これから始まる、待望の新居での生活。「どんなテイストの部屋にしようかな?」「どんな家具を置こうかな?」と、ワクワクしますよね。
このインテリア選びに際し、多くの人を悩ませているのが「カーテンの色選び」問題です。
部屋の造りによっては「壁一面が窓」という場合もあるように、窓の存在感は大きいもの。
また、リビングなのか、寝室なのか、子供部屋なのか…というように、部屋の用途によってもカーテンを選び分けなくてはなりません。
それぞれの部屋にぴったりのカーテンを選ぶには、まず色選びに関する知識を得なくてはなりません。
「でも自分にはセンスなんて無いし…」という方も、心配はご無用!
カーテンの色選びに必要なのは、個人のセンスではなく、「部屋の配色と役割&色の心理効果に関する知識」です。
部屋の配色の基本さえおさえる事ができれば、センスの有無に関係なく、スムーズにカーテンの色選びを進めることができるでしょう。候補となる色は、それぞれの部屋が持つ役割を把握することで、自然と絞り込まれてくるはずです。
「部屋のテイストが決まっていない」「合う色が思い浮かばない」という方には、後編で解説する「色の心理効果」による色選びがおすすめ!
今回の記事では、カーテンの色選び以外にも役立つ「基本の部屋の配色」から、部屋の役割に適した「部屋別の色選びのコツ」についてお伝えします。
わかりやすくご説明していきますので、「センスに自信がなく、どんな色のカーテンを選んだら良いのかわからない」という方もご安心くださいね。
部屋の色の配色について知る事からがスタート
カーテンの色選びを正しく行うにあたり、まずはじめに知っておきたいことがあります。
それは、「部屋の色の配色」です。
この配色をしっかり理解することで、その部屋に適したカーテンを選ぶことができるようになるのです。
まず、部屋というのは、主に以下3つの色によって構成されています。
ベースカラー
床や壁、天井といった部屋の基本になる色のことを「ベースカラー」といいます。
一般的に、壁や天井はアイボリーOR明るめのベージュ、床は茶色系でまとめられていることが多いよう。
最近はアイボリーなどの明るい色の床材も流行っているようですね。
配色の割合で考えると、部屋全体の【70パーセント】がこのベースカラーの目安になります。メインカラー
ソファ・家具・ラグといった、部屋の雰囲気を印象づける色のことを「メインカラー」といいます。
カーテンは、このメインカラーにあたります。
メインカラーは、部屋全体の【25パーセント】を目安に使いましょう。アクセントカラー
クッションやアートボードといった小物類の色は、「アクセントカラー」にあたります。
差し色として使うアクセントカラーは、部屋の引き締めポイントとして一役買ってくれています。
ただ、アクセントカラーを使いすぎると統一感のない部屋になってしまうので、全体の【5パーセント】にとどめることをおすすめします。このように、ベースカラー・メインカラー・アクセントカラーには、それぞれベストの割合があります。
このバランスを守ることで、センスの有無にかかわらず、過ごしやすい雰囲気の部屋を作ることができるでしょう。
失敗しない為に意識するポイント
部屋の配色を考えながらカーテンの色を決めるにあたり、気をつけてほしいことが3つあります。
カーテン選びの際には、以下のポイントを意識してみてください。
①一体感のある部屋にしたい場合
壁や天井と同系色のカーテンを選んでください。
同系色のカーテンには、部屋に統一感を持たせるとともに、スペースを広く見せる効果があります。
圧迫感を感じさせない、落ち着いた印象の部屋になるでしょう。
②カーテンを強調させたい場合
トータルバランスを考えつつ、部屋の中にある家具と同系色のカーテンを使いましょう。
カーテンを強調させたい場合でも、奇抜な色や柄を取り入れるのはおすすめできません。大きな窓の場合、こだわって選んだはずのカーテンが部屋の調和を乱してしまうこともあるので、必ず「部屋全体のバランス」を見ながら決めてください。
③地味な印象にしたくない場合
無地ではなく、グラデーションやツートンカラーといったデザイン性のあるものを選びましょう。
ここでも気をつけたいのが、「壁との同系色が使われているカーテンを選ぶこと」。
落ち着いた色のカーテンでも、ちょっと変わったパターンのものを選ぶことで、部屋の印象はグッとオシャレになることでしょう。
以上3つのポイントをおさえておけば、カーテン選びで大きく失敗することはないはず。
それでも、「やっぱり自分のセンスでカーテンを選ぶのは不安…。」という方もいるかと思います。
そんな方におすすめなカーテンの色は、「ベージュ・オフホワイト・淡いグレー」です!この3色は、壁や天井と統一感がある上に、派手に主張をしたり他の色を邪魔したりすることのない優秀な色です。
カーテンの色選びで迷ってしまったときは、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ポイントさえ押さえれば難しくない!部屋別の色選びのポイント
次にお伝えするのは、「【部屋別】カーテンの色選びのポイント」です。
リビングや寝室、子供部屋など、各部屋にぴったりの色のカーテンを選ぶには、それぞれの部屋が持つ役割を把握することが大事です。部屋の役割に合わない色のカーテンは、住む人の居心地を悪くさせてしまいます。
部屋ごとの役割と色選びのポイントを知って、心地の良い部屋を作りましょう!
