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太陽光発電の天候による悪影響をおさえる方法【解決策】

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雨や曇りの日が続いたとき、発電量はどうなるのか?気になる方も多いかと思います。

太陽光発電を導入する際は、発電量が左右される要素として天候や季節による影響について確認しておくと良いでしょう。

本記事では、太陽光発電に影響する天候や季節などについてと、その解決策となる蓄電池について解説します。

太陽の出ていない曇や雨などの天候では全く発電しないの?

太陽光発電の発電量は、天候や季節などによって左右されます。

太陽光発電の発電量は、日射量と日照時間に影響されるため、太陽エネルギーが弱い条件下では、発電量が低下することになります。

では、具体的に発電量に関わる以下の要因について解説していきます。

  • 天候
  • 季節
  • 時間帯
  • 地域性

天候による発電量

太陽光発電は、雨の日や曇りの日には、発電量は大幅に低下します。

天気による発電量の割合は、晴天の日の発電量を100%とした場合、曇天の日の発電量は、約40〜60%程度で、雨天の日の発電量は、約20%程度まで下がります。

なお、太陽光発電の天候による発電量の変動については、太陽光パネルの性能によっても異なります。変換効率の高い製品を選ぶと良いでしょう。

一般的な太陽光パネルの変換効率は「13〜20%」程度で、20%以上であれば高性能な製品であると言われています。

ただし、変換効率の高い太陽光パネルはそれなりに価格も高くなりますので、性能と価格帯についてバランスの良い機器を選ぶことをおすすめします。

季節による発電量

太陽光発電で一番、発電する月は、5月、次いで4月になります。

以下の表は、例題として東京の太陽光発電の1日あたりの発電量の目安を示したものです。

発電量 発電量
1月 2.15kwh/日 7月 3.39kwh/日
2月 2.6kwh/日 8月 3.53kwh/日
3月 2.68kwh/日 9月 2.46kwh/日
4月 3.57kwh/日 10月 2.18kwh/日
5月 3.78kwh/日 11月 2.02kwh/日
6月 3.32kwh/日 12月 1.94kwh/日

ご覧の通り、5月が一番発電量が多く、次いで4月、8月が発電量が多くなっています。

3月ごろから8月をピークに日射量が多くなる傾向で、9月ごろから冬にかけて日射量は少なくなっていきます。

6月は晴れた日の日射量は多くなりますが、梅雨シーズンであるため雨の影響で発電量は減少傾向にあります。

気温が高い7月、8月の方が発電量が多いと考えがちですが、実際は、4月、5月の方が発電効率が良く、その理由は太陽光パネルの表面温度が25℃以上超えると発電効率が下がるという特徴があるからです。

真夏の気温が30度を超える日の場合、太陽光パネルの表面温度は、最大で70〜80度まで上昇すると言われています。25℃を超えて1度上昇する毎に0.5%発電量が低下します。

例)太陽光パネル表面温度が80℃の場合、27.5%発電量が低下します。
(80℃-25℃)× 0.5=27.5%

太陽光パネルが高温に弱い理由は、内部素材のシリコンが高温によって性能が低下する特徴があるためです。現在主流となっている結晶シリコン系の太陽光パネルの場合は、特にこの特徴が大きく影響しています。

したがって、太陽光の発電量は、季節でいうと夏よりも春の方が効率が高くなる傾向です。

時間帯による発電量

1日の発電量については、日の出から徐々に発電量が伸びて、ピークは12時に最も発電効率が高くなります。

1日の発電量の傾向としては、明け方6時頃は、まだ日射量が少ないので発電量も少ない状態です。

午前中は、11時から13時の間に1日の4割を発電するようになります。続いて、午後は1時から3時にかけてが一番発電量が多くなります。

さらに、日の入りに向けてまた徐々に発電量が減っていくサイクルになっています。

なお、時間帯による発電量については、季節や天候によっても変動することを確認しておきましょう。

地域性による発電量

太陽光発電の発電量は、居住地域によっても変わります。日射量が比較的多い地域として、山梨県、長野県、徳島県、静岡県は、発電量が多くなっています。一方、青森県、秋田県は、日射量が少なく発電量も少ない地域です。

傾向としては、雨の多い太平洋側よりも内陸の方が日射量が多く、発電量も多くなっています。

また、本州の南の地域の方が気温が高く、日射量による影響もあるため、太陽光発電に向いている地域とも言えます。

なお、参考として平均的な全国の日射量について、【新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)】のデータを紹介しておきます。全国の中では、甲府、静岡、高知、宮崎、熊本、鹿児島、那覇は、日射量が多いので発電量も多くなっています。

