新築住宅を購入する時に間取りや内装にこだわる人は多いです。
ですが、家の周りを囲む塀やアプローチ(段差)などの外構工事を深く考えずに行うと…
- 玄関を開けるたびに、近くの道路にいる人から家の中が丸見えになっている!
- 塀をつけ忘れたので空き巣などの防犯面が常に不安…
- 出入口が暗くて夜に帰宅するのが怖くなってしまった
といった失敗を抱えてしまう人が実はたくさんいます。
外構は適当に考えていいだろう…と思っていると、毎日外からの視線にストレスを感じたり、プライバシーの心配をする生活を強いられてしまったりするので要注意。これから始まる新築住宅で心地よく暮らしていくためにも、外構工事に関して知っておくことが大切です!
今回は外構工事を行うときにかかる一般的な費用やお金がない時の対策もご紹介します。
外構工事に潜む落とし穴にはまらないように、この記事を読んで費用について詳しく知っておきましょう!
新築の外構工事の費用は住宅資金の1割が目安
外構工事にかかる費用ってどのくらいなの?と疑問に思う人も多いでしょう。
外構工事の費用はだいたい住宅資金の1割にすると、希望通りの外構工事が行いやすいと言われています。ただし注意していただきたいのはあくまでも目安であって、必ずしも1割ではないということ。
玄関前のアプローチをつくることや外灯設置、防草シートを敷くなど人によって希望する外構工事の内容は違います。
そのため、1割程度で考えていても予算をオーバーすることも少なくありません。
外構工事を依頼する時は最低限外構に求めることは整理しておくことが大切。
外構の工事別の費用相場でシミュレーション
門扉・ポスト・表札
家族が家に帰ってきたとき、来客が訪れたときに、まず見えるのが入り口です。門周りは全体的な家の雰囲気を左右する大事な外構部分。
外構工事の費用相場は15万円~30万円前後となっています。門周りの外構を2箇所ほど工事する場合は15万円程度。
門塀・門扉・ポスト・外灯なども合わせると30万円前後になります。
素材やデザインによっても値段は変わってきますが、門周りは一度工事すれば長期間変わらないのが一般的なので、お気に入りのものを選ぶのがおすすめです。
たとえば門扉の場合は、木質であればふんわりとあたたかみのある雰囲気になりますし、
ヨーロピアンな黒を基調とした門扉であればおしゃれな雰囲気になります。
アプローチ
門扉から玄関に入るまでの空間のことをアプローチと言います。
家を出る時に必ず通るのがアプローチなので、外構工事において重要視する人も多いです。
庭のついた家の場合はアプローチにゆとりを持たせたり、アプローチに植林することで外から見えにくくしたりすることも可能。
アプローチに関する外構工事の費用は平均20万円です。木目が柔らかなウッド調やスタイリッシュなブロックなどのデザインが豊富なので選ぶのが楽しめます。
また、年齢を重ねると階段の段差が辛くなることがあるので、長く住むことを考えて最初から段差を低くすることも一つのアイデア。
他には、雨の日のことも考えて滑りにくいような素材を選ぶこともポイントです。
表面がつるつるした素材だと足元が不安定で怪我をする恐れがあります。
このように段差や素材にもこだわってアプローチをつくるのが望ましいです。
塀・囲い
家の周りを塀で囲うことで外からの目線を気にしない生活が出来る大切な囲い。
道路に面していたり、人通りの多い道が近くにあったりする家には囲いは必要不可欠です。
プライバシーを守る意味もありますし、防犯面でも活躍してくれます。
囲いがなくダイレクトに家に侵入できる場合は盗難などの犯罪にも巻き込まれやすいので注意。
塀・囲いの外構工事費はおよそ50万円~100万円前後です。値段に大きな幅があるのは、家によって囲いの幅や高さが変わるのが理由。
高ければ高いほど工事費が高くなると考えておくべきです。
また、塀や囲いの中でもデザイン性の高いものを選ぶとコストが高くなる傾向があります。
たとえばタイルのデザインが光る化粧壁やおしゃれなガラスブロックを組み込むなどすると、値段は高くなりやすいのです。
駐車場・ガレージ
車を所有している場合は設置しておきたいのが駐車スペース。
