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太陽光発電と蓄電池の仕組みをわかりやすく解説

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太陽光発電導入と蓄電池を一緒に導入しようか迷っている方は、蓄電池のしくみについて概要を知っておくとよいでしょう。基本的な知識を押さえておけば、製品購入するときや設置業者と交渉する際に、参考になって理解しやすくなります。

本記事では、太陽光発電と蓄電池、それぞれの仕組み、メリット・デメリット、おすすめメーカーの蓄電池について解説していきます。

太陽光発電の仕組みをわかりやすく解説

では、まず始めに、太陽光発電の仕組みについて確認していきましょう。

太陽光発電とは、太陽エネルギ―を利用して電気を作る発電方式です。

太陽光発電のしくみを簡単にいうと、屋根上に設置した太陽光発電パネルに太陽光が当たると光電効果が起って電流が流れるようになります。

この電流をパワーコンディショナーで交流電流に変換すると電気が家庭内で使えるようになります。

パワコンにより変換された電力は、分電盤で家庭内の配線へと流れ各部屋ごとで電気を使えるようになります。

太陽光発電の必要設備

次に、太陽光発電で電気を使えるために必要な、各種機器について確認しておきましょう。

太陽光発電パネル

太陽電池をたくさんつなげたパネル状の設備。パネルに太陽光が当たると発電が起こる仕組みになっています。

パワーコンディショナー

太陽光発電によって発電した電力を直流電流から交流電流に変換するための機器です。

架台

最適な日射量を確保するために、太陽光発電パネルの傾斜を調節して屋根上でパネルを支える台です。

分電盤

発電した電力を分配・調節する機器です。パワーコンディショナーから送られてきた電気を家庭内の配線に分ける役割を担います。

接続箱

太陽電池発電パネルからのケーブルを一つにまとめて発電した電気をパワーコンディショナーに送り込む設備です。

売電メーター

電力会社へ売る電気量を測るメーターです。

発電量モニター

太陽光発電の状況や電気使用量を確認できるモニターです。

蓄電池の仕組みをわかりやすく解説

続いて、蓄電池のしくみについて確認しておきましょう。

蓄電池は太陽光発電でつくった電気を充電して貯めておくことができる機器です。
太陽光発電と一緒に利用するとさまざまなメリットがあります。

蓄電池のしくみ

蓄電池の化学反応によって、電気を蓄える「充電」と電気を使う「放電」ができるようになります。

蓄電池のしくみは、2つの電極と電解液で構成されていて、正極と負極の2つの電極の間を電子が動いて充電できたり放電できたりします。

蓄電池の種類は、電極や電解液の素材によって異なり、一般住宅の蓄電池は主にリチウムイオ電池ンがよく使われています。

蓄電池の種類と特徴

蓄電池は、性能や特徴によって種類が4つに分類されます。

・リチウムイオン電池 
・鉛蓄電池
・ニッケル水素電池
・NAS電池

リチウムイオン電池

小型蓄電池で 大容量の電力を蓄えることができるのが特徴です。他の蓄電池よりも過充電や過放電に弱いタイプです。

リチウムイオン電池は、主にノートパソコン、携帯電話、電気自動車、ハイブリッド車などに利用されています。

鉛蓄電池

電極の材料である鉛が安価でコストパフォーマンスが高く、比較的高い電圧を取り出すことができます。

他の蓄電池と比較して大型で重く、過放電状態が続くと劣化して性能が低下しやすくなります。鉛蓄電池は自動車用バッテリーを中心に広く普及しています。

ニッケル水素電池

大出力放電が可能で、過充放電に強い特徴があります。振動や衝撃に強く耐久性があります。

充電状態で出荷されたニッケル水素電池は、購入してすぐ使うことができます。

NAS電池

鉛蓄電池の3倍のエネルギー密度を持ち、寿命が長く、安全性も高いことが特徴です。

NAS電池のサイズは大型のため家庭用には不向きで、大型規模の設備に適している電池です。

蓄電池の価格

蓄電池の費用相場について確認しておきましょう。

蓄電容量1kWhあたり平均13.7万円になります。蓄電容量が大きくなるとkWhあたりの価格が低下する傾向があります。
5kWh未満は平均15万円/kWh/5〜10kWh未満は平均14万円/kWh/10kWh以上は平均13万円となっています。
蓄電容量小さめの5kWh未満で、本体価格は大体75万円、大容量10kWhで130万円ぐらいの計算になります。

蓄電池の費用は高額なので、補助金を利用すると良いでしょう。国による補助金と地方自治体による補助金が利用できますので、各都道府県のHPより参考にすることができます。

