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太陽光発電の売電収入のしくみ。計算方法と11年目以降の運用方法

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太陽光発電は、電気代の節約や売電収入が得られるなど経済的メリットがあるシステムです。

ただし、売電については年々、単価が下がってきている推移を見ますと、もう一度、これからの運用について見直すことをおすすめします。

本記事では、太陽光発電の売電について、仕組みと収入の計算方法、11年目以降の運用方法について解説します。

太陽光発電の売電収入の仕組み

まず始めに、太陽光発電システムの売電の仕組みから説明します。

太陽光発電システムを導入する際は、売電の仕組み「固定価格買取制度/FIT制度」について理解し、最新の情報を得ることをおすすめします。

  • 売電:太陽光発電で作った電気のうち使いきれない余った電力を電力会社に買い取ってもらう仕組みです。太陽光発電の売電については、経済産業省で定められたルール「固定価格買取制度/FIT制度」に基づいて利用します。
  • 固定価格買取制度/FIT制度:太陽光発電で作った電気を固定価格で電力会社に買い取ってもらう仕組みです。はじめに契約した買取価格で10年または20年間、売電することができます。FIT制度では、設備規模(産業用または住宅用)によって条件やルールが異なります。
    ※売電期間:10kW未満が10年間(住宅用)/10kW以上が20年間(産業用)

太陽光発電の売電価格の推移

太陽光発電で売電収入がどれくらいになるか?前もって知るためには、FIT制度の売電価格について確認しましょう。

  • 売電価格:電力会社に電気を売る際の1kWhあたり単価です。           経済産業省より毎年発表されます。

住宅用太陽光発電の売電契約は、同じ売電価格で買取期間10年間と定められています。

例えば、2023年11月に売電をスタートした場合、10年後の2033年11月以降に終了することになります。

なお、10年間の売電期間を過ぎて、FIT制度の適用が終了した場合も継続して売電することはできます。
ただし、売電価格が年々下落傾向にありますので、契約する際は単価についてしっかり確認することをおすすめします。

  • 売電価格が下がった理由:
    太陽光発電設備の導入コストが安くなったことがあげられます。売電価格の設定は、太陽光発電の初期費用や工事費や維持費などに合わせて考慮されていますが、年々、太陽光発電設備を安く購入できるようになってきて市場の拡大によって売電価格が調整されるようになっています。
    もともと売電価格は、初期費用を回収できるように設定されているので、初期費用が安くなれば売電価格が下がる仕組みになっています。

売電価格は今後も下がり続けることが予想されていますので、できるだけ高い単価で売電するには早めに契約する方がお得です。

以下は、FIT制度の売電価格の推移です。

経済産業省資源エネルギー庁が公表している売電価格については、2012年「42円」から2023年には「16円」まで下がっています。

※売電価格の推移
売電価格・10kW未満
2012 42円
2013 38円
2014 37円
2015 33円
2016 31円
2017 28円
2018 26円
2019 24円
2020 21円
2021 19円
2022 17円
2023 16円

太陽光発電の売電収入はいつ入る?

太陽光発電で売電契約して運用を始めた場合、売電収入の入金は、電力会社が各家庭の発電量の 検針をしてから2〜3週間後になります。

なお、売電を始めてからすぐは、手続き上、売電収入の振り込みが1ヶ月~2ヶ月遅くなることがあります。

売電の詳しい振り込み日を知りたい場合には、契約している電力会社に問い合わせて確認しましょう。

また、振込みがされない場合は、以下を確認しましょう。

  • 振り込み先の口座内容が間違っていないかもう一度確認してみましょう。
  • 太陽光発電に必要な手続きが完了すると、設置業者との確認作業によって異常がなければ売電開始できるのが通常です。手続きが完了しているかどうか確認しましょう。
  • 代行で手続きした場合、販売店等に確認して進歩状況を確認すると良いでしょう。

【太陽光発電】売電収入の価格をシミュレーション

では、続いて、具体的に太陽光発電の売電収入がどれくらいになるのかシュミレーションしてみましょう。

太陽光発電の容量「5Kw」の場合を例題に解説していきます。

太陽光発電の容量「5Kw」の売電収入の計算

住宅用の太陽光発電システムの場合、一般的には3〜5KWの容量の設備が主流となっています。

日本の平均年間発電量は、容量1kWにつき1215kWhです。                     例えば容量5kWの太陽光発電の場合、年間の発電量は平均6075kWhになります。

経済産業省の調査では、発電した電力のうち、売電される割合は平均68.8%です。
年間に約4180kWh売電できることになります。                     2023年の売電価格16円で計算すると、年間の売電収入は、6万6880円になります。

売電収入の計算
年間売電量4180kWh × 売電価格16円 = 年間の売電収入6万6880円

「5kw」の太陽光発電で元が取れる?

