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太陽光発電の自給率の計算方法と自給率100%を目指す為のポイント

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再生可能エネルギーの注目を受けて、家庭で電気を作りたい、電気代を減らしてエコな生活をしたいと考えている方もいらっしゃるでしょう。

太陽光発電システムで作った電力を自家消費して自給率を上げるためには、蓄電池の併用は不可欠です。蓄電池の併用で、さらに電気代の節約や売電収入に繋げたいですね。

本記事では、太陽光発電の自給率を上げる方法や自給率の計算、蓄電池のメリット・デメリットを解説します。

太陽光発電の自給率とは?

太陽光発電システムを導入する際は、電力の自給率について確認しておきましょう。

太陽光発電使用時における自給率とは何か

電力需要のうちどのくらいの割合を太陽光発電から賄えるかを表した数値を自給率といいます。

例えば、自給率100パーセントというのは、以下の場合があげられます。

  • 太陽光発電で発電した電気をすべて家庭内で使っている場合
  • 太陽光発電で発電した電気と家庭内の電気消費量が同等以上の場合

太陽光発電を設置することで自給率が上がると、発電した電気で家庭内の電気を賄うことができるため、買電量が減って電気代が安くなります。

また、余剰電力が増えると売電して収入に繋げることも可能です。

ただし、自給率を上げるためには、蓄電池を併用することが必要となります。

太陽光発電は、夜間や停電時には稼働しないため、蓄電池を設置することで発電した電気を貯めておいていつでも電気が使えるようになります。

また、各家庭の電気使用状況は、ライフスタイルや世帯人数、設置条件、設備機器の性能、さらに、天候や地域性などによっても異なるため、これらについては、発電量の変動にかかわる要素として把握しておくようにしましょう。

では、続いて具体的な自給自足率の計算方法について確認していきましょう。

エネルギー自給自足率の計算方法

自給自足率の計算式は以下の通りです。数値が大きいほど電力会社から購入する電気に頼らず生活できることになります。

自家消費量+太陽光パネルから蓄電池に貯めた電気からの放電量       × 100      =     自給自足率 
          消費電力量

日本は、石炭、天然ガスの化石燃料のほとんどを輸入に頼っているため、世界情勢の影響によって輸入が困難となるリスクがあります。そこで化石燃料から再生可能なエネルギーに換えて電気を供給できるようになれば、エネルギー自給率の向上に貢献することができます。

蓄電池の導入で自給率があがる!

太陽光発電+蓄電池を併用して使うことで、自給率を上げることができます。

蓄電池導入時の自給率の変化

太陽光発電のみの場合と、蓄電池と併用した場合では、自給率は変わってきます。

もし太陽光発電で蓄電池なしの場合は、太陽光発電で発電した電気をすぐに消費する必要があります。
太陽光発電で発電した電気を昼間のうちに消費することができれば、発電量と消費量のバランスがとれて自家消費率をあげることも可能です。

ただし、ご家庭の電気使用状況によっては、昼間のうちに発電した電気を使いきることができないケースもあります。
一方、蓄電池を併用して使う場合は、時間帯に制限なく発電した電気を使うことができるため、   余剰電力が増えれば自給率向上に繋がります。

蓄電池の容量別の自給率の変化

蓄電池の容量によっても自給率は変わってきます。

蓄電地の容量は、大きいほど電気をたくさん貯められるので便利ですが、その分費用も高額になります。かといってあまり小さい容量の蓄電池を選んでしまうと、頻繁に充電する必要があります。

蓄電池の容量は、ご自宅の電気使用量に合うものを選ぶことがポイントです。

一般的な家庭用蓄電池の容量は大きく分けて以下のタイプがあります。

蓄電池の容量の目安としては、4人家族暮らしで最小限の電気を使うとしたら、中型タイプの7.0kWhの蓄電池で2、3日利用できます。

  • 小型タイプ:4.0kWh〜5.0kWhくらい
  • 中型タイプ:7.0kWhくらい
  • 大型タイプ:10kWhくらい

蓄電池の併用で、電力の自給率を上げるためには、太陽光パネルで得られる発電量の見込みを算出して、適切な容量の蓄電池を検討しましょう。

太陽光発電で「自給率100%」は目指せる?