パワコン一体型のおすすめハイブリッド蓄電池

太陽光発電の導入を検討されている方は、ハイブリッド蓄電池について知っておくとよいでしょう。

ハイブリッド蓄電池

従来型のパワーコンディショナーは、太陽光発電用と蓄電池用にそれぞれに1台ずつのパワコンが必要でしたが、ハイブリッド蓄電池の場合は、太陽光発電システムに必要な機器パワーコンディショナーを1台で兼用することができます。

ハイブリッド蓄電池は、太陽光発電で発電した電力や蓄電池に貯められた直流電流を、家庭で使用できるように交流電流へ変換するという役割を担います。

ハイブリッド蓄電池のメリット

ハイブリット蓄電池のメリットを確認しておきましょう。

電気の変換ロスが少なく効率が上がる

電気の変換をする際は、蓄電池に貯めた電気を使う時だけなので、変換回数が少なくロスがなくなり、電気の変換効率が高くなります。

停電時に便利に利用できる

停電時に蓄電池に蓄えた電力を使いながら、同時に充電もできます。
ハイブリッドタイプの蓄電池の出力は高いので、同時に使える機器が多く、停電時でも家電製品を通常どおり使うことも可能です。

ハイブリッド蓄電池の注意点

太陽光発電パネルの保証は、太陽光パネル+パワーコンディショナーのセットで対応されているケースが多いので、ハイブリッド蓄電池の場合は保証が受けられないケースが大半です。

ただし、蓄電池のメーカーによっては、保証を継続してできる場合もありますので、実際に購入する際は、ハイブリッド蓄電池の保証期間について販売担当者に確認するとよいでしょう。

また、太陽光発電パネルの種類によっては、ハイブリッド蓄電池との相性が合わない機種もありますので、合わせて確認すると良いでしょう。

蓄電池のメリット・デメリットを知っておこう

太陽光発電と併用して蓄電池を設置した場合のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

蓄電池と併用のメリット

太陽光発電と蓄電池を併用した場合のメリットは以下の通りです。

蓄電池と併用したメリット
・災害や停電時に使える
・電気料金が節約できる
・電気代高騰の影響を受けない
・ピークシフトに貢献できる
・電気自動車と連携できる
・FIT制度の終了後に自家消費できる
・天候に左右されなくなる
・環境にやさしい生活ができる
・パワコン一体型蓄電池が利用できる

蓄電池の大きな役割は、電気を蓄えておけることです。太陽光発電でつくった電気はそのまま貯めておくことはできないため、蓄電池を設置して充電しておけば好きな時間に電気を使うことができるようになります

蓄電池があれば、災害時や停電時にも電気がなくて困ることがなくなります。

また、太陽光発電と併用して、電気会社の料金を深夜割引プランで契約すれば、電気代の節約にも繋がり、ピークシフトに貢献することもできます。

FIT制度の利用者は、契約終了後に自家消費できる蓄電池を準備しておけば、売電収入から電気の自家消費型にシフトできるようになって、経済的メリットも得ることもできます。

さらに、太陽光発電のデメリットでもある天候に左右される問題は、蓄電池を設置することで発電効果を維持することもできるようになり、太陽エネルギーを利用した生活では、環境に配慮した暮らしができるようになります。

蓄電池と併用のデメリット

太陽光発電と蓄電池を併用した場合のデメリットは以下の通りです。

蓄電池と併用のデメリット
・初期費用が高くなる
・設置スペースが必要になる
・蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
・電気の貯められる容量の制限がある
・ダブル発電で売電価格の変動がある
・電気代がすでに安い人はメリットはない

太陽光発電の費用は、蓄電池以外にいくつか機器を揃えるため高額な初期費用が必要となります。さらに工事費用や設置後の維持費を考えると、蓄電池はどうしようか?と導入を保留する方もいらっしゃいます。そういった方は、太陽光発電や蓄電池で利用できる補助金制度を使って費用を少しでも安くすることができます。

また、蓄電池は、家庭の電気使用量に対して適切な容量の機器を選んで、容量サイズに合わせて設備機器を置くスペースを確保する必要があります。

蓄電池が大容量であれば機器のサイズも大きくなるため、屋内にそれなりの場所を準備する必要があります。

他には、蓄電池の寿命10年〜15年に合わせて修理や交換が必要です。蓄電池は、過度な充電や放電を繰り返して余計な負荷を与えると、寿命より短い期間で故障してしまいます。

