生活をしていると、気づかないうちに床が傷ついていたり、シミができてしまっているものです。
気付いた時に補修をしようとしても、もう手遅れということも。
そんなことが無いよう、フロアコーティングをして床を守ってあげるという方法があります。
フロアコーティングをすれば、床材に直接傷つく心配が少なくなり、赤ワインなどをこぼしてしまってもサッと拭き取るだけでシミにならずに済みます。
しかし、フロアコーティングには様々な種類があります。目的に合ったコーティング剤をきちんと選択することが必要です。
今回は、フロアコーティングの種類と、実際に施工する際にどのような業者にお願いをすれば良いのか、詳しくみていきましょう。
フロアコーティングの種類を5つをチェック
まず、フロアコーティングの種類を確認していきましょう。
コーティング剤によって、性能や仕上がりが大きく異なります。
しっかりと特徴を理解した上で、目的に合ったコーティング剤を選びましょう。
アクリル系フロアコーティング
市販のワックスよりも耐久性があり、最もお手頃なフロアコーティングが、アクリル系のフロアコーティングです。
中でも、水性のアクリルコーティングは安価で気軽に使用することができるものです。
主な成分はアクリル樹脂になります。
市販のワックスよりは耐久性がありますが、その耐久年数は2年から5年とされている商品がほとんどです。
アクリル系のフロアコーティングは、他のコーティングに比べて剥離、再施工がしやすくなっているので、何年かごとに再施工することを前提に計画をしましょう。
価格以外でのメリットは、水性のものを使用した場合、施工時のシンナー臭がしないことです。
油性のコーティング剤の場合は、溶剤を使用するのに対し、水性のものは水を使用するためです。
また、他のコーティングに比べると、自然な光沢に仕上がります。光沢がありすぎるのをあまり好まない方にお勧めです。
耐薬品性はあまり高くないので、付着した薬品を放置した場合には、フローリングが変色してしまうことがあるので注意しましょう。
ウレタンフロアコーティング
ウレタンコーティングは、ウレタン樹脂塗料を使用したコーティングです。
その歴史はコーティング剤の中でも最も長いとされ、20数年前からある施工方法です。
耐久年数は2から3年と他の塗料に比べ短く保証年数も短いですが、低価格の為、初めてフロアコーティングを試してみたい方や長期間住む予定のない方にお勧めの塗料になります。
現在は、水性が主流で安全性は比較的高い上に、臭いが少ないものがほとんどです。
材料の種類も豊富で取り扱う業者も多い為、良心的な業者をしっかりと見極める必要があります。
光沢の程度はさまざまで、比較的自然なツヤを出すことができます。サンプルを見ながら好みの光沢具合で施工しましょう。
また、このコーティング剤は摩擦に強いのが特徴です。
ただ、乾燥時間は2から3日、完全硬化するまでは1か月程度かかるため、その間の取り扱いには特に注意が必要です。
耐薬品性も低めです。特にアルカリの洗剤等の薬品には注意しましょう。
ガラスフロアコーティング
ガラスコーティングの大きな特徴は、自然な仕上がりです。他のコーティング剤と比較すると、落ち着いた光沢感に仕上がります。
マット仕上げも選択でき、フローリング材本来の色味や質感を残しつつ施工できるのが大きなメリットです。
耐久年数も長く、その長さは10年ほどになります。
また、表面硬度が高いために傷が目立ちにくいというのも、うれしいポイントです。
機質なガラスが原料の為、安全性も高いです。ペットや小さいお子さんがいるご家庭でも安心して使用できます。
先ほどご紹介したアクリル系コーティングやウレタンコーティングに比べると価格は高くなりますが、耐久年数も高いので施工後のメンテナンス費用などを考慮するとお勧めのコーティング剤になります。
耐水性や耐溶剤性は高いですが、塩素系のものではコーティングが溶けてしまう恐れがあるので注意が必要です。
グリップ性も低めなので、小さいお子様が走り回って滑って転んだりすることが無いよう注意しましょう。
シリコンフロアコーティング
シリコンコーティングは、アクリル樹脂とシリコン樹脂を混ぜたコーティング剤を使用しています。
大きな特徴は、グリップ性があり、滑りにくいことです。
小さなお子様やご高齢者、ペットのいるご家庭でも転倒の心配が軽減できます。
他のコーティング剤に比べると光沢が強く出るので、高級感が出る反面、あまりきらびやかな雰囲気を好まない方には適さないかもしれません。
光沢が強い分、傷などが目立ちやすい傾向にあります。
耐用年数は、ウレタンコーティングよりも長くガラスコーティングよりも短いといった印象です。
熱にも強いので、床暖房を入れている部屋にも使用できるものもあります。
UVフロアコーティング
UVコーティングは、フロアコーティングの中でも耐用年数が最も長いとされており、その長さは20年というものもあります。
