「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」の組み合わせが最強?効果と費用

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『太陽光発電』と『エコキュート』さらに『蓄電池』を併用すると、それぞれの機能を活かして相乗効果をもたらすことができます。

3つの設備を組み合わせて導入すれば、非常時に備えたライフラインの確保のためや、電気代の節約などに対応することができます。

ただ、3つの設備を一緒に導入するとなると、気になるのは費用になりますね。

そこで、本記事では、『太陽光発電×エコキュート×蓄電池』それぞれのメリットと同時に設置した場合の効果や費用相場などについて解説していきます。

エコキュートと太陽光発電連携のメリットは?

『エコキュート』と『太陽光発電』を一緒に連携した場合は、太陽光発電の発電量と電気会社の電気プランをうまく併用すれば電気代の節約と非常時への対策が可能になります。

『エコキュート』と『太陽光発電』を連携するメリットは以下のポイントがあげられます。

安い深夜電力の料金プランを利用して、エコキュートでお湯を沸かして、太陽光発電で電気代の高い昼間の電気を賄うことができます。
・太陽光発電の利用で昼間の電気消費量が減るので、余剰電力が増えて売電収入を増やすことができます。
・卒FIT後には、余剰電力の利用方法を売電収入から自家消費型にシフトし、エコキュートの消費電力を太陽光発電の余剰電力で賄うこともできます。
電気代の値上がりに備えて、太陽光発電とエコキュートを連携させて電力を無駄なく利用することができます。
・太陽光発電の電気と電力会社の電気を上手く併用して、エコキュートに貯湯タンク内にお湯を貯めておけば、非常時にもし停電になっても電気が使えるようになります。

なお、エコキュートと太陽光発電連携のメリットについて、くわしくは以下の記事より参考にすることができます。

太陽光発電とエコキュートの導入に必要な費用

「太陽光発電×エコキュート」それぞれの導入費用の相場について確認しておきましょう。

太陽光発電の導入に必要な費用

太陽光発電システムを利用する際は、必要な設備として『太陽光発電パネル』『パワーコンディショナー』『架台』など、必要に応じて『蓄電池』などを準備します。

経済産業省のデータによる初期費用の相場は、およそ84万〜140万円となっています。
なお、太陽光発電の費用相場は、購入する製品のグレードやメーカー、依頼する設置業者などによって異なります。

では、それぞれ設備ごとにかかる費用相場を確認していきましょう。

・太陽光パネルの費用相場は、1kWあたり17.1万円です。住宅用で3〜5kWとした場合に、だいたい51.3万〜85.5万円くらいになります。
・パワーコンディショナーの費用相場は、1kWあたり4.2万円です。住宅用で3〜5kWとした場合、だいたい12.6万〜21万円くらいになります。
・架台の費用相場は、1kWあたり2.1万円です。 住宅用で3〜5kWとした場合、だいたい6.3万〜10.5万円くらいになります。
・蓄電池の費用相場、蓄電容量1kWhあたり平均13.7万円です。大容量10kWhの蓄電池でだいたい130万円くらいで、容量小さめの5kWh未満でだいたい75万円くらいになります。
・設置工事の費用相場は、1kWあたり6.6万円です。住宅用で3〜5kWとした場合、だいたい19.8万~33万円くらいになります。

太陽光発電の費用相場について、くわしくは以下の記事より参考にすることができます。

エコキュート導入に必要な費用

エコキュートの費用相場は、貯湯タンクの容量によって違ってきます。

家族の人数等に合わせて適切な容量のエコキュートを選ぶとよいでしょう。

一般的なエコキュートの容量、370L/460L/550Lの費用は以下の通りとなっています。

・370L:およそ15.7万円~44.9万円くらい
・460L:およそ17.4万円~47.3万円くらい
・550L:およそ19.5万円~50.8万円くらい
・基礎工事と水道工事:およそ15万円~20万円くらい
・電気工事:およそ6万円~15万円くらい

『太陽光発電』『エコキュート』を導入する際は、高額な初期費用を抑える方法として補助金制度を利用することができます。

補助金制度については各地方自治体のホームページより情報が公開されています。

「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」連携のメリット

『太陽光発電』と『エコキュート』を連携するメリットは、電力会社で購入する電気代を節約できることや余剰電力をむだなく利用できる非常時に備えることができるなどのメリットがあります。

