新築を建てるにあたり、「どんな照明をつけるか」は非常に重要なポイントです。
照明について考えなくてはならないけど、どんな照明があるのか分からない…。自分の好みだけで選んでいたら、住みにくい家になってしまうのではないか…。
こういったお悩みを抱えている方、多いのではないでしょうか。
今回はそんな方に向けて、照明の種類から照明計画の立て方、照明選びのポイント、照明の予算と、新築の照明に関する情報をお伝えしていきたいと思います。
あなたの家にぴったりの照明プランを立てることで、快適に暮らせる居心地の良い家を作ることができます。
照明は頻繁に付け替えるものではなく、長く使い続けていくものです。照明について十分な知識を得て、後悔のない照明選びをしましょう!
照明は大まかに2種類~主照明と補助照明~
照明には、主照明と補助照明の2種類があります。
まずはそれぞれの特徴と種類についてチェックしていきましょう。
主役となる主照明
主照明とは、部屋全体を明るくするのが目的の照明のことを指します。
例えばシーリングライトやシャンデリア、ペンダントライトなど、部屋の明るさを保つ主戦力となる照明を想像していただければと思います。
シーリングライト
家庭で使われる、最も一般的な主照明です。
天井に直付けするタイプで、高い位置から部屋全体を照らすことができます。主にリビングなどで使われることが多いようです。
シャンデリア
天井の高い部屋や吹き抜けなどに使われるシャンデリア。
デザイン性が高く、オシャレな部屋を作りたい方に人気です。数千円~数十万円と、価格の幅が広いのも特徴のひとつ。
ダウンライト
天井に埋め込むタイプのダウンライト。
天井が低めの部屋や、シンプルな雰囲気の部屋に向いています。照明本体の主張が少ないため、スタイリッシュな印象の部屋にしたい方におすすめ。
ペンダントライト
コードなどで天井から吊り下げるペンダントライト。
手元を照らすのに適しており、ダイニングで用いられることが多い主照明です。部屋の中で目につきやすく、存在感があります。
お部屋の雰囲気を左右する補助照明
補助照明とは、部屋を演出する効果のある照明のことを指します。
フロアスタンドやスポットライト、フットライトなどがこの補助照明にあたります。
主照明単体では単調な雰囲気になってしまいがちですが、補助照明を取り入れることでオシャレかつあたたかみのある部屋を作ることができます。
フロアスタンド
床に置くタイプのフロアスタンドや、足元に置くタイプのロースタンド。
部屋にアクセントを加えたり、落ち着きを与えたりする効果があります。リビングや寝室などで、間接照明として使うと良いでしょう。
ブラケット
壁面に取り付けるタイプのブラケット。
モダンなものやアンティーク調のものなど、住む人のこだわりが出やすい照明です。部屋を広く見せるだけでなく、インテリアを際立たせる効果も。
スポットライト
壁や天井に取り付けて、特定の場所を照らすためのスポットライト。
主照明がやや暗めでも、スポットライトがあることで十分な明るさを保つことができます。リビングで壁の絵画や植物を照らすために用いると、おしゃれ度アップ!