※日射量の算定条件については、方角は南向きで、角度10°でのデータとなります。

地点 年平均日射量kWh/㎡ システム容量1kwあたりの年間予想発電量kWh/年/kW  地点 年平均日射量kWh/㎡ システム容量1kwあたりの年間予想発電量kWh/年/kW 
札幌 3.58 1,150 大津 3.59 1,153
青森 3.44 1,105 京都 3.61 1,160
盛岡 3.54 1,137 大阪 3.76 1,208
仙台 3.61 1,160 神戸 3.88 1,246
秋田 3.41 1,095 奈良 3.71 1,192
山形 3.56 1,143 和歌山 4 1,285
福島 3.58 1,150 鳥取 3.51 1,127
水戸 3.71 1,192 松江 3.5 1,124
宇都宮 3.7 1,188 岡山 3.92 1,259
前橋 3.86 1,240 広島 3.99 1,282
さいたま 3.73 1,198 山口 3.79 1,217
千葉 3.7 1,188 徳島 4 1285
東京 3.53 1,134 高松 3.97 1,275
横浜 3.76 1,208 松山 4.03 1,294
新潟 3.48 1,118 高知 4.17 1,339
富山 3.48 1,118 福岡 3.84 1,233
金沢 3.48 1,118 佐賀 3.84 1,233
福井 3.55 1,140 長崎 3.9 1,253
甲府 4.17 1,339 熊本 3.97 1,275
長野 3.8 1,221 大分 3.8 1,221
岐阜 4 1,285 宮崎 4.17 1,339
静岡 4.05 1,301 鹿児島 4.07 1,307
名古屋 3.98 1,278 那覇 4.06 1,304
3.96 1,272 ※平均 3.78 1,215

また、地域性については、雪の多い地域や台風が通過しやすい地域、海に近い地域などについては、地域の特徴に合った太陽光パネルを選ぶことや、特殊な施工を行う等、対応するようにしましょう。

積雪対策

積雪地域の発電量については、太陽光パネル上に雪が降り積もってしまうと、パネルに汚れが付着した場合と同じように発電効率が低下します。

積雪による被害を抑える方法としては、太陽光パネルの角度を最低でも15度以上に傾けて設置すると、自然に積もった雪が落下するので雪対策に効果的です。

また、雪の重みによる太陽光パネルの破損や架台の倒壊、屋根のゆがみなどのリスクを踏まえて、積雪耐性のある太陽光発電設備を選ぶことをおすすめします。

塩害対策

海近くに設置すると太陽光パネルがサビやすく発電効率が低下する傾向です。

メーカーによっては設置不可である場合、または、塩害専用の太陽光パネルや架台などを設置するようになります。

塩害地域は海からの強風による影響も考えて、専用の施工方法や定期メンテナンスなども必要となります。

台風対策

台風の多い地域に太陽光発電を設置する際は、保険に加入することをおすすめします。
また、太陽光発電のメーカー保証の内容については、自然災害の補償が付いているか否か確認しておきましょう

さらに、施工不良によって台風被害が大きくなるケースもありますので、設置業者選びでは、実績や経験のある会社に依頼することをおすすめします。

加えて、日常点検をしっかり行って、不備や故障などは早めに見つけることも大切です。

天候による太陽光発電への悪影響をおさえる解決策

ご紹介したように、太陽光発電は、さまざまな環境の変化によって発電量が変動するため、これらに左右されないためには蓄電池を併用することをおすすめします。

蓄電池は、太陽光発電で発電した電気を貯めておくことができる設備です。

具体的な使い方としては、昼間に発電した電気を蓄電池に貯めておいて、夜や天気の悪い日などは、貯めておいた電気を利用することになります。もし、災害が起こった場合にも、蓄電池があれば、停電時の電源も確保することができます。

では、蓄電池を併用した場合のメリット・デメリットを確認しておきましょう。蓄電池にはさまざまなメリットがありますが、費用面や選ぶ基準などを間違うとデメリットに繋がってしまいますので、合せて確認していきましょう。

蓄電池のメリット

  • 災害時に貯めておいた電気を使えるので、停電になっても電源確保ができる
  • 発電した電気を貯めておけるので、その分買電量が減って電気料金が節約できる
  • 電気代高騰の対策として太陽光発電+蓄電池を利用すると節電効果がある
  • 一般的に電気を多く使用する日中の時間帯からピークシフトできる
  • 電気自動車を蓄電池として利用すれば1台2役でコスパが良い
  • FIT制度の終了後に、蓄電池を有効利用すれば自家消費できる
  • 雨の日曇りの日でも発電した電気を使えるので天候に左右されなくなる
  • 再生可能なエネルギーを効果的に活用すれば、環境問題対策に貢献できる
  • パワコン一体型蓄電池を選ぶと変換ロスが少なく電気の変換効率が高い
  • 補助金制度を利用すると初期費用を抑えることができる