太陽光発電を導入する際は、初期費用の回収期間が平均して10年と言われています。

では、実際にどれくらいで初期費用回収できるのか?計算式を使ってシュミレーションしてみましょう。

初期費用回収の計算式
初期費用÷(売電収入と光熱費の削減額の合計額-維持費)=回収期間

 

以下は、太陽光発電の導入にかかる初期費用の相場です。

  • 1kWあたりの費用:平均28.0万円くらい
  • 5KWで計算した場合の費用相場:140万くらい

太陽光発電の設備費に加えて、以下の項目も確認しておきましょう。

  • 工事費6.6万円くらい(依頼する設置業者、屋根状況等によって異なります。)
  • 維持費
    定期点検(4年に1回3万円)
    メンテナンス費(年間1万円~2万円くらい)
    パワーコンディショナーの交換(15〜20年ごとに交換で20万円~30万円くらい)

さらに蓄電池を一緒に導入する際は、加えて費用がかかります。

  • 蓄電池の本体価格:容量1kWhあたり15万円〜21万円くらい            (蓄電池+工事費込み)
  • 工事費:工事費の目安としては20万円〜35万円くらい
  • 保証費:製品メーカーごとに対象条件が異なるため事前に確認しましょう。

なお、太陽光発電の収入に関わるシュミレーションについては、各家庭の売電量や電気消費量の他に、太陽光パネルの発電効率、設置する製品、場所や設置条件、気象状況などに影響されるため、あくまでも目安として参考にしましょう。

太陽光発電での売電収入を増やす方法

売電収入を増やすためには、太陽光発電で作る電気を増やすことが必要です。

太陽光パネルの設置条件を最適にすることや、発電効率の高い機器を設置すること、また設備導入後も定期メンテナンスを行うなど、売電できる余剰電力を増やすための対策が必要です。

また、なるべく家庭で使う電気使用量を減らすために、省エネ機の家電を揃えたり、照明をLEDにかえる等、家庭内の電気製品について見直すと良いでしょう。

太陽光発電は11年目以降売電できなくなるの?

太陽光発電の売電買取期間が満了となった後は、どのように運用していけば良いのか?ポイントを解説していきます。

売電してから11年目以降、引き続き継続することは可能ですが、売電価格の変動に左右されるため常に最新の情報を得る必要があります。

ただし、売電価格の下落という状況であるため、11年目からは自家消費型へと切り替えた方がメリットが大きいと言われています。

自家消費型のメリット

自家消費型とは、太陽光発電で発電した電気を、売電せずに家庭内で使うことです。

太陽光パネルで発電した電気をすべて電力会社に売る「全量売電型」とは異なり、発電した電気はすべて自宅で消費することになります。

では、自家消費型に切り替えるとどんなメリットがあるのか?確認しましょう。

※自家消費に切り替えるメリット
  • 売電価格の変動に左右されない
  • 電気料金が削減できる
  • 停電時に利用できる
  • 電気自動車の充電に使える

売電価格の変動に左右されない

11年目以降に自家消費型に切り替えると、電力会社の売電価格の変動に左右されずに利用できます。
FIT制度で契約した10年間が過ぎると売電価格は大幅に低下します。継続して契約する場合は、今までよりも低い単価で売電することになり、売電価格の変動の影響下で利用する必要があります。

一方、自家消費型に切り替えれば、このような価格変動に関係なく、家庭内で電力を消費することができます。

電気料金が削減できる

電力会社の高い電気を買わずに太陽光発電で作った電気で賄うようにすることで、自家消費型に切り替えて電気代値上がりの対策に備えることができます。今まで売電していた余剰電力は、家庭内で使うことができるので、その分負担が減ります。

