太陽光発電の電力だけで電気を全てまかなうことは可能?

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太陽光発電だけで生活できるのか?節約効果は期待できるのか?疑問をお持ちの方も多いでしょう。
太陽光発電で作った電気は、天候や時間帯などさまざまな要因によって左右されますので、
太陽光発電だけでなく電気会社からの買電量をうまく利用する方法をおすすめします。

太陽光発電だけで電気を全てまかなうというよりも、太陽光発電の発電量を蓄電池を併用して有効利用するこすると良いでしょう。

本記事では、太陽光発電の電力だけで自宅の電気をまかなうことが可能なのか?また、夜に発電量を使うためにおすすめの蓄電池について解説します。

太陽光発電だけで自宅の電気の全てまかなう事はできるのかどうか

太陽光発電は、夜になると発電しないため自宅の電気を全てまかなうのは難しくなります。

再生可能なエネルギーを利用した太陽光発電システムは、住宅の屋根の上に太陽光を受けて発電できる環境を揃えることが第一条件となります。
つまり、太陽の出ない夜には発電しないことになります。

したがって、夜や天候の悪い日は、通常どおり電気会社から電気を購入して使用するようになります。
買電量は、太陽光発電で作った電気の分、減らすことができるため、できるだけ発電量を増やすことが節電効果を上げる方法になります。

なお、夜や天候の悪い日に太陽光発電の発電量を有効活用するためには、蓄電池を併用すると効果的です。

太陽光発電の一日の発電量

太陽光発電の作った電気をできるだけ自宅でまかなうことができるようにするには、まずは、太陽光発電の一日の発電量について知っておくと良いでしょう。

住宅用太陽光発電の容量1kWあたりの年間発電量は、1000kWhが目安です。       1日あたりの発電量の目安は、約2.7kWhの計算になります。
1000kWh ÷ 365日 =約2.7kWh
一般家庭で使用頻度が高い太陽光発電のシステム容量は、3〜5kW程度となっていますので、1日の発電量の目安は、8.1〜13.5kWhの計算になります。          2.7kWh × 3〜5kW = 8.1~13.5kWh

ただし、太陽光発電の一日の発電量は以下の要因で変動しますので、確認しておきましょう。

太陽光発電の発電量は、主に日射量と日照時間によって変わりますので、以下の要素を踏まえて導入前に発電量のシュミレーションを行うようにしましょう。

  • 季節
  • 時間帯
  • 天気
  • 地域
  • 太陽光パネルの性能
  • メンテナンス

季節

太陽光発電の平均発電量が最も多くなるのは、春シーズンで4月、5月が発電効率が高くなります。一方、雨の多い時期の6月、9月や12月ごろは、発電量が少なくなる傾向です。

夏の発電量については、太陽光パネルの温度が25度以上になると発電量が低下しますので、8月の真夏よりも初夏の4、5月の方が発電量は増える傾向にあります。

時間帯

1日の発電量については、日の出から徐々に発電量が伸びてピークは12時に最も発電効率が高くなります。

11時から13時の間に1日の4割を発電するようになり、日の入りに向けてまた徐々に発電量が減っていくサイクルになっています。

天気

太陽光発電の発電量は、晴れた日が最も多くなり、曇りの日は、日射量が晴天時より減って発電量は晴れた日の半分程度になります。

雨や雪の日には、曇りの日よりもさらに発電量が大幅に減ります。

地域

雨の多い太平洋側よりも、内陸の方が日射量が多く発電量は増える傾向にあります。

また、南本州の地域の方が気温が高く、日射量が多いので太陽光発電に向いている地域とも言えます。

太陽パネルの性能

太陽光発電の性能を判断する際に、太陽光パネルの変換効率で確認することができます。
太陽光パネルの変換効率は、製品メーカーによって異なりますので、各社製品の仕様を確認して比較検討すると良いでしょう。

