電気やガスの力で足元から室内を暖める床暖房。
冬場を快適に過ごすために必須ともいえる床暖房は、新築時に人気のオプションです。
新築時に床暖房を付けなかった方や、床暖房のない建売物件を購入したという方でも、寒い季節が近づいてくるにつれ「やっぱり床暖房を付けておけばよかった…」と考える瞬間があるのではないでしょうか。
今回は、床暖房の後付けリフォームを考えているみなさんのために、床暖房の設置費用や工事期間についてお伝えしていきたいと思います。
合わせておすすめの床暖房や後付けリフォーム時の注意点もご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
床暖房後付けリフォームに必要となる費用
まず、床暖房の後付けにかかる費用についてお伝えしていきます。
床板の貼り方や熱源によって費用が異なるので、ご自宅ではどういったタイプの床暖房を導入したいのか考えながらチェックしてみてくださいね。
直貼り(上貼り)
床暖房を直貼りする場合の設置費用は、1畳につき約5~8万円ほどです。
床暖房は、部屋の床の6割程度の面積に設置するのが一般的です。
10畳の部屋で考えてみると、部屋の6割=6畳なので、約30〜48万円になります。
直貼りの場合、施工費は比較的安く抑えることができますが、暖房機の上にフローリングを重ねることになるため、床の高さが設置前よりもやや高くなってしまうというデメリットがあります。
床に段差ができることでつまずきの原因になるため、小さなお子さんやお年寄りのいるお宅にはあまりおすすめできません。
段差をなくすために別途工事の追加が必要になることもあるので、必ずしも安くあがるとは限らないようです。
全面貼り
床暖房を床下に取り付ける場合は、既存の床を全面的に張り替える必要があります。そのため、直貼りに比べると費用が高くなります。
全面貼りの費用は、1畳あたり約8~11万円ほど。10畳の部屋で考えてみると、部屋の6割=6畳で約48〜66万円とやはりお高め。
しかし、全面貼りの場合は先にご紹介した直貼りのような段差が発生することはありません。
ご自宅をバリアフリーにしたいという方には、こちらの全面貼りがおすすめです。
一度床材を剥がすことで床下に断熱材を入れることもできるので、暖かさもアップします。
また、床暖房の設置に伴い和室を洋室にリフォームする場合や、既存の床材を貼り替えたいという場合にも、全面貼りが効率的でしょう。
ちなみに、床の解体の工事費用は別途かかることが多いため、見積もりの段階で施工会社に最終的な総額をしっかりと聞いておくことをおすすめします。
各熱源による費用の違い
温水式暖房機の場合、給湯器や専用の熱源機の購入費・設置費などが床暖房設置費とは別に必要になります。
設置費用は、「電気・ガス・電気&ガス」それぞれの熱源機によって異なります。導入の際には、こういった初期費用にもしっかり注目しましょう。
- 電気(ヒートポンプ式、エコキュートなど)
約30~100万円 - ガス(エコウィルなど)
約10~50万円 - 電気&ガス(エコジョーズなど)
約10~50万円
床暖房後付けリフォームの工事期間
次に、床暖房の後付けリフォームにかかる工事の期間についてご紹介していきます。
直貼りはその名の通り上から貼り付けるだけなので、約1〜2日という非常に短い期間で終わります。
一方、全面張りの場合は床を剥がし暖房器具を設置するという手順を踏むため、工事期間は直貼りよりも長めの約2〜4日間かかります。
工事から工事終了までの流れ
工事の期間と合わせて知っておきたいのが、実際の工事の流れではないでしょうか。
工事から工事終了までの流れも、床暖房の導入前にざっくりと把握しておきましょう。
直貼りの場合(ガス床暖房の場合)
- 床暖房の熱から既存の床を守るため、下地補強用のビス打ちをする。
- ガス熱源機から断熱ペアチューブを配管し、既存の床の上から床暖房パネルを設置する。
- 床の段差を埋めるため、温水パネルの周辺に厚みのあるパネルを敷き詰める。
- 床暖房パネルの上に床材を貼り付ける。
- リモコンの取り付け&水漏れがないかチェックする。
- 試運転をして問題がなければ完成!
全面張りの場合(温水式)
- 既存の床を解体、撤去する。
- 温水パネルを敷き詰めるため、床下の下地を整え補強する。
- 温水パネルを敷設し温水配管を接続、床にしっかりと固定する。
- 新しいフローリング材を貼り付ける。
- 専用の熱源機を取付ける。
- 試運転をして問題がなければ完成!
