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【太陽光発電】電気消費量が多いのは夜だけど、夜も発電できるの?

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太陽光発電は、再生可能なエネルギーを利用して電気代の節約や省エネ対策に備えることができる便利なシステムです。

しかし、日が沈んだ夜間には発電しないので、蓄電池を併用すると、導入効果を高めることができます。

本記事では、太陽光発電の仕組みを理解して、夜に発電しない理由や太陽光発電を有効活用する方法として蓄電池の活用方法、メリット・デメリットを解説します。

太陽光発電、夜は発電しないの?!

太陽光発電は、太陽エネルギーを利用して電気を作る発電システムです。

したがって、太陽の出ていないには、電気を作ることは難しくなります。

太陽光発電で夜にまったく発電量が得られないというわけではありませんが、少ない発電量では パワーコンディショナーを稼働することができないため、夜は太陽光発電は使えないということになります。

太陽光発電の仕組み

では、簡単に太陽光発電の仕組みを確認しておきましょう。

太陽光発電で作った電気を家庭内で使えるようにするためには、昼間の太陽エネルギーを受ける「太陽光パネル」と発電した電気を直流から交流に変換するための「パワーコンディショナー」が必要です。

「パワーコンディショナー」を稼働させるには、最低限50〜100Vの電圧が必要なので、発電量の少ない夜間は太陽光発電を使うことはできません。

太陽光発電は、適切な条件がそろった環境で、「太陽光パネル」と「パワーコンディショナー」、その他周辺機器を連携させて電気を作る仕組みになっています。

したがって、基本的には夜間に太陽光発電を利用することはできないことになります。

一日で最も電気を消費するのは夜

では、夜に稼働しない太陽光発電を効率よく利用する方法はないのでしょうか?

一般的に、電気の消費が多い時間帯は夜と言われています。

資源エネルギー庁による電気がたくさん使われる時間帯についての調査では、北海道から沖縄まで、地域によって電気需要の時間帯は多少異なりますが、どのエリアも共通して 18時ごろの夕方から夜にかけて電気需要のピークが高くなります。

一般家庭の傾向として、会社や学校から帰宅してエアコンを動かしたり、夕食の支度をするなど、家庭での電気の使用が増える時間帯が夜に集中しています。

例えば、夏の19時に最も頻繁に使われる家電は、エアコン、続いて冷蔵庫、照明です。

特に電力需給がきびしくなる夕方から夜(17時から20時ごろまで)は、節電が必要な時間帯であるため、節電や省エネ対策を行う必要があります。

節電や省エネ対策には、エアコンの温度調整や照明も使い方、冷蔵庫の温度設定、待機電力を減らすことなど、家庭でできる工夫は必要ですが、太陽光発電を導入している家庭では、さらに蓄電池を併用することで、節電や省エネ対策につなげることが可能です。

つまり、夜の時間帯に電気需要のピークが高くなるのに対して、太陽光発電は、日が沈む夕方から夜にかけて発電量が大きく下がるという問題については、蓄電池を併用することで解消することができるようになるということです。

夜に太陽光発電を活用するなら蓄電池の導入を

蓄電池は、太陽光発電で作った電気を蓄えて、使いたいときに自由に使える機器です。

太陽光発電が稼働する昼間の時間帯に発電した電気を蓄電池に蓄えておくと、夜の電気の他にも、天気の悪い日や停電時に有効活用することができます。

蓄電池の活用方法

太陽光発電を上手に使うためには、以下のポイントを踏まえて、蓄電池の特徴を最大限に活かして利用しましょう。

  • 電気会社のプランを見直す
  • 停電時の使い方を知る

電気会社のプランを見直す

電力会社の中には、夜間に電気料金が安くなるプランを提供している会社もあります。

夜間電力は、電気料金の単価が、時間帯ごとに設定されている電気料金のプランです。昼間の電気料金の単価よりも安くなっています。

夜の電気使用量が多いご家庭や、日中不在の家庭では、安いプランに変更すれば節電効果が期待できます。

太陽光発電で昼間に発電した電気を 自家消費すれば、昼間に高くなる電気料金を減らすことが可能です。

また、余剰電力蓄電池に蓄えておけば、夜間、天気の悪い日、停電時に電気を使うことができます。

 

