新築一戸建てや新築分譲住宅、建売住宅の玄関手すりを考えることは大切です。
高齢になったときに玄関で靴を履いて立ち上がるときに手摺が必要ですから、後で工事できるように所定の高さに下地を入れておくことです。
疎かにすると費用が余計掛かります。
新築で玄関手すりを考えておいたほうがいい人
新築一戸建て住宅を建てたいと考えている方は多いのではないでしょうか。
夢のマイホームを建てるために毎日頑張って仕事をしているという方もたくさんいるでしょうし、新築分譲住宅を購入するためにお金を貯めている、建売住宅を買うために節約しているという方もおられるでしょう。
どのような住宅でもマイホームはマイホームですから手に入れることができれば御の字ですが、やはりせっかくなら新築で戸建を建てたいと考えるものですよね。
ただ、新築で戸建を建てるときには手すりについても考えておいたほうが後々安心です。
どうして新築の時から玄関手すりを考えなくてはいけないの?と思った方もおられるかもしれませんが、家は生涯に一度の大きな買い物ですし一生そこに住む可能性が高いからです。
人生の中で家をそう何度も購入するようなことはないでしょうし、ほとんどの方は一生で一度きりの高価な買い物になるはずです。
そのため、高い費用を出して購入した家に一生住み続けることがほとんどですし、高齢になってもそこで暮らしている可能性がかなり高いため玄関の手すりが必要になってくるのです。
いつまでも自分の体が若いままと考えていてはいけません。
人間はみな平等に老いがやってきますし、若い頃はバリバリ運動ができる人だったとしても寄る年波には勝てません。
ちょっとした段差で躓いてしまうことは多々ありますし、家の中で転倒した挙句に骨折してしまったという話はよく聞きます。
新築の時に玄関の手すりについて考えておくことが大切だというのは、年齢を重ねてからも安心して暮らせる家にしておくために必要ということなのです。
では、どうして玄関なのかという疑問も持たれたでしょうが、玄関では基本的に靴を履きますよね。
靴を履くときには腰を下ろすのが一般的ですし、そこから立ち上がるという動作が必要になります。
若い頃だとそのまま何の気なしに立ち上がれますが、高齢となるとそうはいきません。
こうしたシーンで活躍してくれるのが手摺です。
しかも、玄関というのはタイル張りで仕上げているケースが多いですから、立ち上がろうとして転倒などすると大変です。
そのようなことが起きないように手すりを設置するのです。
後から玄関に手すりを設置することも可能ですが、そのためには内壁に下地を入れなくてはなりません。
そうなると余計な費用がかかってしまいますし、工事の時間もかかってしまいます。
新築を建てるときにある程度の高さまで下地を入れておけば後から手すりを簡単に付けられるのです。
玄関手すりのタイプ
玄関手すりと言ってもさまざまな種類があります。
どのような種類があるのかも分からずに玄関手すりについて考えることもできないでしょうから、まずはどのような種類があるかを知っておくだけでも役に立つでしょう。
もっともシンプルなのはフラット型やI型と呼ばれる手すりで、現在でもさまざまな住宅や施設などで用いられています。
長さの調節もある程度できますし、廊下の手摺などと合わせることもできるため戸建てやマンション住宅でも採用されることが多いです。
大手建材メーカーからもリリースされています。
後付けタイプの手摺もあります。
先ほどのI型、フラット型などは壁の中に下地となる木材が必要ですが、後付けタイプは下地が必要ありません。
そのため、本当に必要になったときに購入して取り付けるだけで大丈夫です。
ただ、あまり見た目が良いとは言えませんし、どうしても仰々しい雰囲気になってしまうというデメリットもあります。
要介護が必要な高齢者などがいる家庭だと重宝できるでしょうが、それ以外の家庭だと逆に邪魔になってしまう恐れがありますから注意してください。
手すりの素材ですが、もっともスタンダードなマテリアルは木材です。
掴んだときに冷たさもありませんし、加工もしやすいことからもっともよく使われているマテリアルと言えるでしょう。
木製の手すりだと長さを微調整できますし、しかも短時間で取り付けができるというメリットがあります。
