太陽光発電を導入する際は、初期費用を抑える方法として補助金制度の利用がおすすめです。
過去に実施されていた国の補助金制度は終了していますが、ZEHハウスを対象とした案件や自治体が公募する案件があります。
本記事では、太陽光発電や蓄電池で利用できる補助金制度について、現在利用できる情報をまとめて紹介いたします。
家庭用の太陽光発電導入でもらえる国からの補助金
太陽光発電の国の補助金は、2009年から約5年間実施され、2013年でいったん終了しています。
今後、国の補助金の再開予定は未定です。
ただし現在は、「ZEH支援事業」「DR補助金」「DER補助金」など、太陽光発電と蓄電池を組み合わせた機器の導入においては、国の補助金が実施されています。
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業
戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)化等支援事業について紹介します。
令和5年度補正予算額: 1,390百万円の内数
- 補助金制度の目的
・エネルギーの自給自足により災害にも強く、ヒートショック対策にもなるZEH の更なる普及、高断熱化の推進。
・エネルギー価格高騰への対応にも資する、現行の省エネ基準に適合しない既存住宅の断熱性能向上による省エネ・省CO2化。
・2030年度に目指すべき住宅の姿としては、新築される住宅についてZEH基準の水準の省エネルギー性能の確保を目指す。
・2030年度の家庭部門からのCO2排出量約7割削減(2013年度比)に貢献することを目指す。
・2050年のカーボンニュートラル達成に向けて脱炭素社会の推進。 - 蓄電システムの補助金額:2万円/kWh(上限額20万円/台)
- 実施期間:令和3年度~令和7年度まで
- 申請条件:ZEHの条件を満たすこと/SII登録業者が関与すること
ZEHハウスとは
ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)が対象になる補助事業は、以下の4つの種類です。
それぞれのタイプ別に補助金額、条件、申請期間などが設定されています。
- ZEH:高い省エネ性能を持つ住宅
- ZEH+:ZEHより高性能な住宅
- 次世代ZEH+:蓄電システムなどを備えた高性能な住宅
- 次世代HEMS4:AI管理ができる自動コントロールできる住宅
補助金対象となる「ZEH支援事業」の住宅については、以下の基準が設定されています。
- 注文または建売住宅におけるZEHの基準を満たしていること
- 省エネ基準20パーセント以上であること
- SIIに登録されているZEHビルダー、またはプランナーが関与する住宅であること
「ZEH+実証事業」については以下の基準が設定されています。
- 省エネ基準から+25パーセント以上であること
- SIIに登録されているZEHビルダーまたはプランナーが関与する住宅であること
~以下3つのうち2つ以上実施
- 外皮性能が強化されていること
- 高度エネルギーマネジメントの住宅であること
- 電気自動車を活用した充電または充放電設備があること
「次世代HEMS実証事業」については以下の基準が設定されています。
- ZEH+の条件をクリアしていること
- 高度エネルギーマネジメントの住宅であること
- 太陽光発電・蓄電設備が搭載されていること
自治体から補助金はある?家庭用太陽光発電でもらえるお金
自治体での補助金については、随時公募が継続しています。ただし、公募終了している案件もありますので、各都道府県が実施している情報を確認するようにおすすめします。
補助金の申請受付期間は、各自治ごとに異なりますが、大半は4月より公募され12月末または3月末になっています。なお、予算に達した場合は早期終了することもありますので、募集期間については確認するようにしましょう。
【実例】千葉県の太陽光発電(家庭用)補助金制度
千葉県では、家庭における地球温暖化対策の推進に加え、電力の強靭化を図るために住宅用設備等に対する補助事業を実施している市町村へ補助金を交付しています。
現在も公募が実施されている案件についてまとめておきます。
千葉市
千葉市が実施している補助金制度です。
・ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(ZEH)の補助金額:10万円
申請期間:令和5年5月1日(月曜日)から令和6年1月31日(水曜日)まで
・V2H充放電設備の補助金額:補助対象経費の10分の1(上限25万円)
申請期間:令和5年5月1日(月曜日)から令和6年1月31日(水曜日)まで
(住民のみ充電設備を利用可能な場合)補助対象経費の2分の1/急速充電設備:上限50万円/基(上限2基)/普通充電設備:上限20万円/基(上限5基)