リビング
主張の激しい色や鮮やかすぎる色は避ける
家族団欒の場であるリビングに、赤や黄色、青といった原色のカーテンはおすすめできません。
カーテンの存在感が強すぎると、「インテリアを変えても、家具の配置を変えても、小物を変えても、部屋全体の印象は一切変わらず」なんてことにもなり兼ねません…。定期的に模様替えをしたり、アクセントとなる小物を変えたりするのも、暮らしの楽しみのひとつですよね。
なので、部屋の雰囲気を固定化してしまうような色のカーテンをリビングに使うのは避けましょう。
居心地よく過ごせそうな落ち着いた色を選ぶ
リビングは、家族が落ち着いて過ごせる場所にしたいですよね。個人の趣味よりも、家族みんなの居心地を考えてカーテンの色を選びましょう。
リビングのカーテンはベージュや茶色など、どうしても無難な色になってしまいがちですが、長い目で考えるとこのチョイスは正解です。毎日目にするリビングのカーテンは「視界に入っても気にならない」くらいに主張の少ない色が、結局一番しっくりくるのです。
寝室
睡眠の質が上がる寒色系を選ぶ
寝室で使うカーテンには、鎮静作用のある青や水色、紺といった寒色系がおすすめです。
気持ちを落ち着かせる色で統一された部屋で眠ることで、睡眠の質があがるでしょう。
一方、興奮作用のある赤や黄色は、寝室には向いていません。
赤や黄色は活力を得られる色ではありますが、体と心を休める役割を果たす寝室に使うには不向きです。また、真っ黒のカーテンは寝室向きと思われがちですが、実はイマイチ。
暗すぎる色は気持ちを落ち込ませる作用があるので注意しましょう。
寝室なら遮光カーテンもおすすめ
「カーテンごしの光が気になる」「真っ暗じゃないと眠れない」という方には、遮光カーテンがおすすめです。
遮光カーテンには1級~3級まで等級があり、1級に近いほど遮光率があがります。ただ、同じ等級の場合でも、生地の色や素材によって光の通り具合が異なることも。
遮光カーテンを選ぶ際には、樹脂コーティングがされているものや、できるだけ濃いめの色のものを選ぶことをおすすめします。子供部屋
小さい子供なら明るいパステルカラーがおすすめ
部屋の色に統一感を求める大人とは違い、子供はカラフルな色が大好きです。ベッドカバーやおもちゃ、絵本、洋服など、子供向けのものってとにかく色が多いですよね。
そんな子供の持ち物に合わせて、カーテンは明るいカラフルな色を選んであげてください。淡いピンクや水色といったパステルカラーのカーテンなら、カラフルな子供部屋にもよく馴染むでしょう。
年齢に合わせてカーテンを選ぶ
子供部屋のカーテンは、好みや年齢に合わせて選びましょう。
小さい頃はカラフルな色が好きかもしれませんが、中学生や高校生にもなれば、シックな色を好み始める子供もいます。
子供の好みがわからない場合は、カーテンの色を子供自身に決めさせてあげてください。自分で選択することで部屋に対する愛着が生まれ、子供にとっても居心地の良い部屋ができあがるはずです。
書斎・仕事部屋
集中できるよう、濃いめで落ち着きのある色を選ぶ
書斎や仕事部屋といった集中力が必要な部屋には、紺やダークブラウン、深みのあるグリーンなど、落ち着きのある色がおすすめです。
ベージュや淡いグレーなど、心に影響を与えにくい色も書斎向きですよ。
一方で書斎に向いていないのが、興奮作用のある赤や黄色といった主張の激しい色。赤や黄色は明るい気分になる反面、ワクワクしたりそわそわしたりと、落ち着きを失ってしまう場合があるので要注意です。
小さめの窓の場合、ウッドブラインドもおすすめ
もとから書斎として作られている部屋の場合、もともと窓がなかったり、窓が小さかったりする場合もありますよね。
小さい窓には、木製のブラインドもおすすめです。
すっきりとした無駄のないデザインのウッドブラインドは、大人の書斎のイメージにぴったり!「シックでモダンな雰囲気の書斎にしたい」という方は、ブラインドも検討してみてください。
色の心理効果による選び方もあります
人の心は、暮らしの中にあるさまざまな色から影響をうけています。
ほっと落ちつける色、やる気が出る色、暖かい・冷たいといった温度を感じる色…。いま皆さんの頭の中には、それぞれイメージする色が浮かんでいるかと思います。
このように「色の心理効果」を使ってカーテンの色を選ぶのもおすすめです。
