太陽光発電を導入する際は、蓄電池を併用すると発電した電力を効率良く利用することができます。
太陽光発電の売電価格が下落傾向にありますので、卒FIT後に自家消費型で利用するには蓄電池の導入がおすすめです。
蓄電池の選び方は、ご家庭の環境によって適した機種が違ってきますので、価格、発電容量、特徴、保証期間などを確認して良いメーカーを選んで比較検討すると良いでしょう。
本記事では、蓄電池メーカーおすすめ10社について解説していきます。
日本国内の主要10社蓄電池メーカーの紹介
太陽光発電に併用できる蓄電池の主な10 社メーカーについて紹介していきます。
- ニチコン
- シャープ
- 長州産業
- オムロン
- パナソニック
- 京セラ
- 伊藤忠商事
- HUAWEI(ファーウェイ)
- テスラ
- ジンコソーラー
①ニチコン
画像参照元:ニチコン
蓄電池業界では広く知られた老舗メーカーです。
家庭用蓄電システムの累積販売台数は、国内No.1の実績があります。
ニチコン蓄電池の特徴
- 太陽光発電・蓄電池・V2Hの3つを一体化したトライブリッド蓄電システム
- 蓄電池は寿命が長い
- 16.6kWhの蓄電池は業界トップクラス
- 設置場所に困らない
- 価格は高い
蓄電池の種類:ハイブリッド型/単機能型/ポータブル/トライブリッド蓄電システム
蓄電容量:2.0kWh~16.6kWh
蓄電池の保証:15年
②シャープ
家庭用太陽光発電システムの国内累計販売台数1位のメーカーです。多くの大手ハウスメーカーに採用されている実績もあり、太陽光発電システムのメーカーとしてトップクラスの信頼性があります。卒FITに向けて蓄電池の販売力を高めています。
シャープ蓄電池の特徴
- 消費電力量や設置場所に合わせて選べる
- AIによる制御で、自家消費率アップや停電対策機能が付いている
- スマホアプリで安心の見守りサービスが利用でき
蓄電池の種類:ハイブリッド型
蓄電容量:4.2kWh~13kWh
蓄電池の保証:15年間有償または10年無償
③長州産業
日本で長年住宅設備に携わってきた中国エリアを拠点とした住宅設備メーカーです。日本の気候や家の特性を踏まえて日本の住宅に最適な蓄電システムを提案しています。パナソニック、オムロン、田淵電機など他メーカーの製品を販売しています。蓄電池シェアは3位。
長州産業の蓄電池の特徴
- 充実した保証と万全のサポート体制がある
- 人気製品は9.8kWhハイブリッド型蓄電池
- 屋内設置の蓄電池を多く採用している
- 停電時200V機器にも対応できる
蓄電池の種類:ハイブリッド型/単機能型
蓄電容量:6.5kWh~16.4kWh
蓄電池の保証:15年
④オムロン
太陽光発電のパワーコンディショナーのシェアNo.1メーカーです。蓄電池の開発にも取り組んでいて、オムロンの蓄電池は世界最小・最軽量サイズのコンパクト設計であるのが特徴的です。
オムロンの蓄電池の特徴
- コスパが良い
- 世界最小クラスの蓄電池がある
- 設置場所に困らない
- 重塩害地域に対応できる
蓄電池の種類:ハイブリッド型/単機能型
蓄電容量::4.2kWh~16.4kWh
蓄電池の保証:15年
⑤パナソニック
業界で初めてハイブリッド型システムを開発したメーカーです。家庭用ハイブリッド型蓄電池のシェアはシャープの次にNo.2です。
パナソニックの蓄電池の特徴
- 多彩なラインナップが提供されている
- 「創蓄連携システム」が搭載されている
- 電気ロスを最小限に抑える性能がある
- アフターサービスの対応が良い
- 安全機能を装備したリチウムイオン電池を採用している
蓄電池の種類:ハイブリッド型
蓄電容量:3.5kWh~12.6kWh
蓄電池の保証:15年
⑥京セラ
国内シェア数はシャープに次ぐ第2位で太陽光発電の老舗メーカーです。太陽光パネルと創蓄連携できる蓄電池が特徴です。
京セラの蓄電池の特徴
- 蓄電容量12.0kWhは家庭用蓄電池でトップクラス
- 大容量だけど薄型・小型の本体サイズ
- 停電時に連続最大47時間電気が使える
- 寿命が長く安全性が高い
- 価格が安い
蓄電池の種類:単機能型
蓄電容量:5kWh~15kWh
蓄電池の保証:15年、リモコンに5年、自然災害は10年保証
⑦伊藤忠商事
世界62ヶ国に約100の拠点を持つ大手総合商社です。蓄電池Smart Starシリーズは、2021年2月時点で累計販売台数が4万台を突破。実績のあるメーカーです。
伊藤忠商事の蓄電池の特徴
- 9.8kWhの大容量
