再生可能エネルギーの注目に伴い、太陽光発電の導入は一般家庭においても需要が高まってきています。
確かに、地球にやさしいシステムで、電気代の節約になったり災害時にも対応できるなど、良い情報は聞こえて来るけれど、実際購入するとなると高額な買い物になるため迷っている方も多いようです。
では、具体的に太陽光発電を導入するとどんなメリット・デメリットがあるのか?太陽光発電とはそもそもどんな仕組みになっているのか?
本記事では、太陽光発電はつけるべきか?迷いを解決する内容となります。
太陽光発電の仕組みついて理解しておきたいこと
太陽光発電を導入して利用するにも費用的にも効果を得るためには、まずは、太陽光発電の仕組みについて概要を知っておくと良いでしょう。
・悪徳業者に騙されずに適切な設置業者を選ぶことができる
・自宅に太陽光発電がつけられるのか判断できる
・ライフスタイルに合わせて製品が選べる
・不必要な製品を選ばなくなる
・自宅の設置条件に合わせて初期費用を考えることができる
・蓄電池の必要性がわかる
「太陽光発電システムの仕組み」について概要をまとめておきます。
私たちが今まで使っていた電力会社から購入する電気ではなく、自然エネルギーを利用して電気を作ります。
太陽光発電システムを設置すれば、昼間に太陽光で発電した電気を自家消費して余った分は売電したりすることも可能です。また、家庭内の災害対策にも活用することができます。
さらに蓄電池やエコキュートなどと連携すると相乗効果が生まれて、導入効果を高めることが可能になります。
では、実際に、家庭内で太陽光発電で電気を使えるようにするためには、どんな機器が必要なのか?確認していきましょう。
太陽光発電では、以下の設備を準備することが必要です。
・架台
・接続箱
・パワーコンディショナー
・分電器
これらの設備機器を使って太陽光で電気ができるプロセスは、簡単に説明すると以下の流れになります。
↓
・接続箱:ケーブルを一つにまとめて発電した電気をパワコンに送る
↓
・パワーコンディショナー:発電した電力を直流電流から家庭内で利用できるように交流電流に変換する
↓
・分電器:パワーコンディショナーから送られてきた電気を家庭内の配線に分ける
※なお、太陽光発電のしくみについて、詳しくは以下の記事より参考にすることができます。
太陽光発電をつけるべきかが分かる7つのメリット
太陽光発電の仕組みがわかったら、続いて太陽光発電を導入するメリットについて知っておくと良いでしょう。一般的なメリットを知ることで、ご自宅の状況やこれから購入する製品選びに役立てると良いでしょう。
なお、太陽光発電は、各家庭の設置条件や設備機器の性能などによって導入効果は違いますので、総合的に計画していくことが必要となります。
太陽光発電の7つのメリット
太陽光発電を導入するメリットについては、以下のポイントを確認しましょう。
電気代が安くなる
太陽光発電を利用する分、今までより電気使用量が減るので電気代が安くなります。
電気代の値上げ対策には太陽光発電を取り入れることも一つの節約術となります。
余剰電力で収入が増える
FIT(固定価格買取制度)を利用して太陽光発電を設置して発電した余った電気を電力会社へ売電することができます。
一般住宅用のFIT(固定価格買取制度)が終わる10年後は、売電価格が安くなるので、自家消費型へシフトすれば経済的メリットを得ることも可能です。
メンテナンス費用が抑えられる
太陽光発電の点検やメンテナンスは、法律で最低4年に1回の定期点検を推奨されています。
メンテナンス費用の相場は、およそ1回に1〜2万円程度になりますので、4年に1回の出費ならば負担も少なく、ランニングコストを抑えることができます。
災害時でも電気を使える
太陽光発電は、停電や災害時にも使うことができます。蓄電池システムも併用すると、さらに安定して電気を確保することができます。
夏は涼しく冬は暖かくなる
太陽光発電は、屋根上に設置するので直射日光が屋根に当たらなくなります。
したがって、太陽光発電パネルを設置した屋根下の部屋の室温は、通常よりも快適温度にすることができます。
エコキュートと併用で節約できる
太陽光発電の発電量を利用すれば、ランニングコストが高いガス給湯器を使わずにオール電化に切り替えができるようになります。
割安の深夜電気プランで併用するとより効果的です。
蓄電池とセットでさらにお得になる
太陽光発電の発電量を貯めておける蓄電池を併用すれば、使いたいときに電気を使えるしくみができます。災害時の電源を確保することもできるようになります。
※なお、太陽光発電のメリットについて、詳しくは以下の記事より参考にすることができます。
太陽光発電のデメリットも知っておきたい方へ
太陽光発電を導入する際は、失敗のリスクを減らすために、まずはデメリットについて知っておくと良いでしょう。後悔しないための対策となります。
太陽光発電のデメリット
太陽光発電を導入するデメリットについては、以下のポイントを確認しましょう。
天候に左右される
太陽光発電は、天候の悪い雨や曇りの日が続くと、もちろん発電効果を得ることができません。
天候に左右されないようにするためには、電気を貯めておける蓄電池を導入すれば、電気のやりくりができるようになります。
初期費用が高い
太陽光発電の初期費用は高額になるため、費用効果が見込めるのかを導入前にしっかりシュミレーションすることが必要です。また、補助金制度を有効活用すると費用を抑えることもできます。
売電収入だけでは難しい
太陽光発電の売電価格は、年々下落傾向になっていますので、随時、売電についての情報はアンテナをはっておくことが必要です。
売電収入のほかに自家消費で発電量を賄うことも検討すると良いでしょう。
設置場所で発電効果が下がる
