安心できる生活を実現するために欠かせないものの一つに、「防犯」が挙げられると思います。
外部から室内への侵入を防ぐには、開口部の防犯性能を上げることが大切です。
特に、窓ガラスを割って侵入されないように対策をしておかなければなりません。
今回は、窓からの侵入を防ぐために活躍する【防犯フィルム】について、詳しくみていきましょう。
泥棒が嫌がる【防犯フィルム】とは?
防犯フィルムとは、泥棒などの侵入者が窓ガラスを割って建物内部へ侵入するのにかかる時間を延ばすために窓に貼り付けるフィルムの事を指します。
泥棒などが侵入する経路のうち、6割から7割を窓が占めると言われています。
建物内部へ侵入するために窓を割ったりドアのカギを開けたりする時間が、5分以上になると諦めることが多いようです。
防犯フィルムを貼ることで、窓を割って中へ侵入する時間を延ばすことができます。
特に、道路から死角になる場所にある開口部には、防犯フィルムを貼ることをお勧めします。
防犯フィルムというと、窓が割れないようにするためのフィルムと勘違いされる方もいるかもしれませんが、これはあくまで窓が完全に割れてしまうまでにかかる時間を延ばすためのフィルムのことです。
防犯フィルムを貼ることで、窓が傷つかないわけではないのでここで確認をしておきましょう。
飛散防止フィルムとの違い
また、「防犯フィルム」と「飛散防止フィルム」を混同してしまう人も多いようですが、
「飛散防止フィルム」は窓が割れた時に飛び散るのを防ぐためのフィルムで、防犯性能を高めるものではありません。
さらに、地域によっては防火に対する規定が厳しく、窓などを防火設備にしなければならないところもありますが、その際に使用される窓ガラスは、網入りのものになっていることがほとんどです。
この網入りガラスも、飛散防止フィルムと同じく割れた時に飛散してしまうのを防ぐためのものですので、防犯性能とは関係が無いことを確認しておきましょう。
認定の証、 CPマーク
まず、防犯フィルムを選ぶ際に確認しておきたいのが、「CPマーク」についてです。
「防犯性の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」という団体で指定された条件をクリアした建物部品に付与されるのが、「CPマーク」です。
つまり、この「CPマーク」が付いていれば、防犯性能が高いと証明されていることになります。
防犯フィルムは大きく分けて、この「CPマーク」が付いているものと、ついていないものに分類されます。
「CPマーク」が付与されている防犯フィルムは、窓を割って侵入するまでの時間が5分以上かかると認定されたものになり、侵入しようとしても最終的に諦められる可能性がより高いものになります。
防犯フィルムの種類や特徴
防犯フィルムにも様々な種類があり、それぞれ特徴が異なります。
防犯フィルムをさらに細かく分類していくと、貼り付けるガラスの種類によってもその種類は異なります。
窓ガラスには、透明なものと、曇りガラスと呼ばれる視線を遮って光を取り入れるものがあります。
透明なガラスは表面が平滑ですが、曇りは貼り付ける面が凸凹している場合があります。
そのため、ガラスの種類に適した防犯フィルムを選ばなければなりません。
一般的に、凹凸のあるガラス用の防犯フィルムのほうが、透明ガラスのように平滑な面に貼り付けるものよりも価格は高くなります。
防犯フィルムには、防犯性能を上げるだけでなく、UVカット効果があるようなプラスアルファの機能を持ち合わせたものもあります。
製品によって、UVカット率も異なり、それに伴って価格も異なります。
また、防犯フィルムとして販売されているものの中には、ホワイトフィルムやブラックフィルムと呼ばれる、外から内部の様子を見えないようにするだけで、窓のこじ破りや焼き破りには効果のないものもあります。
商品名に、防犯フィルムとうたわれているだけで判断するのではなく、その商品の性能もきちんと確認しておきましょう。
外貼り内貼りの違いと防犯フィルムの耐用年数
多くの建材に耐用年数があるように、防犯フィルムにも耐用年数があります。
大手の防犯フィルムメーカーは、防犯フィルムの耐用年数は10年から15年という見解を示しています。