一般的な太陽光パネルの発電効率は「13〜20%」程度で、20%以上であれば高性能な製品であると言われています。

太陽発電システムを導入する際は、初期費用が高額になるため、できるだけ費用を抑えたいところですが、低コストで抑えようとすると変換効率の低い製品を選んでしまうケースもあります。太陽光パネルの変換効率については、発電効果に大きく影響しますので、価格とのバランスを考えて検討することをおすすめします。

メンテナンス

太陽光パネルは、利用期間が長くなれば劣化して品質が低下します。
利用してから10年間で2.7%、20年間で5.4%、30年間で8.1%の発電量が低下すると言われています。
太陽光パネルメーカー各社には、出力保証が付いており、保証期間は20年〜25年が一般的です。 パワーコンディショナーについては、寿命がおよそ10年〜15年程度となっています。

太陽パネルの経年劣化に関わる要因については、設置した地域や天候、利用状況などによって消耗する年数が変わってきます。

したがって、太陽光発電を導入した後は、メンテナンスや点検をしっかり行うことが必要です。法律では10kW未満の住宅用太陽光発電システムは、メンテナンス義務化となっています。

夜間も太陽光発電の電気でまかなうには?

では、夜に太陽光発電を利用して電気をまかなうための方法として、蓄電池について解説していきます。

蓄電池とは太陽光発電で発電した電気を貯めて、使いたいときに利用できる設備です。

蓄電池の化学反応によって、電気を蓄える「充電」と電気を使う「放電」ができるようになります。充電を繰り返すことで何度も利用することが可能です。

では、蓄電池のメリット・デメリットを抑えておきましょう。

蓄電池のメリット・デメリット

蓄電池のメリットは、発電した電気を自由に貯めておくことができるので、夜や悪天候時に使うことができて、その分、買電量が減って電気代の節約になります。

また、蓄電池があった方が余剰電力が増えるので売電収入にも繋がります

さらに、非常時の停電対策として電源確保も可能になります。他には、電気自動車と連携できる方法やパワコン一体型の蓄電池などの利用も可能です。

蓄電池があった方が、発電量を自由にまかなうことができるので、初期費用回収にも大きく影響します。

蓄電池のデメリットは、太陽光発電+蓄電池で初期費用が高くなることです。

ただし、蓄電池の補助金制度を利用すれば、費用負担の悩みは解消します。また、蓄電池は、容量によって貯められる電気量が異なりますので、ご自宅の電気消費量にあわせて蓄電池の容量を選定する必要があります。

蓄電容量と電気消費量のバランスが悪いと導入効果は期待できません。

他には、蓄電池の設置スペースを、エアコンの室外機1台分ほどの場所を確保する必要があります。
蓄電池の買い替えについては、寿命10年〜15年を目安に対応することが必要となります。

災害時の蓄電池

蓄電池の大きなメリットとして、非常時の電源確保が可能になることがあげられます。

太陽光発電は、昼間の発電量を使って災害時にも対応できるシステムです。また夜間に電気を使用したい場合は、蓄電池があれば電気を確保することができます。
他にも、電気自動車(EV)があれば、バッテリーに蓄えられた電気を非常用電源として活用することもできます。

ただし、注意したい点は、停電時に太陽光発電を利用して電気を使用したい場合は、パワーコンディショナ―を自立運転モード」に切り替える必要があることです。

「自立運転モード」は、パワーコンディショナーに備わっている非常時用の機能です。停電時に通常運転から自立運転モードに切り替えると非常用電源として使うことができるようになります。停電時に備えて、「自立運転モード」について前もって使い方を確認しておくことをおすすめします。

自家消費型に蓄電池がおすすめ

FIT制度の売電価格の低下や電気料金の高騰などに伴い、発電した電力は売電するよりも自家消費型に切り替える方が経済的メリットが期待できます。

FIT制度で契約した10年間が過ぎると買取価格は大幅に低下します。継続して契約する場合は、今までよりも低い単価で売電することになり、買取価格の変動の影響下で利用する必要があります。