- 停電時200V機器にも対応できる
- AI機能が搭載されている
- 単機能型で価格が安い
- 初期費用0円で導入できる料金プランがある
蓄電池の種類:単機能型
蓄電容量:13.16kWh、9.8kWh
蓄電池の保証:10年
⑧HUAWEI(ファーウェイ)
パワーコンディショナーの世界シェアは5年連続No1です。2021年に初めて蓄電池市場に参入しています。
HUAWEI(ファーウェイ)蓄電池の特徴
- 蓄電容量に合わせて3種類から選べる
- 価格が安い
- 3つの運転モードがある
- 最大変換効率98%
- 安全性が高い
蓄電池の種類:ハイブリッド型
蓄電容量:5kWh,10kWh,15kWh
蓄電池の保証:10年
⑨テスラ
アメリカに本社を持つ電気自動車メーカーです。蓄電池業界では、容量が大きく低価格な家庭用蓄電池「パワーウォール(Powerwall)」を販売しています。
テスラ蓄電池の特徴
- 耐久性が高い
- 価格が安い
- スマホと連携して管理ができる
- 13.5kwh、200vに対応
蓄電池の種類:単機能型
蓄電容量:13.5kWh
蓄電池の保証:10年
⑩ジンコソーラー
中国発の世界最大級の太陽電池モジュール販売メーカーです。世界100以上の国や地域で導入実績があり、高品質・高性能な設備として人気があります。太陽光モジュールの技術力を活かして家庭用蓄電池の開発にも取り組んでいます。
ジンコソーラー蓄電池の特徴
- 全負荷型で200V対応
- 最大12.2kWhの大容量蓄電池
- 4種類の運転モードがある
- 高品質なリン酸鉄系・リチウムイオン電池を採用
- サイクル回数12,000回寿命が長い
蓄電池の種類:ハイブリッド型
蓄電容量:6kWh、9kWh、12 kWh
蓄電池の保証:15年
蓄電池メーカー選びのポイント
太陽光発電で作られた余剰電力の買取価格が下落傾向にありますので、卒FIT後に蓄電池の導入を検討されている方も多いでしょう。
蓄電池ある/なしでは、太陽光発電で発電した電力を自家消費できる効果が大幅に変わってきます。
蓄電池メーカーによって仕様が異なりますので、細かくチェックして最適な機器を選びましょう。蓄電池を設置する条件やライフスタイルによって、選ぶ機種は違ってきます。
同じメーカーの機種でも、業者によって価格の違いも出てきますので、見積もりを取る際は、複数社の業者に依頼して比較検討することをおすすめします。
蓄電池導入のメリット・デメリット
太陽光発電システムに蓄電池を導入した場合のメリット・デメリットについて確認していきましょう。
蓄電池導入のメリット
- 災害や停電時に使える
- 電気料金が節約できる
- 電気代高騰の影響を受けない
- ピークシフトに貢献できる
- 電気自動車と連携できる
- FIT制度の終了後に自家消費できる
- 天候に左右されなくなる
- 環境にやさしい生活ができる
- パワコン一体型蓄電池が利用できる
災害や停電時に使える
太陽光発電を災害時や停電時に確実に使えるようにするためには、蓄電池も併用すると効果的です。また、停電時に使える家電製品の種類に合わせて蓄電池の容量についても検討すると良いでしょう。蓄電池の容量によって効果は変わってきます。
電気料金が節約できる
電気会社の割安深夜プランを契約すれば、電気代の節約に繋がります。。深夜プランで割安となった電気を蓄電池に貯めておいて、料金が高くなる昼間に使用すれば効果的です。
電気代高騰の影響を受けない
蓄電池を設置して電力会社の電気をできるだけ減らすと、電気代の値上がり対策になります。各家庭でできる節約方法として、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめです。
ピークシフトに貢献できる
電気の使用量が少ない夜間に電気の利用をシフトすれば、電力需要のピークを減らすことができます。また、通常使っている電気量は変えずに電気料金を下げることもできます。
電気自動車と連携できる
「トライブリッド蓄電システム」を利用すると、電気自動車も自家消費で電気を賄うことができるようになります。
FIT制度の終了後に自家消費できる
FIT(固定価格買取制度)が終了しても自家消費型にシフトして蓄電池で電気を賄うことができます。売電収入よりも電力会社からの購入する電気を少なくしたほうが結果的には経済的メリットを得ることができます。
天候に左右されなくなる
蓄電池に電気を貯めておけるので、天候が悪い日でも太陽光発電の電気を使うことができます。天気が悪い日が続いても蓄電池があれば、安心して太陽光発電を有効利用できます。
