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太陽光発電は点検必須?気になる点検費用を解説

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太陽光発電は、長期的に利用してメリットが得られるシステムです。そのためには導入後に定期的なメンテナンスを行って日常的な点検も心がけたいですね。

そこで、点検費用やメンテナンスの頻度など、業者に依頼した方が良いのか?自分でもできるのか?そのあたりは気になるところでしょう。

本記事では、太陽光発電に必要なメンテナンス内容と義務化のルール、点検費用、点検の頻度などについて解説します。

太陽光発電に必要な点検費用はどれくらい?

太陽光発電を導入する際は、初期費用のほかに点検費用についても準備しておきましょう。

なお、点検費用を準備する上で知っておきたいのは、太陽光発電設備の耐用年数と寿命、メーカー保証の期間です。

設備機器のメンテナンスを行う際に、どれくらいの期間で利用できるシステムなのか?事前に把握しておくことをおすすめします。

太陽光発電設備の法定耐用年数は17年、寿命はだいたい30年くらい、メーカー保証は、無償で10年〜20年間が一般的です。さらに有料で5年の延長保証が付くメーカーもあります。
これらの年数を基準に、できるだけ長期に利用して費用対効果を高めるためには、定期的なメンテナンスが重要になります。
※太陽光発電設備の法定年数と寿命などの目安
  • 太陽光パネル:法定耐用年数 17年/寿命 20年~30年程度
  • パワーコンディショナー:法定耐用年数17年/寿命15年~20年程度
  • 蓄電池:法定耐用年数6年/寿命20年~30年程度
  • 売電メーター:10年ごとに交換が義務付けられている
  • 接続箱:寿命10年〜15年程度
  • 架台:法定耐用年数17年/寿命25年程度

では、続いて太陽光発電に必要な点検費用はどれくらいなのか?まずは、費用相場をチェックしておきましょう。

太陽光発電の点検費用

経済産業省(2021年のデータ)による太陽光発電の運転維持費の調査では、以下の数値となっています。

※太陽光発電設備の容量5kWを想定した場合
  • 1回当たりの点検費用:2.9万円程度(3~4年ごとに1回の点検にかかる費用)
  • パワコンの交換費用:22.4万円程度(20年間に一回の交換にかかる費用)
  • 10kW未満住宅用太陽光発電の年間維持費:およそ3,690円/kW

2.9万円×5回+22.4万円 ÷ 5kW ÷ 20年間 = 約3,690円/kW/年
容量5kWの設備の場合は、5kW×3,690円=年間維持費1万8,450円になります。

続いて、実際に行う太陽光発電設備の点検内容と費用など具体的に確認しておきましょう。

点検内容には、設備の清掃交換、維持管理に必要な保険などが含まれます。

  • 定期点検
  • 太陽光パネル清掃
  • パワーコンディショナー交換
  • 売電メーターの交換
  • 点検作業用の足場代
  • 保険

定期点検

太陽光発電設備を長く利用するためには、メンテナンスは必要な作業となります。

定期点検は、設備機器の品質や設置場所などによって劣化の進行が異なりますので、ご自宅の設置環境に合せて定期点検を行いましょう。

定期点検費用:1回あたり1〜2万円程度

太陽光パネルの清掃

発電モニター画面から発電量の低下が確認された場合には、太陽光パネルの故障も考えられます。

太陽光パネルの破損や汚れなどは、発電効率に大きく影響しますので定期点検を行って不具合には早めに対応するようにしましょう。

太陽光パネルの汚れ(砂埃、鳥のフン、花粉など)は、専門の清掃業者に依頼できます。

太陽光パネルの寿命は、20〜30年程度が目安です。定期点検を適切にできれば30年以上、利用し続けることも可能です。

太陽光パネルの点検費用:1回あたり1〜2万円程度
太陽光パネル清掃費用:1枚あたり500〜1,000円程度
※システム導入後の無償点検サービスを行っている会社もあります。

パワーコンディショナーの交換

パワーコンディショナーは、太陽光パネルで発電した電気を家庭で使えるように変換するために重要な機器です。
パワーコンディショナーの配線の異常やコネクターの接続不良、外部環境からの影響で劣化が進むなど、長年使い続けると故障が発生することがあります。

パワーコンディショナーの寿命は、10〜15年が目安です。パワーコンディショナーの故障は太陽光発電自体に大きく影響しますので、異変に気が付いたら放置せずに早めに対応しましょう。

パワーコンディショナーの点検費用:1台あたり3万円程度
パワーコンディショナーの交換費用:20万円〜30万円程度

売電メーターの交換

毎月の電力がどれくらい電力会社に販売されたのかをチェックするために、売電メーターが正常に稼働しているか点検します。

売電収入を安定して維持管理するために定期メンテナンスが重要になります。

なお、スマートメーターの普及に伴い、買電量と売電量の計測が1台でできるようになったため、売電メーターからスマートメーターに変更するケースが多くなっています。

売電メーターの交換費用:1〜2万円程度
売電メーターは設置から10年ごとの交換が必要です。               交換費用は電力会社によって異なり、無料で交換に対応してくれるところもあります。
スマートメーター:無料(電力会社が工事請け負いメンテナンス費用もいらない)

点検作業用の足場代

太陽光パネルを点検する場合、屋根上の作業に使う足場代が必要なケースもあります。

メンテナンス業者の安全を確保するために必要な費用となりますが、追加費用の目安を知っておいた方が、高額かどうか判断しやすくなります。

足場代:5~10万円程度

保険

太陽光発電を利用する際に万が一に備えて、保険へ加入することをおすすめします。

太陽光パネルは、屋根上に設置するため、雨や風、積雪によって故障するケースもあります。  特に台風の多い地域や塩害地域、積雪地域など自然災害によるリスクが高い場所で利用する場合は、自然災害に対応できる保険について検討すると良いでしょう。

火災保険:15,000円~20,000円/年程度
地震保険:全損、大半損、小半損、一部損などの被害状況に応じて支払われます。
動産総合保険:30,000円〜40,000円/年程度
賠償責任保険:5,000円程度
休業補償保険:10,000円程度

太陽光発電のメンテナンスは義務化されている

太陽光発電の定期点検では、いろいろとランニングコストがかかることがわかりましたね。
では、定期点検は、絶対にしなければならないのか?気になるところですね。

太陽光発電を利用する場合は、設備機器を正しく維持管理するためにメンテナンスが義務化されています。

  • 太陽光発電のメンテナンス義務化:住宅用の太陽光発電10kW未満は、メンテナンスの義務化が設定されています。                     2017年4月1日に改正FIT法より、FIT制度を利用する際は、住宅用太陽光発電でもメンテナンスが義務化となっています。
    設備機器を長期的に有効利用するために、法律で決められたルールとなっています。

なお、資源エネルギー庁の「事業計画策定ガイドライン」では、メンテナンス義務を怠った場合は、指導・助言、改善命令、認定取り消しとなるとなっています。

10kW未満の住宅用太陽光発電の場合は、メンテナンスの報告義務はありませんが、点検内容を保管しておくように推奨されています。

では、なぜ?太陽光発電のメンテナンスが必要なのか?理由として以下のポイントを確認しておきましょう。

※メンテナンスの必要性
  • 修理費用を抑えられる
  • 自然災害に備えることができる
  • 太陽光パネルの経年劣化を防ぐ
  • 売電収入の損失を防ぐ
  • 初期費用回収に繋がる
  • 安全を確保できる

修理費用を抑えられる

メーカー保証期間内であれば、設備機器の修理対応は無料で済ませることができます。

自然災害に備えることができる

定期点検をこまめにしておくことで、台風や地震などの被害を拡大させないための対策になります。

太陽光パネルの経年劣化を防ぐ

定期点検を行うことで、パネルの破損や故障を早く発見できて劣化の進行を防ぐことに繋がります。

売電収入の損失を防ぐ

太陽光パネルの汚れを清掃することで発電量の低下を防ぎ、売電収入を安定して維持することができます。

初期費用回収に繋がる

太陽光発電の発電量を左右する太陽光パネルの点検は、費用対効果を高めるために必要となります。

安全を確保できる

太陽光発電では、設備機器が不良な状態であると火事や感電などの事故が発生するケースもあります。

定期メンテナンスによって安全性を確保することが重要です。

太陽光発電のメンテナンスは自分でできる?

太陽光発電のメンテナンスを専門業者に依頼するほかに、日常的に自分でできる目視点検について確認していきましょう。

自分でできる目視点検のポイントをチェック

太陽光発電設備の目視点検によって、設備機器の故障やトラブルを未然に防ぐ効果があります。
以下のポイントをチェックしましょう。

  • 太陽光パネルのゴミや汚れ、破損のチェックをして発電効率を高めましょう。
  • 屋根の雨漏りについて、太陽光パネルの工事で開けた穴の防水加工を確認しましょう。
  • 架台のゆるみはないか?ボルトの固定は大丈夫か確認して、太陽光パネル落下を防ぎましょう。
  • 配線ケーブルの破損をチェックして、火災や感電のリスクに備えましょう。
  • 接続箱の外が破損や腐食していないか確認して、発電量の低下を防ぎましょう。
  • パワーコンディショナーの異音、腐食や破損に気付いたら、業者に点検を依頼しましょう。
  • パワーコンディショナーのフィルターの目詰まりをチェックして汚れを掃除しましょう。
  • パワーコンディショナーのエラーメッセージがあったら業者に問い合わせしましょう。

なお、太陽光発電の目視点検で異常が見つかった場合は、作業に危険が伴ったり現状より被害を拡大してしまう危険性がありますので、専門知識のある業者を呼んで対応してもらいましょう。

