1記事で床暖房が分かる!「種類・電気代・後付け」床暖房の疑問まとめ

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足元から天井まで、部屋全体をまんべんなく暖める床暖房。

新築やリフォームをきっかけに、床暖房に興味を抱き始めたという方も多いのではないでしょうか。

床暖房と聞いて「暖房器具である」ということはイメージできても、具体的にどんな特徴を持つ暖房器具なのか…というのはなかなか想像しにくいですよね。

床暖房のメリットやデメリットは?種類は?電気代は?後付けにかかる工事費用は?

…今回は、こういった疑問にお答えしていきたいと思います。

床暖房の導入を考えている方だけでなく、とりあえず床暖房について知りたいという方にも、きっとご満足いただけるはずです!

さっそく、床暖房の概要についてチェックしていきましょう。

床暖房とは

床暖房とは、床下に専用の器具を設置し、その伝道熱と輻射熱によって部屋全体を暖める暖房器具のことです。

足元からじわじわと暖めていくことで、エアコンやファンヒーターといった他の暖房器具よりも体感温度が高くなりやすいという特徴があります。

床暖房は新築だけでなく、既存の住宅にリフォームで後付けをすることも可能です。

床暖房の主な熱源は、電気、ガス、灯油など。床暖房の種類については、今回の記事内で詳しくご説明していきたいと思います。

床暖房のメリット・デメリット

まず初めに、床暖房を導入するメリットとデメリットについてチェックしておきましょう。

床暖房のメリット

  • 部屋全体をまんべんなく暖めることができる。エアコンやファンヒーターのような温度ムラが生まれにくい。
  • 火を使わないため、結露が発生しにくい。水滴の掃除やカビ防止対策の手間が省ける。
  • 他の暖房器具と比べ、空気の乾燥が少ない。肌や喉の乾燥・風邪の防止に役立つ。

床暖房のデメリット

  • スイッチを入れてから部屋が暖まるまでの時間が長い。即暖性を重視したい部屋には不向き。
  • 設置費用やランニングコストが高額になりがち。修繕費など、導入後のメンテナンス代がかかることもある。
  • 低温やけどの危険性がある。床との距離が近い赤ちゃんやペットのいるご家庭は注意が必要。

床暖房のメリットとデメリットについて、簡単にご紹介してきました。

利便性に優れていることはたしかなものの、コストの面で導入を躊躇してしまう方も多いかもしれませんね。

実際に床暖房を導入した人の経験談も踏まえ、ご自宅に床暖房が必要か否か検討してみましょう。

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床暖房は2つのタイプに分けられる

床暖房は、大きく分けて電気式と温水式の2タイプに分けられます。

それぞれのタイプ内でも熱源や燃料によって種類が分けられるので、詳しくチェックしてみましょう。

電気ヒーター式床暖房4つの種類

床下に電熱線ヒーター内蔵のパネルを敷き詰め、その熱で部屋を暖める電気ヒーター式の床暖房。以下4種類に分別されます。

  • 熱線式
    熱線部分に電気を通して発熱する。初期費用は比較的安いが、ランニングコストは高くなりがち。
  • カーボン式
    カーボン繊維を通して発熱する。発熱体が「面」のため、床面全体が均一に暖まりやす
  • PTC発熱ヒーター
    自動温度調節機能が便利なPTC発熱ヒーター。ランニングコストは比較的低め。
  • 蓄熱式電気ヒーター
    電気料金の安い夜間電力を利用する。初期費用は高めだがランニングコストは低いため、長期利用におすすめ。

上記4種類からなる電気ヒーター式床暖房。

床下に電熱パネルを設置するだけなので、費用は比較的安く、簡単な施工で済むのが魅力です。

耐久性にも優れており、床材の劣化や熱源機の故障がない限りは使い続けることができます。

一方で、立ち上がりまでの時間が長く、ランニングコストが高くなりがちなのがネック。

他にも、アンペアの増設が必要になったり、長時間触れていると熱く感じたり…と、導入後に感じるデメリットもゼロとは言えません。

温水式床暖房4つの種類

床下に通したパイプ内に温水を循環させ、その熱で部屋を暖める温水式の床暖房。以下のように、燃料によって種類が分別されます。

電気

  • 多機能型エコキュート
    リーズナブルな夜間電気を利用することができるが、面積や使用時間には制限がある。
  • 床暖房専用ヒートポンプ
    大気の熱を汲み上げて床暖房に利用する。二酸化炭素の排出がなく、環境に優しい。
  • エアコン連動型ヒートポンプ
    床暖房立ち上げ時にエアコンも連動する。素早く部屋を暖めたいという方におすすめ。
  • 太陽熱利用温水器
    太陽熱で作り出した温水をガスや灯油ボイラーで再加熱し、床暖房に利用する。