長期的に利用するためには、日常の点検や適切な取り扱い方法が必要となります。

 

なお、太陽光発電の蓄電池を導入するメリット、またはデメリットについては、以下の関連記事を参考にすると良いでしょう。

太陽光発電と併用できる蓄電池おすすめメーカー5選ご紹介

太陽光発電システムで利用できるおすすめ蓄電池を紹介します。

シャープ クラウド蓄電池システム

※特徴
・消費電力量や設置場所に合わせて選ぶことができる。
・太陽光発電+蓄電池で、電気を有効に使える。
・シャープHEMSサービスと連携して自家消費率アップや停電対策に備えられる。
・万一の停電時にも安心して電気が使える。
・安心見守りサービスが活用できる。
・無料の会員サービス、COCORO ENERGYエコ会員が利用できる。
・システム構成機器と充電可能容量を15年間有償または10年無償で保証する。
※蓄電容量/サイズ(高さ×幅×奥行㎜)/価格
4.2 kWh/ 605×500×360/   958,000円~
6.5 kWh/ 500×520×263/ 2,508,000円~
8.4 kWh/ 605×700×360/ 3,179,000円~
9.5 kWh/ 685×560×470/ 3,740,000円~
※設置方式:屋外・屋内

OMRON(オムロン)太陽光発電用ハイブリット蓄電システムKP55S

※特徴
・容量アップでより多くの発電をサポートできる。
・コンパクトサイズなので省スペースに設置できる。
・発電のムダをなくし、安心して電力を有効活用できる。
・売電から自家消費時まで使い分け自在の運転モードが搭載されている。
・停電に備える運転モードが搭載されている。
・朝夕夜間までできるだけ自家消費を優先する機能がある。
・保証期間10年が付いている。
蓄電容量/サイズ(高さ×幅×奥行㎜)
6.5 kWh/ 650×493×222
設置方式:屋外

Nichicon(ニチコン)ハイブリット蓄電システム ESS-H2L1

※特徴
・節電も停電対策もこの1台で賄える。
・低温や高温に強い蓄電池を採用。北海道など−30℃でも運転が可能。南側設置もOK
・自家消費モード、売電モードの運転機能がある。
・太陽光充放電5.9kW、自立運転出力5.9kVA、電気を短時間でたっぷり蓄えられる。
・あらかじめ災害に備える「気象警報対応運転サービス」が付いている。
・自然災害補償付きで10年間利用できる。
・24時間見守る安心サポートが付いている。
・他社製の各システムと併設することができる。
蓄電容量/サイズ(高さ×幅×奥行㎜)/価格
12kWh/ 1250×1060×300/ 4,260,000円
設置方式:屋外

Panasonic(パナソニック)[住宅用]創畜連携システムS+

※特徴
・小容量から大容量まで対応できる暮らしや設備に合わせて選べる業界最多バリエーションがある。
・停電時にも安心の蓄電容量が蓄利用できる。
・停電時にエコキュート・IHクッキングヒーターが使える。
・AiSEG2と連携すれば、発電量を効率良く利用できる。
(AiSEG2:家電や住宅設備機器、センサーなどと組み合わせて自宅の「安心」「時短・便利」「自家消費」をサポートできる)
蓄電容量/サイズ(高さ×幅×奥行㎜)/価格
3.5 kWh/ 480×660×139.2/ 1,837,000円
5.6 kWh/ 480×610×230/  2,310,000円
設置方式:屋外・屋内

TESLA(テスラ)Powerwall

※特徴
・停電時にも家全体へ電気を供給できるので一年中安心して利用できる。
・シンプルでコンパクトなデザインのPowerwallは、様々な住宅のデザインに合う。
・停電時には蓄電した電気を家全体に供給できる。
・家じゅうの全ての家電製品を停電時にも引き続き利用できる。
・節約を最大化する運転モードを搭載している。
・常に接続して状況を監視し停電や悪天候に備えることができる。
・自宅の電力状況を確認・管理できる。
・Tesla アプリを活用すると、自宅の太陽光発電量や電気消費量をリアルタイムでモニタリングできる。
蓄電容量/サイズ(高さ×幅×奥行㎜)/価格
13.5 kWh/ 1150×753×147/ 10,45,000円
設置方式:屋外・屋内

まとめ

太陽光発電と蓄電池を併用を検討している場合は、後付けで導入も可能ですが、同時に設置した方が初期費用も安く、将来的には費用効果も高くなります。高額な初期費用については、補助金制度を利用したり、各種メーカーの製品を比較して検討すると良いでしょう。

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