太陽光発電で、完全に自給率100%を実現するには、高額なコスト計画的なメンテナンスなどが必要となり、まずは導入前に入念な発電量のシュミレーションを行って、費用対効果を算出することが必要です。

自給率100%は実現可能なのかどうか

電力自給率100%を実現しているオフグリッド事例も増えてきていることは事実です。ただし、太陽光発電を設置する環境や高性能の設備機器を準備するなど、設置する条件を整備することが必要です。
また、太陽光発電と一緒に蓄電池を設置することが、自給率アップに繋がる方法になります。

さらに、蓄電池の選び方についても、どのくらいの容量があれば自給率100%になるのか、事前に調べておくことが必要です。

自給率100%を実現するためには

自給率100%に近づける方法として一般家庭でできる以下のポイントを確認しましょう。

※自給率アップのポイント
  • 自宅の電気使用量を確認する
  • 太陽光発電の設置場所を確認する
  • 太陽光発電設備のメンテナンスを行う
  • 補助金制度について確認する
  • 自家消費型か余剰売電型か選ぶ
  • 設置業者の選ぶ

自宅の電気消費量の確認する

太陽光発電を導入する前に自宅の電気使用状況を把握しておきましょう。

自家消費するには、電気消費量と太陽光パネルの発電量とのバランスを考える必要があります。

電気消費量については、普段生活に必要な主な家電の消費電力についてチェックして、月間または年間にどれくらいの電気を使うか参考値を出しておきましょう。

発電量については、設置する地域、季節や天候、時間帯や月別などによって変動しますので、変動要因を踏まえて発電量のシュミレーションを行いましょう。

※太陽光発電の1日の発電量 = システム容量 × 日射量 × 損失係数(0.85)

太陽光発電の設置場所を確認する

太陽光発電の設備は、設置するスペースや各種機器にふさわしい設置条件で場所を確保するようにしましょう。
自家消費率を高めるには、最適な位置に太陽光パネルを設置し、連携するパワーコンディショナー蓄電池の設置位置は、点検のしやすい場所を選ぶようにしましょう。

太陽光発電設備のメンテナンスを行う

太陽光発電で自家消費率を高めるためには、太陽パネルや周辺機器のメンテナンスを定期的に行う必要があります。

安定した発電量を作るためには、機器の汚れや故障を早めに見つけて、自家消費しやすいように 機器の点検を行うことが必要です。

補助金制度について確認する

太陽光発電の初期費用を抑えるために、補助金制度が利用できるかどうか確認しておきましょう。蓄電池を一緒に導入する際は、蓄電池に適用される補助金制度を利用できます。

自家消費型の場合、売電型のように10年間売電収入はないので、初期費用回収の計画はしっかり立てておきましょう。
一般的に、自家消費型で太陽光発電を導入する場合、10年以内初期費用の回収ができると言われています。

自家消費型か余剰売電型か選ぶ

太陽光発電で発電した電気をすべて家庭内で賄うのか?または、余剰電力を売電するのか?方針をしっかりシュミレーションして決めておくと良いでしょう。

大き目の設備で最適な条件が準備できた場合は、完全100%の自給率を目指す以外に、余剰売電型での利用も検討するとよいでしょう。、

設置業者の選ぶ

太陽光発電の導入効果を高めるためには、設備の設置業者選びも重要です。

施工費用が安いだけではなく、施工のアドバイスや施工品質、安全面、工事後のサポートなど、総合的な視点から判断すると良いでしょう。

不良工事によって発電量が低下するような状況にならないように、実績や経験のある設置業者を選びましょう。

蓄電池のメリット・デメリット

では、太陽光発電の自給率を高めるために必要な蓄電池について、メリット・デメリットを確認しておきましょう。

蓄電池のメリット

家庭用蓄電池を設置する前に知っておきたいメリットを確認しておきましょう。

  • 災害や停電時に使える
  • 電気料金が節約できる
  • 電気代高騰の影響を受けない
  • ピークシフトに貢献できる
  • 電気自動車と連携できる
  • FIT制度の終了後に自家消費できる
  • 天候に左右されなくなる
  • 環境にやさしい生活ができる
  • パワコン一体型蓄電池が利用できる

