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太陽光発電設備に蓄電池を後付けするといくらかかる?補助金の利用方法は?

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太陽光発電システムを効率良く利用するためには、蓄電池の併用がおすすめです。
蓄電池を併用することで節電効果になることや、卒FIT後には自家消費型にシフトしやすいメリットがあります。

ただし、気になるところは費用ですね。すでに太陽光発電システムを設置して高額な費用で導入している方は、後付けで蓄電池を購入するとなると明確な費用効果や相場を知りたいところでしょう。

そこで、本記事では、太陽光発電システムに蓄電池を後付けする場合の価格相場と蓄電池を併用するメリットとデメリット、補助金制度の利用法について解説していきます。

蓄電池を後付けする場合の価格相場

太陽光発電設備に蓄電池を後付けする場合は、以下のポイントを踏まえて価格相場を確認していきましょう。

確認ポイント
・蓄電池の充電方式で価格が違う(単機能型またはハイブリッド型)
・蓄電池の容量で価格が違う(家庭用蓄電池は容量5kWh〜7kWh程度が一般的)
・蓄電池の種類で価格が違う(リチウムイオン、鉛、NAS、ニッケル水素)
・蓄電池の各メーカー製品で価格が違う

なお、蓄電池の価格の内訳は、蓄電池の本体価格+工事費+諸経費になります。工事費についても、依頼する設置業者によって異なります。

蓄電池の後付けは充電方式によって価格相場は違う

太陽光発電に蓄電池を後付けする場合は、以下の2つの充電方式から選ぶことができます。

また、それぞれ価格相場も違ってきます。

充電方式
単機能型:ハイブリッド型と比べ、価格が安くなる
ハイブリッド型:単機能型よりも価格が高くなる

単機能型の蓄電池の特徴と価格相場

単機能型蓄電池の価格相場は、だいたい70万円〜265万円くらいになります。

単機能型:
太陽光発電設備と蓄電池それぞれに1台づつパワーコンディショナーが必要になる充電方式です。

蓄電池に電気を貯めるときは、太陽光パネルで発電した電力をパワーコンディショナーで交流電気から直流電気に変換して家庭内で使えるようにします。

単機能型の蓄電池を導入する場合は、既存のパワーコンディショナーはそのまま使用して、新しく蓄電池用にパワーコンディショナーを設置することになります。

単機能型のメリット
・太陽光発電設備と蓄電池が別のメーカーでも設置できる
・太陽光発電がなくても設置できる
・停電時に使える家電の制限がない
・ハイブリッド型よりも価格が安い
単機能型のデメリット
・太陽光発電設備と蓄電池、両方の設置場所が必要になる
・変換ロスが多い

ハイブリッド型の蓄電池の特徴と価格相場

ハイブリッド型の蓄電池の価格相場は、だいたい100万円〜270万円くらいになります。

ハイブリッド型:
太陽光発電設備に必要なパワーコンディショナーを1台で兼用してくれる蓄電池の充電方式です。

太陽光発電で利用する場合は、単機能型のように2台のパワーコンディショナーを設置する必要がないため、設備機器がコンパクトに納まり管理しやすくなります。

ハイブリッド型のメリット
・停電時にも普段とほぼ変わらずに電気が使える
・変換ロスが少ない。
・設置場所が少なくて済む。
ハイブリッド型のデメリット
・単機能型より価格が高い。
・新たに導入する場合は、既存のパワーコンディショナーを撤去する必要がある。

蓄電池は容量で価格相場は違う

蓄電池の役割は、太陽光発電パネルで発電した電気を貯めておいて、使いたいときに電気を賄うことができることです。非常時や停電時、天候が悪い時などに有効活用することができます。
蓄電池の容量は、大きいほど使える電気も多くなり使い勝手がよくなりますが、その分、価格も高額になります。

蓄電池の容量別、価格相場は以下の通りです。
※1kWhあたり、15〜21万円 (蓄電池+工事費込み)
・容量4kWhの蓄電池:60~84万円くらい
・容量5kWhの蓄電池:75〜105万円くらい
・容量容量7kWhの蓄電池:105~147万くらい
・容量10kWhの蓄電池:150~210万円くらい

蓄電池の工事費用の相場価格は?

