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太陽光発電設置前に要確認!近隣住民とのトラブル例と対処方法

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太陽光発電を導入する際は、設置後のトラブル対策について考えておきましょう。

太陽光発電を設置する場合は、法的な規制がないため、設置後に近隣トラブルが発生するケースが多くなっています。

そこで、本記事では、太陽光発電を設置後に起こりやすいトラブル例とその対処方法について解説していきます。

太陽光発電導入前にチェック!近隣住民とのトラブル一覧と対処法

太陽光発電を設置した後、よくあるトラブルの事例と未然に防ぐための対処法について紹介していきます。

  1. 太陽光パネルの反射光トラブル
  2. パワーコンディショナーの騒音トラブル
  3. 太陽光発電設備の電磁波トラブル
  4. 屋根からの落雪によるトラブル
  5. 台風による太陽光パネルの落下トラブル
  6. 野立て太陽光発電の雑草トラブル
  7. 隣接土地への土壌流失のトラブル
  8. 太陽光発電の隣接土地とのトラブル
  9. メガソーラー設置によるトラブル
  10. 太陽光発電設備の安全上によるトラブル
  11. 太陽光発電設置後に隣にマンションが建つトラブル

太陽光パネルの反射光トラブル

太陽光発電のトラブルで最も多いのが反射光トラブルです。

反射光トラブル:日光が太陽光パネルに当たって近隣住宅の窓などに光が反射して発生する問題です。反射光によって眩しい、または反射光で部屋の気温上昇により熱中症になったなどの苦情があります。

反射光トラブルは、被害者側がどれだけの不快を感じるかによって、裁判にまで発展してしまうケースもあります。
太陽光発電で、もし反射光トラブルになるような位置に設置してしまった場合には、簡単に撤去することは難しく、被害者に対して少しぐらいの光害は我慢してほしいという訳にもいかなくなります。

太陽光発電は長期的に利用することで費用対効果を得ることができるため、近隣トラブルにならないように、しっかりシュミレーションしてから施工することをおすすめします。

太陽光パネルの反射光トラブルの対処法

  • 専門の設置業者に相談して適切な施工を行いましょう。            反射光トラブルは、設置前に計算できれば事前に対処することができます。もし、計算等の対応ができない業者である場合は、他の設置業者に依頼する方が良いでしょう。
  • 太陽光パネルを設置する屋根が北向きで片流れ屋根の場合は、他の方角への設置を考えましょう。反射光トラブルの多くは、北向きに太陽光パネルがあるケースになっています。発電量を得やすい南向きの設置が難しい場合は、南東や南西、東西方向で検討しましょう。この場合も反射光にならないようにシュミレーションしてから工事を行うようにしましょう。
  • 近隣住民と普段からコミュニケーションを取っておきましょう。万が一トラブルになった場合も、日頃のお付き合いの程度から話し合いの進み方も変わってきます。心がけたいことは、太陽光発電を設置する際は、近隣住民に事前に説明して理解をしてもらっておくことです。

パワーコンディショナーの騒音トラブル

パワーコンディショナーの動作音(モスキート音)がうるさくて近隣トラブルになるケースがあります。

モスキート音:17キロヘルツ前後の高周波音。 蚊の羽音のようなキーンという不快音で、周波数が非常に高いためその音を不快と感じる人もいます。

パワーコンディショナーの動作音は、エアコンの室外機と同じ40〜50デシベル程度なので、騒音レベルではないと感じる方もいれば、気になる方もいます。
騒音トラブルになるケースとしては、動作音による苦情以外に日頃から近隣住民との仲があまりよろしくないとトラブルの原因となる場合があります。

パワーコンディショナーの騒音トラブルの対処法

  • パワーコンディショナーを設置する前に、事前に動作音が出ることを近隣住民にひとこと伝えておきましょう。
  • パワーコンディショナーを設置場所は、近隣住宅とは離れた位置など工夫するようにしましょう。
  • 静音性のあるパワーコンディショナーの製品を選ぶと近隣住民への騒音トラブルも解消するでしょう。

太陽光発電設備の電磁波トラブル

太陽光発電設備の電磁波で体調が悪くなったという苦情が発生した事例もあります。
電磁波による影響というと、被害者側の主観的な主張と感じる場合もありますが、ご近所から苦情があった場合は、正確な知識をもとに適切に対処するようにしましょう。

財団法人電気安全環境研究所(JET)の調査によりますと、設備から30cm離れた場所で測定した電磁波は、電気カーペットよりも少ないという結果が出ています。電磁波については、日常生活で使っている家電からも微量ながらも発生しています。太陽光発電の電磁波が人体への影響はないため、根拠のないクレームとして対応が必要です。

