太陽光発電は、電気代の節約や売電収入になるメリットがありますが、では容量の小さな2kwの設備でも費用対効果があるのか?知りたいところですね。
また、太陽光発電のメリットだけではなく、後からやめておけばよかったとならないようにデメリットについても確認しておきましょう。
本記事では、太陽光発電の効果についてメリット・デメリット、2kwの容量の太陽光発電の効果について解説します。
新築住宅に良い効果をもたらす太陽光発電
国の推進する太陽光発電の取り組みについては、2030年の目標で「新築一戸建て住宅の6割に太陽光発電設備導入」があります。
一般住宅に太陽光発電の導入を義務化するには、早くても2031年以降と予測されています。国土交通省の推進に伴って、例えば住宅情報サイトでは、省エネ性能の高い住宅をアピールする情報が見られるようになっています。また、新築マンションに太陽光発電設備を導入する事業主も増えて来ています。
太陽光発電が、徐々に身近な存在になり、一般住宅にも太陽光発電の必要性が高まりつつあります。
将来的に一般住宅用の太陽光発電が義務化となることを踏まえると、現在、太陽光発電設備がある住宅は資産価値が上がる効果も期待できます、
蓄電池も併用することで良い効果がさらに増える?
蓄電池は、太陽光発電を併用することで機能性を高めることができます。
発電した電気を蓄えて、いつでも自由に効率よく使いたい場合は、蓄電池があった方が便利です。
一方、発電した電気を、その日のうちに消費する場合や普段の電気使用量が少ない家庭の場合は、蓄電池が無くても良いケースもあります。
太陽光発電システムは、日中に発電した電気を夜に使うことができないことや、停電時には稼働できないデメリットがあります。ただし、蓄電池を併用することで、これらのデメリットを解消することができます。
また、太陽光発電システムに必要なパワーコンディショナーは、稼働するために電圧 (50V〜100V程度)が必要なので、夜の光エネルギーでは電圧が足りないので電気を作ることは難しくなります。そこで、もし蓄電池があれば、パワーコンディショナーをフル稼働することも可能です。
さらに、一般家庭の電気利用時間を考えると、夜の20時頃がピークなので、電気をよく使う時間帯に蓄電池に蓄えた電気を利用できれば、電気代節約にも繋がります。
加えて、自然災害によって停電が続いた場合、蓄電池があると災害時のストレスも軽減し、安全対策にもなります。
したがって、太陽光発電と蓄電池の併用は、時間帯や天候、季節などが悪条件の時でも、また、停電時であっても、蓄えた電気を使いたい時に利用できるメリットがあります。
ただし、太陽光発電を導入する際に、発電した電気を売電して収入にしたい場合は、導入前に発電量と売電できる電力量についてバランスを計算することが必要です。一方、家庭内で使うだけの 自家消費型であれば、家庭の電気消費量に合う蓄電池の容量を考えてから設置するかどうか検討すると良いでしょう。
エネルギー価格が世界的に高騰していることを踏まえると、自家消費型で利用する場合も 電気代の値上がり対策として蓄電池があった方が効率良く電気を消費することができるようになります。
太陽光発電にはどんな効果がある?メリット
太陽光発電にはさまざまなメリットがあります。
- 電気代が安くなる
- 余剰電力で収入が増える
- メンテナンス費用が抑えられる
- 災害時でも電気を使える
- 夏は涼しく冬は暖かくなる
- エコキュートと併用で節約できる
- 蓄電池とセットでさらにお得になる
電気代が安くなる
太陽光発電システムを利用すると買電量が減って電気代が安くなります。
電気代を安くするには、発電量をできるだけ増やすための対策が必要です。
余剰電力で収入が増える
- 固定価格買取制度(FIT制度)を利用して売電収入を得ることができます。
- 住宅用太陽光発電10kW未満の場合、固定の買取価格で10年間売電できます。
- 余剰電力が増えれば、初期費用の回収期間が短くすることも可能です。
- 買取価格は、年々下落傾向にあるため、できるだけ早めの契約がおすすめです。
メンテナンス費用が抑えられる
- 太陽光発電システムを長期的に利用するには、適切なメンテナンスが重要です。
- 太陽光発電システムのメンテナンス時期は、最低4年に1回が義務化となっています。
- メンテナンス費用相場は、およそ1回あたり1〜2万円程度なので、4年に1回の出費ならば負担も抑えられます。
- もし、故障・交換が必要となった場合、メーカーの保証期間内であれば無償で対応してもらえます。
災害時でも電気を使える
- 太陽光発電システムは、停電や災害時にも使うことができます。
- 非常時に使える家電の消費電力の合計は、1.5kW以下が目安となります。
- 夜に停電になった場合は、太陽光発電に蓄電池を併用すれば電源を確保できます。