これらの効果にプラスして相乗効果を得るためには、さらに『蓄電池』を導入することをおすすめします。

蓄電池は、太陽光発電との相性がよく、太陽光発電との相性が良いエコキュートを連携させれば、家庭で使う電気をもっと効率良く利用することができるようになります。

つまり、「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」の組み合わせで導入すれば、それぞれの機能の特徴を活かすことと、デメリットとなる部分を補い合って利用することができるようになります。

「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」それぞれの役割と連携のメリット

「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」の連携をうまく活かすためにも、それぞれの機器の役割を確認しながら連携のメリットを解説していきましょう。

それぞれの機器の役割
・太陽光発電 :お金をかけずに太陽光を利用して電気を発電する
・エコキュート :電気を使ってお湯を沸かし、貯湯タンク内にお湯を貯めておける
・蓄電池 :電力を貯めておくことができるて、いつでも電気が使える

太陽光発電の役割と連携のメリット

太陽光発電は、太陽光を利用したシステムであるため、太陽がある限り永遠に資源を確保できます。
電力会社の電気をなるべく購入せずに、太陽光発電の電気で賄うことができれば、お金をかけずに電気を賄うことができます。

つまり、お金を払わず使える電気を、エコキュートや蓄電池と連携すれば、もっと賢く利用することができるようになります。

ただし、太陽光発電にはデメリットもあり、天候の悪い日が続く場合は発電量を確保できない日もあります。そのために電気を貯めて置ける蓄電池を設置しておけば、太陽光発電のデメリットを解消することができます。

また、今まで使っていた電力会社の電気プランを安い深夜料金プランに変更しておけば、安い電気料金の夜間にエコキュートを使って、昼間はお金のかからない太陽光発電の電気で賄うこともできます。

エコキュートの役割と連携のメリット

エコキュートは安い深夜電力を使って、夜間のうちにお湯を沸かしておき、そのお湯をタンク内に貯めておくことができる機器です。

基本的には、エコキュートは夜に稼働させることで大きなメリットを得ることができて、電気代の節約に繋がるということになります。

つまり、安い深夜料金でエコキュートを使って、昼間の高い電気はなるべく使わずに、太陽光発電の電気で昼間に使う電気を賄うとお得になるというわけです。

また、蓄電池に貯めておいた電気で昼間にエコキュートのお湯を沸かすことも可能です。

ただし、エコキュートは停電時には利用できないため、蓄電池を設置しておけば、停電前と同様にエコキュートが利用できてお湯を沸かすことができるようになります。

蓄電池の役割と連携のメリット

蓄電池は、太陽光発電の発電量を貯めておくことができるので、蓄電池が充電されていれば、いつでも電気を使うことができます。

蓄電池に貯めた電力は、災害時や停電時に利用することも可能です。太陽光発電の発電量を自家消費型にできるので、その分電力会社から購入する電気代は減ります。

つまり、電気を貯めておける蓄電池を設置しておけば、太陽光発電の使えない日でも電気を確保できて、エコキュートもいつも通りに夜に稼働できるようになります。

ただし、蓄電池は、電気を貯められる容量が決まっているため、貯められる容量を考えて、太陽光発電の発電量と電力会社の電気量をバランス良くやりくりする必要があります。

「太陽光発電×蓄電池×エコキュート」導入に必要な費用相場

「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」を連携できれば、それぞれの機器のメリットを活かして、さらにデメリットを補って生活に必要な電気を効率良く使うことができます。

ただし、「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」3つの設備を同時に購入する場合は、費用は高額になります。

では、結局、すべての機器を揃えた場合にいくらかかるのか?最後にまとめておきましょう。

・太陽光発電の費用相場:84万〜140万円くらい
・蓄電池の費用相場:大容量10kWhで130万円くらい。5kWh未満で75万円くらい
・太陽光発電の設置工事の費用相場:19.8万~33万円くらい
・エコキュートの費用相場:15万~50万くらい
・エコキュートの基礎工事と水道工事の相場:およそ15万円~20万円くらい
・エコキュートの電気工事の相場:およそ6万円~15万円くらい

「太陽光発電×エコキュート×蓄電池」3つの機器を同時に導入すると、ざっくり計算して230万円〜390万円くらいの初期費用がかかるようになります。

「太陽光発電×蓄電池×エコキュート」を導入する際のポイントは?