一般的な戸建て住宅などで廊下や玄関で用いられるのは木製タイプがもっとも多いのではないでしょうか。
ほかにもプラスチックや金属製などもありますが、基本的にこれらは水気の多い場所や屋外で用いられるケースが多いです。
玄関の手摺でもっともよく使われているのは木製のフラット型、I型ですからこれさえ覚えておけば問題ないでしょう。
あとは新築のときにどの高さに下地を入れておくかを決めておけば大丈夫です。
最初から手すりを付けておくこともできますが、とりあえず下地さえ所定の高さに入れておけば本当に必要になったときに取りつけることができます。
下地が入っていないとなると一度壁を開けて、まず下地を入れてから取り付けを行うため時間がかかります。
ボードの補修、クロスの一部分貼り換えなども必要となりますからコストも高くなりますし、先のことを考えてあらかじめ下地を入れておくことをおススメします。
お年寄りと一緒に住む場合は最初からつけておいても問題ないでしょう。
玄関手すりの設置例
玄関に手摺を設置するにしても、どのように設置すればいいのか悩んでしまうという方は意外に多いと思います。
正直、新築の場合だと建築士やコーディネーターの方と相談しながら決めることができますし、設計の専門家である建築士ならベストなアドバイスをくれるはずです。
ただ、やはりある程度の知識はあったほうが話もスムーズに進むと思いますから、ここでは玄関手すりの設置例についてお話しましょう。
新築を検討している方、建売住宅や分譲住宅の購入を検討している方も今後の参考になると思いますからぜひ目を通してください。
もっともスタンダードなのは玄関框を境として設置するパターンです。
靴を履くとき、もしくは脱ぐときは框に腰を掛けますし、その状態から立ち上がることを考えるとこの位置に設置したほうがもっともベストでしょう。
壁際にI型の手すりを一本だけ設置するというパターンもありますが、L字や逆Tの字にするという手もあります。
本当に立ち上がるときだけ使うのならI型一本を縦に設置するだけでも十分なのですが、立ち上がったあとに少し不安定になるようならL字、逆Tの字というのはおススメです。
框の上にI型を一本縦に設置し、そこから玄関扉の近くまで手すりを横に伸ばすというパターンもあります。
これだと立ち上がってからも手すりを持って移動ができますし、より安全に外まで出られるでしょう。
ただ、そこまで手すりが必要な方の場合だと玄関の内側だけでなく外側にも設置しておいたほうがトータルで安全です。
玄関ポーチとアプローチ周辺にも手すりを設置することでより安全になるのではないでしょうか。
将来のことを考えてアプローチ部分もスロープにしておいたほうが良いかもしれません。
ここでご紹介した手摺の設置パターンがもっともスタンダードな方法となります。
I型を縦に一本入れるだけでも立ち上がるには十分ですが、将来自分の体がどのように老いるかは誰にも分かりません。
そのため、できればなるべく広範囲にわたって下地を入れておいたほうがいろいろなパターンに対応できるでしょう。
ポイントで下地を入れていくとなると大変ですから、手すりが必要になりそうな一面だけ石膏ボードではなく合板を貼るという手もあります。
これだとかなり広範囲にわたってカバーできますし、いろいろな場所に手摺を設置することも可能となるでしょう。
実際にはほかにもいろいろな設置例がありますが、もっともポピュラーなのはここでご紹介したものです。
玄関手すり選びの成功談
玄関手すり選びの成功談をご紹介したいと思います。
成功談を読むことで今後の参考になるかもしれませんから、気になる方はぜひ目を通してください。
Aさんは若い頃に家を建てたのですが、その時にあらかじめ玄関や廊下、トイレなど手すりが必要となるだろうと思える部分に下地を入れておいたそうです。
若い頃は必要なくてもやがて必要になる日が来るだろうとAさんは思っていたようですが、自分よりも先に奥さんのほうが腰を痛めて手すりが必要となりました。
あらかじめ玄関や廊下、トイレなどの壁には下地をたくさん入れていたようですし、家を建ててもらった工務店に連絡するとすぐにスタッフが飛んできてくれて工事をしてくれたそうです。
