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【太陽光発電】FIT価格って何?導入前に知っておくべきFIT制度

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太陽光発電の主な導入メリットは、電気代を節約できることと、売電できることです。

太陽光発電で余剰電力を多く貯めることができれば、買電量を減らして売電収入を増やすことができて、家計の負担も軽くなります。

売電する場合は、FIT制度を利用して10年間の売電契約をすることができます。太陽光発電を賢く利用するには、FIT制度の仕組みを知って、毎年変動するFIT価格について確認しておきましょう。

また、売電以外に自家消費の方法についても合わせて検討することをおすすめします

本記事では、太陽光発電のFIT価格について解説します。売電収入がメリットになるように
導入前に概要を確認しておきましょう。

【太陽光発電】FIT価格とは?

FIT価格とは、再生可能エネルギーのFIT制度(固定価格買取制度)で契約する際の買取価格です。

太陽光発電で発電した電気を買い取る時の1kWhあたりの単価になります。

太陽光発電のFIT価格は、別の言い方で売電価格、買取価格、固定価格、調達価格等、同じ意味になります。

なお、FIT価格は、太陽光発電設備の容量によって単価、買取期間が異なります。一般家庭用の場合は、容量10KW未満が主に対象です。

  • 10kW未満:買取期間10年
  • 10kW以上50kW未満(屋根設置):買取期間20年
  • 50kW以上(屋根設置):買取期間20年
  • 10kW以上50kW未満事業用:買取期間20年
  • 50kW以上(地上設置)(入札制度対象外):買取期間20年

太陽光発電のFIT制度について理解しよう

太陽光発電で売電をする際は、FIT制度(固定価格買取制度)について理解しておきましょう。

FIT制度(固定価格買取制度)とは、再生可能エネルギーを利用して太陽光発電で発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取ることを国が定める制度です。

再生可能エネルギーの普及を広めることをを目指して設立されています。

  • 再生可能エネルギーとは:
    温室効果ガスを排出せず、国内で生産できる低炭素のエネルギー源です。
    地球温暖化によって生態系の崩壊や食糧危機など、多方面に悪影響を及ぼすため、温室効果ガスの排出を実質ゼロにする「脱炭素」に向けた取り組みが進んでいます。温室効果ガスの排出量を減らすためには、従来型の石油や石炭、天然ガスなどの化石燃料の代替えとして再生可能エネルギーを利用することができます。   太陽光発電と、風力発電、水力発電、地熱発電、バイオマス発電の5つの再生可能エネルギーがFIT制度の対象となっています。

FIT制度のしくみ

太陽光発電で発電した電気は、家庭内で自家消費して余った電力は、電線を通じて電力会社に送られ、FIT価格で10年または20年間の期間買取が行われます。

買取にかかる費用については「再生可能エネルギー発電促進賦課金」によって賄われ、利用者の電気料金と合わせて徴収されています。

再生可能エネルギーで発電された電気は、日々使う電気の一部として供給されているため、  「再生可能エネルギー発電促進賦課金」(再エネ賦課金)として毎月の電気料金とあわせて払うようになっており、全国一律の単価で調整されています。

2023年度の再エネ賦課金の単価は、1kWhあたり1.40円です。 2023年5月〜2024年4月検針分の電気料金に対して適用されます。

太陽光発電でFIT制度を利用するには

一般家庭でFIT制度を利用して売電する場合は、容量10kW未満の太陽光発電を対象に10年間売電ができます。
売電契約の手続きについては、経済産業省に「事業計画認定申請」を行います。売電の手続きは、家庭用であっても「事業」として申請が必要です。

「事業計画認定申請」は申請から認定まで、およそ1〜3ヶ月程度。申請方法は、経済産業省のホームページよりオンライン申請ができます。

売電を検討する場合は、太陽光発電で作れる発電量や最適な設備環境など、専門知識が必要になるため、信頼できる業者に相談してから契約することをおすすめします。

また、契約する際に注意点としては、FIT価格について確認して、売電するメリットがあるのかどうか検討しましょう。

売電の事業計画認定申請の必要書類

住宅用は10kW未満の場合、事業計画認定申請に必要な書類は以下の通りです。

  • 屋根上設置の場合:建物所有者の同意書類(建物の登記事項証明書など)
  • 接続契約書
  • 構造図
  • 配線図
  • 委任状(代行事業者が申請する場合)

売電申請の方法

「事業計画認定申請」の必要書類を準備したら経済産業省の電子申請サイトから申し込みを行います。

再生可能エネルギー電子申請サイトから、登録をしてログインIDを取得します。取得したIDでログインし、申請情報を入力します。必要書類を添付すると、認定され認定通知書をダウンロードします。
申請手続きを業者に依頼する場合は、承諾手続きが必要になりますので、確認しながら進めていきましょう。

【太陽光発電】FIT価格はどのように推移してる?

では、太陽光発電で売電する前に確認しておきたいFIT価格について、これまでの推移について解説します。

FIT価格は、年々下落傾向にあり、価格の推移は以下の表の通りです。

太陽光発電の普及に伴い、買取価格が年々低下しています。2012年の42円から2024年には16円まで下がっています。

FIT価格の推移
住宅用10kW未満
2012 42円
2013 38円
2014 37円
2015 33円
2016 31円
2017 28円
2018 26円
2019 24円
2020 21円
2021 19円
2022 17円
2023 16円
2024 16円

太陽光発電の買取価格が下がった主な理由は、導入コストが安くなったことがあげられます。  

FIT価格の設定は、太陽光発電の初期費用や工事費や維持費などに合わせて考慮されていますが、年々、太陽光発電設備を安く購入できるようになってきており、市場の拡大によってFIT価格が調整されるようになっています。

つまり、もともとFIT価格は、初期費用を回収できるように設定されているので、初期費用が安くなればFIT価格が下がることになります。

FIT制度がスタートした当初は、買取価格も高く、売電収入のメリットもありましたが、
価格の低下に伴い、太陽光発電に蓄電池やEVなどを利用した自家消費型の利用法が注目されてきています。

売電11年目以降の価格はどうなる?

太陽光発電で売電した場合、10年間の利用を終えた11年目以降については、契約終了した卒FIT後に継続して売電することも可能です。

ただし、一般的に買取価格が大幅に下がるため、今まで通りの単価で収入を得ることが難しくなります。

したがって、各家庭の契約終了のタイミングに合わせて卒FIT後の利用法について考えておく必要があります。卒FIT後の対策としては、自家消費型で太陽光発電で発電した電気を使うことをおすすめします。

11年目以降は自家消費メインでの運用がおすすめ

卒FIT後、11年目以降から始めたい自家消費型の運用について解説します。

11年目以降は自家消費型にすれば、FIT価格の変動に影響されず、太陽光パネルで発電した電気を全て家庭内で賄うことで電気料金の節約にも繋がっていきます。

今まで売電していた余剰電力を使って賢く自家消費するには、、ガソリン車を電気自動車に買い替えることや、エコキュートを利用してガス代を減らすことなどが効果的です。

では、売電から自家消費型に変えるメリットについて、以下のポイントを確認しましょう。

  • 電気料金が削減できる
  • 停電時に困らない
  • CO2を削減できる
  • 電気自動車の充電に使える

電気料金が削減できる

今まで売電していた電気を家庭内で使えるようになるので、電力会社に高い電気代を払わなくても、太陽光発電で作った電気で賄えるようになります。

1日の発電量に対して自宅の電気使用量が少なければ、電気代をできるだけゼロ円に近づけることが可能です。

電気代を削減するには、エコキュートを併用して光熱費を減らすことや、電力会社の割安プランに変更すること、できるだけ節電を心がけて生活するなど、工夫が必要です。

また、太陽光発電で作った電気を自家消費するには、蓄電池はあった方が節約効果はアップします。
エコキュートを利用すると、ガス給湯器よりもおよそ1/3くらい節約効果が期待できます。

停電時に困らない

売電していた余剰電力を蓄電池に蓄えておくと、非常時の電源確保になります。災害時に停電が続いても、蓄電池に貯めておいた電気を使うことができます。

ただし、注意したい点は、停電時に太陽光発電で使える電力は最大1,500Wまでなので、使える家電の消費電力について確認しておきましょう。

また、停電時の1日の消費電力が約4kWhと言われているため、蓄電池容量4kWh以上の製品をおすすめします。

CO2を削減できる

2050年までに、温室効果ガスの排出を実質ゼロにするカーボンニュート宣言の取り組みが進んでいます。
電力会社からの買電量を減らして、太陽光発電で作った電気を主電力とした場合、CO2の削減に繋がり、地球温暖化対策に貢献できます

現在、利用している化石燃料による火力発電は、1kWhあたり約690gのCO2を排出していますが、太陽光発電を導入すれば、CO2排出量は1kWhあたり17〜48gと大幅に削減することができるようになります。