「太陽光発電×蓄電池×エコキュート」の3つの設備を同時に導入したい場合は、いくつか気をつけたいポイントを確認しておきましょう。
高額な費用を抑えるためや、設置する場所などもよく検討すると良いでしょう。

「太陽光発電×蓄電池×エコキュート」導入のポイント
・複数の設置業者に見積もりを依頼して比較検討する
・各機器に対応できる補助金制度を利用する
・蓄電池は200v対応の容量を選ぶ
・設置スペースを確保できるか決めておく

複数の設置業者に見積もりを依頼して比較検討する

3つの設備を購入する際は、高額な費用がかかりますので、いくつか複数の業者に見積もり依頼をして比較検討することをおすすめします。

例えば、製品は安くても工事費用が高かったり、逆に工事費用がやすくても、アフターサポートが不十分だったりなど、業者によって見積もり金額の設定が異なりますので、一社だけではなく比較する対象があると選びやすくなります。

また、3つの機器を連携して利用できるための専門的なアドバイスや相談ができるような、信頼関係ができる業者選びも大切です。

それぞれの機器に対応できる補助金制度を利用する

地方自治体が提供している補助金制度を利用すれば、高額な初期費用を抑えることができます。
補助金制度は、各地方自治体のプランによって給付される金額や対象となる条件などが異なります。
また、補助金制度の運用期間が決まっているため、応募期間中に申請することが必要です。
人気のある補助金制度では、発表から2カ月程度で受付終了になることもありますので、早めの申請が必要です。

太陽光発電とエコキュートに関しては、国の補助金制度はいったん終了していますが、地方自治体からのプランはまだ継続して発表されています。

蓄電池の補助金制度は、2022年度は、主に経済産業省、環境省より提供されています。

注意したい点として補助金制度を利用する際は、指定の機種や業者があらかじめ決められているプランもありますので、導入前に情報収集してから検討することをおすすめします。

蓄電池は200v対応の容量を選ぶ

3つの機器を効率良く連携させるためには、できれば蓄電池は200Vに対応した機種がおすすめです。蓄電池は容量によって使えない家電もでてきます。容量の少ない蓄電池だと、せっかく連携システムを作っても、うまく利用できない場合もあります。

200Vに対応した蓄電池であれば、エコキュートのような大容量の家電でも安心して利用することができます。
蓄電池とエコキュートを連携したい場合は、購入前に、蓄電池の容量と使える家電の種類や数について調べて、対応できる製品を選ぶと良いでしょう。

設置スペースを確保できるか決めておく

当たり前のようですが、3つの新しい機器を家庭内に設置するので、それぞれの機器のサイズを調べて適切なスペースを確保できるか?確認しておくとよいでしょう。

太陽光発電は、屋根の上のスペースの他に屋内に設置する機器の場所も必要です。

パワーコンディショナーと分電機はなるべく近い位置にできるだけ余裕を持って置けるようにしましょう。ただし、もし設置スペースを確保できない場合は、屋外設置用のパワーコンディショナーで検討することも可能です。

蓄電池の設置場所は、耐荷重や温度環境などに合わせて適切な設置環境を考えて、搬入と設置工事ができるスペースを確保しましょう。

エコキュートの場合は、貯湯タンクユニットとヒートポンプユニットが置ける場所を確保する必要があります。

全ての機種に対して、各メーカー推奨の設置スペースが決まっていますので、参考にすると良いでしょう。

まとめ

「太陽光発電×蓄電池×エコキュート」を同時に導入にした場合は、それぞれの機器の特徴を活かしてさまざまなメリットを得ることができます。

3つの設備を同時に購入する際は、高額な費用を用意する必要がありますので、専門業者のアドバイスを受けて適切なシステムを選んでいきましょう。

また、補助金制度は、初期費用を抑えるために有効利用すると良いでしょう。