一般住宅用として太陽光発電システムの導入を検討している場合、いったい設置費用はどのくらいかかるのか気になるところですね。
太陽光発電システムの設置費用は、導入する条件や施工方法などによっても大きく異なり、選ぶメーカーの製品や工事業者などによって価格は変わってきます。
また、太陽光発電システムの高額な設置費用を抑えるためには、補助金制度を利用することも考えたいですね。
そこで、本記事では、一般住宅用として太陽発電システム導入する際の設置費用と相場、補助金制度の利用法などについて解説していきます。
太陽光発電システム設置費用の相場
太陽光発電システムを導入する際は、設置する場所と環境、ライフスタイル、設備する容量や設置方法などを検討し、設備機器の価格とのバランスを考えて準備することをおすすめします。
・1kWあたり平均28.0万円くらい
・住宅用の場合で一般的に多い3~5kWとして計算すると、相場は84万~140万円くらい
太陽光発電システムの設備費用の相場は、導入に必要な以下の機器についてチェックして、それぞれの価格の内訳を参考にすると良いでしょう。
・パワーコンディショナー:4.2万くらい
・架台:2.1万くらい
・その他の設備:0.2万くらい
また、太陽光発電システムの設備機器の価格以外に、工事費や維持費なども考えておく必要があります。
・維持費:
定期点検(4年に1回30,000円)。
メンテナンス費(年間100,000〜200,000円くらい)
パワーコンディショナーの交換(15〜20年ごとに交換で20万円~30万円くらい)
太陽光パネルの設置費用相場
1kW17.1万円くらいで、一般住宅用として容量3~5kWの太陽光発電を導入した場合、
51.3万~85.5万円が費用相場になります。
太陽光パネルの選ぶポイント
太陽光パネルを導入する際に、費用面で気を付けたいポイントを確認しておきましょう。
※変換効率:太陽光エネルギーを電気エネルギーに変える効率。太陽光発電の変換効率の指標として「モジュール変換効率」と「セル変換効率」の2つで判断することができます。
年 | 1kWあたりの設置費用相場 |
2012年 | 46.5万円 |
2013年 | 41.5万円 |
2014年 | 38.5万円 |
2015年 | 37.6万円 |
2016年 | 35.9万円 |
2017年 | 36.0万円 |
2018年 | 33.3万円 |
2019年 | 30.5万円 |
2020年 | 29.2万円 |
パワーコンディショナーの設置費用相場
1kW4.2万円くらいで、一般住宅用として容量3~5kWの太陽光発電を導入した場合、
12.6万~21万円が費用相場になります。
パワーコンディショナーを選ぶポイント
パワーコンディショナーを導入する際に費用面で気を付けたいポイントを確認しておきましょう。
例)3kw:12.6万 4kw:16.8万 5kw:21万
架台の設置費用相場
1kW2.1万円で、一般住宅用として容量3~5kWの太陽光発電を導入した場合、
6.3万~10.5万円が費用相場になります。
架台を選ぶポイント
架台を導入する際に、費用面で気を付けたいポイントを確認しておきましょう。
その他の設備費用について
太陽光発電システムでは、その他の周辺機器が必要です。主な周辺機器の費用相場については以下の通りとなっています。
・接続箱:太陽光パネルで発電した電気エネルギー(直流)を集めるための機器です。1台あたり3万円前後になります。
・ケーブル(配線):1kWあたり4,000円~8,000円くらいとなっています。
工事費の費用相場
1kWあたり6.6万円で、一般住宅用として容量3~5kWの太陽光発電を導入した場合、
19.8万~33万円が費用相場となります。
工事費のポイント
工事費について、気を付けたいポイントを確認しておきましょう。
設置費用が変動する要因
太陽光発電システムの設置費用は、主に以下の要因によって異なります。
・足場設置の有無
・新築または後付け設置
・設置方法
設置面積の大きさで費用は変わる
太陽光発電システムを設置する場合、面積が大きいと工事の工程が増えるため高額な費用がかかります。
一般的に、容量当たり7倍〜8倍の屋根面積が必要となっています。屋根形状によって必要面積は変わるため、実際に見積もり依頼して検討すると良いでしょう。
3kwの太陽光発電に必要な屋根面積:約22㎡
6kWの太陽光発電に必要な屋根面積:約42㎡
足場設置が必要な場合、費用は変わる
太陽光発電の工事で足場が必要な際は、設置業者によって費用の差はありますが、およそ10〜15万円程度の追加費用がかかると予想しておくと良いでしょう。
新築または後付けで費用は変わる
太陽光発電システムは、設置するタイミングが新築時と後付けでは費用が異なります。