ハイブリッド

  • エコジョーズ&ヒートポンプ
    ガス給湯器のエコジョーズと、大気熱を利用するヒートポンプを組み合わせる。
  • 太陽熱&エコジョーズ
    太陽熱と、補助としてエコジョーズを利用する。お湯切れの心配がなく、ランニングコストの節約にも◎。

ガス

  • 温水暖房機付き給湯器
    ガスの排熱を利用し温水を作り出す。省エネにも効果的。
  • 床暖房専用熱源機
    床暖房専用のガスボイラーを設置する。設備費を抑えたいという方におすすめ。
  • エコウィル
    ガスエンジン式の発電機による排熱や電力で温水を作り出し、床暖房に利用する。

灯油

  • 床暖房専用熱源機
    灯油を利用し温水を作り出す。ランニングコストは比較的安いが、灯油代がかさむ場合も。

以上、4種類の燃料によって種類が分別される温水式の床暖房。

温水式の床暖房は、先にご紹介した電気ヒーター式床暖房よりも立ち上がりが迅速で、ランニングコストも低めというメリットがあります。

他の暖房器具との併用なしで十分に暖かさを感じられることや、温水パイプの耐用年数が長いこともメリットとしてあげられます。

一方で、温水パネルや熱源機の設置によって初期費用が高くなりがちというデメリットも。

利便性やランニングコストのことを考えて温水式床暖房にするか、初期費用を抑えるために電気ヒーター式床暖房にするか…選択の重要なポイントになりそうです。

ちなみに、ご自宅でオール電化の導入をお考えの方や、すでに導入済みだという方には、エコキュート式温水式床暖房、もしくはヒートポンプ式床暖房がおすすめです。

オール電化と床暖房を同時に導入することで深夜の電気代が安くなるお得なプランもありますので、導入の際はしっかりと確認をしましょう!

 

なお、床暖房を導入するにあたり、フローリング選びも重要なポイントです。

床暖房を設置する際は、床暖房の熱に耐えられるような無垢フローリングや、床暖房専用の合板フローリングを選びましょう。

床暖房に対応していない通常のフローリングや、クッションフロアのような柔らかい材質のフローリングは、熱によって変色したりはがれてしまったりするおそれがあるのであまりおすすめできません。

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床暖房の電気代

床暖房の導入を検討するにあたり、気になるのが床暖房の電気代ではないでしょうか。

床暖房、エアコン、電気カーペット、より電気代がお得なのはどれなのか…というのも導入前にチェックしておきたいポイントですよね。

各暖房器具の電気代を比較してみましょう。
(8畳の部屋で使用した場合)

温水ガス式

  • 1時間あたり:約18円
  • 8時間:144円

電気ヒーター式

  • 1時間あた:約25円
  • 8時間:200円

ヒートポンプ式

  • 1時間あたり:約11円
  • 8時間:88円

上記のように、床暖房だけで比較してみると、最もお得なのはヒートポンプ式の床暖房です。

とはいえ、そもそもこの電気代が高いか安いかというのも判断しにくいですよね。

他の暖房器具と比較してみると、イメージがつかみやすいかと思います。

ホットカーペットの電気代

  • 1時間あたり:約14円

エアコンの電気代

  • 1時間あたり:約16円

このように、他の暖房器具と比較してみても、電気代が最も安いのはヒートポンプ式の床暖房であるということがわかります。

オール電化を利用することで、さらに電気代が安くなる可能性もあります。

エアコンやホットカーペットを利用するのも悪くはないのですが、冬の室内をより快適に、かつランニングコストを安く…と考えると、早めに床暖房の導入を考えた方が良いかもしれません。

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床暖房を後付けする際の費用

新築ではなくリフォームによる床暖房の導入をお考えの方も多いかと思います。

床暖房を後付けするには、以下の2つの方法があります。さっそく、それぞれの施工方法と費用についてチェックしていきましょう。

直貼り(上貼り)の場合

床暖房を直貼りする場合の設置費用は、1畳につき約5~8万円ほどです。

10畳の部屋の場合、床暖房の設置が必要なのは部屋の6割=6畳なので、約30〜48万円になります。

直貼りのメリットは、施工費用が比較的安く抑えられること。

デメリットは、床に段差ができてしまうことです。
この段差をなくすための工事を含めると、費用が高くついてしまう恐れも…。

直貼りの工事期間は、約1〜2日です。

全面貼りの場合

全面貼りの費用は、1畳あたり約8~11万円ほどです。

10畳の部屋の場合、部屋の6割=6畳で約48〜66万円と直貼りよりもお高め。

全面貼りのメリットは、床下に断熱材を入れることで暖かさがアップすること&フラットな床になること。

デメリットは、施行費用が高くなりやすいことです。見積もりの段階で、しっかりと総額をチェックしておきましょう。

全面貼りの工事期間は、直貼りよりも長めの約2〜4日です。

なお、この設置費用は、「電気・ガス・電気&ガス」それぞれの熱源機によっても異なります。導入の際は、以下の費用を参考にしてみてください。

  • 【電気(ヒートポンプ式、エコキュートなど)】
    約30~100万円
  • 【ガス(エコウィルなど)】
    約10~50万円
  • 【電気&ガス(エコジョーズなど)】
    約10~50万円

このように、床暖房を導入するにはそれなりにお金がかかります。

導入後のリスクを減らすためにも、床暖房を検討の際には、下記記事でご紹介している床暖房導入時のポイントを思い出していただければと思います。

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導入前に床暖房の気になる疑問を解決♪

床暖房の概要についてご紹介してきましたが、なんとなくイメージはつかめたでしょうか。

最後に、床暖房の導入に関するQ&Aでみなさんの疑問を解決していきたいと思います。

床暖房の導入を具体的に検討したいという方も、まだ迷っているという方も、ぜひチェックしてみてくださいね。

Q 耐用年数はどの程度なのか

A 温水式の床暖房に利用されている温水パイプの耐用年数は、約30年とかなり長め

電気ヒーター式も同様です。

熱源機は10年ほどで寿命がくると言われていますが、使い方や環境によってはそれ以上使えることも珍しくないようです。

Q低温やけどはしないのか

A床暖房の上に直接、長い時間とどまることで、低温やけどをしてしまう可能性があります。

特に、自分の意思で移動することができない赤ちゃんや、床との距離が近いペットなどは危険です。

同じ場所に座り続けない、赤ちゃんやペットに目を配る、床暖房対応の厚手のカーペットを敷くなど、低温やけど対策を行いましょう。

Q猫・犬等のペットも大丈夫なのか

Aペットのいるお宅にも床暖房の導入は可能ですが、先にお伝えした通り低温やけどの危険性があります。

犬や猫も「暑い」と感じれば自主的に移動するようですが、年をとっていて感覚が鈍くなっているペットは動けない場合もあります。

厚手のカーペットを敷き、床暖房の熱を直接的に触れさせないような工夫をしましょう。

Qカビがはえたりしないか

A床暖房は他の暖房器具と比べ湿気が発生しにくく、カビの心配はありません。

結露も少なく、窓ガラスやカーテンなどのカビも防止することができます。

温水式の場合は床下には温水パイプが通ることになりますが、もちろん水漏れ対策も万全なのでご安心ください。

Q設置場所はどこがいいか

A床暖房は、部屋の床の約6割ほどの面積に設置するのが一般的です。

リビングやキッチン、寝室など、各部屋の床の6割を目安に設置しましょう。

部屋のすみっこやソファー・ベッドといった大型家具の下に床暖房を設置する必要はありません。

Q火事の心配はどうか

Aほとんどの床暖房には温度調節センサーがついているため、火事の心配はありません。

一定の温度以上になることもないので、基本的にはそれほど心配することはないでしょう。

しかし、過去には欠陥製品により火事が起きた例もあるようです。

どうしても不安だという方は、入念な安全確認が行われている大手メーカーの床暖房の導入をおすすめします。

Q床暖房の上に家具を置いても良いのか

A床暖房の上に木製品などを直接置くことで、変形やひずみの原因になったり、床材が変色してしまう恐れがあります。

床暖房の上に何かモノを置く際には、床暖房に対応したカーペットを利用するなど、床との間にワンクッションはさむことをおすすめします。

まとめ

床暖房のメリットやデメリット、種類、電気代、後付けの費用などについてお伝えしてきました。

床暖房の利便性や、コストパフォーマンスの良さを知り、床暖房の導入を本格的に検討したいと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。

せっかく床暖房を導入するのなら、ご自宅にぴったりのものを選びたいですよね。検討の際には、今回ご紹介した情報をぜひ参考にしてみてください。