災害や停電時に使える

太陽光発電を災害時や停電時に確実に使えるようにするためには、蓄電池も併用すると効果的です。

また、停電時に使える家電製品の種類に合わせて蓄電池の容量についても検討すると良いでしょう。蓄電池の容量によって効果は変わってきます。

電気料金が節約できる

電気会社の割安の深夜プランを契約すれば、電気代の節約に繋がります。

深夜プランで割安となった電気を蓄電池に貯めておいて、料金が高くなる昼間に使用すれば効果的です。

電気代高騰の影響を受けない

蓄電池を設置して電力会社の電気をできるだけ減らすと、電気代の値上がり対策になります。

各家庭でできる節約方法として、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめです。

ピークシフトに貢献できる

電気の使用量が少ない夜間に電気の利用をシフトすれば、電力需要のピークを減らすことができます。また、通常使っている電気量は変えずに電気料金を下げることもできます。

電気自動車と連携できる

昼間に太陽光発電の電気を蓄電池に貯めておいて、夜間に電気自動車へ充電すれば、次の日には電気自動車を利用することができるようになります。

FIT制度の終了後に自家消費できる

FIT(固定価格買取制度)が終了しても自家消費型にシフトして蓄電池で電気を賄うことができます。

売電収入よりも電力会社からの購入する電気を少なくしたほうが結果的には経済的メリットを得ることができます。

天候に左右されなくなる

蓄電池に電気を貯めておけるので、天候が悪い日でも太陽光発電の電気を使うことができます。

天気が悪い日が続いても蓄電池があれば、安心して太陽光発電をうまく利用することができます。

環境にやさしい生活ができる

再生可能なエネルギーを効果的に活用し地球温暖化などの環境問題対策に貢献することができます。

パワコン一体型蓄電池が利用できる

パワーコンディショナーと買い替えのタイミングに合わせて、パワコン一体型蓄電池( ハイブリッド型蓄電池)を導入すれば、変換効率が良く発電効果が期待できます。

蓄電池のデメリット

では、家庭用蓄電池を設置する前に知っておきたいデメリットを確認しておきましょう。

  • 初期費用が高くなる
  • メンテナンスが必要になる
  • 設置スペースが必要になる
  • 電気の貯められる容量の制限がある

初期費用が高くなる

太陽光発電の導入費に蓄電池の費用もかかるため、その分、初期費用は高くなります。

太陽光発電システムにかかる初期費用の相場は、一般的に需要の多い容量「3〜5kW」で計算した場合、78.3万円〜130.5万円くらいです。
蓄電池の本体価格は、容量「1kWhあたり」15万円〜21万円くらいで、工事費の目安は, およそ 20万円〜35万円くらいです。

初期費用を安くする方法としては、補助金制度の利用がおすすめです。国、または地方自治体の    応募条件に合わせて申請ができます。

太陽光発電や蓄電池の普及に伴い、補助金制度の人気が高まっており、予算額を早めに超えるケースも多くなっています。その場合は、応募期間を早めに打ち切ってしまうため、もし補助金制度を利用したい方は、早めの手続きを行うと良いでしょう。

メンテナンスが必要になる

特に屋外型の蓄電池の場合は、雨風や粉塵で汚れやすくなるため、定期的にメンテナンスを行う必要があります。
また、蓄電池の使用回数や一定期間が経過したあとは、交換や修理が必要な時期も来ますので、随時対応するようにしましょう。

蓄電池の交換時期の目安は、使用開始から約10〜15年経過後、メーカーごとに異なりますが、充放電回数が約4,000回〜12,000回くらい使用頻度が過ぎると不具合が生じやすくなります。
蓄電池の寿命は、およそ10年〜15年です。製品メーカーの保証期間10年〜15年というものも多く、保証期間内に故障した場合は、無償で修理をしてもらうことも可能です。
ただし、保証期間を経過してからの交換は、有償となりますので、新しい蓄電池の購入費用と設置工事費、古い蓄電池の撤去処分費用などを準備しておく必要があります。

設置スペースが必要になる

蓄電池を設置する場合は、蓄電池の大きさや重さによって、設置スペースに納まらないケースもあります。

蓄電池は、屋外型屋内型があり、屋外型は重量があり、屋内型は比較的コンパクトサイズで、設置面の耐久性によって簡易基礎などを施工してから設置するようになります。

家庭用蓄電池のサイズ目安幅:約80cm/奥行:約40cm/高さ:約100cmくらい 

  • 屋外型の蓄電池は、目安として自転車1台を入れるくらいの経路があれば設置できる
  • メンテナンスができるスペースも確保しておくことが必要になる

また、設置スペースの他に、設置条件も考慮する必要があります。換気が良く直射日光が当たらない場所で、できれば北面に置くと良いでしょう。

さらに、寒冷地域に設置する際は、低温度の環境では装置のトラブルになる場合もあります。  積雪地域の設置も、設置箇所の工夫が必要です。

電気の貯められる容量の制限がある

蓄電池の容量については、大容量であれば、電気を多く貯めておけるので使える時間も長くなります。容量が小さければ、貯めた電気量も少なく使える時間も短くなります。

ただし、大容量の蓄電池だからと言って、残量がなくなるまで使ってしまえば、必要なときに電気を自由に使うことはできなくなります。

蓄電池の容量は、単位kWh(キロワットアワー)で、容量には「定格容量」と「実効容量」の2種類があります。

  • 定格容量:規定された条件において蓄えられる電気量
  • 実効容量:実際に使用できる電気量

蓄電池の出力というのは、一度にどれくらいの電力量を出せるのかを示した数値です。出力が大きい蓄電池は、同時にたくさんの家電などを使うことができます。
例えば、出力の小さい蓄電池の場合は、停電時には限られた家電しか使えないということになります。

まとめ

太陽光発電で自給率を高めるには、蓄電池と併用して使うと必要なときに必要な電力量を確保できます。太陽光発電だけでは、電力の自給自足は難しいため、適切な容量の蓄電池を設置すると良いでしょう。
また、FIT制度の買い取り価格も低下傾向にありますので、余剰電力は蓄電池を利用して自家消費することをおすすめします。

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