電力会社から購入する電気は、電気使用量や季節、時間帯等によって料金単価が変わります。  料金単価は使用量に対して以下の3段階の料金制に分けられています。

※3段階料金制

  • 第1段階:【使用量が月間120kWh未満】 電気代が安くなります。
  • 第2段階:【使用量が月間120kWh〜300kWh未満】電位代が’が’平均額になります。
  • 第3段階:【使用量が月間300kWh以上】 電気代が割高になります。

このように、電気使用量によって電気料金が変動するため、太陽光発電を利用することによって、 電気代の削減額が大幅に変わってくることになります。

また、電気会社の料金制に影響する、季節や時間帯による料金単価についても確認しておくと良いでしょう。

  • 季節別料金制:夏期(7〜9月)の料金単価は、その他の季節の1割増しです。
  • 昼夜別料金制:昼間と夜間で料金単価が違います。

太陽光発電で得られる発電量は、季節や時間帯等によって大きく変動するため、変動する要素と 電気会社の料金制と照らし合わせて、節電のための計画を立てておくと良いでしょう。

停電時の使い方を知る

蓄電池を準備しておくと、災害時や停電時の非常用電源が確保できます。
災害対策として、家庭に蓄電池を設置しておくと万が一に備えることができます。

停電時に電気を使うには、パワーコンディショナーの「自立運転機能」を稼働させることで利用できます。
パワーコンディショナーは、太陽光発電で作った電気を家庭内で使えるように直流から交流へ電力を変換する機器です。パワーコンディショナーには、非常時用の機能として「自立運転機能」が搭載されています。

もし、停電が起きた場合、太陽光発電は通常通りの設定では、いつも通りに電気を使うことはできないため、「自立運転機能」を利用することで非常時用の電源を確保することができるようになります。
つまり、パワーコンディショナ―の「自立運転機能」に切り替えると、電力会社の電力供給が止まっても、太陽光発電で発電した電気を停電用のコンセントから使えるようになるということです。

また、災害時の電力量は、「最大出力1,500W」の制限がありますので注意しましょう。
主な家電の消費電力について確認し、一度に複数の家電を稼働させないようにすることが必要です。
停電時にも対応できる蓄電池の容量については、目安として6.5kWh〜7kWhがおすすめです。6.5kWh蓄電池であれば、およそ1日停電が続いても家電を使って生活ができます。

太陽光発電に蓄電池なしだったら?

太陽光発電に蓄電池なしで利用した場合は、 電気代を大幅に減らすことは難しくなります。   ただし、予算によっては、蓄電池を一緒に設置できないこともあるでしょう。

蓄電池なしで自家消費するには、発電した電気を貯めておいて、使いたい時に使うことはできなくなるので、自家発電した電気と電力会社の電気をうまく併用する必要があります。また、太陽光で発電している昼間にできるだけ多くの電気を使用する必要があります。

自家消費する方法としては、オール電化に変えることや電気自動車を購入することなどがあげられます。
ガス給湯器やガスコンロからエコキュートやIHクッキングヒーターに変更してオール電化にすれば、太陽光で発電した電気から自家消費する割合を増やすことができます。

また、「V2H機器」「トライブリッドシステム」を導入すれば、電気自動車を蓄電池として使用することもできます。

いずれの方法も、各家庭のライフスタイルや世帯人数などによって導入効果は異なります。    蓄電池がなくても太陽光発電を利用できるケースもあり、蓄電池がないと有効活用できないケースもあります。

蓄電池のメリット・デメリット

では、蓄電池のメリットとデメリットについて確認しましょう。

蓄電池のメリット

蓄電池のメリットは、以下のポイントがあげられます。

  • 災害や停電時に使える
  • 電気料金が節約できる
  • 電気代高騰の影響を受けない
  • ピークシフトに貢献できる
  • 電気自動車と連携できる
  • FIT制度の終了後に自家消費できる
  • 天候に左右されなくなる
  • 環境にやさしい生活ができる
  • パワコン一体型蓄電池が利用できる

