきましょう。