バルコニーやテラスにテラス屋根を付けようと検討中の方!
テラス屋根は「夏の日差しを気にせずテラスでくつろぎたい」、「突然の雨から洗濯物を守りたい」といった点でとても便利ですよね。
でも、いざテラス屋根について調べてみると独立型、R型、F型、屋根材……、様々なキーワードが出てきて、どのようなテラス屋根が自分にぴったりなのか悩んでしまいますよね。
そんな方は必見!この記事では、テラス屋根のタイプ、屋根の形、屋根材の選び方など、テラス屋根を設置する上で重要となってくるポイントをご説明いたします。
ぜひこの記事を読んで、テラス屋根を設置する際の参考にしてみてくださいね。
テラス屋根「独立」タイプの特徴
通常、テラス屋根は躯体に穴をあけ、ビスで止めて壁面と柱で固定します。
躯体とは家などの構造物の骨組みに当たる部分で、基礎、基礎ぐい、壁、柱などを指します。
つまり、基本的にテラス屋根は家の壁に穴をあけて設置するものなのです。
でも、住宅の壁面保障の関係で穴を空けることを避けたい方や、穴を空けることそのものに抵抗がある方もいるのではないでしょうか。
そんな方におすすめなのが「独立」タイプのテラス屋根です。
独立タイプのテラス屋根は、上の図のように躯体に固定せずにテラス屋根を設置します。
独立タイプのテラス屋根の最大のメリットは、このように躯体に穴を空けずに設置が可能という点です。
外壁や柱の材質に関わらず取り付けが可能です。
ただ、軒やひさしのない場所に設置する際は、テラス屋根と壁の隙間が気になりますよね。
そんな時には隙間をふさぐための部品を取り付けるのがおすすめ。
完全に雨を防ぐことはできませんが、緩和してくれます。
また、独立タイプのテラス屋根は柱の位置によって3タイプに分かれます。
1つ目は柱が家と反対側、つまり屋根先側にあるタイプです。
柱が家から離れているため、テラス屋根の下を広く使うことができるメリットがあります。
また、家の壁際は掘ると家の基礎が出てくる可能性があります。
家から離れた場所に柱を設置するこのタイプは、基礎に当たる可能性が低いため安心して施工ができます。
2つ目は柱が中央につくタイプです。
上の写真のようにウッドデッキを設置していて、ウッドデッキをまたぐように設置したい場合などにおすすめです。
また、柱が屋根先側にあると邪魔な場合にもおすすめです。
3つ目は柱が家側にあるタイプです。
柱が邪魔にならないため、3つのタイプの中で最もテラス屋根の下を広く使うことができます。
ただし、家の基礎の状況によっては設置ができません。また、扱っている業者も限られているので注意が必要です。
テラス屋根「柱なし」タイプの特徴
テラス屋根を設置する際に、意外と問題になってくるのが「柱」です。
新築で外構工事もまだ、という状況ならいいですが、ウッドデッキやコンクリートが既に施工されていると、それらを壊したり解体したりしないと設置できません。
また、十分な広さがある場所ならいいのですが、勝手口などの狭い場所ですと柱が邪魔になり、通り抜けが難しくなってしまうなんて言うことも。
そんな方におすすめしたいのが、「柱なし」タイプのテラス屋根です。
柱なしというと強度が心配になってくる方もいるかもしれませんが、「腕木」と呼ばれる部材と、壁への接着面を増やすことにより、強度を実現しています。
そのため、基本的な性能は通常のテラス屋根と大きな差はありません。
柱なしタイプのメリット
柱なしタイプのメリットは大きく2つあります。
1つ目のメリットは、柱がないため、スッキリとしたデザインになるという点が挙げられます。
柱があると柱の設置場所に限らず、見栄えが良くありません。
その点、「柱なし」のタイプはスッキリとしており、洗練されたイメージを与えます。
2つ目のメリットは、狭小なスペースにも設置が可能と言う点です。
勝手口や小窓など、広いスペースが取りにくい場所にも取り付けることができます。
柱なしタイプのデメリット
1つ目のデメリットは、柱があるものと比較するとサイズが少ないという点があります。
強度の関係上、テラス屋根の突き出しが大きいものは難しくなります。
2つ目は、パネルが取り付けられない、と言う点が挙げられます。
柱のあるタイプですと、下の図のように目隠しとなるパネルを設置することができます。
ですが、柱がないタイプではパネルを固定する場所がないため、パネルの設置ができません。
柱なしのテラス屋根は狭小地の自転車置場にも最適
外構工事をする際に盲点になりがちなのが、自転車置場です。
カーポートのことは考慮していても、自転車を置く場所を考えておらず、自転車が敷地の隅で雨にさらされている、という方も少なくはないのではないでしょうか。
毎日のように乗る自転車ですので、快適に乗り、劣化を防ぐためにも日よけ・雨除けがあると便利です。
しかし、一般的に売られている「サイクルポート」ですと、意外とサイズが大きく、設置できないというケースも多いです。
そんな方におすすめなのが、柱なしのテラス屋根です。
前述の通り、柱なしのテラス屋根は狭小地にも設置が可能です。
また、テラス屋根のほうがサイクルポートよりもサイズ展開が豊富となっています。
そのため、隣家との間のデッドスペースや玄関横のスペースなど、広いスペースが確保できなくとも設置が可能です。
テラス屋根を利用することで、自転車を雨や日差しから守ることができます。
自転車置場に困っているという方はぜひ検討してみてください。
テラス屋根の形状はR型・F型の2種類
テラス屋根にはR型と言うカーブを描いているタイプと、F型と言うフラットなタイプの2種類があります。
テラス屋根R型の特徴
R型は屋根先が緩やかにカーブしています。曲線を描いているため、柔らかい印象を与えます。