また、1日の発電量に対して自宅の電気使用量が少なければ、電気代をできるだけゼロ円に近づけることも可能になります。

自家消費型に切り替えて電気代をできるだけゼロ円に近づける方法としては以下のポイントを確認しておきましょう。

※ゼロ円に近づける方法
  • 電気使用量よりも発電量が上回った場合は、電力会社から購入する電気代を減らすことができます。発電量を増やす方法としては、太陽光パネルを最適な位置に設置することや、定期的にメンテナンスを行うこと等があげられます。ただし、太陽光発電は悪天候時には発電効率が低下するため、蓄電池を併用して電気を貯めておくと効果的です。
  • 蓄電池を併用すれば、昼間に貯めた電気を夜に使ったり非常時に利用することができます。適切な容量の蓄電池を1台備えておくと貯めておいた電気でやりくりできるため、経済的なメリットにも繋がります
  • 自家消費型に切り替えても余剰電力がある場合は、売電して収入を得ることもできます。例えば、昼間に家に誰もいない家庭では、昼間に発電した電力を売電すればその分収入になります。
  • 電気料金が安くなる電力会社の夜間プランにすれば、電気代の節約になります。 最近では、大手電力会社になかった自由な電気料金プランを設定している新電力会社が多数ありますので、夜間プランの安い会社で検討すると良いでしょう。

停電時に利用できる

太陽光発電で自家消費型に切り替えてさらに蓄電池を設置すれば、停電時の非常用電源として備えることができます。

蓄電池の容量については、ご自宅の電気使用量に合わせて適切な容量を考えましょう。

目安としては、一般的に停電時の1日の消費電力が約4kWhと言われているため、蓄電池は容量4kWh以上をおすすめします。

 

また、非常時に使いたい電化製品に合わせて、適切な容量の蓄電池を用意すると良いでしょう。

電化製品と消費電力の目安は以下の通りです。

気を付けたい点としては、消費電力の大きい電化製品を同時に利用すると、蓄電池でカバーしきれない場合もありますので、停電時には必要最低限の電気を利用することをおすすめします。

※電化製品と消費電力の目安
  • エアコン:300W~3,000W
  • IHクッキングヒーター:1,400W~3,000W
  • ファンヒーター:10W~450W
  • 洗濯機:200W~400W
  • 冷蔵庫:100W~300W
  • 電子レンジ:1,000W~1,400W
  • 食器洗い機:1,100W~1,300W
  • パソコン:100W~300W
  • 液晶テレビ:300W~500W

電気自動車の充電に使える

自家消費型の運用としては、電気自動車に電気を貯めるという方法もあります。

発電した電気をガソリンの代わりに使えば、自家用車の維持費を大幅に減らすことができます。

今まで売電していた余剰電力は、自家消費型で電気自動車の充電として利用できるようになります。また、電気自動車のバッテリーを蓄電池としても利用することもできます。

自動車のバッテリーは一般的な容量が40kWhくらいなので、家庭用の蓄電池よりも容量が大きく、非常用の電気として使うことが可能です。

例えば、災害時の停電が3日間続いた場合でも、蓄電容量が多い電気自動車であれば、いつも通りに電気を使って生活をすることができるようになります。

  • 家庭用蓄電池の容量:5~7kWh程度
  • 電気自動車の蓄電池の容量:40kWh、62kWhのバッテリー(日産リーフの場合)
    太陽光発電 で、電気自動車「日産リーフ」 を充電する場合、フル充電しておくと停電時に約2〜4日分の電源を確保できます。

太陽光発電の売電収入に 確定申告は必要?

住宅用太陽光発電10kW未満の場合、ほとんどは確定申告をすることは不要です。

確定申告は所得金額が20万円を超えた場合にのみ必要なので、売電収入で申告しなけらばならない状況はないと言えるでしょう。

給与所得者が、確定申告をする際に、売電収入が20万円を超えない限り確定申告は必要ありません。

ただし、所得金額が20万円を超えなくても、確定申告が必要な例外のケースがありますので、以下を確認してください。

  • 給与年収が2,000万円以上ある人
  • 還付申告を行う必要がある人

まとめ

太陽光発電で売電契約する際は、FIT制度のしくみを理解し、毎年変動する売電価格を確認してから始めましょう。

また、売電契約満了後の11年目からは、単価が大幅に下がりますので、自家消費型へ切り替えることも検討しましょう。

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