(住民以外も充電設備を利用可能な場合)補助対象経費の3分の2/急速充電設備:上限66万円/基(上限2基)/普通充電設備:上限33万円/基(上限5基)
申請期間:令和5年5月1日(月曜日)から令和6年1月31日(水曜日)まで
・省エネ最適化診断受診費用:補助対象経費の10分の10(上限21,000円)
申請期間:令和5年5月1日(月曜日)から令和6年2月29日(木曜日)まで
銚子市
銚子市が実施している補助金制度です。
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円
・電気自動車:
(住宅用太陽光発電設備とV2H充放電設備を併設する場合)上限15万円
(住宅用太陽光発電設備を併設する場合)上限10万円
・プラグインハイブリッド自動車:
(住宅用太陽光発電設備とV2H充放電設備を併設する場合)上限15万円
(住宅用太陽光発電設備を併設する場合)上限10万円
・V2H充放電設備:上限25万円(補助対象経費の10分の1)
申請期間:令和5年5月8日から令和6年2月29日まで
市川市
市川市が実施している補助金制度です。
・住宅用太陽光発電設備:1キロワットあたり2万円、上限9万円
市内事業者施工の場合1キロワットあたり25,000円、上限112,500円
・家庭用燃料電池システム:上限10万円
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円
・電気自動車:
(太陽光発電設備及びV2H充放電設備併設の場合)上限15万円
(太陽光発電設備併設の場合)上限10万円
・プラグインハイブリッド自動車:
(太陽光発電設備及びV2H充放電設備併設の場合)上限15万円
(太陽光発電設備併設の場合)上限10万円
・V2H充放電設備:本体購入費の1/10上限25万円
・集合住宅用充電設備:
(居住者のみが充電設備を利用可能な場合)国の補助金×1/3(1基当たり)上限50万円
(居住者以外も充電設備を利用可能な場合)国の補助金×2/3(1基当たり)上限100万円
申請期間:令和5年4月1日から令和6年2月29日まで
船橋市
船橋市が実施している補助金制度です。
・太陽光発電システム:1キロワットあたり1.5万円(上限6万円)
・家庭用燃料電池システム:10万円
・定置用リチウムイオン蓄電システム:7万円
・電気自動車:15万円
・プラグインハイブリッド自動車:10万円
・V2H充放電設備:設備購入費用の1/10 上限25万円
・集合住宅用充電設備:設備本体の購入費に係る国が実施する国の集合住宅用充電設備にかかる補助金の補助金額×1/3(1基当たり)上限50万円
申請期間:令和5年5月1日から令和6年2月29日まで
館山市
館山市が実施している補助金制度です。
・家庭用燃料電池システム:停電時自立運転機能を備えるもの上限100,000円
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限70,000円
・電気自動車:
(住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備を併設する場合)上限150,000円
(住宅用太陽光発電設備を併設する場合)上限100,000円
・プラグインハイブリッド自動車:
(住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備を併設する場合)上限150,000円
(住宅用太陽光発電設備を併設する場合)上限100,000円
・V2H充放電設備:補助対象経費の10分の1 上限250,000円
・集合住宅用充電設備:
(住民のみ利用可能な場合)国の補助金額の1/3(本体購入費)上限500,000円 (住民以外も利用可能な場合)国の補助金額の2/3(本体入費)上限1,000,000円
申請期間:令和5年5月1日から令和6年2月29日まで
木更津市
木更津市が実施している補助金制度です。
補助金額:
・家庭用燃料電池システム:上限10万円
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円
・電気自動車・プラグインハイブリッド自動車:
(V2Hを併設する場合) 上限15万円 (太陽光のみを併設する場合)上限10万円
・V2H充放電設備:補助対象経費×1/10 上限25万円
・集合住宅用充電設備:
(住民のみ充電設備を利用可能な場合)設備本体の購入費に係る国の補助額×1/3
1基あたり 上限50万円
(住民以外も充電設備を利用可能な場合)設備本体の購入費に係る国の補助額×2/3
1基あたり 上限100万円
申請期間:令和5年4月18日から令和6年2月16日まで
松戸市
松戸市が実施している補助金制度です。
補助金額
・ゼロエネルギー住宅(ZEH):上限20万円
・ライフサイクルカーボンマイナス住宅(LCCM):上限50万円
申請期間:令和5年4月1日から令和6年3月29日まで
補助金額:
・電気自動車:上限3万円
(個人のみ/住宅用太陽光発電設備を併設する場合)上限10万円
(個人のみ/住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備を併設する場合)上限15万円
申請期間:令和5年4月1日から令和6年3月29日までの補助金、または令和5年4月1日から令和6年3月11日までの補助金
補助金額:
・集合住宅用充電設備:
(住民のみ充電設備を利用可能な場合)補助対象経費×3分の1 (1基当たり)50万円
(住民以外も充電設備を利用可能な場合)補助対象経費×3分の2 (1基当たり)100万円
・電気自動車・プラグインハイブリット自動車:
(太陽光発電設備及び一般家庭用充給電設備(V2H)の併設の場合)上限額15万円
(太陽光発電設備の併設の場合)上限額10万円
申請期間:令和5年7月1日から令和6年3月11日まで
野田市
野田市が実施している補助金制度です。
補助金額:
・家庭用燃料電池システム:上限額10万円
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限額7万円
・V2H充放電設備:上限額25万円、補助対象経費の10分の1
・集合住宅用充電設備:
(住民のみ利用可能な設備の場合)国の補助金額の3分の1 上限額50万円
(住民以外も利用可能な設備の場合)国の補助金額の3分の2 上限額100万円
申請期間:令和5年4月3日から令和6年2月29日まで
茂原市
茂原市が実施している補助金制度です。
補助金額:
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円
・電気自動車・プラグインハイブリッド自動車:
(太陽光発電システムおよびV2H充放電設備を併設する場合)上限15万円
・V2H充放電設備:上限25万円、補助対象経費×10分の1
・集合住宅用充電設備:
(住民のみ充電設備を利用可能な場合)上限50万円 設備本体の購入費に係る国の補助金額×3分の1
(住民以外も充電設備を利用可能な場合)上限100万円 設備本体の購入費に係る国の 補助金額×3分の2
申請期間:令和5年4月3日から令和6年3月15日まで
成田市
成田市が実施している補助金制度です。
補助金額:
・太陽光発電システム:上限9万円(1kWあたり2万円)
・定置用リチウムイオン蓄電池:上限7万円
・家庭用エネルギー管理システム(HEMS)機器:上限1万円
・電気自動車・プラグインハイブリッド自動車:
自宅に太陽光発電システムがある人、上限10万円(同時設置も含む)
自宅に太陽光発電システムとV2Hがある人、上限15万円(同時設置も含む)
・V2H充放電設備:補助対象経費の10分の1、上限25万円
申請期間:令和6年3月11日まで
佐倉市
佐倉市が実施している補助金制度です。
補助金額:
・住宅用太陽光発電設備 :1kW当たり2万円(10kW未満、上限9万円)
・家庭用燃料電池システム:上限10万円
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円
・電気自動車・プラグインハイブリッド自動車:
(住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備併設の場合)上限15万円
(住宅用太陽光発電設備併設の場合)上限10万円
・V2H充放電設備 :補助対象経費の1/10、上限25万円
・集合住宅用充電設備
(住民のみ充電設備を利用可能な場合)1基当たり上限50万円
(住民以外も充電設備を利用可能な場合)1基当たり上限100万円
申請期間:令和5年8月15日から令和6年2月29日まで
東金市
東金市が実施している補助金制度です。
補助金額:
・定置用リチウムイオン蓄電システム:上限7万円
・電気自動車:
(住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備を併設している場合)上限 15 万円住宅用(太陽光発電設備のみを併設している場合)上限 10 万円
・プラグインハイブリッド自動車:
(住宅用太陽光発電設備及びV2H充放電設備を併設している場合)上限 15 万円
(住宅用太陽光発電設備のみを併設している場合)上限 10 万円
・V2H 充放電設備:補助対象経費の 10 分の 1 上限 25 万円
申請期間:令和5年6月1日から令和6年2月29日まで
まとめ
太陽光発電の補助金制度については、国の補助金は終了していますが、各自治体の公募案件を利用することができます。
太陽光発電や蓄電池を導入する際は、お住まいの管轄機関の情報を調べてから導入費用を検討しましょう: