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太陽光発電の電力を売電しない場合は自家消費を!自家消費率アップのポイント

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太陽光発電で卒FIT後に売電しない場合は、自家消費型の運用方法について確認しておくことをおすすめします。

売電契約終了後にそのまま継続することも可能ですが、買取価格の低下や制度の変動などを踏まえると、自家消費した方が経済的メリットも多いと言えるでしょう。

本記事では、太陽光発電で売電しない場合に自家消費率をアップする方法やメリットなどについて解説していきます。

太陽光発電の余剰電力を捨てるってどんな状態?

太陽光発電の余剰電力とは、発電された電気の内で使いきれなかった電力のことです。

余剰電力は売電して収入にすることができます。

  • 売電:太陽光発電の発電量から余った電力を電力会社に買い取ってもらう仕組みです。太陽光発電の売電については、経済産業省の管轄による定められた制度「固定価格買取制度(FIT制度)」に基づいて利用することができます。固定価格買取制度では、10年間の契約で余剰電力を売ることができます。           2023年度の買取価格は、10kW未満の場合16円/kWh。10kW以上50kW未満の場合10円/kWh。50kW以上の場合9.5円/kWhとなっています。

では、卒FITの10年後にはどうしたら良いのか?

余剰電力を捨てることなく利用する方法はあるのか?

卒FIT後の余剰電力は、大きく分けて以下の3つの方法を選ぶことができます。

  1. 余剰電力を同じ電力会社で売電契約をする
  2. ほかの電力会社を変えて売電契約をする
  3. 発電した余剰電力を自家消費する

余剰電力を同じ電力会社で売電契約をする

余剰電力を捨てないで、卒FITも継続し同じ電力会社で売電をすることは可能です。
ただし、気を付けたいポイントは、今まで10年間売電していた買取価格よりも単価が安くなることです。固定価格買取制度の単価は年々下落傾向であるため、買取価格についてしっかり確認してから契約しましょう。

他の電力会社を変えて売電契約をする

卒FIT後は買取価格が下がるので、他の電力会社の買取価格と比較して高い単価のサービスに変更することも可能です。
電力会社によってプランや買取価格が異なるため、サービス提供エリアや契約条件を確認して検討すると良いでしょう。
2023年度時点の余剰電力の買取価格は、電力会社により、1kWhの発電につき8円〜11円までの幅で設定されています。

発電した余剰電力を自家消費する

太陽光発電の余剰電力を使って売電しない方法もあります。売電する以外に蓄電池や電気自動車、エコキュート等を利用して自家消費することが可能です。

太陽光発電のみでは、夜や悪天候時には発電量を得ることができないので、蓄電池と連携すれば余剰電力を賢く利用できるようになります。

エコキュートは、深夜格安の電気料金でお湯を沸かすことができて、ガスより安いメリットがあります。

電気自動車は、蓄電池の代わりに活用できます。

家庭用蓄電池と比較すると電気自動車の場合は蓄電容量が大きくなるので、停電が長く続く場合などに有効利用できます。

太陽光発電の自家消費は蓄電池なしありどっちが良い?

太陽光発電の余剰電力を売電しない場合、自家消費型では蓄電池があった方が良いのか、いくつかのキーワードをもとに比較してみましょう。

キーワード 蓄電池あり 蓄電池なし
停電時 停電時でも電気が使える 停電時には電気が使えない
天気が悪い日 貯めておいた電気が使える 天気が悪いと発電量は少なくなる
電気代 エコキュート併用等で電気代が安くなる 大幅に電気代を安くするのは難しい
売電収入 余剰電力が増えるので売電収入になる 余剰電力が少なく売電収入は難しい
オール電化 オール電化住宅では災害時でも安心 オール電化住宅では災害時のリスクあり
自家消費 時間、天候、災害時に限らず自家消費できる 状況によっては自家消費しにくい
太陽光発電 併用するとさらに発電効果がある 併用しないと高い発電効果は難しい

以上のように、家庭用で太陽光発電で自家消費率を高めるためには、蓄電池があった方がおすすめです。

太陽光発電の発電量を効率よく利用できれば、電力会社から買う電力量が減って、節約できるメリットも大きいです。
蓄電池の設置は、経済的メリット以外に、非常時の備えとなることも大きなメリットと言えるでしょう。

自家消費する場合の注意点

自家消費する場合、蓄電池があった方が効果的ですが、気になるところは導入費用ですね。

蓄電池の設置にかかる費用の内訳は、大きく分けて蓄電池の本体価格、工事費、保証費です。

  • 蓄電池の本体価格:容量1kWhあたり15〜21万円程度 (蓄電池+工事費込み)
  • 工事費の目安20万円〜35万円程度
  • 保証費:製品メーカーの「機器保証」が標準で10年付帯されている場合が多く、保証の対象部分はメーカーによって異なります。「容量保証」は、容量に対する修理・交換などが対象で、自然災害などによる蓄電池の故障については、一般的には有償で補償を受けるようになっています。

【売電型から切り替える人向け】自家消費のメリット

では、卒FIT後に売電から自家消費型に切り替えた場合、どんなメリットがあるのか確認しておきましょう。

自家消費のメリット

  • 電気代が安くなる
  • 非常時に対応できる
  • 省エネ対策になる
  • 補助金制度が利用できる

電気代が安くなる

太陽光発電で発電した電気を自宅内で賄うことができれば、電気代の節約になります。

エネルギー価格が世界的に高騰していることを踏まえると、電気代の値上がり対策として自家消費型が効果的な運用と言えるでしょう。

非常時に対応できる

太陽光発電設備に蓄電池を併用すると、発電できない悪天候や夜間にも電気を利用できます。

また、非常時に停電となった場合、電源を確保することができるようになります。
非常時には、さらに二次災害に拡大しないように、電気を使える環境を確保しておくと安心です。

省エネ対策になる

2050年カーボンニュートラルの実現に向けた国の方針により、CO2削減の取り組みが求められています。

現在、利用している化石燃料による火力発電は、1kWhあたり約690gのCO2を排出していますが、太陽光発電を導入すれば、CO2排出量は1kWhあたり17〜48gと大幅に削減することができるようになります。

自家消費型に切り替えることで、再生可能なエネルギーを利用した環境づくりに貢献することができます

補助金制度が利用できる

自家消費型で利用する場合は、太陽光発電設備に加えて蓄電池も購入すると高額な初期費用がかかります。

初期費用を抑える方法として、補助金制度を利用することができます。

自治体が個人向けの補助金制度を提供していますので、制度条件と太陽光発電を設置する状況を照らし合わせて、適用する補助金制度に申請すると良いでしょう。

売電型と自家消費型の違い


自家消費型は、売電型と何が違うのか?比較しながら確認しておきましょう。

  • 自家消費型:太陽光発電で発電した電力を家庭内で利用すること
  • 売電型:太陽光発電で発電した電力を電力会社に売って収入にすること

太陽光発電で作った電力を使う目的が「自宅で使う」または「売って収入を得る」では、大きく違ってきます。

加えて、もうひとつ、売電型と自家消費型を併用したタイプ「余剰売電型」があります。

  • 余剰売電型:太陽光パネルで発電した電気を自家消費しながら、余剰電力を電力会社へ売電する方法です。

売電型の場合は、買取価格や制度の変動が多く、卒FIT後は買取価格が大幅に安くなる点を踏まえると、契約終了後は自家消費に切り替える方法がおすすめです。

もし、売電をするのならば、自家消費して余った電力を売電する「余剰売電型」で検討すると良いでしょう。

なお、太陽光発電を自家消費型で利用する場合、グリッドパリティについて確認しておくと良いでしょう。

グリッドパリティとは?

  • グリッドパリティ(Grid= 送電網/parity=同等)
    太陽光発電など再生可能エネルギーの発電コストが、既存の電力コスト(原子力、火力、水力などの従来方式のコスト)と同等であるか、または、より安価になること。

つまり、グリッドパリティを簡単にいうと、「電力会社から電気を買うよりも、太陽光発電で自家発電した方が安い」という状態を目指すことです。

グッドパリティの状態に達成した場合、今まで使っていた電力と同じように、太陽光発電で作られた電気を主力として使うことができるようになります。

太陽光発電設備の技術が進んで発電コストが下がって行けば、電力会社から購入する電力も減って、太陽エネルギ―を使った自家消費型の利用が可能になります。

グリッドパリティの値は、各家庭の太陽光発電の設置条件、設定する電気料金、また、各国の指針等によって異なります。
日本におけるグリッドパリティについては、NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)によって、3段階に分けられています。

  • 第一段階グリッドパリティ:家庭用電力(従量電灯)価格並み(23円/kWh) 2013年達成済
  • 第二段階グリッドパリティ:業務用電力(高圧以上)価格並み(14円/kWh) 2020年目標値
  • 第三段階グリッドパリティ:汎用電源(基幹電源)価格並み(7円/kWh)   2030年目標値

今後も、グリッドパリティの達成を目指す方針で進められて行くと、家庭用太陽光発電での自家消費の普及率も高まっていくでしょう。

太陽光発電の電力を自家消費するには?

