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昼間家にいないとき電気を貯めて使う太陽光発電の運用方法

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太陽光発電を導入したいが、昼間家にいないことが多いので発電した電力が無駄になってしまうのでは?という疑問をお持ちの方もいらっしゃるでしょう。

太陽光発電では発電した電力は貯めておくことができないため、上手な 使い方について知りたいところですね。

本記事では、昼間に発電した電力を有効活用する方法として蓄電池の利用や売電について解説していきます。

昼間に発電した電力の有効活用方法

太陽光発電で発電した電力は貯めておくことができないため、せっかく発電した電力を無駄にしない方法として以下の2点について確認しておきましょう。

1.昼間に発電した電力を蓄電池に貯める
2.余剰電力を売電する(ただし売電価格は要チェック)

昼間に発電した電力を蓄電池に貯める

太陽光発電システムと蓄電池の併用は、昼間に発電した電力を有効活用できるおすすめの方法です。
蓄電池は太陽光発電との相性が良く、連携して稼働するといつでも貯めておいた電力を使えるメリットがあります。

共稼ぎのご夫婦が、昼間家にいない場合でも、日中の発電量を蓄電池に貯めておいて帰宅してから夜に電気を使うことも可能になります。

では、蓄電池についてくわしく解説していきましょう。

太陽光発電の弱点を助ける蓄電池

蓄電池とは、太陽光パネルで発電した電気を貯めておくことができる設備です。
太陽光発電の弱点は、昼間のみ発電するシステムなので夜は稼働しないことや、悪天候の日は発電効率が低下することなどがあげられます。

これら太陽光発電の弱点を解消する方法として蓄電池を設置すれば、天候や時間帯に左右されずに太陽光発電を有効活用することができます。

また、蓄電池は停電になった場合にも電源を確保できるメリットがあるので、非常時対策に効果的です。

蓄電池のメリット・デメリット

では、蓄電池の設置した場合のメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

※蓄電池のメリット
・災害や停電時に使える
・電気料金が節約できる
・電気代高騰の影響を受けない
・ピークシフトに貢献できる
・電気自動車と連携できる
・FIT制度の終了後に自家消費できる
・天候に左右されなくなる
・環境にやさしい生活ができる
・パワコン一体型蓄電池が利用できる
※蓄電池のデメリット
・初期費用が高くなる
・設置スペースが必要になる
・蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
・電気の貯められる容量の制限がある
・ダブル発電で売電価格の変動がある
・電気代がすでに安い人はメリットはない

蓄電池の種類

太陽光発電と相性の良い蓄電池の種類は、性能や特徴によって種類が4つに分類されます。

・リチウムイオン電池
・鉛蓄電池
・ニッケル水素電池
・NAS電池

リチウムイオン電池

小型蓄電池で 大容量の電力を蓄えることができるのが特徴です。他の蓄電池よりも過充電や過放電に弱いタイプです。リチウムイオン電池は、主にノートパソコン、携帯電話、電気自動車、ハイブリッド車などに利用されています。

鉛蓄電池

電極の材料である鉛は安価でコストパフォーマンスが高く、比較的高い電圧を取り出すことができます。他の蓄電池と比較して大型で重く、過放電状態が続くと劣化して性能が低下しやすくなります。鉛蓄電池は自動車用バッテリーを中心に広く普及しています。

ニッケル水素電池

大出力放電が可能で、過充放電に強い特徴があります。振動や衝撃に強く耐久性があります。充電状態で出荷されたニッケル水素電池は、購入してすぐ使うことができます。

NAS電池

鉛蓄電池の3倍のエネルギー密度を持ち、寿命が長く、安全性も高いことが特徴です。
NAS電池のサイズは大型のため家庭用には不向きで、大型規模の設備に適している電池です。

蓄電池の選び方

蓄電池を選ぶ際は、以下のポイントを確認して選ぶと良いでしょう。

・蓄電容量を確認する
・設置場所を決めておく
・保証内容を確認する
・補助金制度の対象機種であるか確認する
・ハイブリッド型も検討できる

蓄電容量を確認する

蓄電地の容量は、大きいほど電気をたくさん貯められるので便利ですが、その分費用も高額になります。かといってあまり小さい容量の蓄電池を選んでしまうと、頻繁に充電する必要があります。