電気自動車の充電に使える

自家消費型に切り替えた場合、電気自動車に電気を貯めるという方法もあります。発電した電気をガソリンの代わりに使えば、自家用車の維持費を大幅に減らすことができます。

今まで売電していた余剰電力は、自家消費型で電気自動車の充電として利用できるようになります。また、電気自動車は二酸化炭素を排出しないため環境負荷を減らせるメリットもあります。

自家消費メインには蓄電池が必須

太陽光発電で自家消費するには、蓄電池を併用して、いつでも電気が使えるような状況にすると良いでしょう。
太陽光発電は、発電しない夜には稼働しないので、昼間に発電した電気は昼間しか使うことができません。

そこで、電気を貯めておける蓄電池があれば、夜、または天候の悪い日、停電時など、条件の悪い時でも電気を使うことができます。

自家消費で利用するには、蓄電池があれば自由に電気を使えて便利になります。

では、蓄電池を併用するメリットについて以下のポイントを確認しておきましょう。

蓄電池を併用するメリット
  • 災害や停電時に使える
  • 電気料金が節約できる
  • 電気代高騰の影響を受けない
  • ピークシフトに貢献できる
  • 電気自動車と連携できる
  • FIT制度の終了後に自家消費できる
  • 天候に左右されなくなる
  • 環境にやさしい生活ができる
  • パワコン一体型蓄電池が利用できる

蓄電池を導入するメリットと一緒にデメリットと解消策についても確認しておきましょう。

蓄電池を併用するデメリット
  • 初期費用が高くなる→ 自治体の補助金制度を利用すると費用負担が減る
  • 設置スペースが必要になる→ 屋外設置または屋内設置で検討してみる
  • 蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる→ 蓄電池の寿命10年〜15年に合わせてメーカー保証内容を確認しておく
  • 電気の貯められる容量の制限がある→ 電気消費量に合わせて適切な蓄電容量を調べておく
  • 電気代がすでに安い人はメリットはない→ すでに電気代が安くて昼間に家にいない人は必要無い場合もある

また、自家消費するために蓄電池を準備する際は、各家庭のライフスタイルや世帯人数、普段の電気使用量などを考慮して、適切な容量の製品を選びましょう。

太陽光発電の売電ができなくなるって本当?噂の真相

太陽光発電のFIT価格は、年々下がってきているので、売電収入のメリットが少なくなってきているということはありますが、太陽光発電の買取制度がなくなることはありません。

売電できない噂については、以下の経緯があります。
2009年11月にスタートしたFIT制度は、10年後の2019年11月以降、買い取り期間が満了した後、余剰電力の取り扱いをどうするか?という問題について利用者の間で情報が錯綜した経緯があります。
当時の売電価格が48円/kWhと高額であったため契約者が急増し、買い取り期間満了を迎える利用者が多かったこともあり、制度廃止の噂やその後の運用方法の方針について懸念が広がったということがありました。

つまり、太陽光発電の売電契約が満了となる10年後を過ぎたら、11年目からどのように運用したらよいか?という疑問点が、売電の廃止の噂に繋がったということがあります。

したがって、太陽光発電の売電については無くなることはありませんが、卒FIT後の運用については、契約終了する前に自家消費型の対策を考えて計画しておくことをおすすめします。

太陽光発電をお得に導入するには補助金制度がおすすめ

太陽光発電の普及を促進するために、国や自治体が太陽光発電や蓄電池の補助金制度を設けています。

太陽光発電のFIT価格の推移は下がってきていますので、卒FIT後に家庭用蓄電池を設置して 自家消費することを検討されている方もいらっしゃるでしょう。蓄電池の導入には、補助金制度を利用すると費用負担を減らすことができます。

太陽光発電や蓄電池の導入に、補助金制度を利用する際は、居住地の自治体のホームページに公募情報が出ていますので、対象機器や補助金額、申請期間などをチェックしましょう。

補助金の申し込みについては期間が限定されていますので、申請期間を確認して早めに対応しましょう。

まとめ

太陽光発電システムで売電契約する際は、FIT価格の推移と契約時の価格をチェックして、利用するメリットがあるかどうか検討しましょう。FIT価格は、年々下がってきていますので、売電よりも自家消費した方が良いケースもあります。自家消費する際は、蓄電池の準備も必要になり初期費用がさらにかかります。売電または自家消費、どちらが費用対効果が見込めるかFIT価格、初期費用などからシュミレーションして検討しましょう。

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