災害や停電時に使える

太陽光発電の蓄電池は、災害や停電時に使える便利な設備です。災害対策にライフラインの復旧までに各家庭で電気を確保できれば、災害情報をスマホで確認できたり、夜でも電気を使えたり等、安心して災害に対応することができるようになります。

災害時に蓄電池を利用したい場合は、蓄電池は容量4kWh以上の製品がおすすめです。
一般的に、停電時の1日の消費電力が約4kWhといわれているので、容量4kWh以上の蓄電池ならば 1日分の電力を確保することができます。

電気料金が節約できる

太陽光発電と蓄電池の併用、そして電気会社の割安深夜プランを契約すれば、電気代の節約に繋がります。
深夜プランで割安となった電気を蓄電池に貯めておいて、料金が高くなる昼間に使用すれば電気代の節約になります。

電気代高騰の影響を受けない

電気代が年々値上がりして来ていますが、太陽光発電と蓄電池を利用すれば、値上がりの問題から回避することができるようになります。

蓄電池を設置して電力会社の電気をできるだけ減らすと、電気代の値上がり対策になります。各家庭でできる節約方法として、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめです。

ピークシフトに貢献できる

蓄電池を設置して電気を使用する時間帯をシフトすれば、電力需要のピークを減らすことができて、しかも通常使っている電気使用量は変えずに電気料金を下げることが可能になります。

電気自動車と連携できる

「トライブリッド蓄電システム」を利用すると、電気自動車も自家消費で電気を賄うことができるようになります。

昼間に太陽光発電の電気を蓄電池に貯めておいて、夜間に電気自動車へ充電すれば、次の日には 電気自動車を利用することができるようになります。

FIT制度の終了後に自家消費できる

FIT(固定価格買取制度)が終了しても自家消費型にシフトして蓄電池で電気を賄うことができます。

売電収入よりも電力会社からの購入する電気を少なくしたほうが結果的には経済的メリットを得ることができます。

天候に左右されなくなる

蓄電池に電気を貯めておけるので、天候が悪い日でも太陽光発電の電気を使うことができます。

天気が悪い日が続いても蓄電池があれば、安心して太陽光発電をうまく利用することができます。

環境にやさしい生活ができる

太陽光発電で作った電気を蓄電池に貯めて利用すれば、電気の無駄遣いを避けて節電効果に繋がります。

再生可能なエネルギーを効果的に活用し地球温暖化などの環境問題対策に貢献することができます。

パワコン一体型蓄電池が利用できる

パワーコンディショナーと買い替えのタイミングに合わせて、パワコン一体型蓄電池( ハイブリッド型蓄電池)を導入すれば、変換効率が良く発電効果が期待できます。
一般的にパワーコンディショナーの寿命は10〜15年程度で、いずれは修理や交換が必要な時期が来ます。太陽光発電を設置してから10年経過している場合や、蓄電池の導入を検討されている場合は、パワコン一体型蓄電池で検討するのも良いでしょう。

蓄電池のデメリット

蓄電池のデメリットについて以下のポイントを確認しましょう。

  • 初期費用が高くなる
  • 設置スペースが必要になる
  • 蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
  • 電気の貯められる容量の制限がある
  • 電気代がすでに安い人はメリットはない

初期費用が高くなる

太陽光発電システムを導入する際は、太陽光発電パネルやパワーコンディショナーなど高額な設備を準備する必要があり、蓄電池を購入すれば、さらに初期費用が高くなってしまいます。加えて、施工費用もかかります。

太陽光発電や蓄電池の初期費用は高額であるため、元が取れるのか心配な方は、専門業者や製品メーカーに相談して費用対効果について検討してもらうことをおすすめします。

また、初期費用を安くする方法として、補助金制度を利用するとよいでしょう。
地方自治体の補助金情報は、都道府県のホームページから閲覧できます。
蓄電池の費用については、事前に相場を調べてから、複数社に見積もり取って比較検討しましょう。