太陽光発電で蓄電池を導入する場合は、工事費用についても準備しておく必要があります。

工事費用は、設置するご家庭の状況によって異なり、蓄電池の設置場所、蓄電池の配線工事や充電方式などによって異なります。

例えば、蓄電池の容量が大きいから工事費が高くなることはなく、容量の小さい蓄電池でも、工事に手間がかかれば費用も高くなります。

一般的な蓄電池の工事費用の目安は、だいたい設置工事費用が20〜35万円くらいで、別途配線工事費や諸経費などがかかると考えておくと良いでしょう。

なお、補助金制度を利用して設置費用を抑えることも可能です。

蓄電池の種類によって価格相場は違う

太陽光発電設備と併用する蓄電池の種類は、「リチウムイオン蓄電池」「鉛蓄電池」「NAS蓄電池」「ニッケル水素電池」に分けられます。蓄電池の種類によっても価格相場が異なります。

一般家庭用でよく使われている蓄電池は、「リチウムイオン」が主流となっています。
一般家庭用で使う蓄電池が高額なのは、リチウムイオンの原材料費や製造コストが高いことが理由となっています。

・リチウムイオン蓄電池:13~20万円/kWh
・鉛蓄電池:5万円/kWh
・NAS蓄電池:4万円/kWh
・ニッケル水素:10万円/kWh

蓄電池のメーカー別の価格相場は?

以下は、主な製品メーカーで取り扱っている蓄電池の価格相場です。価格の差は、おもに蓄電池の容量の大きさによって設定されています。

蓄電池の容量が大きいほど、余裕をもって電気を使うことができますが、価格はそれなりに高額になります。

もし、費用を抑えて購入したい場合には、ご自宅の電気使用量を調べてから、どのくらい蓄電容量が必要であるかを想定して、適切な容量の蓄電池を選ぶことをおすすめします。

蓄電池のメーカーの価格相場と特徴

・Panasonic(パナソニック)
容量:3.5kWh~12.6kWh
価格相場:90万~300万円(税込)

パナソニックの蓄電池は、製品ラインナップが豊富なのが特徴的です。また、独自開発の「創蓄連携システム」は、他社のハイブリッド蓄電システムと異なり、発電効率を高める機能性を備えています。

・KYOCERA(京セラ)
容量:5kWh~15kWh
価格相場:120~250万円(税込)

太陽光発電の老舗メーカーで、太陽光発電や蓄電池の開発も行っています。
京セラの家庭用蓄電池は、メーカー保証期間が長いのが特徴的です。京セラが販売している「Enerezza(エネレッツァ)」は、安全性とコスト削減を実現した機能的な蓄電池です。

・SHARP(シャープ)
容量:4.2kWh~13kWh
価格相場:105万~260万円(税込)

電化製品で知られるメーカーです。シャープの蓄電池は、長寿命に設計されているため、充放電を繰り返し使用しても長期的に電気を貯められるのが特徴的です。
「クラウド蓄電池システム」は、蓄電池、ハイブリッドパワーコンディショナー、マルチエネルギーモニターがセットになった人気のシリーズです。

・OMRON(オムロン)
容量:4.2kWh~16.4kWh
価格相場:100~280万円(税込)

体温計などの家庭用医療機器で実績のあるメーカーです。オムロンの蓄電池は、蓄電池のサイズが世界最小で最軽量で、場所を選ばずに設置しやすいのがメリットです。

・nichicon(ニチコン)
容量:2.0kWh~16.6kWh
価格相場:42万~270万円(税込)

蓄電池業界では広く知られた老舗メーカーです。ニチコンの蓄電池の特徴は、ラインナップの豊富さで、単機能蓄電池、ハイブリッド蓄電池、トライブリッド蓄電池、ポータブル型蓄電池など、豊富な種類を取り扱っています。
また、EVと住宅を連携させた「V2H」を世界初で開発した実績があります。

・長州産業
容量:6.5kWh~16.4kWh
価格相場:135~280万円(税込)

住宅設備メーカーで、太陽光発電・蓄電池の製品の開発も行っています。長州産業の蓄電池の特徴は、屋内設置の蓄電池を多数、取り扱っていることや、製品の保証期間が長いことがあげられます。

太陽光発電の蓄電池を導入するメリットは?

太陽光発電の蓄電池を導入する際は、以下のメリットを確認しておきましょう。

蓄電池のメリット

・災害や停電時に使える
・電気料金が節約できる
・電気代高騰の影響を受けない
・ピークシフトに貢献できる
・電気自動車と連携できる
・FIT制度の終了後に自家消費できる
・天候に左右されなくなる
・環境にやさしい生活ができる
・パワコン一体型蓄電池が利用できる

なお、太陽光発電の蓄電池を導入するメリットについては以下の関連記事を参考にすると良いでしょう。

太陽光発電の蓄電池を導入するデメリットは?

太陽光発電の蓄電池を導入する際は、以下のデメリットについて確認しておきましょう。

蓄電池のデメリット

・初期費用が高くなる
・設置スペースが必要になる
・蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
・電気の貯められる容量の制限がある
・ダブル発電で売電価格の変動がある
・電気代がすでに安い人はメリットはない

なお、太陽光発電の蓄電池を導入するデメリットについては以下の関連記事を参考にすると良いでしょう。

蓄電池を後付けするタイミングは?

太陽光発電を既に設置していて、後付けで蓄電池を導入する場合は、以下のポイントを踏まえて準備しましょう。蓄電池の導入費用を抑えるためにも、買い時のタイミングは重要です。

買い時のタイミング
・既存のパワーコンディショナーが故障したとき
・FIT制度の買取期間が終了するとき
・補助金制度の利用するとき

既存のパワーコンディショナーが故障したとき

今まで使用していたパワーコンディショナーが故障した場合は、保証期間内で無償で修理できる場合を除いては、新しくハイブリッド型蓄電地の購入を検討されると良いでしょう。

パワーコンディショナーの寿命は、一般的には、10〜15年と言われています。

現在、お使いのパワーコンディショナーの寿命に合わせて、替え時であるかどうかタイミングを見計らって後付けすると良いでしょう。

FIT制度の買取期間が終了するとき

FIT期間が終了しても売電は継続できますが、買取価格は大幅に下がってしまうため、できれば蓄電池と併用した自家消費型にシフトできると良いでしょう。

蓄電池と太陽光発電の併用は、経済的なメリットもありますので、FIT期間が終了するタイミングを考慮して蓄電池を後付けすることをおすすめします。

補助金制度の利用するとき

蓄電池を導入する際は、高額な費用を抑えるために補助金制度の利用がおすすめです。

補助金制度は、各自治体で公募期間が決まっているため、公募期間と後付けで蓄電池を設置するタイミングを合わせると、費用を抑えることができるのでお得です。

補助金はもらえる?補助金をもらう為には?

太陽光発電で蓄電池を導入する場合は、補助金制度の利用がおすすめです。

国からの補助金制度で、蓄電池のDER補助金が利用できます。2022年度は、蓄電容量1kWhあたり3.7万円の補助額となっています。

また、地方自治体からの補助金制度もありますので、各自治体公式のホームページの情報をチェックして蓄電池を購入する時期に合わせて検討すると良いでしょう。

なお、補助金制度を利用する際は、公募期間などが決まっているため、補助金申請にかかる時間を踏まえて早めに準備することをおすすめします。

蓄電池の補助金制度の申請方法について

蓄電池の補助金制度は、必要書類・公募期間・申請条件などが異なりますので、利用する際は内容を確認してから申請手続きを行いましょう。

また、蓄電池の設置業者が補助金の申請を代行してくれる場合もありますので、事前に確認すると良いでしょう。

国の補助金制度の利用は、必要書類を郵送して手続きを行います。               必要書類
・交付申請書
・誓約書
・事業概要書
・交付申請額算出表
・配置図
地方自治体の補助金制度の利用は、各自治体の窓口または郵送で手続きを行います。   必要書類、申請条件などについては各自治体ごとに異なります。

例)2023年(令和5年)の東京都の補助金について
●受付期間:令和4年6月22日から令和7年3月31日(17時公社必着)まで
●想定件数:9,000件
●蓄電池の補助額

【太陽光(4kW以上)と蓄電池を併せて設置の場合】
以下のうちいずれか小さい額(最大1,000万円)
(a)蓄電池容量:10万円/kWh(100kWh未満)
(b)太陽光発電設備容量:20万円/kW

【太陽光(4kW未満)と蓄電池を併せて設置又は蓄電池のみを設置の場合】
10万円/kWh(最大80万円/戸)

補助金についてQ&A

Q:国と地方自治体の補助金の併用はできますか?  
A:原則的には、国と地方自治体の補助金の併用は可能です。念のため、申請前に地方自治体の窓口へ確認しましょう。
Q:補助金の申請はいつすればよいですか?
A::補助金の申請は工事着手前に手続きをしましょう。「補助金交付決定通知書」が届いてから工事を始めることができます。
Q:太陽光パネルと蓄電池、両方で補助金申請は可能ですか?
A:太陽光パネルの補助金が交付されても、蓄電池の補助金は別途、申請できます。

まとめ

太陽光発電に後付けで蓄電池を導入する際は、蓄電池の充電方式、蓄電池の容量や種類
蓄電池の各メーカー製品の特徴によって、価格費用はさまざまです。

後付けで蓄電池を設置する場合は、既存の設備と連携してさらに発電効果が得られるように、価格相場に見合った機能性や、ご自宅の電気使用量に合わせて選ぶと良いでしょう。

なお、高額な蓄電池の購入費を抑えるためには、蓄電池に適用される補助金制度を利用することをおすすめします。

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