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0円ソーラーは本当にお得なのか?からくりとメリット・デメリット

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初期費用0円で太陽光発電が導入できる「0円ソーラー」ってご存じですか?
大掛かりな設備が無料で設置できるサービスがあるのなら検討したい方も多いでしょう。

そこで、本記事では、「0円ソーラー」のからくりとメリット・デメリット、通常購入した場合と比べてどっちがお得なのか?解説していきます。

0円ソーラーとは?

「0円ソーラー」とは、太陽光発電システムの初期費用を事業者が負担し無料で設置できるサービスです。

住宅所有者は、電気料金またはリース料金を支払うことで高額な初期費用を抑えて0円で太陽光発電を設置することが可能になります。

太陽光発電「初期費用0円」のからくり

画像参照元:環境省・再エネスタート

太陽光発電の初期費用が0円になる「0円ソーラー」は、事業者が発電した電力を住宅所有者に販売することで初期費用を回収できる仕組みになっています。

太陽光発電を設置してから、およそ10年間は、住宅所有者は発電した電気のうち使用した分の電気料金の支払いと設備のリース使用料の支払いが必要ですが、一定期間が過ぎれば、太陽光発電設備は住宅所有者に無償譲渡される条件となっています。

​「0円ソーラー」は、取引きを行う事業者と住宅所有者、双方に関わるメリット・デメリットを踏まえて、太陽光発電を通常で導入した場合と比較して検討すると良いでしょう。

​「0円ソーラー」の3つの種類について

「0円ソーラー」は大きく分けて、以下の3種類のタイプがあります。

タイプ別にメリット・デメリットが違ってきますので、合わせて確認していきましょう。

  • 屋根貸しタイプ
  • 電力販売(PPA)タイプ
  • リースタイプ

屋根貸しタイプ

自分が所有する自宅の屋根スペースを太陽光発電の事業者に貸すタイプです。
自宅の屋根を貸すだけで、賃料として年間でおよそ1〜2万円ほどの賃料収入が得られます。

屋根貸しタイプのメリット

  • 屋根の賃料収入が得られる
  • 初期費用・修繕費用が無料になる
  • 非常時電源を確保できる

屋根貸しタイプの場合、持ち家、または借家の屋根を事業者に貸して、月々の副収入を得ることができます。

費用負担については、初期費用以外にメンテナンス費も、事業者が負うことになります。

また、事業者との契約内容によっては、非常時には太陽光で発電した電気を使用することが可能です。

屋根貸しタイプのデメリット

  • 自家消費や売電ができない
  • 契約期間終了後に自己保有することはできない
  • 年間の賃料が安い

屋根貸しタイプでは、事業者が太陽光で発電した電気をすべて使う権利があるため、住宅所有者は自家消費や売電はできません。

また、契約期間が終わったら、太陽光発電システムの所有権は事業者になり、他のタイプのように設備が無償譲渡されません。

なお、屋根の賃料については、年間およそ1〜2万程度なので、経済的メリットはあまり期待できないと言えるでしょう。

電力販売(PPA)タイプ

住宅所有者の屋根スペースに太陽光発電システムを設置して、そこで発電された電気は事業者のものとなり、住宅所有者はその電気を購入して使用するという仕組みです。事業者が発電した電力を住宅所有者に販売して、太陽光発電の初期費用を回収することになります。

電気販売(PPA)タイプのメリット

  • 電力会社の設定した電気代よりも安くなる
  • 初期費用・修繕費用が無料になる
  • 契約期間終了後に設備が無償譲渡される

電力販売(PPA)タイプの場合、事業者が電力会社の電気料金よりも安く設定しているので、通常料金よりもおよそ10〜15%くらい割安になります。

費用負担については、初期費用以外にメンテナンス費も事業者が行います。

た、契約が終了すると太陽光発電設備は、住宅所有者に譲渡されて利用できるようになります。

電気販売(PPA)タイプのデメリット

  • 電力会社に売電できない
  • 使った電気量は電気料金として支払う必要がある
  • 蓄電池と併用できない場合もある
  • 設置条件が合わない場合もある

事業者が太陽光で発電した電気をすべて使う権利があるため、住宅所有者は自家消費や売電はできません。電気売買契約なので、蓄電池の併用ができない場合もあります。

また、「0円ソーラー」を利用したくても、ご自宅の屋根の条件が悪く、狭かったり異形だったり、方角が悪かったり等、発電効果が期待できない場合は、設置できないこともあります。

