太陽光発電の導入を検討中の場合、太陽光パネルの価格やその他設備費用がそれくらいかかるのか知りたいところですね。
太陽光発電システムにはメインとなるパネル以外にも周辺機器の準備が必要となりますので、初期費用を考えるためにも、まずは価格相場について情報収集をすることをおすすめします。
そこで、本記事では太陽光パネルの価格とその他設備費用の相場、使える補助金制度について解説していきます。
太陽光発電システムの初期費用
太陽光発電でかかる費用については、大きく分けて設備費用と工事費用が必要です。
また、設置後の維持管理のためにメンテナンス費用ついても考えておくと良いでしょう。
では、それぞれの価格相場について確認しておきましょう。
・一般住宅用として需要がある太陽光発電の容量「3〜5kw」で計算した場合、費用相場は、おおよそ84万〜140万程度になります 。
工事費については、依頼する業者によって異なりますので、複数社から見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
目安としては、おおよそ6.6万円程度になります。太陽光発電システム初期費用のおよそ20%と考えると良いでしょう。
メンテナンス費用は、住宅用太陽光発電の容量を5KWとした場合、1回当たりの定期点検の費用相場は、約 2.9万円程度となっています。
パワーコンディショナーについては、例えば20年間で一度に交換した場合に約22.4 万円程度が費用相場となります。
また、太陽光発電システムの費用対効果については、売電収入額と節電した金額と設置費用のバランスによって変動します。
設置後にどれだけ売電収入を得ることができるのか?電気代の節約のための方法は何か?などについてもしっかりシュミレーションしておくと良いでしょう。
太陽光パネルの価格と設備費用
では続いて、太陽光発電システムで必要な設備費用について確認していきましょう。内訳は以下の通りです。
・パワーコンディショナー:4.2万程度
・架台:2.1万程度
・その他の設備:0.2万程度
・工事費:6.6万円程度
太陽光パネルの価格
太陽光発電システムを導入する際に一番高額なのは太陽光パネルの価格になります。
太陽光パネルの価格を検討する際は主に以下のポイントを確認しましょう。
太陽光パネルの種類
太陽光パネルの種類については、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン、ヘテロ接合型、CISなどがあります。
初期費用を抑えたい方は、単結晶シリコン・多結晶シリコン・アモルファスシリコンなどがおすすめです。
太陽光パネル1枚の発電出力
太陽光パネル1枚あたりの発電出力が大きければ価格も高くなります。
一般住宅用の太陽光パネルの場合、1枚につき70W〜250W程度の発電出力になります。
設置する屋根面積と発電効率を踏まえてパネル数を決めることになります。
太陽光パネル1枚の価格は、海外または国内メーカー、発電量などによって異なりますが、価格相場として1枚およそ7万〜16万円くらいを目安にすると良いでしょう。
太陽光パネルのメーカー
太陽光パネルメーカーについては、各社製品の仕様や特徴によって価格も異なります。
メーカー比較するポイントとして以下をチェックしましょう。
・1 kW単価:各メーカーの太陽光パネルについてkW単価を比較して費用を考える
・変換効率:一枚あたりの変換効率が高いパネルは発電量が多くなるので確認する
・保証期間:長く使用するためメーカー保証を確認する
設置する屋根の条件にあったメーカーを選ぶことも必要です。
海外メーカーまたは国内メーカー
太陽光パネルで海外メーカーを選ぶメリットは何と言っても価格の安さです。
低価格でも高品質な海外メーカーの太陽光パネルを導入すれば、初期費用を抑えることも可能です。
また、保証期間については国内メーカーで10〜20年、海外メーカーであれば20~25年と比較的長い期間が設定されています。
新築またはリフォーム
新築に太陽光パネルを設置した場合は、平均28.0万円程度で、リフォームしてから設置する場合は平均30.2万円程度と高くなっています。
太陽光パネルの価格を検討する際は、新築またはリフォームによって初期費用が変わってくるため、設置するタイミングについても合わせて検討すると良いでしょう。
太陽光パネル以外に必要なシステム
太陽光パネル以外の設備費用については、太陽光パネルの次に高額なパワーコンディショナーの価格の選び方についても確認しておきましょう。
パワーコンディショナーの価格
パワーコンディショナーは、太陽光パネルで作った直流の電気を家庭内で使えるように交流に変換するための機器です。
パワーコンディショナーの価格を検討する際は主に以下のポイントを確認しましょう。
パワーコンディショナーの容量
パワーコンディショナーの標準的な容量は3kW、4kW、4.4kW、5.5kWの4種類になり、容量が大きければ価格も高くなります。
太陽光パネルのようにメーカーによる差はあまりないため、パワーコンディショナー選びでは、容量を基準に価格も検討することができます。
・4.0kW:12〜14万円
・4.4kW :15〜19万円
・5.5kW :16〜22万円
パワーコンディショナーの変換効率
発電効率が高いほど発電量をムダなく電気に変換できるためその分、価格も高くなります。
一般には、発電効率が95%前後であれば高水準の製品と言われています。
パワーコンディショナーの設置場所
パワーコンディショナーの設置する場所によって、屋内型または屋外型から選ぶことができます。
屋外型は屋内型より、設置場所が確保しやすいメリットがありますが、屋外であるため外気による故障もしやすい面もあり、そのために保証期間が充実している傾向です。
そのため屋外型の方が少し価格は高めに設定されています。