太陽光発電で売電しない場合、自家消費型で太陽光発電を導入する方法についてポイントを解説していきます。

自家消費型にする方法

  • 自宅の電気使用量を確認する
  • 太陽光発電の設置場所を確認する
  • 太陽光発電設備のメンテナンスを行う
  • 補助金制度について確認する
  • 自家消費型か余剰売電型か選ぶ
  • 設置業者の選ぶ

自宅の電気消費量の確認する

太陽光発電を導入する前に自宅の電気使用状況を把握しておきましょう。
自家消費するには、電気消費量と太陽光パネルの発電量とのバランスを考える必要があります。

電気消費量については、普段生活に必要な主な家電の消費電力についてチェックして、月間または年間にどれくらいの電気を使うか参考値を出しておきましょう。

発電量については、設置する地域、季節や天候、時間帯や月別などによって変動しますので、変動要因を踏まえて発電量のシュミレーションを行いましょう。

※太陽光発電の1日の発電量 = システム容量 × 日射量 × 損失係数(0.85)

太陽光発電の設置場所を確認する

太陽光発電の設備は、設置するスペースや各種機器にふさわしい設置条件で場所を確保するようにしましょう。

自家消費率を高めるには、最適な位置に太陽光パネルを設置し、連携するパワーコンディショナーや蓄電池の設置位置は、点検のしやすい場所を選ぶようにしましょう。

太陽光発電設備のメンテナンスを行う

太陽光発電で自家消費率を高めるためには、太陽パネルや周辺機器のメンテナンスを定期的に行う必要があります。

安定した発電量を作るためには、機器の汚れや故障は早めに見つけて、自家消費しやすいように 機器の点検を行うことが必要です。

補助金制度について確認する

太陽光発電の初期費用を抑えるために、補助金制度が利用できるかどうか確認しておきましょう。蓄電池を一緒に導入する際は、蓄電池に適用される補助金制度を利用できます。

自家消費型の場合、売電型のように10年間の売電収入はないので、初期費用回収の計画はしっかり立てておきましょう。
一般的に、自家消費型で太陽光発電を導入する場合、10年以内で初期費用の回収ができると言われています。

自家消費型か余剰売電型か選ぶ

太陽光発電で発電した電気をすべて家庭内で賄うのか?または、余剰電力を売電するのか?方針をしっかりシュミレーションして決めておくと良いでしょう。

大き目の設備で最適な条件が準備できた場合は、余剰売電型での利用も検討するとよいでしょう。

設置業者の選ぶ

太陽光発電の導入効果を高めるためには、設備の設置業者選びも重要です。

施工費用が安いだけではなく、施工のアドバイスや施工品質、安全面、工事後のサポートなど、総合的な視点から判断すると良いでしょう。

自家消費型に必要な設備

自家消費型の太陽光発電に必要な設備は以下の通りです。

この他に工事費用、維持管理費などがかかります。

  • 太陽光パネル
  • 架台
  • パワーコンディショナー
  • 分電盤
  • 接続箱
  • 売電メーター
  • 発電量モニター配線

自家消費型の導入手順

自家消費型で太陽光発電を導入する際は、以下の手順を確認しておきましょう。

1.導入計画を立てる
2.設置業者へ見積もり依頼する
3.設置業者と契約する
4.固定買取価格制度の申請する
5.太陽光発電システムの設置工事を行う
6.電力会社との契約を行う
7.太陽光発電の利用を始める

1.導入計画を立てる

太陽光発電で自家消費する場合の一般知識を知ることから始めましょう。
自家消費に適した製品の選び方、発電効率の良い設置条件や場所などを検討しましょう。

2.設置業者へ見積もり依頼する

複数社の設置業者へ見積もり依頼し比較して検討します。

3.設置業者と契約する

見積もりを元に1社を選択し契約して、施工計画について相談します。合わせて補助金制度の利用についてアドバイスをもらうと良いでしょう。

4.固定買取価格制度の申請する

売電する場合は、経済産業省へ事業計画認定の申請を行い、「固定価格買取制度」の認定を受ける手続きを行います。

5.太陽光発電システムの設置工事を行う

太陽光発電システムの工事をスタートします。住宅用の場合、施工期間はおよそ1週間程度になります。

6.電力会社との契約を行う

電力会社へ系統連系申請を行います。申請から連系承諾が出るまでには、2週間~数か月程度かかります。

7.太陽光発電の利用を始める

太陽光発電システムの工事や、電力会社との手続きが完了したら、設置業者による確認作業が行われ、正常に可動していることが確認されたら利用を始めることができます。

まとめ

太陽光発電で売電しない場合、自家消費型で利用することをおすすめします。
自家消費型では、自宅の電気消費量を踏まえて、発電量を増やしたり買電量を減らす方法を実践する必要があります。また、自家消費型で利用するならば、蓄電池の設置は必須と言えるでしょう。蓄電池があるとなしでは、自家消費率が大幅に変わってきますので、しっかり計画して準備することをおすすめします。

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