一方、卒FIT後に全量自家消費型に切り替えれば、このような価格変動に関係なく、家庭内で電力を消費することができるようになります。

蓄電池の費用相場

蓄電池の設置費用の内訳は、蓄電池の本体価格+工事費+保証費になります。

蓄電池の本体価格は、容量1kWhあたり15万〜21万円程度 (蓄電池+工事費込み)。工事費については、依頼する設置業者によって変わってきますが、目安としては20万円〜35万円程度と考えておくと良いでしょう。
保証費については、製品メーカーの「機器保証」が標準で10年付帯されている場合が多く、保証の対象部分はメーカーによって異なります。

※蓄電池の価格相場
  • 蓄電池の容量4~7kWh:90~160万円程度
  • 蓄電池の容量8~11kWh:160~220万円程度

蓄電池を選ぶ際は、蓄電池の容量、充電方式や負荷の種類、蓄電池の種類、補助金制度の対象機器であるかどうか等を確認しましょう。

また、太陽光発電と一緒に導入する際は、同時購入の費用相場についてもチェックしておきましょう。

太陽光発電だけで全てまかなう事はできないが節電効果は大きい

太陽光発電だけでは、自宅の電気を全てまかなうことは難しくなりますが、うまく蓄電池と併用して利用すれば節電効果は期待できます。

自宅だけで電気をまかなう自家消費型の利用方法については、「全量自家消費型」余剰売電型」の2種類に分けられます。確認しておきましょう。

  • 全量自家消費型:
    太陽光パネルで発電した電気すべてを自宅で消費する仕組みです。一般住宅の場合は、家電や照明、エコキュート、電気自動車の充電などに発電量を利用することができます。さらに蓄電池を併用すれば、発電した電気を夜間や非常時に使うことができます。
  • 余剰売電型:
    太陽光パネルで発電した電気を自家消費しながら、余剰電力を電力会社へ売電する仕組みです。固定価格買取制度(FIT)で契約し、一般家庭用の場合は、10kW未満で10年間の固定価格で売電することができます。2023年度の固定価格は、10kW未満の場合16円/kWh。10kW以上50kW未満の場合10円/kWh。50kW以上の場合9.5円/kWhとなっています。

全量自家消費型の場合、蓄電池を効果的に利用した場合、買電量を減らすことができて電気代を節約できるようになります。

なお、節電効果を高めるためには、普段使っている電気の消費量を把握して、発電量がどれくらい得られるか事前にシュミレーションしておくようにしましょう。

また、電力会社との契約プランを見直して、割安のプランに切り替えることもおすすめします。

さらに、普段から節電を心がけて買電量を減らすようにしましょう。

基本的には、電力会社の買電量を減らすことが目的なので、普段のライフスタイルを見直して、無駄な電気を使わないようにしましょう。夜間に必ず使わなくてはならない電気以外は、なるべく昼間の時間帯にシフトして電気代の節約に繋げると良いでしょう。

一般的な一世帯あたりの年間の消費電気量は、5,650kWh/年です。
例えば、システム容量4kWの太陽光発電設備を設置すると、およそ70%程度を太陽光発電システムでまかなえる計算になります。

電気消費量については、主な家電の消費電力について事前にチェックしておきましょう。

家電 消費電力 家電 消費電力
IHクッキングヒーター 1400-3000W 掃除機 850-1000W
エアコン 300-3000W テレビ 300-500W
電子レンジ 500-1400W 洗濯機 200-400W
電気ポット 900-1400W 冷蔵庫 100-300W
アイロン 1200-1300W 炊飯器 100-300W
ドライヤー 600-1200W ノートPC 50-150W
食器洗い乾燥機 1,300W 携帯の充電 5-15W

まとめ

電気代の高騰に伴い家計の負担を減らす方法として、太陽光発電を導入検討されているご家庭も多いでしょう
太陽光発電で自宅の電気を全てまかなうことは難しくなりますが、蓄電池を併用すれば、節電効果も高まり有効利用できるようになります。
毎日、使う電気について太陽光発電や蓄電池のメリット・デメリットを踏まえて、検討されると良いでしょう。