長く住み続け、床をしっかりと保護したい方にお勧めのコーティング剤です。
コーティング剤の性能の指標となる耐用年数が長い分、その施工費用も高くなりますが、耐用年数が短いコーティング剤と比べると再施工・メンテナンス周期も長くなるので、コストパフォーマンスが低いわけではありません。
また、硬化の時間も短い為、コーティング剤の施工後に乾燥するのを待つ時間も必要ありません。
仕上がりは、光沢の強い高級感のある仕上がりになります。
フロアコーティング施工の流れ
実際にフロアコーティングを施工する場合の流れをみてみましょう。
業者の選定
まずは、施工業者の選定です。インターネットを使用して業者を検索してみても良いですし、家を建ててくれた工務店さんへ知り合いの業者を紹介してもらうのも良いでしょう。
初めから一社に絞るのではなく、2、3社に問い合わせをしてみて、その対応の雰囲気などを確認してから最終的に施工をお願いする業者を決定しましょう。
見積もり
施工業者を決定したら、次は見積もりをお願いしましょう。
部屋の広さを伝えるだけで概算の見積もりは出してもらえますが、必ず実際に現地をみてもらってから見積もりをしてもらうことが大切です。
概算見積もりには、コーティングをする際に床面を平滑にするための傷の補修費用などが含まれていないことがほとんどです。
概算見積もりだけで施工を始めてしまうと、傷の補修などのせいで最終的な請求費用が高くなってしまうかもしれません。
見積もり時の注意点
また、見積もりの際に確認しておきたいのが、どの種類のフロアコーティング剤で見積もっているのかということと、その仕上がりのサンプルです。
仕上がりのサンプルを確認しないまま施工をして、完成してからイメージと違ったなんてことになってしまうと、再施工するにはさらに多くの費用がかかってしまいます。
契約
見積もりの内容に納得ができたら、施工の契約を交わします。ここまでが、施工前にする内容になります。
施工当日の流れ
では、施工日の流れをみてみましょう。
再確認と養生
最初に、施工内容の再確認を行います。コーティングの内容や、傷の箇所などの確認です。
確認が終わったら、壁や建具などの養生を行います。
コーティング剤が周囲に付着したり、作業員がぶつかったりして汚れてしまうのを防ぐためです。
コーティング前処理
次に、コーティング前の処理として、以前のコーティング剤の剥離や、傷の補修を行います。
事前にしっかりと清掃をし、傷の補修をして床を平滑にしておかないと、コーティングがまだらになってしまったり、でこぼこしてしまったりするので、とても重要な作業になります。
コーティング作業
そしていよいよ、コーティング作業となります。
コーティング剤はその種類によって下塗りとトップコートを塗る回数や乾燥時間などが異なります。1日がかりの作業になることがほとんどです。
全ての工程が終了すると、施工状況を確認し、養生を剥がしてから最終確認をした上で作業は全て終了となります。
フロアコーティング業者の失敗しない選び方
せっかくフロアコーティングをしたのに、施工が雑で、またすぐに再施工なんてことがないように、きちんとした業者を選びたいものです。いくつかポイントをみていきましょう。
ホームページをチェックする
施工までの流れやセールスポイントなどを確認し、他の業者と比較をすることができます。
専門業者であるかを確認する
ホームページの施工実績などからも、どの程度の経験があるのか確認ができます。
床材によってコーティングの際の注意点も異なります。
床材の特徴を熟知した施工実績の多い施工業者に頼むと安心でしょう。
自社ショールームがあれば尚良い
施工の見積もりの際に、仕上がりのサンプルを確認するようご説明しましたが、自社でショールームを持っている業者であれば、より安心です。
小さなサンプルよりも、ショールームでより広い面積に施工されている様子を確認できれば、完成のイメージもつきやすいからです。
保証内容とアフターフォロー
最後に、保証内容とアフターフォローについても確認をしておきましょう。
施工不良だけでなく、施工して早々、傷をつけてしまうということもあるかもしれません。
そうした場合にアフターフォローでどの程度対応してもらえるのか、事前に確認をしておくことが大切です。
まとめ
いかがでしたか。床を綺麗に保つため、また、普段の掃除をラクにするためにもフロアコーティングはおすすめです。
コーティング剤は、それぞれの特徴をきちんと理解してから選びましょう。
事前に仕上がりのサンプルを確認しておくことも重要です。
業者選びは、施工実績の多さや保証内容、アフターフォローをよく確認をした上で行いましょう。
また、不明点は必ず事前に問い合わせをして納得をした上で施工をしてもらいましょう。
正しいフロアコーティングを施して、素敵な空間で生活をしていきましょう。