リースタイプ

太陽光発電の事業者が住宅所有者に太陽光パネルを賃貸するタイプです。発電した電力は住宅所有者のものとなり、ソーラーパネルのリース料金を事業者が支払う仕組みです。リースタイプの場合は、太陽光発電で発電した電気は、自家消費することも売電することも可能です。リース期間は、だいたい10年程度となっています。

リースタイプのメリット

  • 初期費用0円で太陽光発電システムが設置できる
  • 発電した電気は自由に使えて余剰電力を電力会社に売電できる
  • 契約期間中の故障は保証でカバーできる
  • 契約期間終了後に設備が無償譲渡される

屋根貸しタイプや電気販売(PPA)タイプと比較して大きく違う点は、発電した電力を自由に使えたり売電できたりすることです。

また、契約期間中に万が一、設備機器が故障しても保証でカバーされるので、住所有者の維持管理費用の負担はなくなります。

電気販売タイプと同様に、契約が終了すると太陽光発電設備は、住宅所有者に譲渡されて利用できるようになります。

リースタイプのデメリット

  • 発電量が少ないとリース料金の方が割高になる
  • 電気の使用量によってはメリットが少ないケースもある

太陽光発電の発電量がうまく得られなかった場合、リース料金の方が高くなってしまうデメリットがあります。

FIT制度の売電価格も下落傾向にあるため、太陽光発電の発電量を増やしてリース代よりも上回る収益が見込めるように検討しましょう。

「0円ソーラー」と売電収入

「0円ソーラー」は名称の通り無料のイメージでお得感のあるサービスですが、注目したい点として、太陽光発電で利用できる売電についても合わせて確認しておきましょう。

太陽光発電の売電のしくみを簡単にいうと、太陽光パネルで発電した余剰電力を電力会社に売って収入になるということです。
太陽光発電を導入する場合に、初期費回収の方法として売電制度を利用するとだいたい10年間で元が取れると言われています。
一方、「0円ソーラー」を利用した場合、リースタイプ以外(電力販売タイプと屋根貸しタイプ)は、発電された電力は事業者の所有となるため売電による収入は得られません。事業者は、住宅所有者の電気代と売電収入から初期費用回収にあてるからです。

投資目的で「0円ソーラー」を考えている場合は、売電価格の推移についてもしっかり情報収集することが重要となるでしょう。

初期費用0円太陽光発電「0円ソーラー」のメリット・デメリット

「0円ソーラー」のデメリット

では、「0円ソーラー」を利用する際は、後から後悔しないようにデメリットについて確認しておきましょう。
ここでは、「0円ソーラー」の種類に関わらず共通する内容を解説していきます。

「0円ソーラー」のデメリット
  • 契約条件が厳しい
  • 一定期間は契約解除できない
  • 太陽光発電のメリットが減る

契約条件が厳しい

「0円ソーラー」を利用する場合、年齢による制限、築年数による制限、蓄電池の設置有無、クレジットカードでの支払いなどの契約条件があります。

事業者ごとに年齢(50歳未満〜70歳未満)や築年数(10年未満〜40年未満)と幅は異なり、リースタイプよりも電力販売タイプのほうが条件は厳しい傾向です。

その理由としては、リースタイプは定額のリース料金なので、諸条件に左右されずに利益が見込めます、一方、電力販売タイプの場合は、太陽光発電の発電量の変動によって電気代や売電収入による収益が変わってくるため、条件が厳しくなっています。

一定期間は契約解除できない

0円ソーラーは、基本的には途中解約はできません。例えば、10年の契約期間中に3年で途中解約した場合は、残り7年分の金額を支払って買取りが必要になります。

太陽光発電のメリットが減る

「0円ソーラー」は、事業者が太陽光発電のメリットを得る部分も多いので、通常購入した場合よりも住宅所有者のメリットは少なくなる傾向です。

一方、通常購入した場合は、初期費用がかかりますが、売電収入や電気代の節約などで10年前後で元を取ることも可能です。

ただし、事業者が介入した場合は、住宅所有者のみで太陽光発電システムを利用し維持管理することは難しくなり、お得度も半減します。

「0円ソーラー」のメリット

では、「0円ソーラー」を利用する際は、メリットについて確認しておきましょう。
ここでは、「0円ソーラー」の種類に関わらず共通する内容を解説していきます。

「0円ソーラー」のメリット
  • 初期費用が無料になる
  • 太陽光パネルのメンテナンスが必要ない
  • 災害時の電源確保ができる

初期費用が無料になる

「0円ソーラー」の一番のメリットは、初期費用が0円であることです。太陽光発電を導入検討している方が、初期費用無料で設置できるとなれば、一度は考えたいサービスとなるでしょう。