壁や床の色はもちろんですが、特にカーテンのように「部屋の印象を決める色」は、そこで生活をしている人に大きな影響を与えます。
重要なカーテン選びに備え、それぞれの色が心に与える効果を知っておきましょう。
重要なカーテン選びに備え、それぞれの色が心に与える効果を知っておきましょう。
赤
食欲を増進させる効果のある赤は、リビングやダイニングといった食事をする場に向いている色です。
とはいえ、家族が集うリビングで赤のカーテンを使うのはなかなかハードルが高いかも…。
どうしてもリビングに赤を使いたいという場合は、アクセントとして小物類などで取り入れてみてはいかがでしょうか。また、炎を連想させる赤には「興奮作用」があります。
赤のカーテンは、寝室や書斎といった「落ち着きを必要とする部屋」でも避けたほうが良いでしょう。
青
精神的な落ち着きを促す効果のある青。鎮静作用があることから、寝室のカーテンに使われることが多い色です。
一方で、青には食欲減退効果があるので、ダイニング周りにはおすすめできません。また、青は知的な印象を持つ色でもあります。
集中力アップを期待して、書斎のカーテンや子供のデスク周りに取り入れるのも良いでしょう。
黄
陽気さや軽快さなど、元気を与えてくれる黄色。黄色は神経を刺激する効果のある色なので、リビングのカーテンとして使う際はなるべく淡い黄色を選ぶことをおすすめします。
部屋全体がシックな場合は小物類に黄色を選んで、差し色として使うのも良いかもしれません。
ポップな印象の明るい黄色は、幼い子供部屋用のカーテンの色としても人気のようです。橙色
安心感を与えてくれる橙色は、インテリアによく使われている色です。
ごく淡いオレンジ色などは、主張が激しくなく、それでいて温かみのある色なので、リビングのカーテンにもぴったり。食欲増進効果もあるので、ダイニング周りに取り入れるのも良いでしょう。
他の色と喧嘩せず、使い勝手の良い橙色。暖色が好きな方や、暖かい印象の部屋を作りたいという方におすすめですよ♩
緑
植物や自然を思わせる緑には、リラックス効果があります。ナチュラルテイストのお部屋を作りたいという方は、緑と茶色を上手に組み合わせると良いでしょう。
緑は、寝室や書斎、リビングなど、さまざまな部屋で活躍してくれる優秀な色です。
ただ、極端に濃い緑は、鎮静作用が強すぎて心が落ち込む原因になってしまう場合も。同じ系列の色でもちょっとした差で作用が変わるので、色選びの際には気をつけてくださいね。
ベージュ&茶色
他の色を引き立ててくれる、ナチュラルカラーのベージュ&茶色。安心感や親しみを覚えさせるベージュと茶色は、リビングなどの家族が集まる場に使うのにぴったりの色です。
シンプルかつ落ち着けるような部屋にしたい方は、この2色を組み合わせると良いでしょう。
ただ、ベージュや茶色で部屋を統一しすぎてしまうと、面白みに欠けてしまったり、無難すぎて飽きがきてしまう場合も。その場合には、アクセントとして小物で他の色を取り入れてみましょう。地味になりすぎることもなく、センスの良い部屋ができあがりますよ♩
白&黒&グレー
どんな色と組み合わせても調和する便利な色、白&黒&グレー。
モダンな部屋、シンプルな部屋、生活感のない部屋を作りたい方は、この3色を積極的に使っていきましょう。
しかしこの3色は、あくまでも他の色を引き立てることでバランスがとれる、やや「取り扱いに難しい色」でもあります。特に黒や濃いグレーは、部屋の印象を決めるカーテンとして使うには強すぎる色なので、注意が必要。
この3色に頼りすぎてしまうと、殺風景で無機質な印象になり、心地よい部屋ではなくなってしまう可能性もありますので、必ず全体のバランスを見ながら部屋作りをしていきましょう。
まとめ
今回は、「カーテンの色の選び方」についてご紹介してきました。
どの部屋にどんな色のカーテンを使うべきか、なんとなくのイメージは掴めたでしょうか。
今回ご紹介したカーテンの選び方をしっかり守れば、もともとのセンスの有無に関わらず、バランスのとれた部屋ができあがるはずです。
- 部屋の配色のベストバランスを守る
- それぞれの部屋の役割に合った色を使う
- 色が人に与える心理効果を考える
この3点を意識しながらカーテンの色を選んで、居心地の良い素敵なお部屋を作っていってくださいね。