耐用年数はあくまで目安なので、この年数は短くなることもあれば長くなることもあります。
使用している防犯フィルムについて、10年から15年経った段階で劣化の度合いを専門家に診断してもらうのも良いでしょう。
また、防犯フィルムの耐用年数は、外貼りか内貼りかによっても変化します。
外貼りの場合、外気や雨、紫外線などの影響をより受けやすいため、劣化が進みやすいです。
そのため、外貼りの場合の耐用年数は5年から7年と言われています。
外貼りか内貼りかによって耐用年数が大きく異なるのでどちらのタイプを使用するかよく検討しましょう。
10年から15年が経過し、防犯フィルムの劣化が進むと、どのようなことが考えられるのでしょうか。
劣化が進むと、フィルムが簡単に破れてしまうような状態になってしまいます。
そうすると、防犯性能は著しく低下し、簡単に窓から侵入されるような状態になってしまいます。
さらに、先ほどご紹介したUVカット機能も付いている防犯フィルムであれば、そうした機能の低下も考えられます。
防犯フィルムの耐用年数は製品ごとに異なり、その年数によっても価格は異なります。
張り替えなど、長期的にかかるコストも考慮した上で製品を選ぶと良いでしょう。
主要メーカーとおすすめ製品
防犯フィルムの概要について、ご理解いただけましたでしょうか。
それでは、実際に防犯フィルムを取り扱うメーカーの中で、代表的な3社と、おすすめの製品をご紹介します。
1. スリーエムジャパン
参照元:3M|3Mジャパングループ
日本最大手のフィルムメーカーで、もともとは、アメリカに本社を持つ会社です。
フィルムよりも、ポストイットなどのイメージが強いかもしれません。
取扱製品は多岐にわたり、液晶画面などのフィルムや、建築資材のマスキングテープなどもあります。
スリーエムジャパンが取り扱う防犯フィルムは、トップクラスの性能を持っています。
特に「ULTRA S2200」は、スリーエムジャパンの製品の中でも最高峰のものになります。
薄い膜を多数積層することで厚みを増し、高い防犯性能を実現しています。
厚みがありながらも、高い透明性を確保しているので窓ガラスに貼り付けても見た目の影響はほとんどありません。
高い防犯性能だけでなく、飛散防止、防虫、UVカットなどの機能も兼ね備えています。
価格は、施工費込みで1平米当たり27,500円程度です。
参照元:3M|ULTRA S2200|フィルムで窓のお悩みを解決!
そしてもう一つ、「SH15CLAR-A」は上記の「ULTRA S2200」よりもお求めやすい価格でありながら、引っ張り強度が高く、しっかりとした防犯性能を兼ね備えた防犯フィルムです。
こちらの商品も、防犯性能に加えて飛散防止、防虫、UVカットなどのプラスアルファの機能を持っています。
価格は、施工費込みで1平米当たり24,000円程度です。
参照元:3M|SH15CLAR-A|フィルムで窓のお悩みを解決!
2. リンテック
参照元:リンテック株式会社
防犯フィルムなどの建物用フィルムだけでなく、自動車フィルムや広告素材、印刷関連の製品など、様々な製品を取り扱う会社です。
この会社が販売している「ルミクール1561UH」は、3層構造となっており、特に引っ張り強度の高い製品です。
高い透明度を保っているので、窓ガラスに貼り付けても気になりません。
飛散防止、防虫、UVカットなどの機能も兼ね備えています。
価格は、1平米当たり22,500円程度です。
参照元:防犯対策 | ウインドーフィルム
3. リケンテクノス
参照元:リケンテクノス株式会社
コンパウンド、フィルム、食品包材を取り扱う会社です。
この会社が取り扱う防犯フィルム「RIVEX SS1490C」は、厚みがトップクラスのものになります。
この製品も、防犯機能だけでなく飛散防止、傷つき防止、UVカットなどの機能を兼ね備えています。価格は、1平米当たり22,500円程度です。
参照元:リベックス® SS1490C
まとめ
いかがでしたか。
防犯フィルムは、防犯ガラスと比較すると安価で、後からでも貼り付けることが可能です。
家全体に施工しているとより安心ですが、死角にある開口部など、防犯上不安になるところだけでも施工しておくという方法もあります。
ぜひこの機会にご自宅の防犯性能について検討してみてはいかがでしょうか。