太陽光が屋根に当たる時間や方角、屋根の傾斜、立地条件などによって発電効果は違ってきます。太陽光発電を設置する前は、発電量のシュミレーションは重要です。
屋根の状態によって設置できない
築年数のある住宅の屋根や劣化が進んでいる屋根の場合は、事前の点検やリフォームを検討すると良いでしょう。古い屋根のまま設置しても発電効果は期待できません。
不備工事のトラブルがある
太陽光発電の製品がよくても、適切な工事ができなければ、導入効果を得ることはできなくなります。依頼する工事業者選びは慎重に行って、悪徳業者には要注意です。
※なお、太陽光発電のデメリットについて、詳しくは以下の記事より参考にすることができます。
太陽光発電に蓄電池はつけるべきか!メリット&デメリット
太陽光発電と蓄電池を併用してつけるべきか?判断できるようにメリットとデメリットを確認しておきましょう。
蓄電池と併用のメリット
蓄電池と併用するメリットは以下のポイントを確認しましょう。
災害や停電時に使える
太陽光発電を災害時や停電時に確実に使えるようにするためには、蓄電池も併用すると効果的です。また、停電時に使える家電製品の種類に合わせて蓄電池の容量についても検討すると良いでしょう。蓄電池の容量によって効果は変わってきます。
電気料金が節約できる
電気会社の割安深夜プランを契約すれば、電気代の節約に繋がります。
深夜プランで割安となった電気を蓄電池に貯めておいて、料金が高くなる昼間に使用すれば効果的です。
電気代高騰の影響を受けない
蓄電池を設置して電力会社の電気をできるだけ減らすと、電気代の値上がり対策になります。
各家庭でできる節約方法として、太陽光発電と蓄電池の併用がおすすめです。
ピークシフトに貢献できる
電気の使用量が少ない夜間に電気の利用をシフトすれば、電力需要のピークを減らすことができます。また、通常使っている電気量は変えずに電気料金を下げることもできます。
電気自動車と連携できる
「トライブリッド蓄電システム」を利用すると、電気自動車も自家消費で電気を賄うことができるようになります。
FIT制度の終了後に自家消費できる
FIT(固定価格買取制度)が終了しても自家消費型にシフトして蓄電池で電気を賄うことができます。売電収入よりも電力会社からの購入する電気を少なくしたほうが結果的には経済的メリットを得ることができます。
天候に左右されなくなる
蓄電池に電気を貯めておけるので、天候が悪い日でも太陽光発電の電気を使うことができます。天気が悪い日が続いても蓄電池があれば、安心して太陽光発電をうまく利用することができます。
環境にやさしい生活ができる
再生可能なエネルギーを効果的に活用し地球温暖化などの環境問題対策に貢献することができます。
パワコン一体型蓄電池が利用できる
パワーコンディショナーと買い替えのタイミングに合わせて、パワコン一体型蓄電池( ハイブリッド型蓄電池)を導入すれば、変換効率が良く発電効果が期待できます。
蓄電池と併用のデメリット
蓄電池と併用するデメリットは以下のポイントを確認しましょう。
初期費用が高くなる
太陽光発電と蓄電池の併用が効果的だとわかっていても、設備機器の種類が増えればその分初期費用も高くなってしまいます。
費用を安くする方法は、補助金制度を利用したり、複数社から見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
設置スペースが必要になる
蓄電池は屋外設置または屋内設置のタイプがあります。ご自宅のスペースを検討して適切な条件の場所に置くことをおすすめします。また、設置場所は、耐荷重を考えて選びましょう。
蓄電池の寿命に合わせて買い替えは必要になる
蓄電池の寿命およそ10年〜15年、または製品メーカーの保証期間が10年〜15年に合わせて、修理や点検を行うと良いでしょう。保証期間中の故障は無償で対応してくれます。
電気の貯められる容量の制限がある
蓄電池の容量を間違えると、使いたい時に使えないこともあります。ご自宅の電気使用量に合わせて適切な容量の製品を選ぶと良いでしょう。
ダブル発電で売電価格の変動がある
売電価格については、太陽光発電のみのシングル発電の場合とダブル発電の場合では価格が違ってくるため、太陽光発電と蓄電池を併用する際は、余剰電力の活用法について確認が必要です。
電気代がすでに安い人はメリットはない
すでに電気代が安くて、昼間に家にあまりいない人は、蓄電池を設置する必要はないかもしれません。状況に合わせて検討すると良いでしょう。
※なお、太陽光発電の蓄電池を導入するメリット・デメリットについて、詳しくは以下の記事より参考にすることができます。
太陽光発電は何年で元が取れるの?
例えば2022年から太陽光発電を始めた場合、元が取れることも期待できます。
確認しておきたいことは、固定価格買取制度の買取価格と期間です。
太陽光発電の製品メーカーは、製品の改良や新製品の研究開発を行っていて、年々確実にグレードアップした製品を提供できるようになってきています。
太陽光発電パネルを選ぶ際は発電効率の良い製品を選び、適切な設置業者に工事を選んで、複数社の業者から見積もりを取って比較検討すると良いでしょう。
また、初期費用を抑えるためには補助金制度の活用がおすすめです。
まとめ
太陽光発電はつけるべきか?判断できるためには、システムの仕組みや導入するメリットとデメリットについて知っておくことをおすすめします。
太陽光発電は、今注目のシステムであるため、さまざまな製品メーカーが市場に出ていて迷う方も多いようです。また、消費者が増えることで、悪徳業者のセールスで騙されるケースも発生しています。
太陽光発電の導入は、長期的に利用すれば、電気代の節約や環境に配慮した暮らしが可能となりますので、情報を整理しながらご自宅の状況に合う太陽光発電システムを選んでいきましょう。