環境にやさしい生活ができる
再生可能なエネルギーを効果的に活用し地球温暖化などの環境問題対策に貢献することができます。
パワコン一体型蓄電池が利用できる
パワーコンディショナーと買い替えのタイミングに合わせて、パワコン一体型蓄電池( ハイブリッド型蓄電池)を導入すれば、変換効率が良く発電効果が期待できます。
蓄電池と併用のデメリット
- 初期費用が高くなる
- 設置スペースが必要になる
- 蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
- 電気の貯められる容量制限がある
- ダブル発電で売電価格の変動がある
- 電気代がすでに安い人はメリットはない
初期費用が高くなる
太陽光発電と蓄電池の併用が効果的だとわかっていても、設備機器の種類が増えればその分、初期費用も高くなってしまいます。費用を安くする方法は、補助金制度を利用したり、複数社から見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
設置スペースが必要になる
蓄電池は屋外設置または屋内設置のタイプがあります。ご自宅のスペースを検討して適切な条件の場所に置くことをおすすめします。また、設置場所は、耐荷重を考えて選びましょう。
蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
蓄電池の寿命およそ10年〜15年、または製品メーカーの保証期間が10年〜15年に合わせて、修理や点検を行うと良いでしょう。保証期間中の故障は無償で対応してくれます。
電気の貯められる容量制限がある
蓄電池の容量を間違えると、使いたい時に使えないこともあります。ご自宅の電気使用量に合わせて適切な容量の製品を選ぶと良いでしょう。
ダブル発電で売電価格の変動がある
売電価格については、太陽光発電のみのシングル発電の場合とダブル発電の場合では価格が違ってくるため、太陽光発電と蓄電池を併用する際は、余剰電力の活用法について確認が必要です。
電気代がすでに安い人はメリットはない
すでに電気代が安くて、昼間に家にあまりいない人は、蓄電池を設置する必要はないかもしれません。状況に合わせて検討すると良いでしょう。
蓄電池の導入に必要な費用
太陽光発電設備に蓄電池を導入する際は、以下のポイントを踏まえて価格相場を確認していきましょう。
- 充電方式(単機能型またはハイブリッド型)
- 蓄電池の容量(家庭用蓄電池は容量5kWh〜7kWh程度が一般的)
- 蓄電池の種類(リチウムイオン、鉛、NAS、ニッケル水素)
- 蓄電池の各メーカー製品
充電方式による蓄電池の価格相場
- 単機能型蓄電池:およそ70万円〜265万円程度
- ハイブリッド型の蓄電池:およそ100万円〜270万円程度
蓄電池の容量による価格相場
1kWhあたり、およそ15〜21万円程度 (蓄電池+工事費込み)になります。
- 蓄電容量4kWhの蓄電池:60~84万円程度
- 蓄電容量5kWhの蓄電池:75〜105万円程度
- 蓄電容量7kWhの蓄電池:105~147万程度
- 蓄電容量10kWhの蓄電池:150~210万円程度
一般的な蓄電池の工事費用の目安は、だいたい設置工事費用が20〜35万円くらいです。
別途配線工事費や諸経費などがかかると考えておくと良いでしょう。
蓄電池の種類による価格相場
- リチウムイオン蓄電池:13~20万円/kWh
- 鉛蓄電池:5万円/kWh
- NAS蓄電池:4万円/kWh
- ニッケル水素:10万円/kWh
蓄電池の主なメーカー製品の価格相場
- Panasonic(パナソニック)
蓄電容量:3.5kWh~12.6kWh/価格相場:90万~300万円(税込)
- KYOCERA(京セラ)
蓄電容量:5kWh~15kWh/価格相場:120~250万円(税込)
- SHARP(シャープ)
蓄電容量:4.2kWh~13kWh/価格相場:105万~260万円(税込)
- OMRON(オムロン)
蓄電容量:4.2kWh~16.4kWh/価格相場:100~280万円(税込)
- nichicon(ニチコン)
蓄電容量:2.0kWh~16.6kWh/価格相場:42万~270万円(税込)
- 長州産業
蓄電容量:6.5kWh~16.4kWh/価格相場:135~280万円(税込)
まとめ
蓄電池のメーカーは複数社あり、蓄電池の機種も豊富な種類から選ぶことができます。ご家庭の環境に合わせて、最適な蓄電池を選びましょう。