F型よりも屋根先が低くなっているため、雨の吹込みや、日差しの差込を軽減してくれる効果も期待できます。
他にも、周囲の視線が気になるという方におすすめです。
また、積雪が多い地域でおすすめなのもR型になります。
R型もF型も積雪に関する強度に変わりはありませんが、R型のほうが緩やかなカーブにより、雪が滑り落ちやすくなります。
テラス屋根F型の特徴
F型は、直線的なフラットな屋根です。
R型と比較し視界がスッキリとしており、見た目も引き締まった印象になっています。
モダンなデザインの住宅によく合い、近年人気なタイプです。
また、F型は現場での特殊加工が可能となります。
R型では難しい全面台形型・側面台形型ができるため、F型のほうがより敷地のスペースを有効に使うことができる可能性があります。
テラス屋根の屋根材の種類・選び方
テラス屋根の屋根材はいくつか種類があります。
その中でも、ここでは現在主に取り扱われている「ポリカーボネート」、「熱線遮断FRP板」、「折板」の3種類と、過去に多く取り扱われていた「塩化ビニル」「アクリル板」の5種類について説明します。
ポリカーボネート
現在、主流となっているのが「ポリカーボネート」です。ポリカ材とも呼ばれます。
ポリカーボネートは耐衝撃性に優れており、以前使用されていたアクリル材と比較すると約20倍衝撃に強いと言われております。
すりガラス調の屋根材と、透明の屋根材(上の写真は透明)が展開されていることが多いです。
色もブルーやブラウンなど選択することができます。
透明な素材を選びたい場合や、価格が気になる方はポリカーボネートがおすすめです。
熱線遮断・熱線吸収ポリカーボネート
メーカーによって呼び名は様々ですが、ポリカーボネートの中でも断熱性に優れているのが「熱線遮断・熱線吸収ポリカーボネート」です。
熱を通しにくいため、カーポートなどにもよく使用されます。
テラス屋根に設置すると室内への日差しも防いでくれるため、室内温度上昇が軽減できます。
また、紫外線もカットしてくれるため、家具やフローリングの日焼けも防ぐことができます。
すりガラス調になっており、通常のポリカーボネートよりも高価です。
熱線遮断FRP板
FRPは樹脂とガラス繊維を組み合わせた繊維強化プラスチックのことです。
熱遮断FRP板は日差しを遮る性能が高く、また、熱を遮断します。
熱線遮断・熱線吸収ポリカーボネートよりも熱線カット率が高くなっており、より日差しを遮る効果が高くなります。より高性能な素材を希望される方におすすめです。
ただ、一方で、日差しを遮る力が強いことにより、テラス屋根の下が少し暗く感じることがあります。
見た目はすりガラス調で、目隠しとしても役立ちます。また、防火性能に優れるタイプもあります。
折板
積雪の多い地域や風の強い地域にテラス屋根を設置する際におすすめとなる屋根材が「折板」。
一般的にはスチールなどの鋼板を素材としており、耐積雪・耐風圧に優れ丈夫です。
ただ、注意点としては、屋根から光を採り入れることができない点です。
そのため、採光したい場合は、下の画像のように鋼板の折板の間にポリカーボネート折板を使用することもできます。
暗くなりがちなテラスに明かりを取り入れることができるため、最近では写真のように鋼板の折板とポリカーボネートの折板を組み合わせる方も多くなっています。
塩化ビニル
塩化ビニルの屋根材は採光性に優れており、波板の屋根の素材となることが多い屋根材でした。
しかし、衝撃や熱に弱く耐久性が低いことより、現在はポリカーボネートにその地位を奪われ、市場から姿を消しつつあります。
ガラスネットの入っている網入りの塩化ビニルは塩化ビニルの中では強度が高いですが、それでもポリカーボネートには敵いません。
アクリル板
アクリル板は透明度や加工性、強度が高く、多くの平板のテラス屋根に使われてきました。
ですが、アクリル板よりも耐衝撃性、耐熱性などに優れたポリカーボネートが主流になってからは、塩化ビニルと同様にほとんど見かけなくなりました。
耐風圧性能・耐積雪強度にも注目
テラス屋根を設置する際に重要になってくるポイントとして「地域の気候」があります。
海沿いなどの風の強い地域や台風の多い地域では耐風圧性能、積雪量の多い地域では耐積雪強度にも注目しましょう。
せっかくテラス屋根を設置しても、台風や雪で倒れてしまっては残念ですよね。
特に近年は数十年に一度レベルの災害が増えています。
価格やデザインも大切ですが、地域の気候に合った商品かどうかを施工業者の方によく確認しましょう。
まとめ
この記事ではテラス屋根の選び方についてご紹介していました。
テラス屋根は最も一般的な3つの種類があります。
- 躯体に取り付けるタイプ
- 躯体に接することなく設置する「独立タイプ」
- 腕木で屋根を支える「柱なしタイプ」
家に穴を空けたくない場合は「独立タイプ」、柱があると通り抜けできないような場所に設置する場合は「柱なしタイプ」がおすすめです。
また、屋根の形状としてはカーブがあるR型と、フラットなF型があります。
性能に大きな差はありませんが、雨の吹込みを軽減させたい場合はR型、シャープな外観が好みの方はF型を選ぶといいでしょう。
屋根材は現在主流なのはポリカーボネートで、種類も多いです。
日差しの差込を少しでも抑えたいという方は熱線遮断FRP板、積雪の多い地域では折板を選択するのがおすすめです。
テラス屋根は様々なデザイン・価格のものがありますが、地域の特性に合わせたものを選ぶことが最も重要になってきます。
台風や大雪の際に後悔しないためにも、性能に関しても施工業者の方に確認して選んでくださいね。
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