床暖房のメーカー厳選!おすすめ商品ベスト5
そんなみなさんのために、ここではおすすめの床暖房商品をご紹介していきたいと思います。
それぞれの特徴をお伝えしていきますので、床暖房の導入を検討の際はぜひ参考にしてみてくださいね。
リクシル「床暖房システム HOTひといき」
部屋の温度をムラなく均一に暖めてくれる、リクシルのHOTひといき。
発熱量を自動でコントロールしてくれるため、電力を無駄に使わず節約にもぴったりです。
仕上げの床材も数種類から選ぶことができるので、見た目にもこだわりたいという方におすすめ!
パナソニック「電気床暖房 Youほっと」
電気床暖房 Youほっと 100Vタイプ/200Vタイプ | 電気式床暖房 | 床暖房システム | 室内ドア・フローリング・収納 | Panasonic
電熱パネルで床を均一に暖める、大手家電メーカー・パナソニックのYouほっと。
仕上げ材と一体型のため工事が簡単で、床暖房リフォームにはうってつけです。
床材は4商品29色柄から選べるという充実度の高さ。
木目の美しい床材や、ナチュラルテイストの床材など、お好みにあったものを選ぶことができます。
パナソニック「温水床暖房 フリーほっと温すいW」
温水床暖房 フリーほっと温すいW | 温水式床暖房 | 床暖房システム | 室内ドア・フローリング・収納 | Panasonic
床暖房パネルと床材が分離しているタイプのフリーほっと温すいW。
2階や床下スペースの少ない1階などにも設置が可能な、使い勝手の良い床暖房です。
パネルの大きさや形は約90種類から選ぶことができるため、お部屋の形に合わせた床暖房の導入が可能ですよ♪
ダイキン「ホッとエコフロア」
ヒートポンプ式温水床暖房 ホッとエコフロア | 床暖房 | ダイキン工業株式会社
わずかな電気で温水を作るヒートポンプ式のホッとエコフロア。
簡単なリモコン操作で必要な部屋だけを暖めることができるのがポイントです。
屋外の気温に合わせ床暖房の温度を自動調節する機能もついており、なるべくランニングコストを抑えたいという方におすすめの床暖房です。
リンナイ「床ほっとE」
リンナイ独自の熱源機・断熱配管・温水マットの相乗効果によって省エネを実現した床ほっとE。
ガス温水式のため暖房の立ち上がりも素早く、室温が13℃から20℃になるまでにかかる時間は約45分とスピーディー!
ランニングコスト削減と機能性の高さをお求めの方におすすめの床暖房です。
床暖房後付けリフォーム時のポイント
最後に、床暖房の後付けリフォームをするにあたりおさえておくべきポイントについてお伝えしたいと思います。
床暖房の設置後に後悔してしまわないように、事前にしっかりとチェックしておきましょう!
床材は床暖房対応のものを
床暖房に対応していない通常のフローリングは、床暖房の熱によって割れたり隙間があいてしまったりするおそれがあります。
床暖房を設置する際は「床暖房対応」と表記されている床材を選ぶようにしましょう。
熱に強い&熱伝導率の良い専用の床材を使うことで、安全かつ快適に寒い季節を過ごすことができます。
床暖房の設置場所の吟味
床暖房は、部屋の全体に設置する必要はありません。
お伝えしてきたとおり、床暖房は部屋の床の約6割ほどの面積に設置するのが一般的です。
部屋のすみやソファー・ベッドの下などは、床暖房を設置してもあまり効果が期待できないですよね。
施工費や光熱費節約のために、床暖房リフォームの際には設置場所をよく吟味しましょう。
床暖房設置後の注意
通常の床から床暖房にリフォームをした後でやってしまいがちなのが、床暖房の上にそのままモノを置いてしまうことです。
特に木製品などは変形やひずみの原因になったり、床材が変色してしまうこともあるので気をつけましょう。
床に何かモノを置く際には、床暖房に対応したカーペットを利用し床との間にワンクッションはさむことをおすすめします。
複数の業者に見積もりをお願いする
リフォーム費用を安く抑えたいという方は、複数の業者に見積もりを依頼しましょう。
複数業者から見積もりをもらうことで、だいたいの相場が把握できるとともに、より安い費用で施工してくれる業者を選ぶことができます。
ただ、安いからといって良い業者とは限らないのでご注意ください!
詳細な施工内容や業者の対応などをしっかりと確認した上で、最終的にお願いする業者を選びましょう。
まとめ
床暖房を後付けリフォームする際にかかる費用や工事期間、おすすめの床暖房についてご紹介してきました。
床暖房を導入するためにかかる費用は、決して安いとは言えません。
せっかく高い費用を出して床暖房を導入したのに、思っていたような効果が得られないのではがっかりしてしまいますよね。
導入後に後悔するリスクを減らすためにも、床暖房を検討の際には、今回お伝えした床暖房後付けリフォーム時のポイントを思い出していただければと思います。