夏は涼しく冬は暖かくなる
- 太陽光パネルを設置した屋根下の部屋は、室温が下がる効果があります。
- 冬は屋根からの放射冷却が抑えられるので、屋根下の部屋の室温を暖かく保つことができます。
エコキュートと併用で節約できる
- エコキュートと太陽光発電を併用すると、給湯にガスを使わないためオール電化に切り替えが可能です。
- 昼間は太陽光発電で発電した電気を使って、夜間の電気料金が安いプランを使ってエコキュートでお湯を沸かすと光熱費を抑える効果があります。
蓄電池とセットでさらにお得になる
- 災害時や停電時に非常用電源としても活用できます。
- 普段使用する光熱費の削減にも繋がります。
- 余剰電力が多くなれば売電収入を増やすことができます。
- 天候の悪い日は、発電しないので蓄電池に晴れた日の電気を貯めて使うことが可能です。
太陽光発電にはどんな悪い効果がある?デメリット
導入した後にやらなきゃよかったと後悔したケースもあります。
メリットだけではなくデメリットについてもしっかり確認しておきましょう。
- 天候に左右される
- 初期費用が高い
- 売電収入だけでは難しい
- 設置場所で発電効果が下がる
- 屋根の状態によって設置できない
- 不備工事のトラブルがある
天候に左右される
- 雨や曇りの日が続くと発電効率は低くなります。
- 曇りの日の発電量は約40〜60%まで、雨の日は約25%まで低下します。
- 天候に左右されやすいことを予測して蓄電池を設置しておきましょう。
- 変換効率20%以上の性能の良い太陽光パネルを設置しましょう。
初期費用が高い
- 太陽光発電システムの費用は高く、設備費用以外に工事費用と維持費(メンテナンス費用・保険料・撤去費用)等がかかります。
- メーカー保証の対象外の場合、修理・交換費用が発生します。
- システムを導入する前にシュミレーションしてから必要な設備を準備しましょう。
- 設置業者は、複数社に見積もりを依頼して比較検討しましょう。
- 節電や売電収入による費用対効果を見極めることが大事です。
- 補助金制度を利用して費用を抑えることができます。
- ソーラーローンを利用することも検討しましょう。
- メーカー保証の内容を確認しておきましょう。
売電収入だけでは難しい
- FIT制度の買取価格が年々下落傾向にあるため、契約のタイミングがポイントになります。
- 1kWhあたり「42円」だった買取価格は、2022年には「17円」へと年々下落しています
- FIT制度の買取価格の変動をチェックして10年間の売電収入のシュミレーションをしておきましょう。
- 売電収入以外に自家消費した場合の費用対効果を考えましょう。
- 電気を貯められる蓄電池を準備しましょう。
設置場所で発電効果が下がる
- 太陽光パネルの設置場所によって発電効率が下がる場合もあります。
- 北向きに太陽光パネルを設置すると反射トラブルが起きる可能性が高くなります。
- 積雪地域、塩害地域の場合、発電効率が下がるケースもあります。
- 太陽光パネルの設置は、南向きにすると発電量が多くなります。
- 地域、天候、時間帯、季節などによる発電量の変動の要因を確認しておきましょう。
- 特殊な地域の場合、耐久性の良い製品を選びましょう。
- 太陽光発電+蓄電池の併用を検討しましょう。
屋根の状態によって設置できない
- 築年数のある住宅屋根や劣化が進んでいる屋根は、設置が難しい場合もあります。
- 設備の導入前に、屋根の点検を専門業者に依頼しましょう。
- 適切でない屋根の場合は、修繕リフォームを検討しましょう。
- 設置業者選びは慎重に行いましょう。
不備工事のトラブルがある
- 良い設備を準備しても施工不良の場合は、導入効果は難しくなります。
- 施工不良で雨漏り問題が発生する場合があります。
- 法外な契約金額でセールスされることもあります。
- 設置業者は複数社から選びましょう。
- 実績・経験のある専門業者を見極める事が大事です。
- サポート体制のある業者を選びましょう。
【太陽光発電】2Kwのパネルの良い効果と期待できない効果
太陽光発電の容量2kwの設備は、どんなメリット・デメリットがあるのか確認しましょう。
※メリット
- 導入コストが安い
- 電気代が安くなる
- 災害対策になる
導入コストが安い
太陽光発電設備は、容量が少ないと安くなります。
「経済産業省 資源エネルギー庁・2022年」によるデータによる1kWあたりの費用は、平均26.1万円です。太陽光発電2kwの場合、52.2万円になります。
太陽光発電の導入費用は、設備費の他に工事費が必要になりますが、容量の少ない2kwであれば、パネル枚数が少ない分、工事の手間も少なくなります。
太陽光発電設備 容量別の費用相場 |
|||
容量 | 費用 | 容量 | 費用 |
1kW | 26.1万円 | 6kW | 156.6万円 |
2kW | 52.2万円 | 7kW | 182.7万円 |
3kW | 78.3万円 | 8kW | 208.8万円 |
4kW | 104.4万円 | 9kW | 234.9万円 |
5kW | 130.5万円 | 10kW | 261.0万円 |
電気代が安くなる
2kwの太陽光発電の場合、ほぼ家庭内で消費される発電量になります。太陽光発電の効果は、自家消費による電気代の節約と、余剰電力を売電して収入を得ることです。
2kwの太陽光発電では、余剰電力はあまり期待できませんが、自家消費して電気代の節約には役立ちます。
売電収入については、FIT制度の買取価格が年々下がってきているため、売電するよりも発電した電気を家庭内で使う方法の方が、経済的な効果が高いと言われています。
太陽光発電で発電した電気を自家消費して、電気会社から購入する電気を減らすことで、電気代を節約することができます。
災害対策になる
太陽光発電は、停電時にパワーコンディショナーの自立運転モードを稼働させると電気を使うことができます。
自立運転モードとは、パワーコンディショナーに備わっている非常時用の機能です。
停電時に通常運転から自立運転モードに切り替えると非常用電源として使うことができるようになります。災害時の電力量には制限があり、「最大出力1,500W」までです。
家電の消費電力 | |||
家電 | 消費電力 | 家電 | 消費電力 |
IHクッキングヒーター | 1400-3000W | 掃除機 | 850-1000W |
エアコン | 300-3000W | テレビ | 300-500W |
電子レンジ | 500-1400W | 洗濯機 | 200-400W |
電気ポット | 900-1400W | 冷蔵庫 | 100-300W |
アイロン | 1200-1300W | 炊飯器 | 100-300W |
ドライヤー | 600-1200W | ノートPC | 50-150W |
食器洗い乾燥機 | 1,300W | 携帯の充電 | 5-15W |
※デメリット
- 費用対効果は期待できない
費用対効果は期待できない
容量の少ない太陽光発電の場合、設備費用は安くなりますが、工事費は5kwの容量の設備でも同じになります。
また、パワーコンディショナーは、3kwの容量から対応できるようになるため、2kwの容量の場合オーバースペックでコスパは悪くなります。
ただし、2kwと3kwの設備を比較した場合、もちろん2kwの容量の方が安く購入できます。
太陽光発電2kWの設置ではおすすめ出来ない
繰り返しになりますが、容量の小さい太陽光発電の方が、設備費用は安くなります。
工事費は、容量に限らず同じです。
導入効果については、容量が小さいので余剰電量を売って収入にするのは、難しくなります。発電した電気を家庭内で使い切るのならば問題はないでしょう。
太陽光発電の容量については、家庭の電気消費量に対して発電量の方が多ければ余剰電力がその分増えます。余剰電力は売電して収入に当てることもできますが、容量の少ない2kwの場合は、売電よりも自家消費で利用した方がお得です。
容量が少なくても発電した電気を家庭内で利用できれば、買電量が減るので電気代の節約効果が期待できます。
容量が少ない太陽光発電の効果については、まずは利用者のライフスタイルや世帯人数、電気使用量などを見直して、費用対効果が得られるかシュミレーションすることをおすすめします。
蓄電池も併用することで節電効果UP?
蓄電池は電気代の節約効果が期待できます。電気料金を深夜割安プランに切り替えて。昼間は発電して貯めておいた電気を使えば、高い昼間の電気料金を節約できます。
災害時には、蓄電池の電気が使えるため、自然災害対策にもなります。
また、電気自動車を蓄電池の代わりに使うこともできます。家庭用に設置する蓄電池ではなく、電気自動車を蓄電池として利用できれば、自動車としての役割に加えて太陽光発電+蓄電池のメリットを得ることが可能になります。
電気自動車を蓄電池として使う場合、家庭用の蓄電池よりも大きい容量を確保できます。
ガソリン代に比べて電気代が安いということを踏まえて、太陽光発電と連携することで、さらに 電気代の節約に繋げることができます。
まとめ
太陽光発電は、消費者のライフスタイルや世帯人数、電気消費量などによって、必要な容量の設備を設置すれば、経済的メリットも期待できます。
容量の小さな設備でも、家庭内で使い切る程度であれば、電気代の節約にもなります。
また、太陽光発電に蓄電池を併用することで、停電時や夜にも貯めておいた電気を使うことができます。
一般住宅用の太陽光発電は、将来的に義務化となる予定がありますので、今から太陽光発電の基礎知識とメリット・デメリットを知って導入前の準備をしておくと良いでしょう。