車を安全に守る防犯の役割をするためにもガレージは便利ですし、雨や台風から避けるためにも役立ちます。
ナチュラルなウッドデッキやおしゃれな格子のデザインなど、さまざまなものがあるので家の雰囲気に合わせて選ぶことがおすすめ。
駐車場の外構工事はおよそ30万円~50万円。1台の場合なので、2台になると倍の値段になります。
駐車場の外構工事をする上で気を付けたいポイントは動線の確保。
車を乗り降りした後にスムーズに家に入れるかどうか、ドアを開け閉めする時にストレスのないスペースが確保できているかどうか、駐車場を使う上で欠かせないのが動線です。
もし動線をあまり考えずに設置してしまうと、「狭すぎて毎回、注意しながらドアを開けなければならない」「玄関まで遠いので荷物があるときはストレスになる…!」といった問題を抱えてしまいます。
外灯・照明
暗くなったとき視界が見えやすくなるだけでなく、防犯の役割も果たしてくれるのが照明です。
特に玄関前にアプローチを設置している家は暗いと転倒の危険もあるので要注意。
照明がないと夜は暗いので人目につきにくく、侵入者に周りが気づきにくいという問題も起こります。
なので、外構工事には欠かせない部分です。
値段の相場は15万円前後ですが、LEDライトにするなど工夫すれば費用を抑えることが可能です。LEDライトは通常の蛍光灯よりも消費電力が半分で済むので、電気代も安く経済的。
明るさは蛍光灯の方が勝りますが、長く使うことを考えればLEDの方がおすすめです。
外灯には玄関近くの天井に設置するアッパーライト、足元を安全にするフットライト、庭を照らすスポットライトなどがあります。
近年ではセンサー機能を搭載している照明が人気で、人の動きを感知して照明が作動するというもの。
防犯にも大きな意味を持ちますし、誰もいないときは消費電力を抑えられるので便利です。
庭
植物を植えたり、テーブルを置いたりする庭をつくりたいのであれば外構工事をお願いする人も多いはず。
緑を植えているだけで心が和みやすくなり、生活にも心地よさが加わるメリットがあります。
1平米あたりの広さで値段が違ってくるのが一般的。庭全体に芝生を敷き詰める工事であれば1平米あたり1万円前後。
もともと庭がなくて1からつくる場合、料金は高めで、こだわると100万円を超えるケースも少なくありません。
庭には日本らしい和風の庭やヨーロッパのような洋風の庭など素材によって大きく雰囲気が変化します。
住宅の雰囲気に合わせて庭づくりをすることがおすすめです。
例としては、レンガを敷き詰めると一気に洋風な雰囲気になって、柔らかく華やかな雰囲気になります。
他にはコンクリートなどの上に敷くタイルは家の雰囲気に左右されずに使用できます。
足元の雰囲気を抑えたいのであればコンクリート素材を選ぶのも良いでしょう。
フェンス
家の周りをぐるりと囲むフェンスは塀と同じような役割を果たしてくれます。
近くの建物と境界をつくりたいときや外からの視線を遮りたいときにフェンスは便利なアイテム。
通勤・通学をする人が多いような通りに面している場合には、どうしても外からの視線は気になってしまいます。
このような立地の場合は、プライバシーを守るためにもフェンスを付けておく方が良いでしょう。
そしてフェンスはある程度の高さがあるので、外からの侵入を防ぐことも出来ます。
フェンスの外構工事にかかる費用はおよそ50万円程度です。素材や設置する場所によっても変わってきますが、一般的にはこの程度の価格。
素材はさまざまですが、軽量で衝撃にも強いのがアルミのフェンス。
値段が抑えめで強度の高さが自慢なのがスチールのフェンスです。
柔らかい雰囲気のフェンスを希望しているのであれば、木のぬくもりを感じられる木材のフェンスが人気。
テイストや庭との相性を考えて選ぶと、家との雰囲気がちぐはぐにならないのでおすすめ。
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テラス・ウッドデッキ
リビングからそのまま移動できて、外の雰囲気を楽しめるテラスは外構工事の中でも人気の場所。
庭に出ていく必要がないので、面倒くささがなく手軽に気分転換ができるので希望する人が多いです。
雨や雪の日にも楽しみたい人には、屋根付きのテラスを設置するのがおすすめ。
リビングから続いているテラスを設置することで、手軽にアウトドアを楽しめます。
その他にも毎日の洗濯物を干すスペースとしてもテラスは大活躍。
注意したいのは洗濯物を干したいと考えているのであれば、方角は気を付けること。
北向きに設置しては自然光が取り込みにくく、洗濯物が乾きにくくなってしまいます。
素材が木材かタイルかで値段が変わってきます。タイルデッキの場合は1平米1万円。
ウッドデッキの場合は1平米3万円くらいだと考えておきましょう。
もし、テラスに屋根を付けたい場合、一般的に10万円はかかります。
洋風の住宅であればレンガの床材、和風の住宅であればコンクリートの床材がぴったり。
ウッドデッキであれば、どんな住宅でも雰囲気を合わせやすいので便利です。
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物置スペース
普段はあまり使用しない工具や折り畳み自転車、サーフボードなどを収納する目的で物置をつくる人も多いでしょう。
購入する時に意識したいのが収納する物の種類を決めておくことです。
スノーボードや工具などあらかじめ置きたい物は想定されることが多いですが、生活がはじまると新たに収納する物も出てくるはずです。
その際にスペースが足りないと物置を新調しなければならない…ということも考えられます。
なので、物置を選ぶ際には新しく物を入れるスペースが余分に確保できるか見ておきましょう。
物置は1平米程度の比較的に小さなものだと3万円。大きいものだと10万円~50万円が相場です。
耐久性が高めでおしゃれな木製の物置は人気が高く、プラスチック製だと耐久性は少し劣りますが設置が簡単なのが選ばれる理由のひとつ。
物置は新築を建てる地域の気候を考えて選びたいです。豪雪地帯では外に置いてある物置は耐久性が必須。
夏に猛暑が続くような地域では断熱に優れた物置を選ぶことが大切です。
見た目のおしゃれさ以上に住んでいる地域の気候を重視して選びたいところ。
植栽
庭に植物を植えて緑を楽しんだり、いくつもの種類の花を植えて雰囲気を一気に華やかにしたりと植栽の魅力はさまざまです。
植栽を行うだけで雰囲気がパッと明るくなりますし、外からの目線を遮ることも出来ます。
ガーデニングが好きな人にはおすすめしたい工事箇所です。
植栽は一式でだいたい10万円程度かかると言われています。ホームセンターで売られている植林の2倍の値段が目安です。
花やハーブを植えるのも良いですが、家の雰囲気が明るくなるシンボルツリーも人気が高いです。
比較的に長い年月そこで暮らす家なので、長い間成長を見守ることができます。
ハナミズキ、イロハモミジ、ブルーベリーなどは季節によって花や紅葉を楽しめるシンボルツリー。
好きな花や色に合わせて植えるシンボルツリーを検討してみましょう♪
【注意】こんな場合は費用が高くなることも
土地に高低差がある場合
外構工事を行うスペースの土地に高低差があると、費用が高くなる傾向があります。
理由としては高低差を埋めるための工事が必要になるからです。
たとえば玄関までのアプローチを長くしたり、階段にもゆとりを持たせたりする方法。
基本的に住宅を購入した後は長い年月、そこで暮らすことになるので高齢になることを想定して作ることがベスト。
歩きにくい高めの段差があったり、階段が急だったりすれば不便です。
高低差が2メートル以上ある場合は通常の外構工事よりも200万円ほど多くかかります。
土地の2辺以上が道路に面している場合
道路に囲まれている土地の場合は外構工事にかかる費用は高くなりがちです。
防犯やプライバシーを保護するためにフェンスや塀をつくったり、照明をつけたりしなければなりません。
このようにフェンスや塀などの箇所が増えることで材料費が単純に多くなります。
住宅に囲まれていて、道路から遮られている場合はフェンスで囲む箇所も少なく済みます。
ですが、2辺以上道路に面している住宅は外構工事がかかることを念頭においておきましょう。
業者ごとの費用やメリットについて
外構工事専門の業者による外構工事
安い価格で安心して注文しやすいのが外構工事を専門にしている業者ではないでしょうか?
住宅に関して詳しいので相談にも的確に対応してくれます。
メリットは、やっぱり外構工事を専門にしていること。
ハウスメーカーやホームセンターでは外構工事に一番力を入れているわけではありません。
外構工事に対して専門的な知識を持っていて、力を注いでいるので安心感はあります。
ハウスメーカーによる外構工事
「ハウスメーカーの外構工事って高いんじゃない…?」と考える人も多いはず。実際には値段が高すぎる!ということはありません。
ハウスメーカーが外構工事を依頼されると、基本的には下請け企業が工事を実行します。
その際に仲介手数料が発生して、工事費用を加えた合計が最終的にかかる費用です。
ハウスメーカーは大量発注によって材料費を抑えて、出来る限り安く下請け企業に依頼しています。
ハウスメーカーに依頼するメリットはアフターサービスが充実している点です。
工事が終わった後に何かトラブルがあれば、保証してくれるので安心。
また、新築を建てることも外構工事もハウスメーカーに一括で依頼しておけば、対応がしやすいというメリットもあります。
ホームセンター
材料費を安く抑えたいと考えているのであれば、ホームセンターに依頼するのがおすすめ。カインズホームやビバホームなど家から近い店舗で依頼出来ます。
ホームセンターで外構工事を依頼すると、材料を販売しているメーカーとの直接取引なので仲介手数料がかかりません。
そして、ホームセンターでは材料となる木材やパーツを大量に仕入れているので、材料費は大幅カット出来ます。
外構工事費用が抑えられるので、出来るだけ安く済ませたい人にはホームセンターがおすすめ。
メリットは、自宅から近くに店舗があるので迅速な対応が期待できますし、アクセスも便利。
何度も相談に乗ってもらえたり、予算内に収めるにはどうしたらいいのか一緒に考えてくれたりなど、ホームセンターならではのあたたかい対応も人気の理由です。
お金がない場合はどうしたらいいの?
住宅ローンと一緒に外構工事を組み込む
ハウスメーカーに依頼することで外構工事にかかる費用を住宅のローンに組み込むことが出来ます。
一括で依頼することで、金融機関からの借り入れもしやすくなるメリットもあるのです。
外構工事を住宅と一緒にローンを組むことで、金利が安くなって毎月の支払額も少なくなります。
費用をできるだけ安く抑えたい場合は、住宅ローンと一緒に組むことで合計金額を減らすことが出来るのです。
まとめ
フェンスや塀、テラスや庭など外構工事を行う箇所はさまざま。
希望している家の雰囲気に合わせて行うことで、家全体の印象もアップしますし居心地も良くなります。
素材によって大きく印象は変わるので、工事を行う際には慎重に選びたいです。
また、お金がないから外構工事を諦める必要はありません。
ホームセンターに依頼したり、住宅ローンに組み込んだりと方法はあるので、諦めずにトライするのがおすすめです。
外構工事を行ってぜひ、お気に入りの住宅をつくってみてください♪