WHO(世界保健機関)による電磁波による健康リスクに関する見解については、以下の通りです。

  • 電磁過敏症:電磁波の影響で頭痛やめまいなどが起こると訴える「電磁過敏症」の症状については、電磁波が関連するという科学的根拠はない。
  • 短期的影響:高レベルの磁界を浴びると、神経・筋肉への刺激等の生物学的影響が生じる(科学的に解明済みである)。国際的なガイドラインを守っていれば悪影響はない。
  • 長期的影響:小児白血病に関する証拠は、因果関係と見なせるほど強いものではない。小児白血病以外の病気に関する証拠は、小児白血病についての証拠よりもさらに弱いか、因果関係がないことを示唆している。

太陽光発電設備の電磁波トラブルの対処法

  • 太陽光発電を設置する前に、電磁波による影響はないことを専門的な立場の設置業者から近隣住民に説明しておいてもらうと良いでしょう。ご近所同士の会話よりも第3者からの説明の方が納得して理解されやすい場合もあります。
  • 太陽光発電の電磁波による健康被害の有無について、正しい知識を得ておきましょう。クレームに対して適切に説明ができるようになります。

屋根からの落雪によるトラブル

積雪地域で太陽光発電設備を設置した場合、落雪によるトラブルがあります。積もった雪がすべりやすい太陽光パネルから落下して近隣住民に被害を与えるケースも発生しています。

太陽光パネルを設置した屋根の下が、人通りのある道である場合には、落雪によるリスクを考えておく必要があります。

屋根からの落雪トラブル対処法

  • 太陽光パネルを設置する際は、雪止め金具を取付けて、落雪防止の対策を施しておきましょう。
  • 太陽光パネルを設置する場合は、積雪地域での施工実績が豊富な業者を選んで依頼することをおすすめします。
  • 太陽光パネルに雪が積もると発電効率が低下しやすくなります。落雪トラブル対策と発電効率の低下を防ぐためにも、雪かきをこまめに行うことをおすすめします。

台風による太陽光パネルの落下トラブル

台風被害によって、太陽光パネルが隣家に落下した事例もあります。太陽光パネルの落下によって、近隣住宅の修理費用やケガ人が発生した場合は治療費などの対応が必要になります。

また、太陽光パネルの破損で発火するケースもありますので、二次災害を防ぐためにもトラブル発生後は、専門業者へ依頼する方が良いでしょう。

特に台風が多い地域に太陽光発電設備を設置する際は、台風リスクを考えておく必要があります。

台風による太陽光パネル落下トラブルの対処法

  • 太陽光発電設備を導入する前に、地域の災害リスクを調べておきましょう。   国土交通省や各自治体のハザードマップを参考にすることをおすすめします。
  • 自然災害に対応できる保険に加入しておきましょう。近隣住宅や人に被害を与えてしまった場合が対象となる賠償責任保険について確認しておくと良いでしょう。
  • 太陽光発電の工事は、台風対策になる施工法を採用している業者を選びましょう。
  • 太陽光発電設備のメンテナンスを日頃から心がけましょう。架台のねじの歪みを事前に見つけることができれば、台風による落下リスクを防ぐことができます。

野立て太陽光発電の雑草トラブル

野立ての太陽光発電所の場合、雑草によって景観を損ねたり、地域の農産物に被害が広がるケースがあります。また、雑草をなくすために除草剤をまいて更に問題が広がり住民トラブルが悪化するケースもあります。

雑草対策については、近隣住民への影響を考えて、適切な方法で解決することが必要です。

野立て太陽光発電の雑草トラブル対処法

  • 太陽光発電を設置する際は、除草に必要な経費を算出し、専門業者に依頼できるように準備しておくと良いでしょう。また、太陽光パネルの損傷やケーブル切断など、設備に支障が起こらないように太陽光発電での作業実績がある専門業者であるか確認してから依頼することをおすすめします。

隣接土地への土壌流失のトラブル

野立て太陽光発電所の場合は、大雨の影響で隣接の土地に土壌が流出してトラブルになるケースがあります。
太陽パネルを傾斜した土地に設置した場合は、特に土壌流失のトラブルになりやすくなっています。
太陽光発電所に利用する土地については、地盤の弱い土地は不向きなので、事前に地質調査を行うようにしましょう。

隣接土地への土壌流失のトラブル対処法

  • 土壌流失を防ぐためには、防草シートグランドカバープランツなどを利用すると良いでしょう。                              防草シートは施工しやすく、コンクリート舗装するよりも格安に問題を解消することができます。グランドカバープランツは、地面を覆う植物の総称で、土壌の乾燥や流出防止、法面保護にも効果があります。