パワーコンディショナーを買い換えるとき
パワーコンディショナーは、10年を目安に買い換えが必要となり、費用も準備しておく必要があります。
買い換えの場合は、パワーコンディショナ―の本体価格に施工費用が必要です。
パワコンの交換費用は1台あたり20万円程度が目安です。
また、パワコンを交換するタイミングで、ハイブリッドパワコンに切り替えれば、新しい太陽光発電専用のパワコンを購入することは不要になります。
架台の価格
架台の役目は、太陽光パネルを屋根に固定することです。発電効果を高めるために、架台の高さや角度を調整することができます
太陽光パネルのサイズや枚数などによって、架台の大きさも調整するようになります。
屋根の状況や太陽光パネルのメーカーによっては架台がなくても発電量を得ることができれば、架台は不要なので費用はかかりません。
太陽光パネルと蓄電池のセット価格
太陽光発電システムをより最適に利用するためには蓄電池を併用した方が効果的です。
太陽光発電で作られた電気は、基本的に蓄えておくことができないので、蓄電池を設置すれば発電した電気を貯めて夜間や停電時などに利用することができるようになります。
蓄電池の価格
蓄電容量1kWhあたり平均13.7万円程度です。
蓄電池の容量によって1kWhあたりのコストは変動します。
・5〜10kWh未満:平均14万円/kWh
・10kWh以上;平均13万円/kWh
容量小さめの5kWh未満で、本体価格はおおよそ75万円程度、大容量10kWhで130万円ぐらいになります。工事費用の目安はおよそ20万~30万円程度です。
太陽光パネルと蓄電池のセット価格
太陽光発電システムの費用相場は、太陽光発電の容量3〜5kwで計算した場合84万〜140万になります。 これに蓄電池の費用90〜160万円を加えると、総額およそ174万〜300万程度となります。
太陽光発電システムの設置費用と補助金について
太陽光発電システムの設備費用を抑えるための方法として補助金制度の利用がおすすめです。
各都道府県の自治体より導入の際に使える補助金が提供されていますので、積極的に利用すると良いでしょう。
また、太陽光発電と蓄電池を一緒に購入する際は、蓄電池が対象となる補助金制度もありますので、合わせて検討することをおすすめします。
各自治体の補助金制度の公募内容については、以下のポイントを確認しましょう。
設備を利用する対象者
太陽光発電システムの規模や居住地などが限定されているので確認しましょう。
自分の居住地域にどんな公募があるか?自宅の設置条件に適しているか?事前にチェックすると良いでしょう。
太陽光発電はやめたほうがいい?設置前に知っておくべきデメリット
太陽光発電システムの初期費用について把握できたら、あらためて導入のデメリットについても確認していきましょう。
初期費用が高額なだけに、後から後悔しないためにも設置前に知っておくと良いでしょう。
太陽光発電システムの導入デメリットは以下のポイントがあげられます。
・初期費用が高い
・売電収入だけでは難しい
・設置場所で発電効果が下がる
・不備工事のトラブルがある
・太陽光発電の騒音による近隣トラブルがある
・台風・降雪などによる2次災害の懸念がある
・太陽光パネルの廃棄処分の問題がある
天候に左右される
日射しが確保できないと発電量は低下し、その分電力会社から購入する電気代も増えます。
※解決策:導入する前に居住地の発電量についてシュミレーションすることが重要です。
初期費用が高い
太陽光発電は、設置後に初期費用が回収できるか?しっかり見極めることが必要です。
※解決策:初期費用を抑えるためには、補助金制度を利用したり、ソーラーローンや0円太陽光の利用がおすすめです。
売電収入だけでは難しい
費用対効果を得るために売電収入以外の方法も考える必要があるでしょう。
※解決策:FIT価格(固定買取価格)の低価格化により、自家消費型に換えていくことをおすすめします。蓄電池を併用するとより効果的です。
設置場所で発電効果が下がる
天候、設置する地域、立地条件、方角などが適切でない場合、発電効果が下がります。
※解決策:設置業者とよく相談して、適切な屋根の状態を準備してから設置することをおすすめします。
不備工事のトラブルがある
不良工事で設置した場合は発電効率を期待できないため、高額な費用で導入したことも無駄となってしまいます。
※解決策:実績や経験の多い設置業者を見極めて、複数社から見積もりを取って比較してから選ぶと良いでしょう。
太陽光発電の騒音による近隣トラブルがある
施工の不具合や設置箇所などから、近隣住民の苦情やトラブルが発生するケースもあります。
※解決策:パワコンの騒音や太陽光パネルの反射光トラブルなど、設置後にありえる問題については、施工前にしっかりシュミレーションしてから設置するようにしましょう。
台風・降雪などによる2次災害の懸念がある
太陽光発電システムを設置しているご家庭では、台風や雪の影響で、2次災害が発生するケースもあります。
※解決策:もしもに備えて、損失をカバーできる損害保険の加入について調べておくことをおすすめします。また、地域の風土を熟知した施工業者に依頼することも必要です。
太陽光パネルの廃棄処分の問題がある
太陽光発電を利用しなくなった後、廃棄処分の問題があります。
※解決策:有害物質が含まれる太陽光パネルは、廃棄する際には適切な処理を行なってから処分することが必要です。必ず専門業者に立ち会ってもらうようにしましょう。
まとめ
太陽光発電を導入する際は、設置する前に導入のデメリットを知って、太陽光パネルと設備機器の価格について検討すると良いでしょう。
また、設備費用を検討する際は、選び方のポイントを踏まえて太陽光パネルを設置してどれくらいお得なのか?しっかりシュミレーションを行うことをおすすめします。