工務店も当時の図面をきちんと保管してくれていたようですし、どこにどれくらいの下地が入っているということはすべて把握できていました。
そのおかげで、手すりの位置決めや設置はとてもスムーズにいったそうです。
手摺の下地を入れていなかったとなると下地を入れる工程からやらなくてはなりませんし、かなり時間がかかったはずです。
結局Aさんは玄関だけでなく廊下やトイレなど、必要な場所すべてに手摺を設置してもらいました。
Bさんは新築当初から手すりを取り付けてほしいと言っていたそうです。
家を建てたのが既に50を過ぎてからということで、すぐに手すりが必要になるだろうからと最初から手すりを付けてもらいました。
廊下と玄関の境目にI型を縦に一本設置してもらい、それだけだと不安だったので玄関扉ギリギリまでフラットで設置してもらったそうです。
また、Bさんも廊下やトイレに手摺を設置したそうですね。
どうせなら一度に必要なところすべてに設置したほうがいいと考えたようで、今ではそのおかげで快適に暮らせているそうです。
手すりに関する成功談をご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
手すりの設置で成功している方というのはしっかりと先のことを見据えて家を建てていますね。
新築工事のときから手すりのことを考えて下地を入れていたからこそAさんは手すりが必要になったときに慌てずに済みました。
Bさんも似たようなものですね。
ここでは成功談をお話しましたが、世の中には手すりで失敗した方も当然います。
次は手摺で失敗してしまったという方の体験談をご紹介しますから、気になる方はぜひ目を通してください。
成功談と失敗談、どちらも知っておくと参考になると思いますよ。
玄関手すり選びの失敗談
ここでは玄関手すりで失敗してしまった方の体験談をご紹介します。
先ほどの成功談と共に覚えておくと今後の参考になるのではないでしょうか。
Aさんは35歳くらいの頃に念願のマイホームを建てました。
有名なハウスメーカーで建てたそうで、自慢のマイホームだったそうですが先のことなどは特に何も考えていなかったそうです。
ハウスメーカーの担当者からは将来的に手すりなどが必要になるから下地を入れておこうかと提案されたみたいですが、その時になったら考えると軽く返事してしまったそうです。
その時のAさんにとって将来自分が手すりが必要になる姿などまったく想像できなかったのでしょう。
今現在Aさんは55歳なのですが、仕事の関係で腰痛が酷くなってしまい手すりが欲しいと考えるようになりました。
そこで、ハウスメーカーに連絡して担当者に家まで来てもらったそうですが、下地が入っていないからということで下地を壁の中に入れる工事から始めることになってしまいました。
しかも、Aさんの腰痛はかなり深刻だったようですから玄関だけでなく廊下にも手すりを付けたいという話になったのです。
当然、下地を入れる範囲は広くなりますし、下地を入れてクロスの貼り換え、手すりの設置などをするとかなりの金額になってしまったそうです。
Bさんは新築のときにきちんと手摺の下地を入れてもらったそうですが、その時に高さを自分で指定したそうです。
175センチ以上あるBさんは高齢になっても身長は変わらないからという理由である程度高く手摺の下地位置を決めたそうですが、これが仇となってしまいました。
いざ手すりが必要になったときにつけてもらうとかなり高くなってしまい、あまり意味がなくなってしまったのです。
結局Aさん同様壁を少し破り、下地を追加することで手すりを設置できました。
このお話を聞いて「バカだなぁ・・・」と思った方もおられるかもしれませんが、やはり若いときに年老いたときのことなどあまり考えられません。
また、高齢になったときに自分がどのようになっているかを明確にイメージできる人などまずいないでしょう。
誰もこの失敗を笑うことはできませんし、自分が同じような失敗をしてしまう可能性もあったということは覚えておいてください。
これから新築を建てるという方は手すりが将来絶対に必要になると思っておいて間違いありませんし、下地の位置や高さなどはなるべく専門家の意見を聞いたほうがいいですね。