蓄電池の容量は、ご自宅の電気使用量に合うものを選ぶことがポイントです。

一般的な家庭用蓄電池の容量は大きく分けて以下のタイプがあります。

蓄電池の容量の目安としては、4人家族暮らしで最小限の電気を使うとしたら、中型タイプの7.0kWhの蓄電池で2、3日利用できます。

・小型タイプ:4.0kWh〜5.0kWhくらい
・中型タイプ:7.0kWhくらい
・大型タイプ:10kWhくらい

設置場所を決めておく

蓄電池の設置場所は、屋内型タイプ屋外型タイプ屋内外兼用タイプがあります。

・屋内型:設置業者が工事できるスペースと床の耐荷重を考慮して設置します。運転中に稼働音が発生するので寝室から離れた場所の方が良いでしょう。
・屋外型:外気温や天候、自然災害などの影響を受けやすいため、屋内型より劣化しやすい面があります。蓄電容量の大きい機種は、屋外設置型が多い傾向です。

設置場所の条件は以下のポイントを確認しましょう。

・直射日光が当たらないこと
・高温多湿の場所は避けること
・熱がこもらない場所であること
・耐荷重に問題がない床であること
・塩害地域にではないこと
・積雪地域ではないこと
・寒冷な土地ではないこと
・メンテナンスをできるスペースであること

保証内容を確認する

蓄電池は、一般的に10〜15年の保証が付いている場合が多くなっています。

大半の製品メーカーでは、保証期間内に蓄電池の故障した場合は、無償で修理してもらうことができます。
ただし、保証期間10年までは無償で15年は有償としているメーカ―もありますので、購入する前に、保証内容について確認しておくと良いでしょう。

蓄電池は導入後のメンテナンス費用も考えておく必要がありますので、保証内容を確認することは維持費を安くするためにも効果的です。

補助金制度を利用する

蓄電池は、補助金制度を利用できるため、太陽光発電と同時に購入する際は利用するとお得です。

ただし、補助金制度では、蓄電池の対象機種が条件として設定されているプランもありますので、補助金制度を利用する際は、地方自治体の情報をしっかり確認すると良いでしょう。

ハイブリッド型で検討する

太陽光発電と蓄電池を同時に購入する際は、ハイブリッド型で検討することができます。

設置スペースが小さくてすむことはもちろん、パワーコンディショナーを2台設置している従来型とは異なり、ハイブリッド型蓄電池によって1台にまとめたものとを利用することが可能です。

余剰電力を売電する

太陽光発電を導入する際に、昼間家にいない家庭の場合、昼間に発電した電力のほとんどを売電することも可能です。
ただし、売電する場合は、固定価格買取制度(FIT制度)による買取価格によって収益は変わってきます。

買取価格の変動は、市場の太陽光発電システムの販売価格の推移などから毎年更新されていますので、売電するのがお得なのか否かについては、契約するタイミングを踏まえて検討することをおすすめします。

では、売電について解説していきましょう。

売電とは?

太陽光発電で発電した余剰電力は、電力会社に固定価格で売ることができます。
太陽光発電で作った発電量が家庭の電気消費量より多くなると余剰電力ができるので、売電して収益を得ることができます。

太陽光発電の発電量 > 家庭の電気消費量 = 売電収入が増える/買電量が減る

固定価格買取制度について

太陽光発電では、余剰電力を電力会社が固定価格で買い取ってくれる固定価格買取制度(FIT制度)を利用することができます。

・FIT制度(固定価格買取制度)
再生可能エネルギーで作った電気を、電力会社が固定価格で一定期間を設けて買い取る制度です。再生可能エネルギーの普及を促進するために始まっています。
太陽光パネルの発電量から自宅で自家消費して余った電力は、電線を通じて電力会社に送られて電力会社は固定価格で買い取る仕組みになっています。

固定価格買取制度では、一般住宅用の太陽光発電で容量10kW未満の設備を対象に、買取期間10年間で契約時の年の固定価格で継続して売電収入を得ることができます。

買取価格については、固定価格買取制度のスタート時(2012年)の42円から現在(2023年)16円へと年々下落傾向にありますので、売電を始める場合は、できるだけ買取価格が高いタイミングで契約した方がお得です。

売電によるメリットとデメリット

太陽光発電で売電するメリット・デメリットについて確認しておきましょう。

売電のメリット

・電気自給率を上げる効果がある
国際情勢に左右されずに電力供給ができて、再生可能エネルギーを利用して自国で電力を生産すれば、輸入に頼らないシステムを築くことが可能になります。

・地球にやさしい環境作りができる
地球温暖化の原因となる二酸化炭素CO2の影響を防ぐためには、一般家庭でも再生可能なエネルギ―を利用すれば、地球にやさしい環境づくりに貢献することができます。

・初期費用回収に繋がる
初期費用の回収期間については、一般的に住宅用太陽光発電で7〜8年程度と言われています。買取価格については、固定価格買取制度の買取価格で10年間、電気を買い取ってもらえるため、買取期間内に元が取れるようにシュミレーションをしっかり準備しておくと良いでしょう。