太陽光発電の隣りの土地とのトラブル

野立て太陽光発電所の場合、設置した土地を巡ってトラブルになるケースがあります。
長い間、放棄されていた農地などに太陽光発電を設置する際は、法的な境界線が不明で調査に時間を要する場合もあります。
放棄されていた土地を利用する際は、境界確定のプロセスを踏んでから設備を導入するようになります。

境界確定:土地家屋調査士によって測量された土地について、土地の所有者と隣接の土地所有者が立ち会って土地の境界線を確認する作業です。

土地の境界線によるトラブル対処法

  • 境界確定を土地家屋調査士に依頼して明確にしましょう。太陽光発電所を設置する場合は、境界確定作業費用を必要な経費として計画しておきましょう。     境界点は杭を打って明確な位置を示しておきましょう。
  • 太陽光投資のために準備された土地付き物件を選ぶと良いでしょう。土地の取得から事業認定まで手続きが済んでいるため、後から土地の境界線などのトラブルに巻き込まれない方法となります。

メガソーラー設置による景観トラブル

1MWを超える大規模な太陽光発電設備メガソーラーの開発計画により、景観が損なわれると近隣住民からの反対の事例があります。過去に、近隣住民の猛反対で業者側が撤退したケースもあります。

メガ―ソーラー設置による景観トラブルの対処法

  • 大規模な太陽光発電所を計画実施するためには、設置する土地の周辺環境、条例について調査し、地域住民に与える影響を軽視せずに取り組む必要があります。
  • 大規模な太陽光発電所を設置するには、環境アセスメント法に基づき、設置後の影響について調査やさまざまな手続きを踏んで対応しましょう。

太陽光発電設備の安全上のトラブル

太陽光発電設備は、豪雨などの影響で浸水している時に近づくと感電する恐れがあります。大雨が降ったあとの太陽光発電所には、関係者以外は、立ち入らないようにする必要があります。また、普段から太陽光発電所内に、子供や部外者の侵入を防ぐ対策が必要となります。

太陽光発電設備の安全上のトラブル対処法

  • FIT 制度では、認定事業者に対して、太陽光発電所周辺に標識、柵フェンス等の設置が義務付けられています。地域と共生した事業を実施するには、ルールを守って運用することが重要です。
    なお、フェンスの設置が困難な場合や第三者が発電設備に容易に近づくことができない場合、河川や崖に面した場所に設置する場合等には、フェンス設置は不要です。

太陽光発電設置後に隣にマンションが建つトラブル

太陽光発電を設置した後に、近隣にマンションが建設されたことで日照が得られなくなるケースがあります。売電収入などで費用回収を計画していた場合には、計画通りにはいかなくなり、自家消費するにも、発電効率が悪ければ期待通りに電気を使うこともできなくなります。

一般的な日照権のトラブルについては、法令上で日照阻害の程度が受忍限度を超えると認められた場合は、業者が損害賠償の責任を負うことになります。

一方、太陽光パネルの日照権については法令上で規制がないため、諸事情を総合的に考えて違法性があるかどうかを判断することになります。
違法性を判断する要素については、地域性、太陽光発電設備の稼働効率の低下の割合、’設備の設置位置、マンションが回避できる可能性など他、多角的な面から判断されます。

太陽光発電設置後にマンションが建つトラブルの対処法

  • 太陽光発電を設置する前に、周辺地域の開発計画や、マンション建設の計画などを調べておく必要があります。
  • マンションなど高層階の建物による弊害が発生した場合に備えて、太陽光発電設備と周辺地域の土地開発に関わる法令について知っておくと良いでしょう。この場合に発生する損害賠償の考え方についても調べておきましょう。

太陽光発電の設置に隣地承諾は必要なの?

太陽光発電は、設置する際に隣地承諾は不要です。ただし、規制がない分、設置後に近隣トラブルになるケースも多くなっています。トラブルが悪化してしまうと裁判にまで発展してしまう場合もあります。

新しい土地を利用して太陽光発電所を運用する際は、設置する土地と隣接する地域の状況や
近隣の土地の所有者などに事前説明をしておくとトラブル回避策となるでしょう。

住宅用の太陽光パネルを屋根に設置する際は、設置後のトラブルリスクを踏まえて、近隣住民への配慮が必要となります。

太陽光発電の設置は法的な隣地承諾はありませんが、人間関係のリスクを未然に抑えるように事前にコミュニケーションを取ってから導入することをおすすめします。

まとめ

太陽光発電設備を導入する際は、設置前に、近隣住民に事前説明をしてコミュニケーションを円滑にしておくことをおすすめします。
太陽光発電設備は、法的な隣地承諾は不要ですが、設置後のトラブルにならないように、近隣住民への配慮について考えておきましょう。
また、法令によって守られるケースについても調べておくと良いでしょう。

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