新築やリフォームの際、導入を検討されることが多い床暖房。
室内全体をまんべんなく暖めてくれる上に、エアコンやヒーターに比べ部屋の空気を汚しにくい、寒い季節の味方です。
そんな便利な床暖房ですが、「電気代がどれくらいかかるのか」というのは気になるポイントではないでしょうか。
今回は、床暖房を使用する際の電気代について詳しくお伝えしていきたいと思います。
床暖房をつけっぱなしにした場合の電気代や、ホットカーペットやエアコンといった他の暖房機器との比較についてもご紹介していきますので、床暖房の導入前にぜひチェックしてみてくださいね。
床暖房をつけっぱなしにした場合の電気代
床暖房をつけっぱなしにした場合の電気代は、床暖房の熱源の種類によって異なります。
温水式ガス、電気ヒーター式、ヒートポンプ式と、3種類それぞれの電気代をチェックしていきましょう。
(8畳の部屋で使用した場合)
温水式ガスの電気代
- 1時間あたり:約18円
- 8時間:144円
部屋が暖まるまでの時間が比較的短い温水ガス式の床暖房。
電気代が高額になりやすいのは立ち上がり〜部屋が暖まりきるまでの時間なので、この即暖性は節約につながります。
ただ、取り付ける熱源機の種類によって電気代が上下するので、導入の際はしっかりと確認しましょう。
電気ヒーター式の電気代
- 1時間あたり:約25円
- 8時間:200円
初期費用は安いものの、ランニングコストは高くなりやすい電気ヒーター式。
部屋の面積に応じて使用する電気量も増えるため、広い部屋にはあまりおすすめできません。
ランニングコストを安く抑えたいという方は、他のタイプの床暖房を検討した方が良いかもしれません。
ヒートポンプ式の電気代
- 1時間あたり:約11円
- 8時間:88円
初期費用は高額になりやすいものの、ランニングコストの面ではかなりお得なヒートポンプ式。
ヒートポンプ式の床暖房は、オール電化にも対応しています。
時間帯によって電気代が変わるお得な制度もあるので、ランニングコストを節約したいという方におすすめです。
床暖房はつけっぱなしにする方がお得
「床暖房はこまめに消したりつけたりするよりも、つけっ放しにしておいた方がお得なのでは?」と考えている方も多いかと思います。
たしかに、床暖房を使用する際に電気代が高くなりやすいのは「スイッチをオンにしてから部屋が暖まるまで」の立ち上げの時間です。
節約のつもりでオンオフを頻繁に繰り返したことで、高額な請求になってしまうこともあるのでお気をつけください。
節約のためのポイントは、スイッチを一度入れたら「暖房を使い終わるまでは」そのままつけっぱなしにしておくということです。
床暖房のスイッチを入れるのは、できれば一日に一度だけにしましょう。
室温に応じて自動で温度を調節してくれる機能のついた床暖房を使うのも、電気代を節約するコツですよ。
ホットカーペットと床暖房の電気代を比較
足元から体を暖めてくれるホットカーペット。
床暖房と比べると部屋全体を暖める力は弱いものの、足元が暖かいだけでも寒さがぐっと和らぎますよね。
工事の必要がないという手軽さもあり、床暖房をホットカーペットで代用できないかと考えている方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ホットカーペットと床暖房の電気代を比較してみましょう。
ホットカーペットの電気代(2畳用カーペット使用)
- 1時間あたりの電気代:約14円
電気ヒーター式床暖房の電気代(8畳の部屋で使用)
- 1時間あたりの電気代:約25円
単純に1時間あたりの電気代で見るとホットカーペットの方が安いのですが、ここで注目すべきは畳数です。
2畳用のホットカーペットで8畳ほどある部屋を暖めるのは難しいため、冷え込みが厳しい真冬には他の暖房器具も必要になってくるでしょう。
ホットカーペットをエアコンやヒーターなどと併用するとその分電気代も高くなるため、トータルで考えるとそれほど安くはあがらない…というケースが多いようです。
「他の暖房器具との併用は最小限にすること」「暖かく快適に過ごすこと」が目的の方は、ホットカーペットよりも床暖房を選んだ方が良いかもしれません。
床暖房VSエアコンの電気代
室内の温度調節の役割を担ってくれるエアコン。
床暖房ほど大掛かりな工事が必要なく、設置費用も床暖房ほど高くないため、導入しやすい暖房機器といえます。
そんなエアコンだけで室内が十分に暖まり、かつ電気代もそれほど変わらないのなら、わざわざ床暖房を導入する必要はないと考えている方もいるのではないでしょうか。
さっそく、床暖房とエアコンの電気代を比較してみましょう。(すべて8畳の部屋の場合)
- エアコン:1時間あたり約16円
- 電気ヒーター式床暖房:1時間あたり約25円
- 温水式ガス床暖房:1時間あたり約18円
以上から、床暖房よりもエアコンの電気代の方が僅かではありますが安くあがることがわかります。
電気代だけでなく、初期費用の面でもエアコンに軍配が上がります。
エアコンの設置にかかる初期費用は約60,000円ほど。床暖房の場合は、安くとも20万近くかかります。
とはいえ、必ずしもエアコンの方がお得とは限りません。
耐用年数で考えると、床暖房の方が効率的とも考えられます。
エアコンの耐用年数は、約8〜10年ほど。
一方で床暖房の場合は、温水式の温水パイプの耐用年数が30年ほど。
熱源機の寿命は10年ほどですが、それ以上使用できることも珍しくはないようです。
長い目で考えると、10年ごとに買い替えが必要なエアコンよりも、耐用年数が長い床暖房の方がコスパに優れているといえます。
まとめ
床暖房の電気代について、ホットカーペットやエアコンといった他の暖房機器と比較しながらご紹介してきました。
1時間あたりの電気代で考えると、最も安くあがるのはヒートポンプ式の床暖房です。
オール電化を利用することで、さらに電気代が安くなる可能性もあります。
初期費用の面で考えると高額に感じられるヒートポンプ式床暖房ですが、長い目で見ると一番コスパの良い暖房機器ともいえます。
長く使い続けていくことを考えると、月々の電気代がどれくらいかかるのかというのは見逃せないポイントですよね。
初期費用をなるべくおさえたいという気持ちもわかりますが、初期費用にお金をかけてランニングコストを減らした方がお得になる場合もありますよ!