売電のデメリット

・固定買取価格は年々下がっている
今後の売電価格の動向については、2030年度までにこの買取価格を7円/kWhにまで下がると言われていますので、固定価格買取制度を利用して売電を行う際は、できれば早いタイミングで始める方がお得になります。

・買取期間が終了すると売電単価は下がる
買取期間が終了した場合、継続して電力会社へ売電をすることも可能ですが、電力会社の固定価格は減額されることが大半です。
卒FIT後に売電価格が下がることを見据えて、家庭で使う電気を自家消費できるようにすることも検討すると良いでしょう。

買取価格が下がっても太陽光発電を導入するメリットはある?

買取価格が下落傾向なので売電はやめた方かいいか判断する前に、太陽光発電を導入するメリットについても確認しておきましょう。

太陽光発電を導入する場合は、売電収入以外の経済的メリットも考えて総合的に検討しましょう。

※太陽光発電を導入するメリット
・初期費用が安くなってきている
・太陽光パネルの発電効率の性能がよくなってきている
・補助金制度を利用して導入コストを抑えることができる
・自家消費できる太陽光発電は電気代値上がりの対策になる

初期費用が安くなってきている

太陽光発電の買取価格が下がった主な理由は、初期コストが安くなったことがあげられます。
買取価格の設定は、太陽光発電の初期費用や工事費や維持費などに合わせて考慮されていますが、年々、太陽光発電設備を安く購入できるようになってきており、市場の拡大によって買取価格が調整されるようになっています。

つまり、もともと買取価格は、初期費用を回収できるように設定されているので、初期費用が安くなれば買取価格が下がることになります。

太陽光パネルの発電効率の性能がよくなってきている

太陽光パネルの性能は、太陽光が弱い日でも変換効率が高い製品や、太陽光パネルの枚数が少なく太陽光の当たる面積は狭くても、広い面積の設備と同じ出力で発電効率を高める製品もあります。

売電の単価が下がっていますが、優れた性能の設備を導入して発電効率を高めることができれば、長期的に利用した場合、経済的なメリットも得ることも可能です。

補助金制度を利用して導入コストを抑えることができる

太陽光発電を導入する際に気になる費用を抑える方法として、補助金制度を利用することができます。2023年度以降も各都道府県の自治体より、さまざまな補助金制度の公募が行われています。

蓄電池についても補助金制度を利用することができるので、太陽光発電とセットで導入を検討中の方はおすすめです。

自家消費できる太陽光発電は電気代値上がりの対策になる

太陽光発電を導入すれば、値上がりを続ける電気代を抑えるメリットがあります。

高い電気を買わない対策として、お金のかからない太陽光で作った電気を自家消費するスタイルに替えれば、買電量を減らして電気代の節約に繋げることができます。

太陽光発電は昼間に自家消費がおすすめ

固定価格買取制度の買取価格が高額だった制度スタート時では、昼間家にいない場合、日中に発電した電力のほとんどを売電して高い収益を得られるメリットがありましたが、買取価格の下落によって、現在は、売電よりも自家消費型の方法が推奨されています。

安い単価で売電するよりも蓄電池を設置して余剰電力を自家消費した方が、長期的にはお得になると言われています。
売電の買取価格よりも電力会社から買う電気代の方が高くなる計算になる場合は、自家消費型で利用した方がおすすめです。

なお、自家消費型で利用する場合は、電気の契約プランについても見直ししましょう。
一般的には電気会社の深夜電力プランは、料金が安く設定されています。

家庭の電気消費量や世帯人数、生活様式に合わせて最適なプランを選ぶと良いでしょう。

昼間家にいない家庭の場合は、蓄電池を設置して安い深夜プランで契約すれば、余剰電力が増えてその分売電にあてることも可能です。

太陽光発電で昼間家にいない場合の利用方法

太陽光発電を導入して昼間の発電量を無駄なく利用するには、以下のポイントをもう一度確認しておきましょう。

・昼間に発電した電力は蓄電池を設置して有効活用する
・昼間の発電した電力は売電するよりも自家消費型で検討する
・買電量を減らすには安い深夜電力プランで契約する
・売電する場合は、買取価格の変動をしっかりチェックする

まとめ

太陽光発電を導入する場合、各家庭のライフスタイルによっても導入効果が変わってきます。昼間家にいない場合は、昼間に発電した電力を有効活用できるために、蓄電池の導入や電力会社のプランの見直し、売電する場合は買取価格やFIT制度の内容を確認して、後から後悔しないようなプランで導入して行くと良いでしょう。

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