蓄電池のデメリット

  • 初期費用が高くなる → 補助金制度を利用すると費用負担が減る
  • 設置スペースが必要になる → 屋内設置で比較的コンパクトサイズを選ぶ
  • 買い替えが必要になる → 寿命10〜15年とメーカー保証10〜15年を目安に対応する
  • 蓄電容量の制限がある → 電気消費量に合わせて蓄電容量「kWh」を検討する
  • ダブル発電で売電価格の変動がある →FIT制度の買取価格の変動をチェックする
  • 電気代が安い人はメリットはない → 昼間に家にあまりいない人は見直しも必要

天候以外の太陽光発電のメリット・デメリット

太陽光発電は蓄電池を併用すると、天候や季節などの環境による影響を解決することができます。

では、天候や季節など以外に太陽光発電のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

太陽光発電のメリット

太陽光発電のメリットを解説します。

電気代が安くなる

自家発電で電気を賄うことができるため、電力会社から購入する電気代の節約に繋がります。

電気代を抑える方法としては夜間の安いプランにすれば、昼間は太陽光で発電した電気を使って夜は安い電気代で生活することができます。

売電収入が増える

太陽光発電で使いきれなかった余剰電力を売って収入にすることができます。

売電価格の変動を確認して良いタイミングで契約すると良いでしょう。

非常時でも電気を使える

太陽光発電と蓄電池をセットで利用すると、停電時に貯めておいた電力を有効活用することができます。

太陽光発電は夜は発電しないので蓄電池を設置して昼間の電力を使うことができます。

夏は涼しく冬は暖かくなる

屋根の上に太陽光パネルを設置するので、パネル下の室温が快適になる効果があります。

架台を設置した場合は屋根材と太陽光パネルの間の空気層によってさらに効果が高まります。

エコキュートと併用で節約できる

夜の安い電気代でエコキュートを使ってお湯を沸かし、電気代の高い昼間は、太陽光発電の発電量を使って家庭の消費電力を賄うことができます。

また、エコキュートと太陽光発電を連携すれば、昼間に使用する電気消費量が減るので、余剰電力が増えて売電収入を増やすこともできます。

長期的に利用できる

太陽光パネルの寿命は30〜40年で、製品メーカーごとに15〜25年の長期保証が受けられるため、一度導入すれば長く利用することができます。

太陽光発電設備のデメリット

太陽光発電のデメリットを解説します。デメリットについては解決策も踏まえて確認しておきましょう。

初期費用が高額になる

太陽光発電システムの導入費用は高額です。電気代の節約、売電収入なども含めて将来的に元が取れるように予算を立てる必要があります。

初期費用を抑える方法としては補助金制度の利用がおすすめです。

売電収入だけでは難しい

FIT価格(固定買取価格)の低価格化により、売電収入のみでは費用効果を得ることが難しいケースもあります。

蓄電池を併用して自家消費型にシフトすることをおすすめします。

設置場所で発電効果が下がる

太陽光発電システムの設置条件によって発電効率は変わってきます。

導入前に天候、設置する地域、立地条件、方角などのシュミレーションが必須となります。

太陽光パネルを設置する屋根の条件については南向きで傾斜30度が理想的とされています。

屋根の状態によって設置できない

太陽光発電システムを設置する屋根が老朽化している場合には、屋根のリフォームなどが必要となるケースもあります。

設置前に専門業者に依頼して、屋根の点検をすることが必要です。

不備工事のトラブルがある

悪質な設置業者に工事依頼した場合には、不良工事で発電効率を得られないこともあります。

設置業者選びは、太陽光発電システムを最適に利用するために重要なポイントとなります。

設置業者を見極める際は、施工実績が多く工事の技術や経験が豊富であることや、事前に現場調査をくわしく行って適切な見積もりを提示してくること等がポイントになります。

ウェザーニューズ 太陽光発電量予測について

家庭用の太陽光発電には直接関係しない内容となりますが、興味のある方は参考に紹介しておきます。

太陽光発電は、発電量の計画値と実績値の誤差によって売電収入の予測が外れてしまうケースがあります。この解消策として、株式会社ウェザーニューズは、電気事業者向けに、日射量データを用いた高精度な太陽光発電量予測モデルを開発しました。

サービス内容については、電力取引に適した30分毎の太陽光発電量の予測データを72時間先まで提供しています。4月にスタートしたFIP制度に合わせて、高精度な太陽光発電量予測で損失リスクを減らすサービスを行っています。

まとめ

太陽光発電は環境の変化により発電量が変動します。発電量に影響する要素は、天候や季節、時間帯や地域性などがあげられます。

発電量が得られないと太陽光発電の効果が低下するため、蓄電池を併用して発電量を貯めることをおすすめします。

また、蓄電池を導入する際は、メリット・デメリットを抑えて、適切な製品を選ぶようにしていきましょう、

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