設置スペースが必要になる

蓄電池の種類は、屋外設置屋内設置から選ぶことができます。

屋外設置の蓄電池には重量があり、屋内設置のものは比較的コンパクトサイズです。
屋内設置の場合は、設置面の耐久性によって簡易基礎などを施工してから設置するようになります。

一般家庭用蓄電池のサイズは、幅:約80cm/奥行:約40cm/高さ:約100cmくらいが目安になるので、設置場所に合わせて選びましょう。

屋外設置型の蓄電池スペースは、目安として自転車1台を入れるくらいの経路があれば設置できると言われています。

蓄電池を設置する場合に気を付けることは、直射日光が当たらない場所で、できれば北面に置くと良いでしょう。

寒冷地域に設置する際は、低温度の環境では装置のトラブルになる場合もあります。積雪地域への設置も、温度管理が行き届く設置場所が適切です。

また、できるだけ換気の良い場所で蓄電池付近には燃えやすい物は置かないようにしましょう。 蓄電池は、メンテナンスができるスペースも確保しておくことが必要です。
何かトラブルがあった場合はすぐ対応できるように見やすく手の出やすい場所が理想的です。

蓄電池のスペースは、容量が大きいほど設置スペースを広く確保する必要がありますので、価格を比較検討して適切なサイズや重さのものを選びましょう。

蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる

蓄電池の寿命は、およそ10年〜15年と言われています。製品メーカーの保証期間10年〜15年というものも多く、保証期間内に故障した場合は、無償で修理をしてもらうことも可能です。

ただし、保証期間を経過してからの交換は、有償となりますので、新しい蓄電池の購入費用と設置工事費、古い蓄電池の撤去処分費用などを準備しておく必要があります。

蓄電池を交換するタイミングは、寿命と言われる10〜15年、または故障した場合になります。蓄電池も毎日使用していくうちに年月とともに劣化するようになり、劣化する時期は、家庭での使用頻度によっても変わってきます。

蓄電池を利用していて、いつもと電力消費が違うなと思ったら、保証期間中に修理依頼すると良いでしょう。

蓄電池をできるだけ長く利用できるようにするには、蓄電池を適切な環境に設置することや、  過度な充電や放電を繰り返さないように蓄電池に余計な負荷を与えないようにしましょう。

電気の貯められる容量の制限がある

蓄電池の容量によって、電気を貯められる量と使用できる量が異なります。

大容量の蓄電池であれば、電気を多く貯めておけるので使える時間も長くなります。

容量が小さければ、貯めた電気量も少なく使える時間も短くなります。ただし、大容量の蓄電池だからと言って、残量がなくなるまで使ってしまえば、必要なときに電気を自由に使うことはできなくなります。

蓄電池の使い方は、残量を使い切らないように気をつけることが大切です。

蓄電池の容量(kWh)は、世帯人数やライフスタイルに合わせて選ぶと良いでしょう。

昼間に自宅にいる家族が多い場合や普段の電気消費量多めの家庭では、蓄電池の容量も大きめがおすすめです。蓄電容量が大きければその分、価格も高額になります。

また、容量が大きければ災害などで停電が続いても、電気を安心して使えるメリットがあります。

※蓄電池の容量の目安

  • 小型蓄電池:4kWh〜5kWh程度
  • 中型蓄電池:7kWh程度
  • 大型蓄電池:10kWh前後

電気代がすでに安い人はメリットはない

すでに電気代が安くて、昼間に家にあまりいない人は、蓄電池を設置しても効果的に利用することはできないでしょう。

また、蓄電池を設置するスペースが確保できない方は、導入は難しくなります。蓄電池は高額なだけに、それなりの費用対効果を期待できない場合は、よく考えて検討することをおすすめします。

まとめ

太陽光発電は夜に発電しないため、蓄電池を設置して有効活用することをおすすめします。
蓄電池の導入については、ライフスタイルや家庭の電気使用量に合わせて、必要な容量の機種を選んで、節電効果に役立てるようにしましょう。

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