1kWあたり、新築の場合およそ28.0万円、後付けの場合30.2万円となっています。
新築の方が、 後付けより安くなり、固定資産税、ローンの利用法等の違いもあります。
設置工法によって費用は変わる
太陽光パネルの工事には、「アンカー工法」「支持金具工法」「支持瓦工法」などいろいろな設置工法があります。各工法によって費用は異なります。
設置工法については、専門分野であるため信頼できる設置業者と相談して、適切な工事を行うようにしましょう。
・アンカー工法:瓦に穴を開けてアンカー金具を取り付けて固定する工法
・支持金具工法:野地板に固定した支持金具を瓦の隙間から突出させて架台固定する工法
・支持瓦工法:瓦型の金具と瓦を入れ替える工法
太陽光発電システム設置で受けられる補助金について
太陽光発電システムで利用できる補助金制度は、高額な導入費用を抑えることができるのでおすすめです。
太陽光発電システムに適用される補助金は、自治体より公募されています。
補助金制度を利用する際は、各自治体によって公募期間、補助金額や申請条件、対象者などが異なりますので、工事のタイミングに合わせて事前に確認して申請するとよいでしょう。
なお、申請については、設置業者が代行してくれるケースもありますので、内容を相談しながら手続きを行うようにしましょう。
太陽光発電の設置後にかかる費用
太陽光発電システムを導入する際は、設置した後にかかる費用についても、準備しておく必要があります。
・メンテナンス費用
・保険料
・撤去費用
メンテナンス費用について
10kW未満の住宅用太陽光発電システムの定期メンテナンス費用の相場は、一回あたり2万円程度となっています。屋根点検に足場を必要とする場合は、追加で足場設置費用がかかります。
太陽光パネルの設置枚数や、屋根の角度によってメンテナンス費用は異なります。
太陽光発電システムを長期的に利用して設置費用を回収するためにも、定期的なメンテナンスが必要となります。
一般住宅用の太陽光発電システムのメンテナンスについては、法律で義務化されています。
2017年4月1日の改正FIT法により、10kW未満の住宅用太陽光発電システムに適用されています。
・発電効率の低下を防ぐため(パネルの清掃や定期メンテナンスが必須)
・安全性を維持するため(事故や故障を防ぐ)
・太陽光パネル
・パワーコンディショナー
・接続箱
・配線ケーブル
・ブレーカー
・電力量計
・架台
保険料について
台風など自然災害による設備機器の故障や破損に対しては、メーカー保証でカバーできないため、動産総合保険や火災保険などに加入しておくことを検討する必要があります。
保険料は、種類や設備規模によって異なりますが、一般的に初期費用の3.0%前後と考えておくと良いでしょう。
・台風による強風によって太陽光パネルが飛散して、通行人にケガを負わせた場合
・豪雨災害や落雷などによって、太陽光発電システムが故障した場合
・積雪によって太陽光パネルが歪んてしまった場合
このような事例では、無償のメーカー保証の対象外となります。ただし、有償のメーカー保証で適用される場合は、自然災害による故障やトラブルに対して補うことも可能です。
・落雷
・破裂または爆発
・火災
・水災(台風、暴風雨、豪雨による洪水・融雪洪水・高潮・土砂崩れなど)
・風災(台風・暴風雨・豪雨など)
・雹災(ひょうさい)
・雪災(豪雪・雪崩など)
・落下(物体が建物外部から落ちた場合)
・飛来
・衝突または倒壊
撤去費用について
太陽光発電システムを撤去したい場合は、専門の解体業者に依頼して解体、撤去してもらうことが必要になります。
・足場設置の相場:1㎡あたり700円〜1000円くらい
・屋根の修復費が必要な場合:部分補修で数万円~30万円くらい、葺き替え工事をする場合はだいたい100万円前後
太陽光パネルには有害物質である鉛、カドミウム、セレンなどが含まれているため、取り扱いのガイドラインにしたがって廃棄処分する必要があります。
太陽光発電システムの設置費用を回収する方法
太陽光発電システムの設置費用を抑える方法以外に、蓄電池を併用することで、設置費用を早めに回収するという方法も考えることができます。
太陽光発電システムの設置費用の他に、併用して蓄電池を設置する場合の相場についても
ざっくり確認しておきましょう。
まとめ
太陽光発電システムの設置費用の相場について解説しました。
太陽光発電システムの設置費用は、年々安くなってきている傾向にあり、各自治体が公募している補助金制度を利用すると費用負担を抑えることも可能です。
一般住宅用として太陽光発電システムを導入する際は、ご自宅の設置条件に合った容量や設置方法、メーカー製品や設置業者などの選び方によって費用が変わってきますので、総合的に判断して、最適なシステムを検討していきましょう。