フットライト
足元の壁に埋め込むタイプのフットライト。
最近ではコンセントに取り付けるタイプのものも販売されています。
階段や廊下、ベッドの下などに設置することで、歩く際に主照明をつけずとも安全を確保することができます。
照明ランプの種類と特徴
同じ明るさでも、照明ランプの種類や色合いによって部屋の印象は大きく変わります。
どの照明ランプにどのような特徴があるのかチェックして、照明選びの参考にしてくださいね。
LEDライト
やや赤みがかった、あたたかみのある光を放つLEDライト。
昼白色はさわやかな色合いで、部屋を明るく演出してくれます。LEDは消費電力が少なく、価格は他の照明ランプに比べるとやや高価。
寿命が長いことから、付け替えが面倒な吹き抜けや、使用頻度が高いリビングなどに取り付けられることが多いようです。
蛍光灯
赤みのあるやわらかな光を放つ蛍光灯。
昼白色は白っぽく清々しい色合いで、影のできにくいフラットな光が特徴です。
蛍光灯は白熱灯に比べると消費電力が安く、本体価格はLEDよりも安価で経済的。
光によって陰影が出来にくいことから、リビングなどで使いやすい照明ランプです。
白熱灯
メリハリのある陰影が特徴の白熱灯。
モノを立体的に見せることで、部屋に奥行きを持たせる効果もあります。
ムーディーな雰囲気を作りたい寝室などで使ったり、補助照明として使うと効果的です。
また、和室のやわらかい雰囲気にもぴったり。部屋にオシャレ感を出したい方は、白熱灯を上手に取り入れましょう。
新築の照明計画の立て方
照明計画を立てる際には、どの部屋にどの照明を使うかしっかり考えることが重要です。
部屋の用途によって照明を変える必要があるので、事前にしっかりチェックしておきましょう。
どんな照明が最適か考える
それぞれの部屋ごとに、最適な照明があります。
例えばリビングならシーリングライト&複数の補助照明、寝室ならスタンドライトとフットライト、ダイニングならあたたかみのある色のペンダントライト…というように、部屋に応じて照明を使い分けましょう。
「どのような雰囲気の部屋にしたいか」を想像しながら照明を考えると、照明を取り付けた後の後悔を防ぐことができますよ。
照明の効果を考える
照明の効果を考えることも、重要なポイントです。
オシャレに見せたり、部屋を広く感じさせたり、住む人にくつろぎを与えたりと、照明の使い方によって部屋の雰囲気は大きく変わります。
照明ランプの色、照明のデザイン、タイプ…などなど、完成のイメージを膨らませながら照明を選びましょう。
何を重視するかを決める
前の章でお伝えしたように、それぞれの照明には強みがあります。
デザイン性に優れている、消費電力が少ない、本体価格が安い、長期間使える、メンテナンスがしやすい、落ち着きが感じられる…。
部屋によって重視すべきポイントを考えて、最適な照明を選びましょう。
新築の照明選びのポイント
具体的にどのような照明が合うのか、部屋別に見ていきましょう。
快適に暮らしていくために、照明選びは非常に重要です。それぞれの部屋の用途と合わせて、どのような照明を選ぶべきかご紹介していきたいと思います。
リビング
家族団欒の場であるリビングには、やや低めの照度(150~300lx)の照明がおすすめです。
会社や学校などで使われるような照度の高い照明は、リラックスするのに向かずストレスを感じる原因になることも。
なるべく明るい雰囲気のリビングにしたいという方は、照明の照度を上げるのではなく、スポットライトやスタンドライトなどの補助照明を付け加えるのがおすすめです。
キッチン
キッチンでは作業がしやすいよう、やや明るめの照度(200~500lx)の照明がおすすめです。
なるべく色温度の低い照明を選ぶことで、手元がはっきり見えるようになるでしょう。
キッチンの場合、照明を取り付ける位置にも気をつけてください。自分の手が影にならないよう、キッチン台のすぐ上にも補助照明があると便利です。
ダイニング
食事をとるダイニングスペースには、あたたかみのある照明ランプを使ったペンダントライトがおすすめです。
照らされたものが自然な色合いに見える「演色性に優れた照明」を使うことで、料理がより美味しそうに見えるという効果も。
部屋のテイストに合わせてモダンなペンダントライトを使ったり、華やかなシャンデリアを使ったりするのもおすすめです。
寝室