通常購入であれば、初期費用(設備費+工事費)の準備が必要となります。

太陽光パネルのメンテナンスが必要ない

「0円ソーラー」は、太陽光パネルを貸し出す事業者側がメンテナンスを行います。

住宅所有者は、太陽光パネルのメンテナンス業者の手配は不要になります。

災害時の電源確保ができる

自然災害などで停電になった場合、昼間の電気を確保できます。

蓄電池と併用できれば、夜間も電気を使うことができます。

地震や台風などが多い日本では、災害時の非常用電源を確保できるのは大きなメリットとなります。

0円ソーラーを設置するのと購入して設置するのとではどちらがお得?

項目

0円ソーラーの場合 通常購入の場合
初期費用 事業者が負担 住宅所有者が負担
維持管理費 事業者が負担 住宅所有者が負担
太陽光発電の所有権 事業者

住宅所有者

保証内容 事業者が負担 メーカー保証
太陽光発電を通常購入した場合は、太陽光発電の初期費用として設備費、工事費がかかります。設置後は、自由に発電量を利用できて電気代を節約したり売電したりして初期費用回収に繋げることも可能です。
0円ソーラー」の場合は、初期費用はかかりませんが、契約期間の10年間は、電気代またはリース料金を支払う必要があり、リースタイプ以外(電力販売(PPA)タイプと屋根貸しタイプ)は、売電による収入は得られません。メンテナンス費用は10年間、事業者負担となり、契約期間中の保証対応は事業者が行います。

「0円ソーラー」を設置するのと購入して設置するのとではどちらがお得かについては、利用者の条件次第で、どちらも大きな大差はないと言えるでしょう。

太陽光発電システムの利用者が、発電した電力を自由に使って売電したり節約して電気代を抑えたり、日常のメンテナンスも自己管理で行いたい場合は、通常通り購入して運用した方がよいかもしれません。
一方、リース料金を事業者に払って太陽光発電を利用したい場合や、売電収入がなくても初期費用無料で導入したい方などは、「0円ソーラー」で検討するとよいかもしれません。

「0円ソーラー」利用までの流れ​

「0円ソーラー」利用までの流れ​については以下の通りです。

  1. 0円ソーラーを設置する事業者を選ぶ
  2. 事業者へ見積もり依頼をする
  3. 事業者の設定した条件が適用するか確認する
  4. 0円ソーラー事業者が現地調査をする
  5. 現地調査により詳細に見積もりを出す
  6. 見積もりを確認し契約するか決める
  7. 契約後、太陽光発電設備の工事準備を行う
  8. 太陽光発電システムを設置する
  9. 太陽光発電システムを利用開始する

「0円ソーラー」の補助金について

現在、「0円ソーラー」で利用できる補助金制度は、WEB上ではあまり数はないようですが、

京都府が補助金利用の募集を行っています。

京都府では、府内の住宅へ「0円ソーラー」設置の支援を行っています。
太陽光発電設備を導入した府民を対象に、最大10万円相当額を「0円ソーラー」事業者から還元するプランです。
「京都0円ソーラープラットフォーム」:電力販売契約またはリース契約の募集

まとめ

太陽光発電では、初期費用が無料になる「0円ソーラー」のサービスを利用できます。
「0円ソーラー」には3種類のタイプ「屋根貸し」「電力販売(PPA)」「リースタイプ」があり、各種メリットとデメリットが異なりますので、利用する際は、導入後に後悔しないように確認しておきましょう。
また、「0円ソーラー」を利用する際は、事業者が住宅所有者の電気代と売電収入から初期費用回収にあてるため、諸条件は厳しめに設定されています。

太陽光発電を導入する際は、「0円ソーラー」または通常購入する場合と比較して、どちらが良いかについては、利用者の予算や住宅の設置条件、売電収入の要否などから検討しましょう。

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