自分でできる範囲の作業は、安全性を確保できる部分までで、火災や感電の恐れがある電気まわりの修理については、専門業者に依頼することをおすすめします。

メンテナンスを依頼する頻度について

太陽光発電でメンテナンスを行う際は、自分でできる目視点検のほかに、業者に依頼する 頻度はどれくらいのタイミングが適切なのか?確認しておきましょう。

メンテナンスの頻度については、設置した後、まず初回1年目に行います。       そのあとは、4年ごとに5年目、9年目、13年目と定期的に対応するようにします。
設置してから目安として20年目以降は、設備機器の劣化状況に合せて適切なメンテナンスを行いましょう。

ただし、4年経たずに不良箇所が見つかった場合は、メンテナンスの頻度に関わらず早めに業者に修理または交換の依頼をすることをおすすめします。

太陽光発電設置してから1年→5年→9年→13年…20年

また、メンテナンスの頻度については、太陽光発電を設置する地域性によっても変わってきます。

メンテナンスの頻度は地域性に合せる

以下の地域に設置する太陽光発電設備の場合は、他の地域よりもメンテナンスをこまめに行うことをおすすめします。

  • 塩害地域
  • 積雪地域
  • 台風の多い地域

塩害地域

潮風によって樹脂部分が劣化したり、塩分が設備機器の内部に侵入したりして、配線ケーブルや金属部分が錆びるリスクがあります。

塩害地域に強い太陽光発電のメーカー製品を設置することもできますが、さらにメンテナンスはこまめに行うことをおすすめします。

また、メーカー保証内容が塩害によるトラブル対象になっているか事前に確認すると良いでしょう。

積雪地域

積雪による被害を抑える方法としては、太陽光パネルの角度を30度以上に傾けて設置すると自然に積もった雪が落下するので雪対策に効果的です。

また、落雪によって隣家に雪が落下したり、屋根下の人に危害を与える等を防ぐために、雪止めの設置は必要です。また、積雪が深くなると、発電量の低下に繋がりますので、雪かきの対応も必要となります。

さらに、積雪による太陽光パネルの故障を回避するためには、積雪耐性のある製品がおすすめです。

台風の多い地域

太陽光発電の施工が強風に耐えられるように正しく行われていることが必要です。

仮に不良工事であった場合、例えば太陽パネルがしっかり固定されていなかったりすると、強風によって飛来するトラブルも発生しています。

台風被害は想定外のことが起こる場合もありますので、台風シーズン前後に点検できるように計画的にメンテナンスを行うことをおすすめします。

太陽光発電のメンテナンスは専門業者に依頼がおすすめ

太陽光発電設備のメンテナンスは、点検場所が屋根上であることや、電気系統の専門知識が必要になるため、自分でできる範囲以外は、専門業者に依頼した方が安心です。

太陽光発電のメンテナンスは義務化となっているため、導入後のトラブルにいつでも対応してもらえるように、設備を導入する際、業者にメンテナンス対応の有無について事前に確認しておきましょう。

また、メンテナンス対応できる業者の取得資格について知っておくと、業者選びに役立ちます。

メンテナンス業者の主な資格について、以下に紹介しておきます。

  • メーカー施工ID+電気ID
  • PV施工技術者
  • 太陽光メンテナンス技士
  • PIA技術認定

メーカー施工ID+電気ID

太陽光発電設備を販売しているメーカーに付与される資格です。

各メーカーが行う研修と座学に参加して実技試験の合格者に与えられます。

なお、施工IDだけでは太陽光発電の施工の専門業者と認可されないため、加えて電気工事士等の電気系統の資格取得が必要です。

PV施工技術者

「一般社団法人太陽光発電協会・JPEA」が認可する、太陽光発電設備の施工や点検に関する資格です。

PV施工技術者は、太陽光発電設備の設計・施工技術、屋根の構造や建築基準法、周辺機器について総合的な基礎知識が必要となります。

太陽光メンテナンス技士

「一般社団法人太陽光発電安全保安協会・JPMA」が認可する資格です。

太陽光発電設備の保守・管理のための基礎知識、設備機器の取扱い方、データの測定、清掃技術などについて学びます。

太陽光発電設備メンテナンスに係わる正しい知識を習得した者に与えられます。

PIA技術認定

「太陽光発電検査協会・PIA」が認可する資格です。太陽光発電設備の保守メンテナンスや点検業務に関する技術者に与えられる資格です。

講習と研修の修了者には技術認定が交付されます。

まとめ

太陽光発電設備を導入する際は、定期メンテナンスや日常的に行う目視点検を行うようにしていきましょう。
太陽光発電は長くて30年以上利用できるシステムです。適切なメンテナンスを行っていれば、設備機器の劣化防止に繋がり安全な環境で維持管理することが可能です。

なお、点検費用については、本記事で紹介した費用相場を目安に予算を準備しておくことをおすすめします。
また、設備機器の故障は、早めに発見できればメーカー保証内で無料対応も可能になりますので、導入時には保証内容について確認しておきましょう。

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