安らぎを第一に考えたい寝室では、照度の低い照明(10~30lx)がおすすすめです。
明かりを抑えた照明によって落ち着きの空間を演出することで、リラックスできるとともに睡眠の質を上げることができます。
寝室で読書をする習慣のある方は、ベッドサイドに補助照明を設置しておくと良いでしょう。
夜中にトイレに起きたときのために、必要に応じてフットライトを取り付けるのも◎。
書斎・子供部屋
勉強をしたり仕事をしたりと、机で作業をすることが多い書斎や子供部屋。
目が疲れない程度に部屋を明るくしてくれる照明を選びましょう。文字が見えやすくなる機能付きのLEDライトなどもおすすめです。
子供部屋のように勉強、遊び、睡眠…と様々な用途で使われる部屋の場合は、明るさを段階的に調節できる照明を選ぶと良いでしょう。
玄関・吹き抜け
家族やお客さんを出迎える、その家の顔とも言える玄関。
足元がよく見え、かつあたたかみのある色合いの照明がおすすめです。補助照明を効果的に使うことで、オシャレな玄関を演出することもできますよ。
人を検知するセンサー付きの照明を使えば、便利なだけでなく防犯にも役立ちます。必要な時だけ点灯するので、節電にも効果的です。
吹き抜けタイプの玄関なら、光を拡散するブラケットや、シャンデリアなどを使うのも良いでしょう。
高い位置にある照明は付け替えが大変なので、自動昇降機能を付けたり、寿命の長いLEDランプを使うのがおすすめ。
廊下・階段
部屋を出るたびに照明を点灯する手間が省けるよう、低めの位置にセンサー付きの照明を取り付けるのがおすすめです。
階段などの段差がある場所では、誤って踏み外すことのないように照度が高めの照明を使うのが良いでしょう。
浴室・洗面所
床が滑りやすくなっている浴室では、足元が見えやすい明るめの照明ランプがおすすめです。汚れが見えやすいので、掃除をする際にもちょうど良いでしょう。
サビが出にくい「防湿型」と書かれている照明を選ぶことで、漏電や故障が起きる可能性を減らすことができます。
着替えやメイクをする洗面所の照明は、手元の見えやすい明るい照明ランプがおすすめ。水に濡れた手でスイッチを触らなくて済む、センサー付きの照明もおすすめです。
トイレ
部屋面積が狭いトイレでは、それほど大きな照明は必要ありません。小さなダウンライトを天井に埋め込むのも良いでしょう。
照明の消し忘れを防ぐために、人の動きを察知して点灯するセンサー付きのものを選ぶのもおすすめです。
あたたかみのある照明ランプを選ぶことで、くつろぎの空間になるでしょう。
新築の照明にかかる費用はどれくらい?
照明の費用はピンキリで、節約しようと思えば安く済ませることができますし、こだわろうと思えばかなり高額になることもあります。
一般的なシーリングライトなら、ネットで4,000円~購入することができます。
照明ランプや畳数によって差はありますが、ごくスタンダードなもので良ければそれほど高額な費用はかかりません。
オシャレなペンダントライトやスポットライト、スタンドライトなども、ネットを利用すれば10,000円以内で購入が可能です。家電量販店やホームセンターでも、同じような価格帯で豊富なデザインが揃っています。
一方で、有名ブランドの照明や、輸入照明、アンティーク照明などは、ものによっては数十万円以上することも。
家を新築する際、照明以外にもさまざまな面で費用がかかってきます。照明にこだわるのも良いですが、予算を大きく超えないよう気をつけましょう。
また、照明を使ったときに発生する消費電力にも注意が必要です。LEDは本体価格は高いものの、消費電力は白熱灯の10分の1程度&長期に渡って使えるという特徴があります。
リーズナブルな照明ランプで統一した結果、月々の電気代が異様に高くなってしまった!なんてことにならないよう、生活コストにも注目しましょう。
まとめ
照明ひとつで部屋の雰囲気は大きく変わります。新築の時点で、しっかり照明選びの計画を立てなければなりません。
照明選びで気をつけて欲しいのは、大きく分けて以下の4つです。
- それぞれの照明の種類について理解する
- きちんとした照明計画を立てる
- 最適な照明、部屋の雰囲気、照明の効果について考える
- 照明の価格や消費電力にも注目する
上記4つのことに注意することで、新居に最適な照明を選ぶことができます。正しい照明選びをして、住み心地の良い部屋を作っていってくださいね。